愛川晶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「網にかかった悪夢」の一部(でもけっこう核心)ネタバレがあるので、これは順番どおりに読むことをお薦め。
吸血鬼ネタってことで、個人的にはオカルティックな雰囲気が最高に好み。「吸血鬼」に関するオカルト知識は根津愛並みにある私でしたが(!)、事件のトリックは見抜けなかったので名探偵にはなれないなあ。
墓場の死体消失シーンが圧巻。トリックの根幹もさながら、ホラー的雰囲気がもう最高に盛り上がっちゃって、そりゃあキリンさんも気絶するわ(笑)。しかしそこにもすべて爽快なまでの論理的解決が待ってるわけだ。中でも「ナハーツェラーの咀嚼音」にはやられたね。雰囲気盛り上げるだけの一要素じゃなかったんだ~とひたすらに感心。
そして「影の探偵」活躍っぷりにもいやあやられた。なるほど、あそこにあんな仕掛けまであったとはっ。でも根津愛もやっぱり真相見抜いてるよねえ。 -
Posted by ブクログ
『カレーライスは知っていた』
根津刑事の事件。殺害された女性。被害者宅にあったカレーを一口食べた根津刑事は事件の真相を見破る。生煮えのニンジンの謎。
『だって冷え性なんだモン!』
靴下、手袋などがすべて互い違いな被害者の謎。停電中に行われた犯罪。
『スケートおじさん』
通学路に現れたスケートおじさん。寒い中でもコートを着ないで憤怒の表情でスケートをする男の謎。根津愛の推理、後半に根津刑事の推理。
『コロッケの秘密』
友人の宝石を盗み、発覚を恐れ友人を殺害した女。コロッケの中身の秘密。
『死への密室』
壁をすり抜ける男。市街化調整区域に隠された謎。トレーラーハウスと「シェー」の秘密。
『納豆殺人事件』
生粋の大阪人であるたこ焼き屋の主人の殺害。主人の腹の中から大量の納豆が・・。
2007年3月27日再読
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Posted by ブクログ
心に隙ができてしまった人間を描く… ブラックユーモアあふれる落語ミステリー #モウ半分クダサイ
■きっと読みたくなるレビュー
落語の噺を背景に人間の欲や惨めさを描いた連作短編集。
ただ本作に導入されるネタは滑稽噺ではなく、こわーい怪談なんです。本演目になぞられる様に、物語の登場人物たちが不思議な世界に吸い込まれていっちゃう。
まるで「世にも奇妙な物語」や「笑ゥせぇるすまん」のようで、色情や苦しみからの足掻きの隙をつかれた人間を描いています。ブラックな気持ち悪い笑いに目がない人は、ぜひ読んでみて下さい。またどの短編も落語と同じようにサゲが効いているから、最後はニヤリとしちゃうこと請け合いですよ。
さて本作の一番の魅力はキャラクターの人間臭さですね、誰でも刺激のない日常の中、欲が芽生えてしまう瞬間ってありますよね。わかるわー。自分自身を振り返ってみても、人間の弱さが骨身に染みる作品でした。
●モウ半分、クダサイ
バーテンダーの朝原洋介は、呑み屋で知り合った男に怖い思いをしてみないかと誘われる。それは落語の高座による怪談。落語家が語る内容は、洋介の誰も知らない過去の犯罪を匂わせるもので…
まず演目「もう半分」が怖いっ! そしてストーリーも怖いっ!特に終盤、追い詰められていく様子にガクブルです。身から出た錆っていう言葉が見事にハマります。
●後生ハ安楽
学校事務員である福田信也は、仕事が思い通りいかず、夫婦仲が悪かった。ある日、呑み屋で知り合った男から落語の高座を勧められる。そこであった女性の落語家、きょう龍に出会ってしまい…
めんどくさいことを後回しにすると、ドツボに陥るという良い例。でも、きょう龍の艶めかしさなら仕方ないよな…と思ってしまう、私も危ういですね。
●キミガ悪イ
落語家の亀松はかつて事故にあってしまい事故直後の記憶がない。それでも花山亭喜龍師匠に拾われ、二ツ目として修業を続けていた。彼は長年連れ添った恋人がいるのだが、女性の弟弟子、きょう龍の魅力に惹かれており…
亡くした記憶に囚われ続け、不安に苛まれる亀松の苦しみがツライよ。少しずつ記憶を戻していき、行きついたところがあまりに衝撃でした。人間の醜さを、罪深さ、その結果の恐ろしさを肌で感じました。
■ぜっさん推しポイント
本作では「もう半分」「鮫講釈」など演目も随時紹介されされていきます。そのほか落語についての情報もたくさん書かれているので、日本芸能の勉強になりますね。東京に住んでた頃は、浅草で何度か落語を拝見したものです。久しぶりに観に行きたくなりました。