あらすじ
この本に書かれている「発明」は、食いしん坊発明家である俺が考案し、特許を取ったものである――米と牛乳を使った風味絶佳な「ライスチーズ」、カボチャから作られた耽美なる甘さの「黄色い砂糖」、馥郁たる香りでチャーハンを大変身させる「エビラード」、そして不可能とされていた「松茸の栽培」にも挑戦し……。極上のうまみがチュルル、ピュルルとあふれ出す究極にして至高の発明をご賞味あれ。(解説・平松洋子)
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Posted by ブクログ
小泉武夫『食いしん坊発明家』新潮文庫。
久し振りに読む小泉武夫。小泉武夫が福島県の出身であることはおぼろげながら知っていたが、小野町の醸造所の息子だとは知らなかった。
表題作の『食いしん坊発明家』の他、『食いしん坊ガキ大将』を併録。『食いしん坊発明家』と『食いしん坊ガキ大将』は、小泉武夫の食にまつわる自伝的小説ということらしい。
飽食の時代と言われる現代では食品ロスや偏食、農産物や米をはじめとする食品の価格高騰、魚介類や農産物の不漁や不作、鳥インフルエンザなど、食に関わる問題があふれている。
昔は、僅かな食糧を創意工夫と手間を惜しまぬことで、様々な御馳走に変えていた。そんな食へのたゆまぬ挑戦とこだわりが描かれていて、面白い。
幼い頃から食に興味を持ち、出汁入り味噌を発明し、冬に泥鰌を採るための妙案を実行に移した主人公は東京の大学で農学部の農産加工学科に進み、卒業するや東京に醸造所の営業所を開業する。
そして、主人公は次々と珍妙な食の発明を行い、特許を取得するや食品や菓子メーカーに特許権を売却し、次の発明のための資金にする。米と牛乳から作ったライスチーズ、かぼちゃから作り出した糖蜜と砂糖、町中華が絶品ですの味に変わるニンニクラードとエビラードなど様々な食の発明。
ついには故郷の醸造所の近くに味覚人飛行物体食品研究所を作り、豆腐のおからを原料にした液体納豆や液体松茸の開発に成功する。
本体価格590円
★★★★