【感想・ネタバレ】上達論 基本を基本から検討するのレビュー

あらすじ

「まず基本を身につけよう」この言葉に呪縛されて、どれだけ多くの才能が芽を吹かずに枯れていったか――下手がやみくもに基本練習を繰り返しても、かえって下手を植え付け「未知への対応力」を鈍らせてしまう。そして、基本の「意味」を認識し、「意義」を体現できている指導者が壊滅状態にある今、他人に基本をひたすら繰り返させるのは、本来恐ろしい行為である。だが、世間では「基本が大事」と言って止まない。「基本信仰」こそ思考停止社会の元凶である。武術の探求者・甲野善紀の武術には「基本」がない。学ぶ側は、やみくもに頑張るのではなく、その瞬間瞬間の対応を迫られる。わかることに意味はなく、創造しできるようになる工夫をし続ける。本書では、甲野を観察し一から独自の理論と稽古法を構築して一流の格闘家からも驚かれる技を身につけた方条遼雨のユニークな上達論と、それをめぐる二人の対論で「上達の原理」を解き明かす。

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Posted by ブクログ

久々に武術書を読みました
とかくカタカナで語られていそうな内容が
日本語で丁寧に書かれていて腑に落ちる内容でした
武術を極めようとされる方だけでなく
何かを探究して深めたい方全てにお勧めしたい本です

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2024年02月08日

Posted by ブクログ

上達にむけ失敗に対しての考え方として、失敗を受け入れる環境を作る、失敗の結果をただ結果として受け入れる。失敗の結果が恥ずかしい、となるのは、結果を「期待」や「心配」といったフィルターにかけているから、この考え方を根本から治す必要がある。様々、基本的な考え方をリセットしてくれた。

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

武術の本ですが、あらゆることにあてはまる内容でした。現実をそのまま受け取り、余計なことをしない。自分自身の偏見や癖も自分自身の一部になっていてそこに依存をしている。そこから抜けだすには絶対にできることから徐々に「許し」の訓練を行う。など自分自身にあてはまり、試してみようと思いました。

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2020年08月09日

Posted by ブクログ

読み終わった。

余計なことは考えず、流れに身を任せ、起きた事実に対して行動すると言う考え方はとても共感できたが、時折相反することを言い出すので、ここの出版社はもっと良い校閲者を雇えば良いのにと思った。


例えば『たとえ』『たとえ負け』『脳の飛距離』の章で「行間を読む能力」について書かれているが、この内容だと言葉が持つイメージは皆共通であることが前提になる。それって作者が伝えたい、起こっていることをありのまま捉える「アナログ情報」とは真逆なんじゃないの?

例えとして挙げられている「春の陽射しを母親の子守歌にたとえる」比喩は、母親が子守歌を歌う文化や経験がなければ、著者が意図している暖かいものとは結びつかないのではないか。

比喩というのは同じ文化や経験、偏見などのコンテクストを共有している人たちの間でなければ伝わらないもので、実際にある出来事を記号化、つまりこの著者が言うところの「デジタル化」した情報である。

共有しているコンテクストがない、伝わらない人もいるという想像力を欠いて「脳の飛距離」が足りてないというのはちょっと乱暴な結論じゃない?


あと、自然分娩を推奨する医者の話がちょっと出てきて、近代の女性は家事を機械に任せて身体を動かしていないので、拭き掃除をするといい云々と書いていた。自分だったら男からその提案されたらキレるなと思った。


ここに書かれていることが、基本的に何の不自由もなく身体も環境にも余裕がある人の理屈のようなので、余裕がない、そんな悠長こと言ってられない切羽詰まった人たちにはあまり向いてない。

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2025年09月18日

Posted by ブクログ

武術家・武術指導者の方条さんという方が、師匠格である甲野さんの振る舞いにヒントを得て、物事の習得、上達とは何かについて検討し、解説されている本。物事を細かくスキルとして分解し、どう扱うかをマニュアル化して、理解させることで上達するという一般的なやり方を批判し、理解や解釈は後、まずは根本原理=体の原理を組み替えることから始めるべきと説く。レースをしながらマシンの改造はできないので。低負荷で低速で単純に行うこと、また思考の柔軟性を持ち続けること=許すこと、など。一理あると思いつつ、精神論に走りすぎのきらいも感じてしまうということは、私が未熟ということか。

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2024年01月21日

Posted by ブクログ

研究者が指導者に必ずしもなる事ができるわけではなく、往々にして翻訳者が必要だと思うわけで。
甲野先生はまさに刺激や発想の源で、探求者で研究者。
そこそこ先生から離れながら独自に極めた人が独り立ちするのもそう言うあたり。
師に依存せず、自己観察省察する力が求められると言う事。

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2020年01月30日

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