小泉武夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「人間はこんなものを食べてきた」5
著者 小泉武夫
出版 日経ビジネス人文庫
p99より引用
“チャンピオンと言うよりは、これはもう別格で、
その名をシュールストレミングという。”
発酵学者である著者による、
食に関するエッセイをまとめた一冊。
過去に他社から刊行された物を、
改題し文庫化したもの。
著者の専門である発酵食品についてから、
この先の大きな問題である食糧危機についてまで書かれています。
上記の引用は、
世界一臭い缶詰についての一文。
この著者の作品にはたびたび登場する、
おなじみの一品です。
しかし何度読んでもこの缶詰について読むたびに、
驚きと笑いがこみ上げてきます。
-
Posted by ブクログ
「食あれば楽あり」5
著者 小泉武夫
出版 日経ビジネス人文庫
p213より引用
“舌と鼻と耳と手といった、いわゆる五感というものに
神経を集中させて怠らなければ、
その食材の持つ真味といったものと
必ず出会うことができるのだ。”
発酵学者である著者による、
日本経済新聞に連載されたエッセイをまとめた一冊。
シリーズ二冊目。
著者自らがその舌で体験した食や、
その周辺に関しての事柄が大量に書かれています。
上記の引用は、
ニシン一匹で他の人が心配するほど感動する著者が書いた、
味に対しての一文。
この後、
上記の境地に至れば何を食べても美味であると、
さらに著者は続けます。
あらゆる物 -
Posted by ブクログ
「食に知恵あり」5
著者 小泉武夫
出版 日経ビジネス人文庫
p49より引用
“ひょっとしたら江戸時代に紙まで食べて除いた「悪病」とは、
こうした生活習慣病だったのかもしれない。”
発酵学者である著者による、
日本経済新聞に連載されたコラムをまとめ、
書き下ろしを加えた一冊。
1996年に刊行された物の文庫版。
ありとあらゆる食べ物について、
事細かに面白いエピソードが書かれています。
同じ著者の「怪食紀行」シリーズよりは、
文体は固めのように思われます。
上記の引用は、
江戸時代に和紙を味噌汁の具にして食べていた話の、
締めの一文。
紙まで食べる位しないと生活習慣病を予防出来ないのな -
Posted by ブクログ
食エッセイならこの人
この本は二部構成で
一部は納豆そのものについて、二部は筆者特製の納豆レシピ
なかなかに濃い内容で、かなり納豆が食いたくなる(笑)んだが
この中に驚くべき記述が…
納豆とバナナを混ぜてシロップを掛ければデザートとしていける!
…ミスター味っ子とほぼ同等の内容w
でもさすがにステーキは作れない模様(笑)
また、テレビで紹介されていた納豆アイスについても触れられていました
★★★★★(納豆が嫌いじゃなければ)
あるある大事典で納豆が売れているらしいのには
まったく興味がわかなかった私ですが
この本を読むと食いたくなるw
余談ですが、豆繋がりで… -
Posted by ブクログ
ネタバレ第1章 麹の種類と健康パワーの解説(多めで詳しい)
第2章 具体的などんな症状に麹の効果があるのかという症状別解説
第3章 乾燥麹から作る麹甘酒の作り方とアレンジドリンク
第4章 塩麹や塩麹のアレンジ版(ニンニク、塩レモン、しょうゆなどなど)の作り方
第5章 症状別麹の摂取の仕方、レシピ紹介
第6章 甘麹スイーツレシピ
全6章といった内容になっておりました。
大きな判型で全てのページに写真や図が掲載されておりとても見やすく開きやすいので、開きながらレシピを確認するにも良さそうです。
先日麹甘酒を作ったので、使用レシピを知りたく手に取りました。
本書のレシピはドリンク以外は一作成麹に対して一 -
Posted by ブクログ
日本の三大発酵調味料である醤油・味噌・酢について、その製造方法や歴史、地域性や使用例、そして健康促進面(保健的機能性)などについて教えてくれる本。
醤油と味噌は、古代には「醤(ひしお)」と呼ばれ、古文書にも記されていて、初期の頃のものは固形状のもので醤油とも味噌ともまだ分けきれない調味料だったようです。大宝律令(701年)では、朝廷に醤院(ひしおつかさ)なる官庁が設置され、醤などの調味料を国家が司っていたことが読み取れます。それだけ、古くから大切にされ重宝され育まれてきた調味料なのでした。
醤油と味噌はともに、日本特有の細菌である麹菌を用いて製造されています。麹菌は蒸した米で育てたものが米 -
Posted by ブクログ
発酵学といえばこの人、というべき小泉先生。
発酵を戦争という切り口から見た、少し毛色の変わった本。
第一章は戦時下の発酵食品。
続いて第二章では戦時下での酒の製造。
主に太洋戦争期の日本についてだが、紅茶、ワインやウィスキーなどは欧米の状況が説明されている。
発酵とはどういう現象かなども最初の方にきちんと説明はされているのだが、主になってくるのは社会情勢の方だ。
例えば、最初に出てくる納豆について。
「愛国納豆売り」の名で、少年少女が納豆を売り歩き、売上金で慰問袋を作っていたという話や、戦後食料危機対策に納豆を活用すべく、GHQに運動したなどというエピソードが紹介される。
こんなふうに、戦 -
Posted by ブクログ
ネタバレ実在する粗屋というお店のノンフィクションだと思ったまま最後まで読んだら、解説で小説だったことが分かる。人々の負の側面が、別れた奥さん以外ほとんど描かれないのは、ノンフィクションだから実際あったとしても書かないのだろうと思ったが、フィクションなら書けるのではないだろうか。フィクションだとしてもモデルとなるお店があるから書かないのかもしれない。主人公は築地でマグロの解体の名人だったが、それを辞めて粗だけを扱う料理店を始める。素晴らしい出会いに恵まれ、順調に開店してどんどん繁盛してつまずきが一切ない。そのため物語としてのコクが足りない。
民間伝承で粗を使った薬を自作して、店員の体調不良で人体実