甲野善紀のレビュー一覧

  • 古武術に学ぶ身体操法

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    今日の古武術ブームの発端を築いた甲野善紀が、自身が古武術に興味を持ったきっかけや、近代武道と古武術との違い、桑田真澄選手や桐朋学園のコーチなどとの交流、人生観や文明観などを、平易な文章で書き起こしたエッセイ。

     甲野善紀の本は、武道研究などの専門書、多分野の知識人との対談本、生活などに応用可能な古武術技法を解説したノウハウ本が多いが、この本は専門外の人じゃなくても誰でもが読みやすく、甲野善紀の思想がよくわかる本なのでとてもとっつきやすく面白い。

     この世代の人が、古武術を発見するある種のジェネレーションの問題があることに気付かされることもある。1949年生まれとのことなので団塊の世代になる

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    2011年08月20日
  • 自分の頭と身体で考える

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    甲野氏、養老氏が武道、解剖学を中心として語られる日本人論。西洋的な考え方や新しい技術を取り入れ日本人は、頭を変えてきたつもりではあるが、厳然として身体は残っている。過去の日本人が頭と身体を一緒にして考えていたことも参考にしながら、自ら考えるようにスべきだという本。「古武術の発見」の続編。

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    2011年06月27日
  • 自分の頭と身体で考える

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    「自分の頭と身体で考える」4

    著者 養老孟司、甲野善紀
    出版 PHP文庫

    p212より引用
    “変わるっていう現象はそれが良いか悪いかというのは、
    その人個人の主観でしょう。”

    解剖学者と武術家である二人の対談集をまとめた一冊。
    1999年に同社から刊行された物の文庫版。
    独自の視点を持って世の中を観察し、
    分析・解説しながらの対談。
    時に辛辣に時に穏やかなふりをして、
    世の中の自称に対して意見しておられます。

    上記の引用は、
    何かを体験した事によって起こる変化に対する、
    甲野氏の考えの一文。
    今まで面白かった物が面白く無くなってしまうというのは、
    私にも思い当たる節があります。
    今面白

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    2010年12月17日
  • 薄氷の踏み方 時代に塗りこめられないために

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    格闘家の甲田氏と精神科医の名越氏の対談形式で日本に起きている社会的現象を「身体」との関係において語るものです。

     おカネとは、場の空気を読むとは、などいろいろなテーマが出てきますが対談なので内容はほかのテーマにどんどん飛んでいきます。お互いを知り尽くしているお二人ですのでお二人の間でしっかり理解されていて共有されているものを必死で行間から読み取る感じになります。

     しかし、いろいろ示唆に富む内容ですので読みあきたり流れを見失って読む根気がなくなったりすることはありません。読み進めながら自分自身のこれまでの人生の密度や深さを問われているような感覚に襲われます。

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    2009年10月04日
  • 古武術に学ぶ身体操法

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    【要旨】
     古武術と言っても、字際には創作武術。古伝を参考にして模索している。特定の古伝・流派を受け継いでいるわけではない。指導をするというよりも、共同研究をしている気持ち。
     一流のプロ選手でも、古武術的に見れば、重心の処理の仕方一つとっても、手続きが掛かり過ぎる。武術はとにかく動きを省略したい。
     西欧的な身体の動かし方はうねり・捻りの動きが特徴的である。うねりの欠点として、急ブレーキ・急発進とロスが多い。また、威力があるが、時空間に準備が必要ですぐに使えない。一方古武術では、例えばふっと膝を抜けばためになるし、自分の体重をそのまま使うことができる。「なんば歩き」は身体を捻らない動き

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    2009年10月04日
  • 「筋肉」よりも「骨」を使え!

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    筋肉よりも骨を使えとは?

    体の動きの最初は筋肉ではなく骨からだという事を書いてある本だと思った
    筋肉を強くして点で力を使うより、人間の骨組みと各部位の繋がりを意識して線や面で力を発揮する

    その為には筋肉を【硬めて】力の流れを遮るより、【緩めて】エネルギー効率を良くすべきでそれは理屈ではなく身体感覚を研ぎ澄ましてこそ使える技術であるということかなあ、と思った。

    著者の甲野善紀さんは数年前に古武術を介護に使うという切り口の雑誌(NHKだったかな?)で古武術の第一人者という認識しかなかったが、最近YouTubeでだれつよ道場やイス軸、システマ、躰道、武術系の動画を見るようになって【身体操作】に

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    2025年09月16日
  • 上達論 基本を基本から検討する

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    読み終わった。

    余計なことは考えず、流れに身を任せ、起きた事実に対して行動すると言う考え方はとても共感できたが、時折相反することを言い出すので、ここの出版社はもっと良い校閲者を雇えば良いのにと思った。


    例えば『たとえ』『たとえ負け』『脳の飛距離』の章で「行間を読む能力」について書かれているが、この内容だと言葉が持つイメージは皆共通であることが前提になる。それって作者が伝えたい、起こっていることをありのまま捉える「アナログ情報」とは真逆なんじゃないの?

    例えとして挙げられている「春の陽射しを母親の子守歌にたとえる」比喩は、母親が子守歌を歌う文化や経験がなければ、著者が意図している暖かいも

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    2025年09月18日
  • 古の武術から学ぶ 老境との向き合い方

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    ネタバレ

    64歳でババナ→フロリダ横断を達成したダイアナ・ナイアド著の「対岸へ」を読んだので味わい深かった。

    70歳になった甲野善紀さんが思うのは「最近の老人は」と思うらしい。彼が同年代以上で会いに行きたいのは野口裕之、養老先生、桜井章一、宮崎駿くらいらしい。

    自分達には出来ない大きな問題を真剣に考え、いかに下の世代に託すか、人間が地球で自然に「生きる」とは何なのかと真剣に考えれば生きがいのない情けない老人にはなり得ないと言う。

    彼が20代で悟った事「人間の運命は完璧に決まっていて同時に自由である」この言葉は4年間突然の癌罹患に苦しんだ筆者にとっては重い。

    甲野善紀先生は70歳で「影観法」という

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    2024年01月23日
  • 上達論 基本を基本から検討する

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    武術家・武術指導者の方条さんという方が、師匠格である甲野さんの振る舞いにヒントを得て、物事の習得、上達とは何かについて検討し、解説されている本。物事を細かくスキルとして分解し、どう扱うかをマニュアル化して、理解させることで上達するという一般的なやり方を批判し、理解や解釈は後、まずは根本原理=体の原理を組み替えることから始めるべきと説く。レースをしながらマシンの改造はできないので。低負荷で低速で単純に行うこと、また思考の柔軟性を持ち続けること=許すこと、など。一理あると思いつつ、精神論に走りすぎのきらいも感じてしまうということは、私が未熟ということか。

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    2024年01月21日
  • 「筋肉」よりも「骨」を使え!

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    体調が絶不調の時に読んだ
    骨ストレッチはめちゃ効く

    ・・・以下メモ・・・
    ★は自分が思ったこと

    物理学の「三体問題」についてですが、私たちの思考は3つのことを同時に扱えないんです
    →体の精妙な動きを言語で説明するのは根本的に無理

    結果を出していけば理論は後からついてくる
    →★これはその通り

    ■論文より先に結果が出る社会
    「もう50年もしたら論文っていう形態はないかもしれない」(ロボット工学の教授)
    →ロボットにしても、すごく精巧にできているものは、コンピュータシミュレーションを繰り返すなかでできてくる。なぜかわからないけれどこの形がいいっていう、ある種の自然淘汰みたいな形
    →★面白い

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    2023年11月19日
  • 「筋肉」よりも「骨」を使え!

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    このタイトルを読んで、意味を正しく受け入れられる人はほとんどいないのでは。読後でさえ、「マジ?」と思っている自分がいるのですから。
    著者の甲野先生は古武術の権威、松村先生は骨ストレッチの考案者という組み合わせ。実は松村先生の骨メソッドは、甲野先生の道場に通いつめて創案したので、いわゆる師弟関係となる。
    本書で、甲野先生が何度も繰り返しているのは、とにかく具体的な成果を示すこと。理屈では理解しがたい事象も我が身で体験すれば納得せざるを得ない。
    ってことで、本書は具体例が肝です。紹介されるのは、体幹強度アップの「虎拉ぎ」「施段の手」、5種類の「骨ストレッチエクササイズ」は是非試してみることをおすす

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    2023年08月10日
  • 「筋肉」よりも「骨」を使え!

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    西洋流の筋肉系のトレーニングやストレッチに傾倒する近年の風潮に警鐘を鳴らす二人の大家の対談。雑談風にあちこち話が飛んでまとまりを欠くために即効薬を求める向きには不評だろうが、示唆に富む指摘(メンタルトレーニングを疑うなど)が随所にある。
    閑話休題。松村氏の愛弟子扱いの桐生選手だが結果が出なかった東京五輪の後はウエイトトレーニングをしてパワーアップしようとしている様子。ひとつのやり方に囚われてはいけない、という本書の肝を実践していることになる。

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    2021年09月05日
  • 「筋肉」よりも「骨」を使え!

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    まだまだ想像の域を出ない内容だが、読んでいて面白かった。
    このような考え方で身体を動かしていくことそのものが楽しいことになりそうです。

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    2021年08月01日
  • 古(いにしえ)の武術に学ぶ無意識のちから - 広大な潜在能力の世界にアクセスする“フロー”への入り口 -

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     一貫して「運命は完璧に決まっていて、同時に完璧に自由である」という考えが扱われている。

     本来の理解とはずれるかもしれないが、
    突然不幸や大きな課題に直面した時に、それを「運命」だと受け入れる。その上でどのように行動していくかというフェーズに移行する。それは、矛盾するようだが「運命」と「自由」を同時に受け入れた状態なのかもしれないと思った。
     世の中、コントロールしようと思っても不可能なものも多い(時代の流れや、災害、他人の人格etc...)。それならば、それは「変えられないもの」だと割り切って、「それにどう対処/共生していくか?」を考える方が生産的だなと思った。

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    2021年08月01日
  • 古(いにしえ)の武術に学ぶ無意識のちから - 広大な潜在能力の世界にアクセスする“フロー”への入り口 -

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    「我ならざる我」が自分を動かす境地。これは、刀で切りかかられたときに自然にかわすことができる状態である。単に武道の練習を積むだけでは到達できないという。自分と相手を客観的に外から見れる状態であると思った。仕事でも、今の自分の作業や業務だけでなく、全体をみて、自分が目立つことなく、自然にチームの仕事をサポートできること、そんな境地に立ってみたいと思った。

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    2021年01月28日
  • 「筋肉」よりも「骨」を使え!

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    対談自体は興味深いけれど、精神論、あまりにも精神論に寄りすぎていて、両人にとってはこの方が具体的なんだろうけど、自分にとって実現性が掴みにくい…。
    ただ手のひら返しとか、「力を抜けば力が出る」的な感覚は面白いからやってみたい。
    あと骨ストレッチにはかなり興味湧いた。
    骨ストレッチの導入本として○かな。

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    2020年05月09日
  • 「筋肉」よりも「骨」を使え!

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    導入部分は面白そう!

    しかし、具体的にやって見せなくちゃ意味がない・・・と言いながら、

    有名人がどうたらこうらら、能書きばかりの対談が多すぎた。
    あげくに、人生観や教育論・・・世の中間違ってる的なお話にまで拡散。

    ようやく最終章で少しだけ、「骨ストレッチ」って何が見えてきた。

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    2020年04月09日
  • 上達論 基本を基本から検討する

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    研究者が指導者に必ずしもなる事ができるわけではなく、往々にして翻訳者が必要だと思うわけで。
    甲野先生はまさに刺激や発想の源で、探求者で研究者。
    そこそこ先生から離れながら独自に極めた人が独り立ちするのもそう言うあたり。
    師に依存せず、自己観察省察する力が求められると言う事。

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    2020年01月30日
  • 古(いにしえ)の武術に学ぶ無意識のちから - 広大な潜在能力の世界にアクセスする“フロー”への入り口 -

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    「若い日に人間いかに生きるべきかを真剣に考えよ」。矛盾を矛盾のまま矛盾なく取り扱うとは、感じてゆるす禅に通じるものであると受け取った。フローと危機感と習熟、そして三昧。

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    2019年11月11日
  • 武術と医術 人を活かすメソッド

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    矛盾を矛盾のまま矛盾なく。

    多様性を認め、受け入れ、試してみることの大切さが本書の中のさまざまな例から理解することができる。

    筋トレが昨今流行っている。インプット、アウトプットがわかりやすい。また科学的に証明されているインプットがあるので、素人でもスタートしやすい。

    ほかのスポーツはそう簡単にはいかない。もちろん確立された指導法にはなどはあるが、古武術の技術を導入すると云々のような紹介されている話を見る限り、まだまだ知られていない可能性が多々あるありそうだ。



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    2019年10月15日