大岡昇平のレビュー一覧

  • 中原中也

    匿名

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    中原中也のことを大岡昇平がどのように思っていたか、それが大岡昇平が歳を取るとともに変化しているのが興味深かったです。
    中原中也の詩作当時の時代背景や周りの文芸人との関係などが臨場感を持って伝わり、とても希少な本だと思いました。

    #深い #切ない

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    2024年05月13日
  • 靴の話 大岡昇平戦争小説集

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    大岡昇平は名前だけ知っていて、今回はじめて読む(と思う)けど、最初の短編の数ページを読んだだけで、非常に優れた文学者であることに気付いて、もっと早くに読んでいたら良かったと後悔した。

    大岡昇平って中原中也と同世代だったんだ。びっくりするわ。

    大岡昇平のいた部隊では、交戦ではなくマラリアでどんどん人が死んでいった。薬さえあればほとんど犠牲者の出ない病気で、一日に三人も亡くなるなんて、戦時中とはいえ大変なことだ。

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    2023年11月11日
  • 俘虜記

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    敗北がもたらす堕落を端的に示した作品で,まさに戦後文学を代表するものと言える。これぞ去勢だなと。後半になるにつれてユーモアが増して弛緩していくにつれ,前半の不殺のテーマが張り詰めるといった構成を感じた。

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    2023年08月31日
  • ながい旅

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    1945年8月15日日本は敗戦し、武器を使った戦闘は終了した。太平洋戦争ではアジア全域及び太平洋を囲む島々に於いて、一般市民軍人合わせて300万人以上の日本人が亡くなっている。勿論日本以外の国の死者を含めればその数は桁が上がる。武器による戦闘はこの日終結したが、その後待ち受けていたのは極東軍事裁判という方の裁きによる戦いだ。後の世に言う、あれは裁判などではなく、戦勝国による一方的な復讐劇といわているが、そこには法の下に戦う人々の姿があった。岡田資(たすく)中将の名前を聞いた事のある方はそれほど多く無い様に思う。太平洋戦争やその前段の日中戦争などの書物を読む方でも余り印象には残っていないだろう。
    彼は戦争末期日本本土決戦に備え東海地方を守る東海軍を司令官として預かっていた。戦争後期に入ると、アメリカは日本の軍事施設のみならず、一般の住宅地を如何に焼き尽くしていくか無差別爆撃を開始する。昭和20年3月10日の東京大空襲では、燃えやすく火の広がりを計算に入れた焼夷弾による爆撃を効果的に実施しており、結果として10万人以上が亡くなっている。その後も各地の主要都市への爆撃は手を緩めず、日本中が無差別爆撃の被害を被る。岡田の管轄する東海地方でも名古屋が大きな被害に見舞われ、無辜の市民が多く被害を受けることとなった。その様な状況下で、アメリカ軍の捕虜をとり、その扱いに関して罪名を受けたのが岡田である。
    事件の内容はとらえた捕虜の扱いに関して部下が斬首刑に処したことになる。通常は捕虜の取り扱いを定めたジュネーブ条約(日本は批准してないが従う意思は表明)に基づき、正当な裁判と処理が行われるべきところ、当時の空襲により上位の総軍とも連絡体制が乱れ、裁可を待ってられない状況にある。これを部下達が斬首に処したのである。
    一般的にこの手の裁判では、司令官までが関与することは珍しく、他の同様の事例においても司令官の耳に届かない事案として、司令官自ら死刑になる事は滅多に無い。だが岡田は自身の管轄下に於ける罪の責任は自分にありと、裁判で戦うことを決意するのである。通常司令官を法的な面で支える法務少将がいるのであるが、裁判前に自身の関与を否定する遺書を残して自殺してしまう。よって岡田は独り裁判に立ち向かうしか無いのであるが、元の部下達そしてアメリカ側が付けた弁護団と協力して裁判を戦っていくのである。岡田は武器を持たないこの戦いを、自身が信仰する仏教に準え「法戦」と呼ぶ。
    争点は部下の行った処置が正しかったか、そもそもアメリカ側が行った一般市民への爆撃自体が国際法違反であり、それによって捕らえたアメリカ兵は捕虜ではなく戦犯である(だから処置するのが当然)といった部分で争っていく。アメリカ側もこの裁判に無罪判決を出そうものなら、無差別爆撃の罪を認めることに成りかねず、検察側も周到に岡田を追い込もうとするのであるが、岡田の嘘偽りない姿勢、部下を守る決意、卓越した人間性に向き合い徐々に態度を変えていく。後半では検察自ら岡田に有利になる様な姿勢まで出てしまう(当然裁判官達も同じだ)。
    だが一方ではアメリカ側も自国のしてきたことを国際法違反と認めてしまう事は、他の裁判や戦後の日本統治に多大なる影響を及ぼしてしまう。このジレンマを抱えながら、多くの証言者の意見と弁護によって出された判決は絞首刑。裁判の1シーンとして、アメリカ側の無差別爆撃が国際法違反を否定できず静まりかえる場面、夏の日差しが既に死刑に決まった岡田の牢屋に差し込む場面、最後に刑場に向かう岡田を他の死刑囚達が「南無妙法蓮華経」の声で送る場面など、岡田の態度と発言に心を揺さぶられた読者の胸を熱くするシーンが多々ある。戦争とは何なのか、それによる罪とは何か、そしてその様な状況下で人はどうあるべきか、様々な疑問が湧き上がりながらも、独り最後まで自身を貫き通した1人の日本人がいた事を誇りに思う。
    岡田は最後までこの法戦及び牢獄での出来事について後世に残すべく「毒箭」と言う書を残している。本書はレイテ戦記で私を太平洋戦争の世界へ引き摺り込んだ大岡昇平。間も無く終戦記念日を迎えるこの時期に何度でも読み返したくなる名著だ。

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    2023年08月07日
  • 俘虜記

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    太平洋戦争。フィリピンのミンドロ島へ出兵した筆者。そこで米軍に捉えられ捕虜となる。その体験を記した本書。殺せたはずのアメリカ兵をなぜ撃たなかったのか?なぜ自殺ができなかったのか?その問いをつぶさに、自分自身にぶつける誠実な手記。

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    2023年07月11日
  • 武蔵野夫人

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    戦後の時代背景に書かれている物語だが、変わらず現代でもある展開。
    結局、人とのかかわりはなにかのことでこ
    じれていってしまう。
    それがいつの世もドラマや小説の種になる。
    古い感じを乗り越えて、二組の夫婦を眺めてみて初めておもしろさがよりますと思う。

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    2022年06月08日
  • 俘虜記

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    太平洋戦争後に"戦後派"と呼ばれる作家が登場しました。
    その内、一般的に、戦争体験を通して感じたことや、その意味を論じる文学者たちを第一次戦後派と呼び、戦争体験如何に依らず、戦前の文士たちによって培われた小説技巧を昇華させ、新たな手法を取り入れることで優れた小説を生み出していった作家たちを第二次戦時派と呼びます。

    大岡昇平氏は、第二次戦時派として真っ先に挙げられる作家だと思います。
    本作『俘虜記』は、氏の戦争体験を元に書かれており、小説というよりも体験記に近い内容です。
    ただ、他の戦争小説とは異なり、戦争の理不尽の中に置かれた人間の感情吐露などの批判や訴えかけを行っているものではなく、ユーモラスでシニカルな内容になっています。
    文章は堅苦しくなく、読者に読んでもらうことを念頭に書いているような感じがありました。
    今の大衆小説に通じるサービス精神のようなものが感じられ、そういったところが第二次戦時派として第一次と分けられる部分だと思います。

    米軍俘虜(=捕虜)になった主人公・大岡が、俘虜収容所の様子を思うままに書いたような作品です。
    大岡は比島のミンドロ島で作戦行動中、米軍兵士に捉えられ、俘虜として連行されます。
    米軍の姿は大岡が先に見つけていたのですが、彼を撃たなかったことに関する心情描写がリアルで是非読んでいただきたい箇所です。
    その後、マラリア治療のため野戦病院に入り、俘虜収容所で同じように連行された俘虜たちとの生活が描かれます。
    そこでの生活は制限された食事、虐待に近い米軍兵士の扱い、病に冒されても治療はされず、生きたまま腐っていく仲間たちの姿が待っている、わけではなく、条約に基づいて丁重に扱われた、それなりに人間らしい日々が描かれるものとなっています。

    戦争文学というと、生き地獄のような行軍や、銃弾行き交う凄まじい戦場を駆け巡る戦争ドラマを想像しますが、本作で描かれるのは、食事は残飯が出るほど与えられ、俘虜にも仕事を与えられ給金も発生し、芸術も培われや遊戯も行われる、想像していた戦争中とはちょっと違う内容です。
    これはこれで一つの真実だと思いましたが、戦争が終了した後とはいえ、この内容を出版するのは大胆というか、当時、批判があったんだろうなと思いました。
    ただ、切り取られた空間に押し込められた人々の本来の姿があぶり出されていて、文明批判のようなものを感じました。
    また、作中の大岡は戦争に負けることはもはや自明であると途中で考えていて、天皇制に対する思いのようなものも書かれています。
    そういった点で、広く一般的に読みやすい小説でありながら、これからの社会の旗振りを担おうとする、第二次戦後派の文学的傾向が感じられます。

    俘虜になってから日本へ帰るまでの、大岡昇平が経験したタイトル通りの"俘虜記"が、装飾されずに淡々と詳細に書かれています。
    結構厚く、通読には根気が必要と思いますが、戦争ものとして紛うこと無き名作です。

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    2022年01月25日
  • 俘虜記

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    ネタバレ

     戦争を内から見つめた文学。渦中にいた著者が見た、「戦争」とは。読み始めるのが少し怖かったけど、意外なことに、凄惨な描写はほとんどない。どこまでも冷静な筆致で、主に俘虜収容所で考察した日本社会、現代の文明に関する批評が書かれている。

     この本は、大きく捉まるまでと捉まったあとに分けることができる。
     捉まるまでの情景や心理描写は、戦場で紙とペンを持っていたわけではないだろうから、彼の記憶によってのみ書かれたものだ。しかし、その生々しさはズシンとくる。死につきまとわれると、人はどうなるのか。目の前の米兵を打たなかった心理。緊迫感を持ってページを繰り続けた。
     捉まったあと、つまり俘虜になってからは、一気に弛緩する。豊かな国アメリカの俘虜になるということは、毎日2700kcalの食事をとり、煙草を喫み、博打に興じ、文化・芸術を求め、同性愛者においては自己を主張できるということだ。不正はあっても犯罪はない。このような生活で著者は、人間を、日本社会を、戦争を指揮した軍人を、現代の文明を静かに見つめている。頭の良さに感服してしまう。
     これこそ次世代に読み継がれるべき本なのでは。今の社会のおかしさを考える上でも、この本のどこかにヒントがある気がする。

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    2017年09月20日
  • 俘虜記

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    ネタバレ

    また新たな視点で「戦争」についての示唆を得られた1冊。

    「米軍が俘虜に自国の兵士と同じ被服と食糧を与えたのは、必ずしも温情のみではない。それはルソー以来の人権の思想に基く赤十字の精神というものである。人権の自覚に薄い日本人がこれを理解しなかったのは当然といえば当然であるが、しかし俘虜の位置から見れば、赤十字の精神自体かなり人を当惑さすものがあるのは事実である」(p80)

    「天皇制の経済的基礎とか、人間天皇の笑顔とかいう高遠な問題は私にはわからないが、俘虜の生物学的感情から推せば、8月11日から14日まで四日間に、無意味に死んだ人達の霊にかけても、天皇の存在は有害である」(p323)

    「我々にとっての日本降伏の日附は八月十五日ではなく、八月十日であった」(p323)

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    2017年08月07日
  • 中原中也詩集

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    「山羊の歌」には若者に特有のどこか気どった哀しさがあります。「在りし日の歌」は、子を亡くしたことへのストレートな哀しさが表出されています。
    中也の作品は多感な学生の必須アイテムみたいに思われていますが、むしろ逆に、幼子を持つ親にこそ訴えるものが目立ちます。
    頑是ない歌・月夜の浜辺・また来ん春・正午・春日狂想・夏の夜の博覧会はかなしからずや・初夏の夜に

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    2017年05月01日
  • ながい旅

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    B級戦犯となった岡田資の法廷闘争を描いたドキュメンタリー。岡田氏の思想や気概よりも、戦争のやりかたを法で定めることの是非、犯罪行為の有無を戦勝国が裁くことの是非など、根本的な問題を棚上げしておこなわれた極めて政治的な裁判の様子が良くわかる。またそれ以上に、戦争末期から戦後初期の日本国内の混乱状態や、タブーを抱えつつも民主的かつ公平な姿を示したい米国の苦悩が強く感じられる。

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    2016年08月30日
  • 恋愛論

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    かつて途中で読むのを断念した本。
    恋愛してしまった今、改めて読んでみると、なかなか勇気づけられることが諸所にあった。恋愛を楽しもうと前向きになるので、意外にも楽しめた。
    タイプ別あるあるや、恋愛のパターン、恋に落ちるまでの過程が冷静に、まるで科学のように説明されていく様子は歯切れが良い。ドライすぎることもなく、読み進めていくとだんだん、スタンダールは相当恋愛好きなんだな、と納得する。そして自分が少しスタンダールに影響されていることを知る。
    200年程前に書かれた本なのに、現代に十分通じる内容。人間て実はあまり進化していないんだなと思う。

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    2015年09月26日
  • 俘虜記

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    大岡昇平さんの小説はテレビドラマを見て読んだ「事件」以来かな。俘虜の心理を自ら分析してみせるくだりが秀逸です。俘虜となってから日本に帰るまでが描かれているのでけっして楽しい展開ではありませんが、戦時中の日本人の考え方など理解できました。

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    2015年07月18日
  • 俘虜記

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    『野火』以来の大岡作品を読もうと思って本作をチョイスしたら、結果的に戦後70年にふさわしい読書となった。まずはこのタイミングで読めたことを喜びたい。さて、肝腎の内容についても、もちろん優れているのだが、なかでも白眉は冒頭の「捉まるまで」。著者が米兵と遭遇し、なぜ銃を撃たなかったかについて冷静に考察している。もちろんのちほど「潤色」した部分も多少はあるのだろうけど、戦時下の前線において、生死のはざまを前にして繰り広げられる「哲学」には、月並だが考えさせられるものがある。その他の部分も示唆的な内容に満ちていて、あまり注目されにくい俘虜というものの存在について、あるいはもっと広く日本人というものについて、そのすべてを浮き彫りにしている。負けたのもさもありなんという気がする。また、単なる文学としてのみならず、貴重な戦争の資料としても眼を瞠るべき部分は多い。捕虜の扱いはハーグ陸戦条約で明確に定められているが、そのことについて触れたくだりもあって、当時からすでにそのことが意識されていた――つまり、それに背く扱いがなされた場合は、意図的に条約を無視していた――ことがわかるし、また、いまだに論争のやまぬ「南京事件」についても、もちろんそれをメインに描いた小説ではないから多くは語られていないが、南京占領のさいに旧日本軍においてなにかしらの残虐な行為があったという記述もあり、この時期ですでにそういうウワサが広まっていたことを考えると、ネトウヨの一部にみられるような事実無根という主張は無理筋であることもわかる。わたしはふだんから歴史認識問題についてもある程度関心があるので、その点からいっても本作を読むことができてとてもよかったと思う。

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    2015年04月15日
  • パルムの僧院(上)

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    1796年、ナポレオンのイタリア進行に従軍した著者が、動乱の中で徐々にナポリの文化に平常心を見出して行くストーリー。

    ヨーロッパという地続きの感覚がザラザラと、世界史で習ったフレームに色合いを与えてくれるような一冊。

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    2014年08月19日
  • 俘虜記

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    著者がフィリピン・ミンドロ島で従軍し、収容所で日々を過ごした頃の記録。
    鋭い人間観察と心理描写。
    緊迫した塀の外とは裏腹にコミカルに描かれる収容所内部の様子。
    多彩な人物が織り成す一種の密室劇は純粋に面白く、ページをめくる手が止まらなかった。
    一小隊が飢えのあまりにフィリピン人を撃って喰おうとして、逆にアルミ缶をドンドン叩かれて集まった仲間にグルグル巻きにされて米軍に突き出されるシーンと、田辺哲学を信奉する学生との煙草の箱をめぐるやり取りが特に好き。
    あと自ら投降した兵士達のエピソードの数々。

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    2013年08月09日
  • 中原中也詩集

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    詩の端々から寂寥、孤独、喪失、死とかのイメージが感じられる。

    『汚れっちまった悲しみに』
    汚れちまった悲しみに 今日も小雪の降りかかる
    汚れちまった悲しみに 今日も風さえ吹きすぎる
    汚れちまった悲しみに たとえば狐の皮衣
    汚れちまった悲しみは 小雪のかかってちぢこまる
    汚れちまった悲しみは なにのぞむなくねがうなく
    汚れちまった悲しみは 倦怠のうちに死を夢む
    汚れちまった悲しみに いたいたしくも怖気づき
    汚れちまった悲しみに なすところもなく日は暮れる

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    2010年11月11日
  • 俘虜記

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    久々にものすごく時間をかけて読みました。

    戦場での強姦に関する場面など(従軍看護婦なのに実際は従軍慰安婦という感じの、ということや)は正直吐き気がしましたが。

    うまく感想がいえません。こういう戦争モノを読むと何も言えません。

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    2010年08月01日
  • 恋愛論

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    スタンダールさんは天才過ぎて何が書いてあったのかわかりませんでした。ですが頭がよくなった気分にはなります。気分だけですけど。

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    2010年03月07日
  • 中原中也詩集

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    自分と向き合う苦しみ、心の叫びを、壊れそうではかなくて美しい言葉で綴っています。中也からランボーやヴェルレーヌを読むことに繋がった。10代の時にとても影響を受けました。

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    2010年02月11日