大岡昇平のレビュー一覧
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宝塚のパルムの僧院に、好きな スター さんが出た作品だったんで 読んでみたんですけどやっぱりこのスタンダールさんの作品というのは 、、、そうきたか ていう感じですね
わりと中身的にはグロいというかエゴイズム満載の人間味溢れすぎる感じが、綺麗な物語にできちゃった宝塚の演出の人がすごい
ジーナおばさんがかなり 大活躍でしかも 政治的にかなり 活躍されていて スタンダール は元々 政治の話も好きだなっていうのはあるんですけど その面が宝塚 より強調されてるんだなと思いました
そして スタンダールはフランス人だからなのか イタリアを舞台にして書いてるのにイタリア人をなんかちょっとだけ見下したかの -
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ネタバレ一か月かけて読み切った。下巻は話も盛り上がってきて面白かったが、それでも物語の20%ほどしか楽しめなかったと思う。
綺麗でどこか淡々としてる文章から、恋に狂う貴族たちの様子が描かれ、恋の為にあの手この手で貴族社会を乗り越えていく様はどこか滑稽な部分もある。この当時の恋愛は信じられないほどの情熱に包まれており、恋のために政治まで動く情熱ぶり。そして貴族界ではそれはそれで仕方ないというような風潮は驚きだ。
ラストあたりはかなり衝撃だった。これまでの秘密のやりとりから無情の結婚、14か月の未練が遂に成熟したと思えばあの結末。ある意味でこの時代の貴族というのは自由で何でも持っているが、気持ちの面で -
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家の本棚にあって手に取った。ただ、偶然というのではなく、最近、なんとなく戦争というものが今までよりも近くにある感覚があり、惹きつけられたのだと思う。
戦争をひとたび経験してしまったら、それまでの自分には戻れないだろうという思った。知らない人間は、半分は子供であるという言葉があったが、わかる気がした。戦争を生き延びた前後で同じ人間でいられるとはとても思えなかった。それまでの人生で自分が感じた感情がすべて子供臭かったと感じてしまうのではないだろうか。一方で、それが幸福だとはとても思えない。
改めて大人になること、子供でいることについて考えた。子供たちには大人になれと言っているくせに、この本を読 -
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参加している読書会の課題図書として読んだ小説。
大岡昇平の小説を読むのは初めて。
戦場でのできごとの描写は、簡潔でリズムが良いのに、主人公が、戦場で殴られて気を失った後、なぜか助かって復員してからの生活やその後の独白の部分は、ダラダラして、言い訳っぽくって、全体の読後感を悪くしているように思う。
主人公が、民間人のフィリピン人を殺したことや、戦友を殺したことの罪悪感を隠す言い訳として、自分は死人の肉を、それと知っては、食べなかったと言うことを心の拠り所としているが、それを自分でも公平な判断だと信じることができないために、外の世界に対して攻撃的になったり、食事の前に変な儀式をしたりしなかったり、 -
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第二次世界大戦中にフィリピンで戦い俘虜になった作者が、自身の経験を綴った体験記
大まかな構成としては、俘虜として捕まるまでと捕まった後に大きく分けられ、俯瞰的な視点から、教養に溢れた文体で自身が観た光景とそこから作者が得た解釈を記載してます。私の視点からすると差別的な表現が一部入っているのは気になりましたが、当時としては、これが一般的な感覚だったのでしょう。
ネットで見た情報では、大戦中の日本兵俘虜の死亡率は10%程度と書かれていましたが、とてもそんな過酷な感じはしませんでした。俘虜になった場所で待遇が違ったのか、それとも通訳を行っていた作者が恵まれた場所に移送されたのか分かりませんが、想像 -
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「大岡昇平」の戦争小説集『靴の話―大岡昇平戦争小説集』を読みました。
『野火』に続き「大岡昇平」の戦争小説です。
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太平洋戦争中、フィリピンの山中でアメリカ兵を目前にした私が「射たなかった」のはなぜだったのか。
自らの体験を精緻で徹底的な自己検証で追う『捉まるまで』。
死んだ戦友の靴をはかざるをえない事実を見すえる表題作『靴の話』など6編を収録。
戦争の中での個人とは何か。
戦場における人間の可能性を問う戦争小説集。
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自らの体験が色濃く反映された出征、戦闘、捕虜生活が描かれた作品なので、小説とい