愛川晶のレビュー一覧
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大好きな、落語ミステリ。
紅梅亭シリーズや高座のホームズシリーズと地続きなのも楽しい。
というか、そちらに出てきている刑事平林定吉を主人公に据えているものの、解決は八代目正蔵師匠なので、同じシリーズのような空気感があって安心して読むことができる。
その上、刑事の視点からの事件だし、新人刑事も落語が大好きということで、さらに楽しくなっている。
1編目、放免祝いでの「武勇伝」の顛末には笑ってしまった。ちょっと自業自得の面があるだけにw
続く2遍もお見事。ちょっと、あれ?と思ったようなところが伏線になっていたりして、あれか!となるのがいい。膝をぽんと打つみたいな。
あとがきによると、新シリーズとのこ -
Posted by ブクログ
観客が1人だけの落語会。語られるのは、いずれも怖い話。飲み屋で隣り合った男に言葉巧みにチケットを売りつけられた客は、落語の内容が自身の後ろ暗い過去と妙に一致することに戸惑いを覚え、それはやがて恐怖へと変わっていき‥。
本のタイトルからして怖いけど、3話ある話のタイトルはすべて落語で、かつ怪談。ずっと不穏な空気が漂っていて、ザワザワもやもやドキドキしながら読み進める。
1話完結の短編集かと思ったら実は全部繋がっていた。この人、ここに出てくるのか!とちょいちょい、ちょっと驚く。周到に練られた計画を経て、ある人物による驚きの復讐劇へと収束していく終盤は、展開に一喜一憂しながら読んだ。1人だけ
、あ -
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二つ目の噺家、寿笑亭福の助を謎解き役とする落語ミステリシリーズ。
こちらが第一作とのこと。
福の助の元の師匠、山桜亭馬春が謎というか、無理難題というか、を解く糸口を与え、「芸の虫」の福の助が解く、という構図。
第二作の「芝浜謎噺」を先に読んでいたためか、作品の中にすっと入っていくことができた。
花山亭小喜楽という噺家が出てくる。
本作オリジナルの人物だ。
手がける噺の数も多く、玄人好みの渋い芸風ながら、人気があまりない、という人。
この人が物語冒頭には脳血栓で高座の上で倒れ、再起の見込みも立たなくなる。
そんな中で、この人物と殺人事件との関わりが浮上していくことになる。
地味で陰惨なイメ -
Posted by ブクログ
2025/02/17
ストーリーの雰囲気は全体的にシリアスさは無く、とっつきやすく読みやすい。
落語が好きな刑事っていうのが物珍しさがあり、ホームズ役が噺家というのもキャラが立っていると感じた。
事件の解決談の説明もわかりやすく、後から読み返せば、謎解きのヒントがちゃんと見つけられるので、ミステリー初心者の私でも楽しめた。
ストーリーはモチーフになっている落語の噺があり、作中には落語の用語や幾つかの噺が登場し、ちゃんと軽い解説があるので、落語を読んでみようという気持ちに自然とさせられた。
全体的に読みやすい文章とストーリー。難解すぎないところが楽しみやすいと感じた。