小泉武夫のレビュー一覧
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タイトルそのままで、醤油、味噌、酢について知れる本。
単なる調味料としてしか思ってなかったが、どうやって作られるのか、歴史的にいつごろからあったのか、体にどういいのか、などいろいろと勉強になることが多かった。
味噌汁などで味噌を日常的に取るようにするとお通じなど体調がよくなるのは自分でも体感していたけど、昔の人々も経験的にそれを知っていて、戦国時代などはタンパク源としても味噌を重用していたと知ってすこし驚いた。現代ではそのすごさが科学的にも解明、裏付けされている。
体に良い、疲れも取れる、ということで、味噌、酢をもっと取るようにしようと思った。 -
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小泉武夫『熊の肉には飴があう』ちくま文庫。
食のエッセイかと思って読み始めたら、まさかの料理小説。ちくま文庫オリジナル。
熊鍋、筍の鉄砲焼き、錆鮎の赤煮、冬泥鰌の筏焼きなど、馴染みの薄い鳥獣や山菜、自らが育てた野菜を使った食べたことのない料理が次々と登場する。こんな店があったら面白いと思うが、ここまで拘るのは難しいだろう。
料理は素材と料理人の感性でほぼ決まる。昔、野菜料理が評判というシェフのレストランで前菜の地野菜のグリルを食べたが、単純な調理方法であるにも関わらず、驚くほど美味かった。その後の料理も野菜中心で、初めて食べたライスコロッケなどは絶品だった。地方の小さなレストランでこんな -
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またしてもちくまQブックスを読む。
先ほどレビューしたジュニスタと、競合するレーベル。
発酵学の大家、小泉武夫(どうしても音楽学者の文夫さんと混乱してしまう)先生に、食品ロス問題に取り組むジャーナリストの井出留美さんがインタビューする形式の本。
日本の食料自給率の現状、農業政策の問題点など、最初からつらい現実が突き付けられる。
そこへ小泉さんが、各地の農業リーダーの取り組みを紹介していく。
例えば熊本の中嶋農法。
輸入肥料に頼るのではなく、堆肥づくりを重視する。
びっくりするのは、いい土で育った野菜の自然治癒力。
少しくらい青虫に食べられても、まったく問題ないという。
にわかには信じがた -
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ネタバレ言わずと知れた”発酵の神様”、小泉武夫氏の蘊蓄をこれでもかというぐらい堪能できる。
構成が単調で次第に飽きてくる…というきらいはあるが、例えば鰹節やナタデココも発酵食品だったのか、と無知な私は勉強になったし、日本の出汁では油脂が出ない、等といった、発酵食の話題から派生して展開される見解も非常に興味深く読ませていただいた。
昆虫食の話も、個人的にはドストライクだった。
ヴォリュームは思ったより少なかったが、文庫版で新たに加えられた高野秀行氏との対談も、楽しみにしていたコンテンツ。
あの辺境探検家と発酵食の大家が、共通の話題で盛り上がり意気投合している様に感動すら覚えた。
同時に、小泉氏と同じ土 -
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「醤油・味噌・酢はすごい」ことを書いているのではあるが、つくづく小泉武夫はすごいと思う。専門の学者とは言え、日本の三代発酵調味料たるこの3つについては、その歴史・製法・成分・効能・調理法まで凡そこのコンパクトな新書にギュウギュウに詰め込んで出し惜しみすることがない。
下手にネットサーフィンするよりも、この一書を読めば様々な調べ物は用を足すのではないか?とは言え流石に、発酵調味料が「腸に良い」という視点は、この学者には殆どなかった。医者でないので、 最新の病理学は得意ではないのだろう。あと現代風レシピもない。でも、「発酵調味料のおかげで、日本食はこんなにも美味い」ということは大いに主張している