大岡昇平のレビュー一覧

  • 武蔵野夫人

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    ゼミで扱った作品。
    『真珠夫人』より昼ドラ感のある作品。
    ゼミ生達の討論が最も盛んだった作品。
    私個人もかなり夢中になりました。

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    2009年10月04日
  • 野火

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    戦時中の極限状態に置かれた人間の尊厳について。
    生々しいが、エネルギーも凄まじい
    とてつもない反戦小説

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    2025年11月20日
  • 野火

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    身体的・精神的極限状態下での、生存本能と理性の葛藤や、巨大な神の存在への意識、といった思考を追体験するような作品。

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    2025年08月11日
  • 野火

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    大体のあらすじは知っていたが、改めて読むと重い小説。

    ごく平凡な中年一等兵である田村が孤独な極限状況に置かれる事で人を殺し、人肉を食べたいとまで感じる。

    戦争という特殊な状況がそうさせる、と読める一方で現代社会でも人間は状況によっては何をするかわからないとも言える。

    人間の恐ろしさ、そして極限状況で踏み止まる理性。左手が右手を抑えるシーン。

    人間とは何か、難しいテーマだ。

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    2025年08月11日
  • パルムの僧院(上)

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    宝塚のパルムの僧院に、好きな スター さんが出た作品だったんで 読んでみたんですけどやっぱりこのスタンダールさんの作品というのは 、、、そうきたか ていう感じですね
    わりと中身的にはグロいというかエゴイズム満載の人間味溢れすぎる感じが、綺麗な物語にできちゃった宝塚の演出の人がすごい
    ジーナおばさんがかなり 大活躍でしかも 政治的にかなり 活躍されていて スタンダール は元々 政治の話も好きだなっていうのはあるんですけど その面が宝塚 より強調されてるんだなと思いました
    そして スタンダールはフランス人だからなのか イタリアを舞台にして書いてるのにイタリア人をなんかちょっとだけ見下したかの

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    2025年07月28日
  • パルムの僧院(下)

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    ネタバレ

    一か月かけて読み切った。下巻は話も盛り上がってきて面白かったが、それでも物語の20%ほどしか楽しめなかったと思う。

    綺麗でどこか淡々としてる文章から、恋に狂う貴族たちの様子が描かれ、恋の為にあの手この手で貴族社会を乗り越えていく様はどこか滑稽な部分もある。この当時の恋愛は信じられないほどの情熱に包まれており、恋のために政治まで動く情熱ぶり。そして貴族界ではそれはそれで仕方ないというような風潮は驚きだ。

    ラストあたりはかなり衝撃だった。これまでの秘密のやりとりから無情の結婚、14か月の未練が遂に成熟したと思えばあの結末。ある意味でこの時代の貴族というのは自由で何でも持っているが、気持ちの面で

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    2025年05月28日
  • 花影

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    これはほぼノンフィクションで、葉子のモデルとなった坂本睦子を主人公として話が展開される。
    作者の大岡昇平はこの小説になにを託したのか。自らの悔恨か、それとも青山に対する告発か。

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    2025年03月01日
  • 野火

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    ざっと。哲学者のような彼が戦地でどのような体験をし、ものの見方をし、何を考えたかを知るのは貴重。だが、引き込まれず、読み飛ばす。

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    2025年01月11日
  • ながい旅

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    ネタバレ

    B29爆撃機で無差別殺戮をおこなった乗組員を処刑した岡田中尉の裁判記録である。小説のようなタイトルであるが実際はそうではなかった。米国の裁判では乗組員の捕虜処刑と単純に言われるがそう単純なものではなかった。

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    2024年11月28日
  • 野火

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    家の本棚にあって手に取った。ただ、偶然というのではなく、最近、なんとなく戦争というものが今までよりも近くにある感覚があり、惹きつけられたのだと思う。

    戦争をひとたび経験してしまったら、それまでの自分には戻れないだろうという思った。知らない人間は、半分は子供であるという言葉があったが、わかる気がした。戦争を生き延びた前後で同じ人間でいられるとはとても思えなかった。それまでの人生で自分が感じた感情がすべて子供臭かったと感じてしまうのではないだろうか。一方で、それが幸福だとはとても思えない。

    改めて大人になること、子供でいることについて考えた。子供たちには大人になれと言っているくせに、この本を読

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    2024年11月24日
  • 野火

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    参加している読書会の課題図書として読んだ小説。
    大岡昇平の小説を読むのは初めて。
    戦場でのできごとの描写は、簡潔でリズムが良いのに、主人公が、戦場で殴られて気を失った後、なぜか助かって復員してからの生活やその後の独白の部分は、ダラダラして、言い訳っぽくって、全体の読後感を悪くしているように思う。
    主人公が、民間人のフィリピン人を殺したことや、戦友を殺したことの罪悪感を隠す言い訳として、自分は死人の肉を、それと知っては、食べなかったと言うことを心の拠り所としているが、それを自分でも公平な判断だと信じることができないために、外の世界に対して攻撃的になったり、食事の前に変な儀式をしたりしなかったり、

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    2024年09月18日
  • 野火

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    戦争における無意味な死や困窮、それはつまり人間性の投げ売りであり消費であり冒涜であり、という事実が淡々とした文体で冷徹かつ明朗に浮かびあがる。ほら、そこでまた一人の人生が閉じますよ、そこでまた一人生きることを諦めますよ、それで?その生き死にには何の意味があったのでしょうか?と。
    こういった小説や物語は、戦争がヒロイックに娯楽へ落とし込まれたメディアに対して必ず存在しなければならないもので、本来あるべき文明や知性の使い道なのだと思う。

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    2024年07月28日
  • 恋愛論

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    フランスの文豪スタンダールによる恋愛論。エッセイ?小説のような掌編もあり。今とは恋愛の価値観も違うから何とも言えないけど、こういう考えもあるのねと。フランスでは発売当初まったく売れなかったらしい。

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    2024年06月24日
  • 武蔵野夫人

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    心の動きをこうも的確に書くのかと、いくつも線を引いた。
    恐怖に潜む執着、窮地に見せる経済観念、罪悪に裏付けられる快楽などは、普段は言葉にならず心の底に沈殿しているものである。

    ルールはないにも関わらず、その一つから螺旋状に演繹されてゆく心理のやりとりは自然であり、残酷なものだと気付かされた。

    口に出してはいけないものがあり、裏を返せば口に出せるものには真実は現れないということだ。

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    2024年06月01日
  • 俘虜記

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    俘虜となる過程、俘虜としての収容所での生活が描かれている。俘虜として、責任も目的もなくなったことにより、人間の醜さ、エゴイズムが露呈する。
    平和で生活が快適であるからそれぞれの穏健な性格を保つことができているだけで、人間の本質は実際このようなものなのだと思う。
    震災時の避難所等でもこのようなエゴイズムが露呈すると聞く。ある所から逸脱した時、人間はいくらでも醜くなるものなのだと思う。そんなことを見つめさせられる本だった。

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    2024年04月23日
  • 俘虜記

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    第二次世界大戦中にフィリピンで戦い俘虜になった作者が、自身の経験を綴った体験記

    大まかな構成としては、俘虜として捕まるまでと捕まった後に大きく分けられ、俯瞰的な視点から、教養に溢れた文体で自身が観た光景とそこから作者が得た解釈を記載してます。私の視点からすると差別的な表現が一部入っているのは気になりましたが、当時としては、これが一般的な感覚だったのでしょう。
    ネットで見た情報では、大戦中の日本兵俘虜の死亡率は10%程度と書かれていましたが、とてもそんな過酷な感じはしませんでした。俘虜になった場所で待遇が違ったのか、それとも通訳を行っていた作者が恵まれた場所に移送されたのか分かりませんが、想像

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    2024年04月17日
  • 野火

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    じっくり読みきれなかった気がするので再読したい。主人公の眼からみた景色、風景は美しく思えるが、描写を読み込み想像することが難しかった。再読の際には一文一文を噛み砕いていく作業が要る。舞台を離れた主人公が伍長と出会うまでの心理描写もなかなか難しく読み込めていない。鬱屈した雰囲気もあり苦手かも。後半は残酷なことが起きてはいるものの他人との関わりが生じるからか何故かそれまでより、明度が上がった気がした。戦争体験記かと思って読んだが、心理描写、キリスト教、命を食べることへの疑問など、精神的な描写が多くて、思考するヒントをもらえた気がする。

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    2024年03月07日
  • パルムの僧院(下)

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    描かれる恋愛については全く共感できそうにないが、現代では大袈裟と取られるようなミュージカルめいた台詞回しは結構好き。
    モスカ伯爵が一番好感が持てるかな。

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    2025年08月16日
  • 花影

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    水商売をし、男をてんてんと渡り歩く女の話。死ぬことを生きがいにしている描写に、精神疾患を持つ私としては妙に共感してしまった。また、服毒する前の儀式のような行動にはへんな安寧があって、美しささえあった。これがフィクションなら、「美しい」だけで終わったものの、モデルがいるという解説には少し胸を締め付けられた。

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    2022年12月23日
  • 靴の話 大岡昇平戦争小説集

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    「大岡昇平」の戦争小説集『靴の話―大岡昇平戦争小説集』を読みました。

    『野火』に続き「大岡昇平」の戦争小説です。

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    太平洋戦争中、フィリピンの山中でアメリカ兵を目前にした私が「射たなかった」のはなぜだったのか。
    自らの体験を精緻で徹底的な自己検証で追う『捉まるまで』。
    死んだ戦友の靴をはかざるをえない事実を見すえる表題作『靴の話』など6編を収録。
    戦争の中での個人とは何か。
    戦場における人間の可能性を問う戦争小説集。
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    自らの体験が色濃く反映された出征、戦闘、捕虜生活が描かれた作品なので、小説とい

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    2022年11月11日