上條一輝のレビュー一覧
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購入済み
闘争、逃走本能はいざという時の為に覚えておこうと思う。バディ、チーム物として面白いし、オカルトを巡る物語がどう着地していくのか次作を期待して待ちたいと思う。
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Posted by ブクログ
★3.7
怪異は、いつも人間の側にある。
それは、語られるたびに変形し、信じた瞬間に“形”を得る。
怪談会で語られた不気味な話をきっかけに、説明のつかない現象が連続する。
腐臭、緑の液体、消える照明、謎の呻き声……
心霊? 呪い?
そんな胡散臭い話に、真正面から勝負を挑む異色のホラー・ミステリ。
やがて辿りつくのは、地下施設の痕跡。しかもそこには旧陸軍による実験の痕。
昭和の遺構と怪談がクロスオーバーする構図は、ホラーというより社会派サスペンスの風格すら漂う。
増していく奇怪さ、と同時になぜか既視感も覚える…
あれだ、あの“金田一”のようなのだ。
肝試し的な怪談が、徐々に本格ミステリーへと変貌していくような、怪奇に見せかけた完全犯罪。あの構造。
正体を突き止めていくプロセスはかなり本格的で、ライトホラーの皮をかぶった“構造ミステリ”としてかなり読ませる。
恐怖を煽るよりも、“どう成立しているか”を追うことに全振りしており、ホラーというよりむしろ“怪異の科学的解体ショー”に近い趣だ。
それでいて、
“すべてを説明しきらないラスト”をしれっと演出するのがホラー然としていてなんだかニクい。
結末は見えたようでいて、どこか「わたしたちは全体を見ていない」という感覚が残る。
可能性の示唆にとどめ不気味な構成にすれば、いいホラーというわけでもないのだが、とはいえ様式美ではある。
金田一のようで、もっと不安定で余白のある現代的なミステリに仕上がっていた。
理屈だけではたどり着けない領域が、この深淵には確かに存在していたのだ、と締めてみる。 -
Posted by ブクログ
怪談話から始まるホラーミステリー。
序盤のホラーパートはじわじわ日時に怪異が忍びよる。それが本当にじわじわ逃げ道を無くすやり方で、恐怖が倍増する。
ミステリーパートは怪異の元は明かされるが、厳密には細かい状況には説明がつかず理不尽な感じで、それが逆にリアルで怖い。
怪異の元を探るうちに、呪われたカレンや「あしや超常現象調査」の晴子の闇も垣間見える。特に晴子の過去や、なぜ「あしや超常現象調査」をやっているのかわからず、続編も期待していいのかな?と思ってしまう。
裏表紙の「The Bright Room」も読み終えて、『なるほど』。
私の裏タイトルは「草太の成長記」。
ホラーの裏に、青年の悩みと克服があって、『草太がんばれ!』とも思ってしまった。
『ラムネ』 -
Posted by ブクログ
前作で、心霊現象を一方的に肯定も否定もせず、中立的に扱っていたところが印象に残っていた。単にジメジメとした恐怖を描くだけではなく、出来事の因果や人の心の機微を丁寧に描き、読者を置いていかずに納得させていくストーリーとキャラクターが好きで、本作も手に取った。
心霊現象、そしてポルターガイストを題材にした、ホラー十分な雰囲気のある導入から物語は始まる。しかし、恐怖の質が物理的なものへと変わり、さらにミステリとしての驚きがあり、最後には冒険譚のような展開へ。
読んでいるうちに、何のジャンルの作品を読んでいるのかわからなくなるほど、さまざまな展開があって飽きさせない。
さまざまな立場や個性を持つ登場人物たちが、それぞれ恐怖に正面から向き合う姿も頼もしい。
そして、ただ怖がるだけではなく、心霊現象そのものを少しずつ「解体」していくところがこのシリーズの面白いところ。
最後には、超常現象に対して一つではない、多面的な解決が示される。すべてが明快に説明されるわけではなく、わかったような、わからないような終わり方もまた、超常現象を題材にした作品らしく感じた。
登場人物のその後や、キーアイテムの行方については言及が足らず、新たな伏線も示され、次回作への期待も高まる。
ホラー小説について書いているのに、あまり「ホラー小説らしい」感想にならない。それだけ本作が、単なるホラーではないということなのだろう。ホラーであり、サスペンスであり、冒険小説でもある。さらに犯罪小説や、お仕事小説のような側面まで持つ、さまざまな顔を持った作品だった。
怖さを求めて手に取った読者は、「麦茶だと思って飲んだらウーロン茶だったけど、これはこれでおいしい」と感じるような、良い意味での“これじゃない感”を味わうことになると思う。