大岡昇平のレビュー一覧

  • 中原中也詩集

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    高校生の頃、学生鞄にしのばせていた一冊。
    ぱらりと開いたページからたちのぼる、中也の世界。
    「月夜の晩にボタンがひとつ〜〜〜」
    逃避してたのかも。

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    2009年11月19日
  • 花影

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    『花影』の続きを、ラーメン屋で、頼んだ赤味噌ラーメン大盛りが出来上がるまで読んでいたら、まずい、落涙しそうになる。
    この小説は、誰にも見られない場所、そう、たとえば、風呂の中だとかで読むべきだった。
    体の底深い部分に振動がくる。
    反射的に体がビクンと痙攣する。
    いかん、いかん。

    葉子に似ている女を、具体的に知っているわけではない。
    葉子はそれ自体としては存在しない。
    葉子はむしろ、男の感覚器を通して描かれているフシがある。
    だから、自分の任意の経験が、容易に投影でき、追体験できる。
    ラーメン屋で、まざまざと別れた女の背中が見えるのは、つらいことだ。
    「はい、赤味噌大盛り」の声に、現実に返る。

       *

    強烈に、はかない小説。

       *

    書かれた当時の女性観に、やや違和感があります。
    そこを乗り越えることができれば、味わえます。
    いま読むと微妙です。
    外国の小説という気分で読む必要がありそうです。

       *

    『武蔵野夫人』は、いま読むと厳しいけれど、
    この小説は生き残ったと言えます。

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    2013年07月02日
  • 中原中也詩集

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     中原中也ほど豊かで創造的な言語感覚を持った詩人は、数えるほどしかいない。宮沢賢治と並び、萩原朔太郎を一段ぬけた、それほどすばらしい日本語の使い手であったからこそ実現できた、実験性と古典的リリシズムの見事な結合。

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    2009年10月04日
  • 中原中也詩集

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    悲しさから一歩引いてみてみると 少年のような無垢なる視点が愛おしい

    純粋であるが故の傷心に同情し そっと中也を抱きしめる

    かくなる我もまた都会の片隅で肩を震わせる一個の口惜しき人なり

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    2009年10月04日
  • 中原中也詩集

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    だいすき。以下memo…
    32p黄昏、50p港市の秋、64p盲目の秋、90p無題-幸福、130p憔悴、138pいのちの声、
    316p寒い夜の自我像、319p冷酷の歌、338p(吹く風を心の友と)、352p早春散歩

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    2009年10月04日
  • 中原中也詩集

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    頭の中を中也さんに荒らされているようです
    ここまでの衝撃は無かった
    内容は充実してるけどちょっと字が小さい

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    2009年10月04日
  • 中原中也詩集

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    「夏」という詩が一番好きです”血を吐くようなものうさたゆけさ”(漢字が出ない・・) あと 千の天使がバスケットボールする!(だったと思う・・)っていうフレーズのある詩 彼の詩は憂鬱な印象に捉えられているものが多い感じがするが 自分はなにか思い切ったサバサバしたものを感じるところがある

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    2009年10月04日
  • 中原中也詩集

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    『山羊の歌』が一番好きかも知れません。『朝の歌』から抜粋。「天井に 朱(あか)きいろいで  戸の隙を 洩れ入る光、  鄙(ひな)びたる 軍楽の憶(おも)ひ  手にてなす なにごともなし。  小鳥らの うたはきこえず  空は今日 はなだ色らし、  倦(う)んじてし 人のこころを  諌(いさ)めする なにものもなし。」  ああ、なんと美しくも切ないのでしょう…!

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    2009年10月04日
  • 俘虜記

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    これは小説?「野火」の方が有名な気がするし、野火の方が小説らしい形。でも、私には俘虜記の後になぜわざわざ野火を書いたのか分からない。文体も内容も完成度が高いと思う。いや、ぜんぜん別物なのかもしれないが・・・。

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    2009年10月04日
  • 中原中也詩集

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    愛読書。数ある文庫の中でも岩波文庫が手ごろなサイズで未刊詩の選別も適切でベスト。思春期前は大嫌いで、思春期後に好きになりました。夏の叙景の言葉がいちばん好き。はっ!人生の夏を迎えないと読んでも言葉がせまってこないのか、な。

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    2009年10月04日
  • 野火

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    ネタバレ

    短めの小説だが内容には重量感があり戦争について考え直すきっかけになった。冒頭の「私の生命の維持が、私の属し、そのため私が生命を提供している国家から保障される限度は、この六本の芋に尽きていた。」という部分から戦争は他国からの加害だけでなく自国からの加害があったのではないかという視点を持つようになった。戦争文学ということもあり読んでワクワクするような作品ではないが自分自身のためになる作品だと感じた。またこの作品からはキリスト教的宗教観を節々に感じた。主人公が、死んだのちに自分を食べても良いと言った老人をキリストの変身かもしれないと考える場面はキリスト教におけるパンとワインの話を連想した。

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    2026年10月01日
  • 野火

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    難しい。正直、いろんな描写を理解できずに読み進めていた。しかしながら、戦争について考えさせられる内容ではあった。戦争の悲惨さ、現地の隊員のリアルが描かれており生々しさを感じた。

    難しいけど、ゆっくりでもいいので一読を薦める。

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    2026年09月26日
  • 野火

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    ネタバレ

    極限状態で人を殺すことと、人肉を食べること。この両者を隔てるものは何か、どれくらい隔たりがあるのか?という問いには答えが無いように思った。

    主人公は何もかもが偶然の連続に過ぎないという冷徹な目を持ちながら、食人という一点ではその冷徹さがぐるりと覆ってしまう極端さを見せる。まるで正常と狂気を反復横跳びしているように。

    食糧も物資も乏しいフィリピン戦線において、主人公は偶然の連続でたまたま人を殺して食べずに済んだが、偶然が連続するならばそこには神の意思があるのでは?と思うのは、この極限状態ではそうなるのではないか?むしろそうなる方が正常な心の動きだと感じる。

    偶然の連続=野火の連続した目視によって主人公に刷りまこれただろう"戦争"のイメージ。『野火』の二文字を見ると私の脳裏にも本書の情景が蘇る。秀逸な題名だと思う。

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    2026年09月13日
  • 野火

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    これでもかという凄絶な状況で、主人公が発狂していく様子が、主人公の一人称で書かれる。
    少しずつ?が増えていったのは、主人公が発狂してしまったからなのだと思うと、悲しい。
    最後とか言っていることが完全にそういう人。

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    2026年08月06日
  • 野火

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    戦争文学というより宗教文学のように感じられた。極限状態において人間はどのようにして「神」を見るのか?なぜ人は神を信じるのか?自身の宗教観を改めて考えるきっかけになった本だ。

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    2026年06月01日
  • 野火

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    軍人が書いた戦史と違って、文章そのものに価値がある、格調高いいわゆる純文学 例えば大江健三郎の小説ような、すんなり読めない更に言えば読みにくい戦争小説だったため、読む時間が3倍かかった

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    2026年05月11日
  • ハムレット! ハムレット!!

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    シェークスピアが開けた小窓から無限の宇宙が広がっていく。16-17世紀に書かれた作品が現代でもこれほど人の心を掴んでいることに鳥肌が立つ。文学の持つ底知れなさを思う。

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    2026年03月28日
  • 野火

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    太平洋戦争の話ですが、リアリティがすごいです。
    でも、リアルなだけに描写は残酷です。
    行きたいと思う人が死に、死んでもいいと思う人が生き、軍人としての上下関係の強さと弱さ、敵への本性の現れ、何を取っても残酷です。
    とにかく「綺麗事ではない戦争」が見事に描かれています。

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    2026年02月02日
  • ミンドロ島ふたたび

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    大岡昇平が赴いていた戦地に戦友を弔う為に、ミンドロ島に向かう紀行文が、アメリカ軍などの資料を元に実際の当時の戦況を交えて描かれている。
    日本軍への怒りが基本的にはあるのだが、戦記をなぞりながら、日本軍がアメリカ軍に与えた攻撃に効果があった際には喜んでいる様子も垣間見えて、一日本兵としての複雑な心境が窺えた。
    しかし大岡昇平はちょっとフィリピン人に対して懐疑的すぎている気もする。案内してくれているガードが興味津々に持ち物について尋ねてくると、賄賂の要求かと思い物をあげたり、離れた町に行きたいとお願いしたら小さいバンカーボートを用意されたといい、行く気などなかったのではと落胆する。
    しかしフィリピンは今でも主に使用しているのはバンカーボートなのであり、戦後復興もままなっていない当時ではまあそんなものではと思ってしまう。

    読みながらGoogle mapsで地図を見ながらサンホセなどを探してみたら、砂糖工場跡地は今「heritage park」として、植樹されたアカシアとwwⅡ時の多少の大砲?などと共に保存されているようで、you tubeには映像もあり感慨深い気持ちになりました。
    また、youtubeには米軍が44年にサンホセを撮影している映像がありました。

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    2026年01月11日
  • 中原中也詩集

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    「人は生まれながらにして罪を持つ」これがキリストなら、中原中也は「人は生まれながらにして悲しみを持つ」になる。
    悲哀は美しさに変わる。

    身近な死というものは同じ季節を二度と巡らせない。

    天才は短命だ。
    ずっと読んでいられるほど、テンポが良い。

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    2025年12月26日