オリバー・ストーンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレドロッドロの米国史を第25代大統領マッキンリー(1897-1901)~第44代大統領オバマ(2009-2017)まで辿ったもの。なお筆者の一人、オリバー・ストーンは『プラトーン』でアカデミー賞を受賞した映画監督。
アメリカ、素敵な国!一度は行ってみたいところ!ウォール街、ハリウッド、自由の女神、ジャズの国、NBA、グランドキャニオン等々。とにかく楽しそうなもの沢山!しかしながら歴史を紐解くと、そこには今の今まで連綿と続く、帝国主義的欺瞞の数々。寧ろ目を背けたくなるような事実の連続。
ざっと挙げてもこれだけの欺瞞がある。
メイン号爆発を勝手に攻撃とみなしてけしかけた米西戦争。中立と標 -
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Posted by ブクログ
「今まで得た資産のことは問わない。だから今後、政治には口を
出すな」とオリガルヒ(新興財閥)を集めた円卓会議で凄みを利かせ、
未払い賃金の支払いに同意する書類になかなかサインをしない
オリガルヒに「君のサインがまだのようだが?」と脅してサインさせ、
野党が提出した文書を目の前でビリビリにする。
かと思えば、楽しそうにワンコと戯れ、どこかぎこちないけどピアノを
弾いてみせ、テニスや乗馬や釣りをしている姿を公開し、バイカー・
ギャングを従えて大型バイクで夜の街を疾走する。
突然、ロシアのトップになってから色んな顔を見せて私を魅了する
プーチン大統領。本書は映画監督オリバー・ス -
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Posted by ブクログ
本著はアメリカ現代史を権力に対して批判的な観点で描いたもの。詰まり歴史を教科書的には触れられていない側面から考察しているところに面白さがある。
特にアメリカという国は自由を標榜する啓蒙主義的な側面と産業資本・金融資本を背景とした実利主義的な側面の両面があり、それを意識しないと国家の在り方を正しく理解できないのだと思う。
本編は主に第一次世界大戦から第二次世界大戦までをテーマにし、特に最後は広島、長崎への原爆投下の深層について明らかにしていく。
原爆投下不要論は既論評として認識していたが、過去の歴史を遡ってみるとその納得感も高まる。
日本人は自国のこととして様々な観点を理解しておく必要があるの -
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「誰が儲かったのか?」「誰が得したのか?」
というのが物差しになっています。
イデオロギー、正義、悪、ではありません。
こういう近現代史の本、読みたかったですね。
読み物としても、とっても英語的なちょっとした皮肉を交えながら、実に滑らかによどみなく進みますし、ドラマチックに描かれていて、飽きさせません。
そして、アメリカの近現代史というのが、当然ながら全て日本に跳ね返ってきます。
読みながら、日本の近現代史なんて、アメリカや欧州帝国主義の歴史を把握しないと、事実や年号だけ記憶しても何の意味もないんだなあ、と思わされました。
思った以上に、娯楽的にも実に面白い本でした。続きも読もうと思います。 -
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トルーマンからアイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソンまでの大統領によるアメリカの歴史が核の問題を中心に語られる。どのように冷戦が始まったか、ソ連との関係、軍産複合体の陰、アメリカの中南米、ベトナムへの介入などアメリカの帝国主義的、負の側面が暴かれる。ケネディとフルシチョフによるキューバ危機は本当に核戦争一歩手前だったし、その後も危険な状態はいくらもあったことが明かされると、改めて運の良かったことに驚かされる。アメリカにとっては、中南米、アジアは征服されるべきアメリカの権益範囲だとしか考えていないと感じる。その一方でベトナム反戦運動が起こり、サイゴンは陥落し、最終的にはニクソンが辞任に追
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第一次大戦から第二次大戦原爆投下までの歴史。アメリカのリベラルな立場から語られている。内容はかなり重く、考えさせられる。アメリカは第一次世界大戦の時には化学兵器であるマスタードガスを大量に製造していたが使うチャンスがなかった。しかし、原爆はそれを開発し使用した。マスタードガスの話は知らなかったが、原爆の話はその使用に大いに議論のあるところだ。そもそも、第一次世界大戦の前からアメリカの銀行家のためにアメリカ軍が彼らの利益を守るために利用されていたこと、そして、彼らが死の商人として大いに利益を上げていたことが語られる。また、第二次世界大戦ではアメリカではドイツ、イギリス人とは違い人種差別により日本
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購入済み
教科書にない...
月並みな言い方ですが、まさに教科書にないアメリカ史。
建国以来の政治的中心(すなわち大統領)がどういう思想傾向を持っていたかがよくわかります。
1巻は2つの大戦を中心に描いているので、ウィルソン、フーバー、ルーズベルト、トールマンといった人たちの描写が自分には新鮮でした。
ただ相当リベラルよりの内容なので、当の米国では本書はどんな評価なのか気になります。
TVシリーズも見たほうが理解という点では補助になりそうですね。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画監督のオリバー・ストーンが2015年から2017年にかけてロシアの大統領プーチンに対して20時間以上のインタビューをおこない、テレビで放映されたそうである。
この本はそのインタビューを活字化したものである。
ニュースで伝えられるプーチンの発言は断片的であり、独裁者であるとかタカ派であるとか、あるいはアメリカからみて敵国のボスという解り易い役割を割り当てられているようにみうけられる。事実、ウクライナへん侵攻ひとつとってみてもやっていることは悪役のそれである。悪役が悪をなすとき悪役は白昼堂々やるだろうか?悪行が万が一成功しても、後々糾弾されるのは目にみえているのではないだろうか?
プーチンが -
Posted by ブクログ
ここに書いてあることの全てが真実かどうか、僕には分からない。
けれど、これが事実であると考えた方が、対戦後のアメリカの振る舞いが、あるいはアメリカに対する他国との反発が、あるいはロシアの西側諸国に対する言動が、説明しやすくなるような気がする。
そういう意味で興味深い本だと思う。
翻訳本ならではというか、そもそもの歴史的共通理解がないが故の読みにくさがあり、星4つ。
アメリカが、いや、列強諸国が、他国民や平和のために、(ひとりひとりの自国民のためにさえ)政治的決断をすることなど無いことを、改めて思い知らされる。
それは、列強諸国になろうとして列強諸国のまねをした、かつての日本を見ても明らかで -
Posted by ブクログ
オリバー・ストーンの質問に答える形で、ロシア大統領としてのプーチンが回答するインタビュー集。
プーチン自身のプライベートな内容はほぼ話はされず、外交と内政、経済について語られる。
メディアで目にしているロシアのイメージは、プーチン自身によると「アメリカの内政における駆け引きの材料としてのロシア」であって実際とは異なる、という主張を繰り返すプーチンは、意外と「外からどう見られているのか」を気にしているようにも感じる。
外交で行われていることで表に現れて報道されているのは1/6程度、となるとほとんど見えないということで、この見えないことが正しいことと捉えているのか誤っているので正す必要がある