あらすじ
昭和26年「展望」に連載、読売文学賞を受けた。いわゆる「戦後作家」の最も早期の作家として登場した作者は、かつての大戦の歴史的現象の中で精神をどのように試練されたか。戦後文学「野火」には、近代の西欧文学と競おうとする作家の意欲と、大戦で味わった精神の所産の二つが火のような要求となって結晶している。
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Posted by ブクログ
食うか食われるかの話。
だけど、食われるから食うのか、食わなきゃ食われるけど食っていいのか疑うのか。本能が自分を占める中で、自然と理性が拮抗してくるような、「生きたいはずなのに死に向かう行動をしてしまうのはなぜだろう」という普遍の疑問を提示してくれる。
その象徴が、まさに美しい左手。飢えて死にそうなとき、目の前にある死人の肉を切ろうとする右手を無意識に止めた左手。
そう思うと、三大欲求だけじゃなくて、美しく生きたいとか、見栄を張りたいとか、そういうことも欲求になるのかも。大森靖子が、「食欲性欲睡眠欲自己顕示欲含め4大欲」って歌ってるのが本当にその通りだと最近より思う。
Posted by ブクログ
極限状態の更に極致。行間を読まねば分からない部分も多い。難読書ではあるが、堪えて読みすすめるうちに、ジワリジワリと作者の叫びが胸をつきぬけていく。戦争を知らない世代こそ読むべき一冊。