大岡昇平のレビュー一覧

  • 靴の話 大岡昇平戦争小説集

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    人生は運命によって定められているものではなく、その時の偶然の積み重ねでできているということを大岡昇平から学んだという友人の言葉に興味を持ち読んでみる。短い間短編集が、どれも戦争という大きな幕の中のそれぞれの出来事を書いている。出征から捕虜になるまで、色んな戦争の形がある。渇き、飢え、マラリア、襲撃。戦争というものにシニシズムな視点を持ち、現場の状況や心理に対して非常に冷静な分析力を発揮し、ガリガリと鉛筆で原稿用紙に出来事を刻んでいる様がうかんでくる。これを書くとき、とてもまともじゃいられないのではないかと思うのだが、さめた温度の文章がリアリズムを強く感じさせる。

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    2016年08月08日
  • 靴の話 大岡昇平戦争小説集

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    「野火」で初めて大岡昇平の作品を読み、壮絶な戦争体験の中での兵士の心理状態、とりわけシニシズムを余儀なくされる戦争の不条理が、深く心に刻まれた。
    それと比較するとこの「靴の話」(特に前半)は決して読みやすくはない。しかし本書は、出征前の兵士の心理状態や戦線外での日常生活について知ることができる貴重な書である。私たちは戦争のことを思うときはつい戦線のことばかり想起するが、敵軍やゲリラとの銃撃はほんの一部であり、兵士たちが専ら苦しんだのはマラリアや渇きであったことから、異国の地へと送られた先でも「生活」があったことを改めて実感させられた。
    最終章の「靴の話」は、死者の靴を奪うチャプター。靴の有無が

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    2016年03月21日
  • 武蔵野夫人

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    大岡昇平の作品は実はこれが初めてだったが、意外や意外、すらすら読めた。
    昼ドラのようだが、そうではない。
    登場人物達の距離感が好きだなぁと思った
    のは覚えているが、細部を大分忘れてしまった。
    再読しよう。

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    2015年01月25日
  • 俘虜記

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    20141227 スラスラは読めない戦争の記録。戦う事には悲惨な現実も伴うという事を知っておいてもらいたい。ゲームとは違う生身の生を理解するために若い人に読み続けてもらいたい。

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    2014年12月27日
  • 中原中也

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    作品やルックスからは繊細で寡黙なイメージを抱くが、
    中原中也はなかなかめんどくさくて複雑な人間だ。

    文学上の友として喧嘩したり嫉妬しあったりと、
    中原と筆者の関係は常に友好的であったわけではないようだが、
    冷静な分析は非常に説得力がある。
    その一方で、長い年月を経たからこそ感じる、若くして亡くなった友への
    感傷がにじみ出ており、筆者の中原への尊敬の気持ちも感じられる。

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    2013年11月05日
  • パルムの僧院(上)

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    ネタバレ

    池澤夏樹著「世界文学を読み解く」でテキストとして選ばれた10篇を読みながら、講義を受けていくつもりでの読書。さて、はじめて読むスタンダールはいかに。歴史小説にして恋愛小説というジャンル自体になじみがなく、興味もあまりないので苦戦。なかなか進まない。面白さがよく分からぬままなんとか読み続ける。主人公は純粋で情熱的な若者だがなんとも薄っぺらい。年上の女性の寵愛を受けてその庇護の元で生きている。ナポレオン主義に傾倒した貴族の末裔という立場を捨てきれないところがその時代のリアルさなのだろう。もどかしいまま下巻へ。

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    2013年08月28日
  • 武蔵野夫人

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    ネタバレ

    難しそうなんて思ってたんだけど、実際読んでみると結構おもしろくってスラスラ読めちゃったわぁ。
    フランスの心理小説を手本に書かれてるらしいからかな~?
    もしかして、私、こういう形態の小説好きだったりする?
    ボヴァリー夫人のときも、結構面白かったのよね。

    そういえば、話の内容も似てるかな?
    こっちの場合は、同じ敷地内に住む親戚同士の不倫プラス従弟との愛。っつ~の?
    で、結局、主人公の道子は早とちりしちゃって自殺。。。
    うーーーん、似てる。

    でもね、これも主要主人公たちの心情っていうのヒシヒシとよく伝わってきて、「わかる、わかる!」って感じ。
    一番許せないのは、道子の旦那・秋山。
    で、道子は結局

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    2015年03月10日
  • 靴の話 大岡昇平戦争小説集

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    大岡昇平が実際にどのようにして捕虜になったのかわかる。分析がすごい。自分の心理状態はもちろん、哲学的な思考にいたるまで。さらに周囲の人間の感情、感覚をするどく見ている。
    ここから「俘虜記」「野火」などの心を打つ作品が生まれているのだなぁと感じた。まさに、後世に伝える義務を負っているがために、神か仏かが「生かしておいた」ような雰囲気がある。

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    2012年07月24日
  • 武蔵野夫人

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    国分寺が舞台の本だったので、読んでみました。おもしろいか、と言われると正直普通の文学作品という感じでしたが、自分の住んでる場所の話はおもしろく読めますね。親近感もあるし、すれ違う人の中に登場人物みたいな人がいると、「もしかして」なんて思ったりして。
    土地柄もあるのか、確かにこんな人いそうだなとか思ったりもしました。僕が今見ている景色、歩いている道をかつては作者も歩いたかもしれない。そんなことを考えながら、あえて昔の雰囲気を残す建物に出かけて読んだりすると風情もあってとてもいい時間が過ごせることと思います。^^

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    2012年06月15日
  • 武蔵野夫人

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    ネタバレ

    なんだか、うじうじした奴らがいっぱい出てくる小説です。

    不倫がテーマと思わせつつも、実は近親相姦的な話。でも、プラトニックがウリです。みたいな。

    プラトニックに徹しようとして失敗して死んじゃうくらいなら、行動したほうがいいんじゃないですか?と。

    なんだか、フランス文学とかかじったぜ、みたいな雰囲気がどうも。
    どうもすいませんw

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    2012年03月13日
  • 武蔵野夫人

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    ネタバレ

    東京の国分寺あたり。
    武蔵野の情景を舞台として効果的に描いた作品。

    つまらない夫と結婚したお嬢さまが、戦争から復員してきたちょっと年下のイトコくんと惹かれ合うんだけど、お嬢さまだから不倫はご法度!
    チューだけであれこれ悩んでいるうちに、つまらない夫さんは隣の奥さんと浮気。
    隣の奥さんは、お嬢さまのこれまた別のイトコの奥さんなのに、ティッシュだかコケティッシュだかで、男性経験が豊富。
    お嬢さまとは対照的な女性として描かれています。

    結局、お嬢さまはいろいろ悩んで自殺しちゃうんだけど、愛するイトコくんも隣の奥さんと関係を持っちゃうし、「時代」とはいえ、なんだかお嬢さまは浮かばれないようなお話。

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    2016年01月16日
  • 恋愛論

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    当時は貴族しか恋愛を楽しめなかったところがあるようですので、そこのところを踏まえると若干理解しやすいようです。

    18世紀の遊び人ぽい作家さんのスタンダールが書いた『恋愛論』を読んでみました。
    スタンダールは、名前を知っている人がけっこういると思うのですが、
    存命中は不評を受けた人だったらしいです。この『恋愛論』を読んだ後にそれを知ると、
    なんかおっかしいです。

    さてさて、この恋愛論は前回の記事で触れた競馬場バイトでの仲間、Y君にオススメ頂いた本でした。
    それも何年も前に…。やっと読んだよ!けっこう頭に入ってきずらい文章と内容でございました。
    ところどころ面白くはあるのですが。

    「恋愛には

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    2011年07月19日
  • 武蔵野夫人

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    ネタバレ

    はけを舞台にした4人の男女の関係を中心とした小説。心境の描写がすばらしいが、死の選択になるため、話自体は好きなタイプではない。

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    2012年01月30日
  • 武蔵野夫人

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    一昨年ゼミで中原中也の発表をして以来、大岡昇平の作品は一度くらい読んでおこうと考えていてが、先日偶然この本を手に入れたのでやっと読んだ。
    物語を要約するとありきたりな昼ドラのように聞こえてしまうだろうけれど、独特な言葉の使い方や細かな場景描写に作品の特異性を感じられた。そしてなにより、大岡昇平自身が戦争で捕虜になったことから、戦争が及ぼす文学への影響を見ることができた点が興味深かった。

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    2011年02月14日
  • パルムの僧院(下)

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    愛が狂気に変わっていく様がありありと見えて恐ろしい。この作品の中の真の主人公は公爵夫人だと思う。意志を持った女性は強いなと思わされる。

    一言でまとめるなら、世代違いの叶わない恋に身をやつした女性の物語。でも、それがかわいそうだとも思えない所にこの物語の魅力がある。むしろ女性の末恐ろしさを感じさせる。。

    てゆーかクレリア…「純粋すぎるけど可愛いっ絶対最後幸せになってね(*´∀`*)」て思ってたのに、、ラストでショック受けた。

    私の胸の高鳴り返して( ´Д`)
    最後の10ページは私にとっては不要です・゜・(つД`)・゜・

    ファブリスのどうしようもなさが最後に垣間見えたのは個人的には良かった

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    2011年03月17日
  • パルムの僧院(下)

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    ・何で牢獄に戻っちゃうかなぁ、ファブリス。
    ・手は血塗れ、片方の肩を脱臼して、そして多くの人に助けてもらって脱獄したのに。
    ・服役中にかわしたクレリアとの僅かなやり取りは、それは確かに恋する者の情熱を駆り立てるだろうけれど。
    ・「顔を見ない」という誓いを守りつつも逢瀬を重ねているクレリアは、自分の気持ちに素直になったのだろうか。

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    2010年09月09日
  • パルムの僧院(上)

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    ・ファブリスは、上巻ではまだ一生をかけるような恋に落ちていません。
    ・センセヴェリーナ公爵夫人(叔母)に淡い恋心を抱くも打ち明けず。
    ・小劇団の女優と恋(と言うのかなぁ?)をして、その情夫(?)と決闘になり、相手を殺める羽目に陥ります。それがパルムから出国した理由。
    ・そして、上巻ではまだ、投獄されてもいないです。

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    2010年09月09日
  • 恋愛論

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    寝る前や電車でぱたっと開けてさっと読み、ふふううんとなってぱたっと閉じる、そういう用途で購入。有名なのに読んでなかったしな〜

    ちんたら飛ばし読み。ま、こんな本まぢで読んでもな・・・

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    2010年07月20日
  • 中原中也詩集

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    試験の帰りに高田馬場の古本屋で買った。
    今の僕にはグッとくるものがなかった。
    皆が感動する言葉に感動できないのは本当に悔しい!

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    2010年05月10日
  • 俘虜記

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    朝日新聞100年読書会の課題。ようやく読み終えた、という感が強い。フィリピンに出征した著者が米軍に捕らえられ、捕虜生活を送り、終戦後に送還されるまでの記録。ときに第三者的に、透徹した視線で綴られている。白眉はやはり冒頭作の『捉まるまで』であろう。水を捨てたがゆえに自分は助かったのだが、それはどういうことなのか、また捕虜となる直前に出会った米兵を撃とうと思えば撃てたのだが、なぜそうしなかったか、細部にわたって執拗なまでに分析を加えている。以下、私見だが。途中までは、その「思考の基礎体力」の高さに圧倒されていたのだが、ある元兵士が中国の女性が暴行に対してまったく抵抗しなかったと語ったことに関連する

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    2011年07月15日