愛川晶のレビュー一覧
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大好きな、落語ミステリ。
紅梅亭シリーズや高座のホームズシリーズと地続きなのも楽しい。
というか、そちらに出てきている刑事平林定吉を主人公に据えているものの、解決は八代目正蔵師匠なので、同じシリーズのような空気感があって安心して読むことができる。
その上、刑事の視点からの事件だし、新人刑事も落語が大好きということで、さらに楽しくなっている。
1編目、放免祝いでの「武勇伝」の顛末には笑ってしまった。ちょっと自業自得の面があるだけにw
続く2遍もお見事。ちょっと、あれ?と思ったようなところが伏線になっていたりして、あれか!となるのがいい。膝をぽんと打つみたいな。
あとがきによると、新シリーズとのことで、続編も大いに期待。 -
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ネタバレ世にも奇妙な物語3編、と見せかけておいて昔の事件を怨みに思う花山亭喜龍と弟子のきょう龍(宮田西子)による吉野剛とその仲間への復讐譚
クズ男宮田大輔がヤクザの恨みを買い吉野剛(タケシ又はヨシ)殺害、部下の朝原洋介と亀松(忠雄)が手伝うが家にいた娘を救おうと亀松は逃亡したものの事故で記憶喪失、その後剛と結婚した妻の甥だと分かるが記憶喪失のままのため保留、喜龍は剛と女を争い失明させられる
①朝原洋介、闇の落語会で妻の親殺しがバレ妻に復讐される
②田丸慎一、宮田西子の姉と関係し殺害、あれ?独立?
③吉野剛・橋川忠雄(亀松)、京子が記憶を戻し復讐! -
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観客が1人だけの落語会。語られるのは、いずれも怖い話。飲み屋で隣り合った男に言葉巧みにチケットを売りつけられた客は、落語の内容が自身の後ろ暗い過去と妙に一致することに戸惑いを覚え、それはやがて恐怖へと変わっていき‥。
本のタイトルからして怖いけど、3話ある話のタイトルはすべて落語で、かつ怪談。ずっと不穏な空気が漂っていて、ザワザワもやもやドキドキしながら読み進める。
1話完結の短編集かと思ったら実は全部繋がっていた。この人、ここに出てくるのか!とちょいちょい、ちょっと驚く。周到に練られた計画を経て、ある人物による驚きの復讐劇へと収束していく終盤は、展開に一喜一憂しながら読んだ。1人だけ
、あの人はちょっとかわいそうなんじゃないかと思うけど、登場人物だいたい一癖も二癖もあるヤカラなので、感情移入はし辛いかな。
でも面白かった。落語を聞きに行きたくなる! -
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二つ目の噺家、寿笑亭福の助を謎解き役とする落語ミステリシリーズ。
こちらが第一作とのこと。
福の助の元の師匠、山桜亭馬春が謎というか、無理難題というか、を解く糸口を与え、「芸の虫」の福の助が解く、という構図。
第二作の「芝浜謎噺」を先に読んでいたためか、作品の中にすっと入っていくことができた。
花山亭小喜楽という噺家が出てくる。
本作オリジナルの人物だ。
手がける噺の数も多く、玄人好みの渋い芸風ながら、人気があまりない、という人。
この人が物語冒頭には脳血栓で高座の上で倒れ、再起の見込みも立たなくなる。
そんな中で、この人物と殺人事件との関わりが浮上していくことになる。
地味で陰惨なイメージのまま、物語からフェイドアウトしていくのかな…と思っていた。
それが最終話までいくと、いい意味で裏切られる。
客席でカレーを食べ始めた客のために、すでに話し始めていたネタを変えてしまうという神業をしてのける。
おかげで読後感がかなりよくなった。
さて、こういうシリーズもの。
手慣れた作者さんは、途中の巻から読み始める読者にも優しい。
うまくこれまでの状況を説明しながら展開してくれる。
第二作の「芝浜謎話」もそうなっていて、それほど困難は感じなかったのだが、やはりこのシリーズに関しては第一作から読んだ方がいいな、と感じる。
あとがきを読んでおくと、もっと楽しめるかな、と思ったからだ。
例えば、登場人物のモデル(山桜亭馬春は春風亭柳朝をモデルにしている)が示されていたりする。
それ以外にも、このシリーズが愛川さんのスランプを打開した作品であったり、この本が北森鴻さんとの「合作」になりそこねたエピソードを知っていると、さらに味わい深くなるような気がする。