呉善花のレビュー一覧
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昔、職場の在日韓国人女性が、ちょっと話すようになっただけでガンガン距離を詰めてきて引いたのだが、韓国人にとっては普通の事なのだと本書で初めて知った。
隣の国なのに、本当に価値観が全然違う。儒教の教えは私には合わないな。
韓国内での世代間のギャップ、年配の人が北朝鮮に感じるノスタルジー、根強い「恨」の感情など、知らなかったことをたくさん知ることができた。
・権威はあるが権力はない「天皇」という存在、「形見」や「家元」、「老舗」の概念が理解できない。そして理解できないものは雑に扱い、尊重しない。
・全てにおいて日本を羨ましく思い嫉妬しているため、何かと理由をつけて日本を見下し「韓国のほうがい -
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■1890年(明治23年)総理大臣山県有朋は、第1回帝国議会施政方針演説の中で次のように述べた。「国家独立自衛の道に二途あり。第一に主権線を守護すること。第二には利益線を保護することである。其の主権線とは国の疆域を謂い、利益線とはその主権線の安危に、密着関係にある区域と申したのである。日本にとっての利益線とはもちろん朝鮮半島を意味している。清国は朝鮮への干渉強化と対日軍備拡充を同時並行的に推し進め、ロシアは1891年にシベリア鉄道建設に着手して、東アジアへの本格的な進出の地歩を固めようとしている。事態がこのまま推移すれば遠からず日本の勢力が朝鮮半島から駆逐される日がやってくることは明らかだった
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韓国人として済州島に生まれ、20代になって来日するまで韓国で生活していた著者による韓国と韓国人の話。韓国の国柄と韓国人の特質や考え方について、歴史的に分析・研究してきた結果を、新書版として一般大衆にわかりやすく説明している。宮脇淳子氏など他の専門家の本と内容的に大きく異なる点はないのであるが、実体験を含め調査研究が深く、かつ理解しやすい内容であった。説得力があり、とても役に立った。
「現在、韓国における宗教信者は最も多いのが抑圧されてきたはずの仏教で宗教を信じている人のうち42.9%、次いでプロテスタントが34.5%、カトリックが20.6%」p10
「北朝鮮の直接的な王朝国家モデルが、はっき -
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現・元韓国人だから書ける内容
日本が好きで帰化したもしくはこれから帰化しようとしている韓国人による対談。日韓の歴史や政治の問題でこれまで論争になっている論点では特に目新しさはない。ただ、現/元韓国人だからこその韓国人のものの見方や精神構造についての机上の空論ではない実体験と当事者としての感情を伴う分析が面白い。韓国人が異なる価値観やモノサシを持っており、日本人からみて論理的にも倫理的にもおかしいことが彼らにとっては悪意なく彼らの正義になっていることを考えると、日本のこれまでのことを荒立てないアプローチは日本にも韓国にとってもすれ違いを助長するためよくないとよくわかった。両国ともに一般人レベルではお互いの国に対していただく親
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■李朝が解ると韓国・北朝鮮が見えてくる
・韓国・北朝鮮の政治・文化・社会の直接的な基盤は,朝鮮半島に518年間続いた王朝国家,李朝(李氏朝鮮,1392年~1910年(大日本帝国に併合),1897年に「大韓帝国」と改)に求められる
・韓国・北朝鮮の理解に苦しむ言動の大部分は「李朝500年」の伝統に深く根差している
・韓国・北朝鮮を理解するには「李朝とはどんな国家だったのか」を知ることが必須の課題
・「李朝500年」の間,朱子学一尊(朱子学一つだけを尊ぶこと)を貫徹し,仏教はもちろん朱子学以降に生じた儒学である陽明学も異端思想として弾圧排除された
■韓国は他のアジア諸国と同じように,古代以降近世に -
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やっぱり韓国は近くて遠い国だ。彼らの思考回路は日本人とは違い過ぎる。完全な相互理解には1000年かかりそう。別に相互理解なんてしなくてもいいけど。
それにしてもこの著者は凄い。本書が刊行されたのはチェスンシルゲート事件が発覚する前なのだが、あたかもそれを予言するように詳細な内情が非常にわかりやすく整理されている。韓国の現代史をおさらいする上でも非常に有用な一冊。
韓国人にとって「ロウソク革命」とは究極の民主主義であり、誇りにすらしているようだが、法治国家の先進国から見れば国民情緒が法律に優先し、デモという超法規的な手段で政権交代が行われることは後進性の証に見える。彼らには元首を直選選挙で選ぶ共 -
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納得できました。
韓国、中国の日本に対する姿勢については、これまで抱いていた外交カードの一つとの認識から、より深く理解することができました。しかも、今までなぜそんなことが主張できるのかとの思いも、多々なるほどそれなら仕方ないとの思いへと変わり、とても勉強になる本でした。
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韓国の現代史を史実に基づいた、極めて冷静な視点で紐解く。韓国が、こうありたいと願う希望的観測で綴った歴史ではなく、ロビー活動のためのでっち上げでもない。この手の著書は、日本側の反省もこめた先の大戦の総括書としてしばしば見られるが、韓国併合までの歴史を、それ以前の韓国における内部事情から綴られているものは、中々珍しい。大院君と閔妃の政争、両班のために機能しない経済。清に冊封され、全く独立国として機能していない、悲劇の韓国。日本の植民地化は、正しかったか?成り行き上、最適な判断をすれば、あるいは歴史とは、パズルのようで、そこに当てはまるしかない状態のようにも見える。そして、歴史のこの1ピースを嵌め
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この題名は極端すぎて私はいい題名だと思いません。ただ、内容はエキセントリックなものでは決してなく、大変な充実度。韓国の対日観について、朴槿恵政権下の現状から始まり、韓国という国の成り立ちとその後の政権下の状況の推移、そして日本統治時代の評価、そして韓国社会の現状へと戻り、最後に「日韓関係復元への道はあるか」という章でまとめられています。とにかく、平易な記述なのに中味は濃い。最後の結論といい、考えさせられました。
逆に言えば、多くの日本人から見て、なぜ韓国は理解できないような行動をとるのか?についても最適の「入門書」だと思います。
※誤解のなきよう。私は誰よりも日韓関係の悪化に心を痛めており、大 -
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韓国について知りたくて読書。
著者の観察力と分析力は相変わらず鋭くて素晴らしい。表紙をめくると石原慎太郎氏が書評していてちょっと笑える。現在は日本へ帰化した著者が日本を選んでくれることを日本人として素直に嬉しく思う。それでも、ハングル読みの名前で通しているところに個人的に祖国愛を感じる。それは健全なナショナリズムだと思う。
本書は95年と比較的に古い。しかし、本書以降に日韓関係もそうであるが、日朝関係が大きく変化した。北朝鮮関連を調べていて著者のことを知り著書を読ませてもらっている。
本書からは朝鮮儒教を代表する文化である恨と、在日韓国、朝鮮人についての新しい氣づきを得ることができる。恨 -
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