あらすじ
胸には警察手帳、手には高座扇!? 噺家に憧れ弟子入り志願までした過去を持つ平林定吉も、いまや神楽坂署のベテラン刑事。落語界の隠れた名探偵・八代目林家正蔵、食欲と腕っ節なら自信ありの新人刑事・三崎優子とともに、街の事件を解決する。パワフルで懐かしい昭和五〇年代の東京を舞台に、落語愛あふれる警察小説が誕生。〈解説〉谷原秋桜子
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Posted by ブクログ
大好きな、落語ミステリ。
紅梅亭シリーズや高座のホームズシリーズと地続きなのも楽しい。
というか、そちらに出てきている刑事平林定吉を主人公に据えているものの、解決は八代目正蔵師匠なので、同じシリーズのような空気感があって安心して読むことができる。
その上、刑事の視点からの事件だし、新人刑事も落語が大好きということで、さらに楽しくなっている。
1編目、放免祝いでの「武勇伝」の顛末には笑ってしまった。ちょっと自業自得の面があるだけにw
続く2遍もお見事。ちょっと、あれ?と思ったようなところが伏線になっていたりして、あれか!となるのがいい。膝をぽんと打つみたいな。
あとがきによると、新シリーズとのことで、続編も大いに期待。
Posted by ブクログ
2025/02/17
ストーリーの雰囲気は全体的にシリアスさは無く、とっつきやすく読みやすい。
落語が好きな刑事っていうのが物珍しさがあり、ホームズ役が噺家というのもキャラが立っていると感じた。
事件の解決談の説明もわかりやすく、後から読み返せば、謎解きのヒントがちゃんと見つけられるので、ミステリー初心者の私でも楽しめた。
ストーリーはモチーフになっている落語の噺があり、作中には落語の用語や幾つかの噺が登場し、ちゃんと軽い解説があるので、落語を読んでみようという気持ちに自然とさせられた。
全体的に読みやすい文章とストーリー。難解すぎないところが楽しみやすいと感じた。
Posted by ブクログ
読むか、読むまいか、迷ったけど読んだ一冊。
落語は少しは好きだし、ちょっと昭和末期の雰囲気に浸りたい気分でもあった。
落語好きが高じて、弟子入りまでしようとした過去を持つ刑事平林定吉と、新人刑事三崎優子とのバディもの。
キャラの立った二人だが、謎を解くのは黒門町の師匠、八代目林家正蔵。
え? じゃあサダキチさんや優子さんの存在は…と思えてしまうところが、ちょっとどうかと思ったのだ。
たしかに、インベーダーゲームとか、シンナー少年とか、昭和末期の話題は出てくるんだけれど、何か取ってつけた感がぬぐえない。
なぜなんだろうねえ。