あらすじ
武術研究の第一人者・甲野善紀とスポーツトレーニングの革命児・松村卓による、かつてない革新的な「身体の使い方」を提唱する対談。
古武術の世界から日本人の身体性について発言してきた甲野氏と、
元陸上100メートルのスプリンターで「骨ストレッチ」を開発し短距離の
若きホープ桐生選手の指導で知られる松村氏が、
日本人が伝統的な身体の使い方を失っていることに
警告を発するとともに、誰でも実践できる、
心地よく楽な身体の使い方を指南する。
甲野氏は、スポーツの常識である「筋力に頼った身体の使い方」に疑問を投げかけ、「無駄な力を使わずに最大限の効果を引き出す、日本古来の武術の身体操法」について研究してきた。
身長168センチ、体重60キロほどの体格ながら、一流の柔道家の技を難なくかわしたり、ラグビー選手のタックルを苦もなくかわしたり、真剣を竹刀より速く変化させたり……現代武道やスポーツの常識では考えられない動きを見せることができる。
甲野氏の技法にヒントを得て独自に展開させたのが、「骨ストレッチ」というメソッドを開発した松村氏だ。もとは陸上100メートルのスプリンターとして自己最高10秒2の記録を残すなど活躍し、トレーナーに転身。ケガの絶えなかったトレーニング法を根本から見直し、「筋肉」ではなく「骨」の動きを重視したメソッドを指導している。このメソッドを取り入れている一人が、陸上100メートルで10秒01の記録を持つ桐生祥秀選手だ。
腕力を使って力づくでねじ伏せようとするより、コツ(骨)をつかみ、無駄な力を極力使わないほうがいい結果が出せる。
このように二人は言う。目に見えるわかりやすいもの(=筋肉)を動かすには、目に見えない、とらえ難いもの(=骨)の活用が必要なのである。
身体を鍛えるために「腹筋」を欠かさない……もしかしたら、こんな当たり前のようになっている習慣の中に、生き方を不自由にさせている原因があるのかもしれない。
二人の対談を通じてこうした束縛に気づき、「発想を変えることで、もっと自由な生き方ができる!」という希望を感じていただきたい。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読書録「「筋肉」よりも「骨」を使え!」5
著者 甲野善紀、松村卓
出版 ディスカヴァー携書
p70より引用
“甲野 やっていることが面白くて、希望が
見えてくれば、普通以上に稽古しても身体は
平気なものなんですよ。身体が壊れるという
ことは、嫌なことを無理してやっているから
です。「これはおかしいよ」と身体が示して
くれているのに、それを我慢して延々とやっ
ているわけですから、どう考えても馬鹿げて
いますよね。”
目次より抜粋引用
“常識を根本から疑ってみる
ここ一番の力をいかに出すか
窮屈な社会で自由に生きる
日本人の潜在能力を取り戻す
スポーツから日本が変わる時”
師弟関係にある武術研究家とスポーツトレー
ナーによる、身体の使い方や動かし方とそれ
に伴う考えについて二回の対談をまとめた一
冊。
スポーツと科学の関係性の歪さからすぐに
できる「骨ストレッチ」まで、生物が生きる
上で必ず向き合う自分の身体との付き合い方
について示唆に富む語り合いが記されていま
す。
上記の引用は、いじめや体罰が起こること
と稽古の行き詰まりなどについての甲野氏の
意見。
夢中になれる事をやっていれば、他人にかまっ
ている時間は無くなるものですよね。人をい
じめに行く時間があるなら、面白くできる他
のことを探すようにして欲しいものです。
今主流となっているトレーニングを否定す
る気はありませんが、大人数で大声で喧伝さ
れている物事が正しいかどうか、自分に合う
かどうかは、自分で確かめるしかないものな
のかもしれませんね。
スポーツに限らず、身体を使う機会が多い
人には、参考にする知識を得る入り口として
良い一冊ではないでしょうか。
ーーーーー
Posted by ブクログ
骨ストレッチ
聞き慣れない言葉を職場の先輩に聞いて即買いしました。
中身は古武術から日本人に合う身体操法という感じでしょうか。
僕も合気道をしていたのである程度の意識はありました。
ただこの本だけではやり方がよくわからないのでやり方の本を次は読みたいと思います。
Posted by ブクログ
後期高齢者への筋トレを指導しています。
「誰でも速く走れる骨ストレッチ 」が初めです。
自分でも取り入れてなんか良いようです。
高齢者にも指導しています。
ただやってみて、見せて、それからでもうまくできないのだよね。
あせらず少しずつやっています。
Posted by ブクログ
すごい本だ!
自分が抱いていた「世界」がものの見事に
覆されていく、このような思いをするのは
滅多にないことだ。
「骨ストレッチ」エクササイズなど、
日常生活の向上につながるエクササイズも
紹介されているので、学んで、
ぜひ活用していきたいと思う。
Posted by ブクログ
昔、ナンバ歩きというものが在ると知り、甲野善紀さんの古武術に関心を持って買った本。かれこれ5年くらい前に買って寝かせてた。
日本陸上の桐生選手がジュニアの頃のエピソードもあります。
情報は古いが、筋肉至上主義の元アスリートが怪我を機会に「骨ストレッチ」を考案した松村卓さんとの対談。
昔のばあちゃんたちが、想定300kgの米俵を背負っている写真や、野口整体創始者の野口晴哉氏の息子さんが大腿骨骨折を 治療したときの嘘のようなエピソードなど盛りだくさん。
骨ストレッチは簡単に再現できるので、日頃から使っています。歳と共に無理が利かなくなってきたので、体のメンテナンスのためにも取り入れていきたいです。
甲野さんの本、フルコンプしたくなってきた。
Posted by ブクログ
武術の先生と骨ストレッチの開発者の対談で、筋肉を鍛えてガチガチに身体を固めるよりも、骨を考慮した柔軟な動きをした方が良いよね、という本。
骨ストレッチという言葉はこの本に出合って初めて知りましたが、腹筋をすると身体が動きにくくなるとか、筋肉を鍛えるウェイトトレーニングをすれば良いというものではないとか、今まで出会ってきた一般常識からは離れた内容になっていて、目から鱗の内容でした。
マグロの中落ちストレッチをはじめ、いくつかストレッチが紹介されていますが、骨ストレッチをもっとしりたければ……という文言が見えてきそうなくらい、本質については語られません(笑)
それはまた、別の本を読むなり講習会に来てくださいね、ということなのでしょう。
私は運動音痴でまったくスポーツに親和性のない人間なのですが、そんな私でも“うごける身体づくり”が出来るのかもしれないな、と思えた本でした。
さらさらっと数時間で読めましたので、気になる方はどうぞ
Posted by ブクログ
昨日は勇崎賀雄氏の「50歳からは筋トレしてはいけない」(2017.6)を読みました。半信半疑です。今回、甲野善紀氏&松村卓氏の「筋肉よりも骨を使え!」(2014.5)を読みました。武術家の甲野氏と陸上短距離の松村氏の対談形式です。ストレッチや筋トレはやればやるほど身体が硬くなり可動域は狭くなる。大事なのは固めることよりほぐすことだそうです。実際、桐生祥秀選手は、筋トレ、体幹トレなど何もしないで身体の硬いところをほぐしているだけとか(驚)でも、筋トレ、骨トレ、何が違うのか?筋肉は骨についてるから一緒では?
Posted by ブクログ
筋トレよりも骨ストレッチ
簡単な骨ストレッチが載っていたけれど速攻で効果実感せきます。
個人的には「脱力」という事を極めたくてこの本に出会ったけれど読んでみて興味が湧いてきました。
Posted by ブクログ
この本で一番気に入ったコトバ。
先を占うな。
身体操作から始まりメンタルヘルス等のケアにも役に立つ技法が詰まった一冊。
技術的な話を読みたいというニーズには物足りない感があるが、作者が著した武術の本は、数冊あるので、そっちを読んでいくと良いかも。
Posted by ブクログ
目からうろこのからだの使い方。
体の異体字の體は「骨が豊か」と書く。確かになぁ。
昔の武道家が書くところが事実というなら、なんというか、ジャパニーズニンジャイズクール!な感じです。
あと、「(映画やアニメで)身体的に誤りでも、表現としては大げさな位の方が、見ている方からすると『らしい』」というのは、笑ってしまうけれど、今の社会が「らしいけれど辛い」という現実を表している気がする。
ただし、あくまでも対談集という読み物であり、ここから先、気になる人は各自でどうぞという本でもある。面白いな。
Posted by ブクログ
甲野先生の対談本は結構読んだんですが、
今回の相手はスポーツトレーナーの方なので、
話が実践的で、すぐに使えることもいっぱいありました。
桐生君が無駄なストレッチやウエイトトレーニングをしてないと聞いて、
僕もやめることにしました。(元からやってないけど)
筋肉に頼らずパフォーマンスを向上させ続けている甲野先生の存在にはとても勇気づけられます。
加齢に関係なくまだまだ色々と楽しみたいと思います。
「骨ストレッチ」はただ今実践中です。
Posted by ブクログ
主張はよくわかりました。
が、具体的な内容はさっぱりわからない…。
変な図ではなく、写真入りで紹介してほしいですし、今ならば、動画を利用する方法もあると思います。
分かり合えているおっさん二人の話を読むのは、楽しいのは楽しかったです。
が、実践が大事なことについて話しているにも関わらず、実践するための方法が少ないのは、やはり片手落ちじゃないですかね。
Posted by ブクログ
これまた、不思議な本。
甲野さんのいうことは、なかなか一般のひとにはわからないというか感じられないことなような気もする。
人間にとっての「自然」な生き方を突き詰めていけば、それがそのまんま人間のちからを引き出すことになるんだろうか。
石川遼さん、ウッズ選手のゴルフのやり方に批判的で、すごく新鮮。
Posted by ブクログ
従来の筋トレやストレッチには効果がない。という衝撃的な内容。実際に男子陸上100mの日本記録保持者である桐生選手をこの理論でコーチングしているのだから説得力がある。「骨」の使い方、ほぐし方によって運動能力が飛躍的に向上するという。合気道の稽古前のストレッチに取り入れてみる。
Posted by ブクログ
導入部分は面白そう!
しかし、具体的にやって見せなくちゃ意味がない・・・と言いながら、
有名人がどうたらこうらら、能書きばかりの対談が多すぎた。
あげくに、人生観や教育論・・・世の中間違ってる的なお話にまで拡散。
ようやく最終章で少しだけ、「骨ストレッチ」って何が見えてきた。
Posted by ブクログ
筋肉よりも骨を使えとは?
体の動きの最初は筋肉ではなく骨からだという事を書いてある本だと思った
筋肉を強くして点で力を使うより、人間の骨組みと各部位の繋がりを意識して線や面で力を発揮する
その為には筋肉を【硬めて】力の流れを遮るより、【緩めて】エネルギー効率を良くすべきでそれは理屈ではなく身体感覚を研ぎ澄ましてこそ使える技術であるということかなあ、と思った。
著者の甲野善紀さんは数年前に古武術を介護に使うという切り口の雑誌(NHKだったかな?)で古武術の第一人者という認識しかなかったが、最近YouTubeでだれつよ道場やイス軸、システマ、躰道、武術系の動画を見るようになって【身体操作】に興味があるので、改めて思い出して読んでみました。
当時は???だったかもしれないけれど、今読むと、なんとなくわかる感覚があって自分の生活にも活かせそうだなあと思います。
2014年の本ですがスポーツ=パワーだと思っている人は目からウロコだし、新たな視点で読める本だったな。
Posted by ブクログ
体調が絶不調の時に読んだ
骨ストレッチはめちゃ効く
・・・以下メモ・・・
★は自分が思ったこと
物理学の「三体問題」についてですが、私たちの思考は3つのことを同時に扱えないんです
→体の精妙な動きを言語で説明するのは根本的に無理
結果を出していけば理論は後からついてくる
→★これはその通り
■論文より先に結果が出る社会
「もう50年もしたら論文っていう形態はないかもしれない」(ロボット工学の教授)
→ロボットにしても、すごく精巧にできているものは、コンピュータシミュレーションを繰り返すなかでできてくる。なぜかわからないけれどこの形がいいっていう、ある種の自然淘汰みたいな形
→★面白い
■大事なのは固めるより緩めること
→筋トレは硬くなる
■鍛冶場の馬鹿力を出すには
大事なのは、先を占わない気持ち
■精神論は不要
精神を鍛える、向上させることに何も役立っていないのに、なんでそれを精神論って言うのか
→そもそもおかしい
→★確かに
■
「針金の同じ場所を何度も曲げたり伸ばしたりしたら、金属疲労で最後は折れてしまいますが、針金全体を曲げたり伸ばしたりしたら、ずっと長く折れないでいるでしょう?」
手のひらを上にしてから返したほうが身体の緊張がとれる
→★そうなのか
勝ち負けより、いかに極めるか、いかに生き延びるのかが本質
→★これは良い考え方、ノルマや出世を気にしない
→生き延びるということを考えたら、売上げが悪いくらいどうしたと、死んでしまったわけじゃないんだから何とかなるだろうと開き直れた
■
私の場合、いまある常識から違っていればいるほど、逆に面白いわけですよ。私の場合、別に何かの団体の名誉を背負っているわけでもなく、何のしがらみもないですから、自分が間違っていたとわかっても不都合なことは一つもないんです。
→★このマインドは見習いたい
→★立場や肩書きが人を不自由にする。非難されることを恐れない。
■常にオープンに
自分だけ特別なものを隠し持っていると、「人生の税金」として税を徴収される恐れがあります
伝えれば伝えた分、不思議とひらめく
■体育、国語、歴史でいい
算数も社会も理科も、歴史の中に全部入れてしまうんですよ。人類がどういう道具を発明し、どう暮らしてきたか、物語で面白く伝えるようにして、同時に火を起こすとか、薪を割るとか、農作業を手伝うとか、そうした人間の生活の歴史を体育の中で実体験させるようにする
■
イメージはきっかけだけです。もちろん、そのきっかけがなければ、家も建たないわけですからなくてはならないものですが、現場では建築家より大工さんの判断が重要になってくるわけです。
→ 大工さんが建築家の言いなりになるだけだったら、あまりいい家は建たないでしょうね(笑)。
→★SIも同じ。大事なのは現場で積み重ねる判断
内村航平「自分の中に小さな自分がいる」
→体の感覚をこう表現していた
→★やはり天才
■
物理でいう「慣性の法則」のようなものは心理的世界にもあり、今までの常識に反することに対し、それを起こさせまいとする力は潜在的に巨大なものがある。
→★こればいつも仕事で思う、最大の課題
Posted by ブクログ
このタイトルを読んで、意味を正しく受け入れられる人はほとんどいないのでは。読後でさえ、「マジ?」と思っている自分がいるのですから。
著者の甲野先生は古武術の権威、松村先生は骨ストレッチの考案者という組み合わせ。実は松村先生の骨メソッドは、甲野先生の道場に通いつめて創案したので、いわゆる師弟関係となる。
本書で、甲野先生が何度も繰り返しているのは、とにかく具体的な成果を示すこと。理屈では理解しがたい事象も我が身で体験すれば納得せざるを得ない。
ってことで、本書は具体例が肝です。紹介されるのは、体幹強度アップの「虎拉ぎ」「施段の手」、5種類の「骨ストレッチエクササイズ」は是非試してみることをおすすめします。
参考までに本書は2014年出版ですが、100m走の桐生選手がまだ10秒を切る前に松村先生の「松村メソッド」を取り入れ、2015年3月9秒87(追い風参考記録)を出し、2017年9月9秒98を記録しています。
Posted by ブクログ
西洋流の筋肉系のトレーニングやストレッチに傾倒する近年の風潮に警鐘を鳴らす二人の大家の対談。雑談風にあちこち話が飛んでまとまりを欠くために即効薬を求める向きには不評だろうが、示唆に富む指摘(メンタルトレーニングを疑うなど)が随所にある。
閑話休題。松村氏の愛弟子扱いの桐生選手だが結果が出なかった東京五輪の後はウエイトトレーニングをしてパワーアップしようとしている様子。ひとつのやり方に囚われてはいけない、という本書の肝を実践していることになる。
Posted by ブクログ
対談自体は興味深いけれど、精神論、あまりにも精神論に寄りすぎていて、両人にとってはこの方が具体的なんだろうけど、自分にとって実現性が掴みにくい…。
ただ手のひら返しとか、「力を抜けば力が出る」的な感覚は面白いからやってみたい。
あと骨ストレッチにはかなり興味湧いた。
骨ストレッチの導入本として○かな。
Posted by ブクログ
具体的に効果があった実例に乏しいし、トレーニング方法についてもあまり紹介されていない。
スポーツには筋肉だけではない何かが必要だという点は納得できるので少し調べて見たい。
Posted by ブクログ
体の骨組みを活用するトレーニング法で成果を出しているのが陸上短距離100メートルの桐生祥秀選手。一般的に行われている筋トレや体幹トレ、腹筋などの補強トレを必要としない。腕力を使って力づくでねじ伏せようとするより、コツ(骨)をつかみ、無駄な力を極力使わない方が、いい結果を出せる。骨組み訓練法は、これまでの常識を根本から覆すトレーニング法である。骨組みの連動によりインナーマッスルを活性化させ、人間が持っている本当の力を導き出す。息の上がり方も少なく體の疲れも最小限。體を酷使しないからケガも最小限。今後、さらにスポーツ界への浸透が進めば日本の競技会も大きく変わっていく予感を抱かせる。まずはオリンピック。成果を楽しみに待ちたい
Posted by ブクログ
言葉だけの表現になると少々わかりにくい。そういうことは確かにあるのかもしれないけれどといった感想だけが残り、さてどうしたものか。
そう、実際に道場に足を運んで自ら体感することが大切なのだろう。まずは自分の道場に出かけたい。