岩城裕明のレビュー一覧

  • 神様、僕は気づいてしまった
    全1巻。喜怒哀楽モチーフの神様に突然取り憑かれ、特別な能力を与えられた人間達のドラマ。
    すっきり纏まっていて読みやすい。絵も話も良い。
  • 三丁目の地獄工場
    『牛家』と比べると、通っている筋がはっきりしているような気がする。

    けれど、一つ一つの細部に目を凝らすと混乱しそうになる。

    アルチンボルドの絵画のようだ。

    『キグルミ』を読んだ後、視点の書き分けのうまさと、演劇を小説の構造に落とし込んだ斬新な形に鳥肌が立った。
  • 牛家
    気持ち悪くていい!! すき。
    最初はホラー路線を辿るのに、後半になるにつれてSFになる。
    牛がそう絡んでくるのか……! と、にやにやしながら読んだ。

    「瓶人」は、よく考えると気持ち悪い話なのだが、語り手が子供であり、一人称視点で描かれており、狭い世界内(友達)を全世界として捉え、それと比較して自分...続きを読む
  • 牛家
    完全なる不条理系ホラー。タイトル作の『牛家』はひたすら不気味でエグい上に、どこにもオチが見当たらない。怪異について一つも解決どころか説明もなされぬまま。なのに何度も読み直したくなる中毒性がある。登場人物を含め、最初は何てことない光景が徐々に歪んでいく恐ろしさ。幻覚と現実の境界線が消えていく様は、突然...続きを読む
  • 事故物件7日間監視リポート

    面白かった〜!

    ホラー度はじっとりあるものの低め。
    想像力豊かであれば不気味に感じる部分は多め。
    何より読みやすい!買ってすぐ読み終わってしまった!!
    ただ最後のモヤモヤしちゃった。
    終わり方は綺麗だけど謎は増えたし、スッキリしない〜!!!!!!!
  • 呪いのカルテ たそがれ心霊クリニック
    初の岩城先生作品でした。
    Twitterで面白そうだなあと思い、読んでみました。日本で唯一の心霊内科医な主人公とその相棒が、患者を診たり見たりして診察していくもの。まず、主人公と相棒の関係性が絶妙すぎて、バディものが好きな方は唸る関係性なのでは、と思いました。

    話自体はとても読みやすく、そして毎話...続きを読む
  • 牛家
    『牛家』
    気持ち悪い。もう二度と読み返したくないです(褒め言葉)
    ゴミと死臭の中をジェットコースターでぐるんぐるん進まされるような悪夢体験。意図的に想像力をカットしながら読んでもまだ気持ち悪い。
    でも主人公がこの悪夢みたいな怪奇現象から抜け出したところにあるのは地獄のような私生活なんだよなぁ……って...続きを読む
  • 神様、僕は気づいてしまった
    6話完結の中の伏線回収が素晴らしかった。
    しかし、もう少し話数が伸びれば、更に物語の複雑性が増すと感じた。
    加えて、色々な「ギフト」をもう少し見てみたいと思った。
    物語自体はどれも面白かった。
  • ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話
    「てのひら怪談」よりもさらにミニマムな「ゆびさき怪談」。140文字以内という制約があるけれど、それでも、というかだからこそ描き出されるさまざまな恐怖が魅力的です。描かれない部分も多いけれど、その分想像力が恐怖を増幅させることも。
    怖いと思ったのは織守きょうや「首がない」「橋姫」、澤村伊智「地獄」「フ...続きを読む
  • 呪いに首はありますか
    とある「呪い」に取り憑かれ、長子が三十歳で死んでしまうという久那納家。呪いを解くために悪霊を幽霊に変え吸収するという目的を持ち、数々の心霊トラブルを解決してゆくホラーミステリ。怖いようでユーモラス、そしてほんのりと切なさを感じます。
    さまざまな「悪霊」が引き起こすトラブルとその解決法はしっかりミステ...続きを読む
  • 事故物件7日間監視リポート
    想像していたホラー小説とは違った。けどすごく読みやすくておもしろい。いい意味で裏切られた。
    一言で言うと生々しい……。ただの幽霊的怖さはあまりない、。霊的な力が関係しているんだろうけど、動いているのは人間で。最後までよく分からない怖さ、すごくじわじわきました。短いのですぐ読めます。オススメです。
  • 事故物件7日間監視リポート
    ホラーと性は合いますね。妊婦が割腹自殺を図った部屋に7日間滞在し、その間起こった出来事を綴っている。自殺した妊婦の子は、9階の人たちの子供は、穂柄さんの奥さんの子はいったい誰の子?押し入れの写真が少しずつ開いていくのが更に不気味
  • 事故物件7日間監視リポート
    思ってたより怖くなかったし、なるほどそうきたかって感じの終わりかたでエンタメ小説面白い!って思いました。怖い話の中毒なのでこういうのは大好物です。やっぱり場所に残る穢れはあると思いました!
  • 牛家
    本書に収録された「瓶人」の方が、個人的には好きだった。最後の文にも痺れた。グッドエンドにしろ、バッドエンドにしろ、やっぱりホラーは毒のある終わり方でなくちゃいけないよなと改めて思った。
  • その花束は少年で出来ている
    耽美を期待して読んだら、そういう要素もなくはないけれど、どちらかというと「青春」とか「冒険」といった要素の強い、爽やかな印象を受けた。そしてものすごく「講談社BOXだなー」という感じ。
  • ようこそ、ロバの目の世界へ。
    僕がよくボーッとするのは、断じてエロい妄想をしているからではない。この目に映る“奴ら”へのリアクションを、必死でこらえているだけなのだ―。

    伝説のきりかぶで紹介されてて、たまたま古本屋で見かけたので購入。
    語り口調が良い感じに楽しい。帰り道とか、意味は無くてもしたくなるよねv
    そしても容赦ないよね...続きを読む
  • ようこそ、ロバの目の世界へ。
    表紙買いした本。
    すごく読みやすくて3時間弱ぐらいで読み切ってしまった。
    ちょっと複雑な境遇の小学生の話で、一見ほのぼのしているのに終わりに近づくにつれて、だんだん怖くなってくる。
    「ちーちゃん」が登場したシーンでは、本当にこいつ死ねばいいのにって思ったんだけど・・・。
    先生の部屋には絶対に行きたく...続きを読む
  • 事故物件7日間監視リポート
    タイトルとカバー絵に惹かれてお迎えしました。じわじわした怖さはあったものの、なんだか消化不良のまま終わった感が強め。ページ数が少なめだったからかな。
    このお話が序章で、あとに何話か続く感じがしたので、星の数を3にしました。

    ほんとの事故物件は調査依頼のあったお部屋ではなく、一つ上の階だったのかもね...続きを読む
  • 呪いのカルテ たそがれ心霊クリニック
    ある病院には心霊現象を担当する心霊科がある。
    そこに持ち込まれる様々な依頼。どれも不気味だが一筋縄ではいかず、一癖二癖ある。
    本書はホラー要素だけでなく特殊設定ミステリとしても読める。
    怖い話とは本質的に悲しい話である。頁数の少なさからか物足りなさを覚える部分もあるものの短編としての完成度はなかなか...続きを読む
  • 三丁目の地獄工場
    いい意味の意味不明な話が多い。
    気持ちの悪さや後味の悪さが楽しめる短編集。
    なにかに基づくホラーではないので、各話に深堀はされない。
    書かれた作品に対しての不安感が強いので一味違った怖さを感じることが出来る。