愛川晶のレビュー一覧

  • 落語刑事サダキチ 泥棒と所帯をもった女

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    落語大好き平林刑事と後輩の三崎刑事、2人に持ち込まれる事件を見事に解決しちゃう落語家の林家正蔵、のスタイルが健在で嬉しい。
    表題作でもある最終話は、ちょっと混乱してしまったけど。
    でも、事件の裏にある彼らの半生はあまりにも過酷。
    人情の温かさもあるのが救いのこのシリーズ、ぜひとも続いてほしい。

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    2023年07月15日
  • 芝浜謎噺 神田紅梅亭寄席物帳

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    立川談志の芝浜、数年前にTVで見た。
    解説で立川志らくが賛否両論だったが、最高だったと。
    録画消しちゃって失敗。この本を読んだあと、書いてあったことを頭に入れてもう一回見たい。

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    2023年05月18日
  • 高座の上の密室

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    劇場とか、寄席という場所が好きだ。
    現在のものとは違う、と分かっていても、歌舞伎座に行けば、升席でちろりで燗をつけながら、一日ゆるゆると芝居を楽しんだ、江戸の人々の雰囲気を想像する。
    寄席ならば…仕事が終わって、銭湯でひと風呂浴びた帰りにふらりと寄席に立ち寄った明治、大正の時代か。
    今は田舎に住み、そういうところへめったにいけないから、余計に妄想が強まっているような。

    さて、この作品は、寄席の舞台裏、それを支える人々がクローズアップされる。
    寄席の席亭の仕事などはその筆頭だ。
    出演予定の芸人が急病で代演を手配する。
    マスコミからの取材の窓口になる。
    芸人間のトラブルの仲裁をする。
    従業員たち

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    2022年07月03日
  • 芝浜の天女 高座のホームズ

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    面白く読みました。
    しかし、同じ作者の紅梅亭のシリーズと並べると、こちらの正蔵刺傷のシリーズ、ブラックな部分が多いなあ、と思います。それが読後のやりきれなさを生むのかと。
    やりきれなさ、は言い過ぎかもしれませんが、切なさの方がよいでしょうか。謎解きやら師匠の描写やらはスカッとしてるのですが、読後感に薄闇のようなものが残るのです。
    それでも今作は薄闇が最後に本当に薄くなった気はしました。
    スカッとした感じが少なくなるのは、紅梅亭が狂言回し・主要人物が終生噺家であるのに、こちらは噺家でなくなる(なくなるように読める)からかもしれません。そこに至る過程が少々心を曇らせるのかな。
    今回は通奏低音のよう

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    2020年11月24日
  • 道具屋殺人事件 神田紅梅亭寄席物帳

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    噺家が主人公で、彼の周囲で起きた事件と、彼自身の悩みとが並行して語られて、うまく解決していく。解決のヒントを与えるのは、今は隠居している、主人公の元師匠。病気のため、言葉が不自由になっているので、文字盤を使っての短いヒントのみから、主人公が解決策を見つけるのが面白いのだけど、どうしても、落語の落ちまで解説する必要があって、そこのところが納得がいかないので星4つにしておいたけど、話は面白いのでお勧め。

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    2020年09月16日
  • 高座のホームズみたび 昭和稲荷町らくご探偵

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    昭和稲荷町らくご探偵シーズ3作目。
    座布団探偵・林家正蔵(後、彦六)の登場する場面は多くははないけれど、鮮やかの一言。

    3作の中では一番すんなり読めた。
    弟弟子が高座で酔客に殴打され、眼球に大変な怪我を負う。彼の為に一肌脱ごうと相談の帰り、主人公、佃家梅蔵の目の前で兄弟子が暴漢に襲われる。
    ここまで何の謎も感じなかったのだが、主人公が正三の長屋を訪ねた途端に、事件の様相がガラっと変わってしまった。

    後半は話が悪い方へ悪い方へと進んで、終盤は早い展開で結末を迎える。苦い諦観を感じていたんだけど、ほっと息をつけた。

    シンドイ状況でも洒落のめす落語家たちの会話が、心地よかった。
    「まあ、ここで

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    2020年08月05日
  • 高座のホームズみたび 昭和稲荷町らくご探偵

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    作者の座布団探偵シリーズはみな面白いのです。今回も一気に読み切りました。長編ではあるのですが、読んでいる感覚は連作短編のよう。予想しない展開に読む手が速くなるのですが、読み終わってみると、「こういう結末を予想していた。いやいや、こういう結末を期待していたんだ」という、これもまた、収まるところに収めてくれるほっとする話でした。
    160ページに「あたしくが聞いた中では」とあるのが、誤植なのか、それとも高座の世界ではこういう言い方があるのか、勉強しておこうと思いました。
    解説の中では座布団探偵シリーズの関連も整理され、スターウォーズと同じように、今度、時系列に並べて読み直すのも一興、と思ったところで

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    2019年12月31日
  • 高座のホームズみたび 昭和稲荷町らくご探偵

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    なんだか切ない展開だった。
    落語家さんの世界でも、そりゃ、師匠と弟子、弟子と弟子で、合う合わないはあるよね。
    それで、簡単に、じゃ、あっちへ行きますができないのは、お互いに辛い。
    落語が天下一品でも、即ち人格者ではないし、先に昇進する者への複雑な思いもあるだろうし。
    それでも、正蔵ホームズの優しさ、最後に語られる関係者のその後に、大いに救われた。

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    2019年10月14日
  • 六月六日生まれの天使

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    うーん、読んでる間は過剰なセックス描写に少し辟易しながら、直前に読んだ本も記憶喪失ものだったなとうんざりしてたんだけど、ラスト周辺で明らかになるトリックがなかなか凝ってて感心させられた。パラパラと読み返してみて更になるほど。ただ、ストーリーとしては救いがないわな。トリックのための物語な感じが強くてそこが残念。

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    2015年11月16日
  • 高座の上の密室

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    ネタバレ

    出版社の編集員から寄席《神楽坂倶楽部》の席亭(社長)代理として『出向』という形で働いている希美子。

    前作では寄席の習慣、業界用語に付いていくのに精いっぱい…というより振り回されていただけの希美子でしたが、今回は少しずつ慣れてきて『席亭代理』、略して『席代』と呼ばれることにも戸惑わなくなってきてます。

    姉妹編(私が勝手にそう受け止めている)の神田紅梅亭シリーズは落語の話ばかりですが、こちらは落語だけではない、『色物』と呼ばれる手妻(手品)や太神楽(傘の上で様々なものを回す芸)という、落語以外の芸にもスポットを当てています。

    そして前作のあとがきで作家さんが予告された通り、今回は事件も起

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    2015年10月08日
  • ヘルたん ヘルパー探偵誕生

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    意外に面白かった連作集。こう云う背景のミステリーは初めてで新鮮でした。淳君の成長が微笑ましい。泪橋で明日のジョーとか懐かしい(最近、やまPがやってたが)。映像化に向いてる話と感じました。

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    2015年08月09日
  • 高座の上の密室

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    1冊目では主人公は振り回されてばかりでしたが、2冊目ではだいぶ地に足が着いた感じです。その分お話も落ち着いておもしろさも増して感じです。
    2編ともきれいにまとまっていますが、手妻の天翔斎は好きになれなかった。子供のことで必死になっているのはわかるけど、興行主である席亭(代理)からの電話にも出ない、メールにも返事しないというのは、あまりにも失礼だと思う。そこがすごい違和感でした。

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    2015年07月18日
  • 六月六日生まれの天使

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    愛川晶の『六月六日生まれの天使』を読んだ。
    時間的トリック作品は過去にも読んだことあるので、そんなに驚きはしかなったけど、記憶を無くした人が、どう思いどう感じて行くのかってところに面白味があった。
    時間と記憶をうまくミックスさせて謎を深めていく感じは良かったと思う。

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    2014年11月12日
  • 化身

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    ネタバレ

    読んだ瞬間に作品の世界に引き込まれました。
    戸籍についてわかりやすく書かれていたので良かったです。
    途中坂崎先輩を疑ってしまいました。笑
    2014.4.19

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    2014年04月19日
  • 夜宴~美少女代理探偵の事件簿~

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    ネタバレ

    刑事の桐野と、女子高生の愛のコンビがかわいかった。
    事件事態も、次々に関連がありそうな事件が起きて、
    同一犯の連続殺人か!?と思いました。
    ミスリードに上手く誘導されました。

    車の知識なんてこれっぽっちもないので、
    この事件のトリックだとか、
    一見幻覚だったんじゃないかというところも、
    しっかりと落ちがつけられていて
    読んだ後にすっきりしました。

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    2014年04月06日
  • 六月六日生まれの天使

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    ネタバレ

    6月6日の表題にひかれて購読。
    結構面白かった。

    叙述ミスリードで、女性が二人いるのは割とすぐにわかったが、
    過去だと思っていた回想が実は未来だとは思わなかった。

    クリスマスイブが2回あるのと、女性が二人とも同じ名前で、
    同じ過去を持ち、同じ男性を好きになっているから、ややこしい。

    「イニシエーションラブ」、「葉桜の季節に君を想うということ」と並び称されるのいがわかる気がする。

    ただ、一番主軸にもってきた女性の最後が悲しかったこと。
    読み返して気づいた、クリスマスケーキの予約の名前。
    あまりにも報われないので星4つにしました。

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    2013年12月27日
  • 六月六日生まれの天使

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    意外に評価が低いことにビックリ。個人的にはすごくおもしろかったです。
    こういうトリックって今でこそわりとありがちですけど、初めて読んだ時はびっくりした。
    そんでその謎を解くためのキーみたいなセンテンスは各所にきちんと散りばめられているんだけど、読んでて自分みたいな人間は「ん?」って一瞬なんか違和感覚えるんですけどその違和感がなんだったのか考えようとしてないから、後であー!って思う。それがすごい気持よかった。
    あれです、鍵とかを無くした時って、よーく記憶を辿ると道を歩いてて一瞬「ん?」」って思ってる場所があるんですよ。なんか遠くで金属音を聞いたような気がしたとか、ポケットに手を入れた瞬間にあるべ

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    2011年06月23日
  • 六月六日生まれの天使

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    ふと目覚めると、私は記憶を失っていた。
    同じベッドには、ゴムの仮面を破った全裸の男が眠っている…。
    ここはどこ?この男は誰?扉を開けると、意外にも外は雪。
    そして初老のサンタクロースが、私に手招きをしている!
    記憶喪失の女と謎の男の奇妙な同居生活、その果ての衝撃!
    傑作ミステリー長篇。


    物分かりの悪い自分では1回だけ読んだだけでは
    わからなかったです。
    2回読んでみて、改めて散りばめられていた小さな謎が
    わかった感じ。
    性描写が多いのでそれが苦手な人にはオススメ出来ないかな。
    10ページに1回くらい出てきます(笑

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    2011年03月26日
  • 六月六日生まれの天使

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    帯に読み終えたあと、必ずもう一回い読みたくなります。と書いてあったので購入。

    この本は、映画化できないたぐいの話で、本読みならではの楽しみがつまっている。

    ナナメ読みせず、真っ向から作者と対決するつもりで読んでいただきたい。

    もちろん再読します。

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    2010年11月20日
  • 六月六日生まれの天使

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    100%ではないけど、騙された部分もあった。
    けどわざわざ読み返すほどの衝撃ではないかなぁ。
    伏線がかなりわかりやすいものだったし。
    まぁもう一度読めば、ああこれはこうだったのか!って
    発見もあるかもしれないけど
    後味の悪さと無意味な性描写にウンザリするので
    たぶんもう読まないかな。

    一つ、冬樹の本当の姓名診断がどんなんだったのか、
    そこだけ気になる。

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    2010年08月09日