スタンダールのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『赤と黒』はナポレオン失脚後のフランスで片田舎の職人の息子ジュリアンが、立身出世を目論み上流階級の間隙を渡り歩くサクセス(?)ストーリーです。
この時代で出世をするに当たってなによりも必要なものはお金、高い身分、そして縁故でした。その中でジュリアンに備わっていたものは縁故のみ。それも司祭様の教え子であった程度。彼はその一本の蜘蛛の糸から己の才能と美貌で、新たな糸に繋いで登っていくのです。
上巻においてジュリアンを導いてくれた新たな糸はレナール夫人。
司祭様つてでジュリアンの優秀さを知った町長に子供たちの家庭教師にと雇われて、出向いた家の奥様です。金や身分のことしか頭にない夫と対称的に、人としての尊厳をなによりも重んじるジュリアンの純粋さに夫人は惹かれたのでした。
このレナール夫人は上巻におけるもう一人の主人公といっていい存在です。
夫人がジュリアンを導いた理由は恋心(もちろん不倫)にあり、その熱意は並々ならぬものがありました。
なにより私が感じ入ったのは国王様が町を訪問されるという大イベントに、ジュリアンを無理矢理に親衛隊の一人としてねじ込んだことです。親衛隊とは国王様の身辺を警護するもの。本来ならそれ相応の身分のある者しかなれません。かなりの難事だったはずです。
しかし、それを成し遂げた時の夫人の喜びは想像するに余りあります。普段のジュリアンは(夫人と比べれば)あまり良い服を着たりはしません。お金や身分に関係ない部分に惹かれたといっても、ふとした拍子に恋相手の頼りなさを感じてしまうのでした。もしジュリアンが自分に釣り合うくらいの身分だったなら……。そんな悩みを抱える夫人は一時でもジュリアンが国王様の親衛隊の一人として、立派な衣装を着て馬に跨がって颯爽と町の貴族や金持ち達に並び立つ姿に、どれほどの歓喜があったでしょうか。
その後も夫人はかなり賢く立ち回り、ジュリアンを様々な局面から救い導きます。そんな夫人はとても優秀な人物であるように見えますが、物語開始当初つまりジュリアンに恋をする前は全く違っていました。貞淑で従順ではあるものの、不器用で鈍重なただのお嬢様。
夫人の変化や成長が上巻の見所の一つです。
下巻でレナール夫人はどうなるのか、はたまた新たな女性が登場するのか楽しみです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ貴族令嬢マチルダが、ジュリヤンに夢中になって「あなたはわたしのご主人様」とか言って髪を切ったかと思えば、翌日には軽蔑しきったり、またすぐ夢中になって私を罰してほしいとか、とにかく気が変わりすぎる!
フランス人でこうなの??
ジュリヤンも、階級闘争の一環で貴族令嬢をイケメンな裕福貴族から奪ってやれ的動機でマチルダの気をひいたかと思うと、いつの間にか彼女無しでは死んだ方がましくらいに夢中になったり冷たくされて何も手につかなくなるほど落ち込んだり。
ツンデレシーソーゲームが長すぎる。
フランス人て………。
後半、レナール夫人をいくら何でも銃撃するのは
損得勘定で生きてるジュリヤンにしては突飛な行動。
そこから投獄されて
出世欲が枯れてなぜかレナール夫人我が愛みたいになる展開が、正直理解できなかった。
マチルダは英雄的物語とドラマチックなヒロインとなる自分に恋していただけで、
本当にジュリヤンを愛していたわけではないなと。
デキ婚してもお父さんにたっぷり年金ねだるあたり、しっかりものなんだろうな。 -
Posted by ブクログ
宝塚のパルムの僧院に、好きな スター さんが出た作品だったんで 読んでみたんですけどやっぱりこのスタンダールさんの作品というのは 、、、そうきたか ていう感じですね
わりと中身的にはグロいというかエゴイズム満載の人間味溢れすぎる感じが、綺麗な物語にできちゃった宝塚の演出の人がすごい
ジーナおばさんがかなり 大活躍でしかも 政治的にかなり 活躍されていて スタンダール は元々 政治の話も好きだなっていうのはあるんですけど その面が宝塚 より強調されてるんだなと思いました
そして スタンダールはフランス人だからなのか イタリアを舞台にして書いてるのにイタリア人をなんかちょっとだけ見下したかのような表現がありますね。 でも フランス人にはできないような愚直さがあるみたいな変な褒め方 なんです。なぜ素直に イタリア人の 感情豊かさが羨ましいと書けないのかしら? -
Posted by ブクログ
ネタバレ一か月かけて読み切った。下巻は話も盛り上がってきて面白かったが、それでも物語の20%ほどしか楽しめなかったと思う。
綺麗でどこか淡々としてる文章から、恋に狂う貴族たちの様子が描かれ、恋の為にあの手この手で貴族社会を乗り越えていく様はどこか滑稽な部分もある。この当時の恋愛は信じられないほどの情熱に包まれており、恋のために政治まで動く情熱ぶり。そして貴族界ではそれはそれで仕方ないというような風潮は驚きだ。
ラストあたりはかなり衝撃だった。これまでの秘密のやりとりから無情の結婚、14か月の未練が遂に成熟したと思えばあの結末。ある意味でこの時代の貴族というのは自由で何でも持っているが、気持ちの面では自由なんてどこにも無く、1番憐れな身分なのかもしれない。
この作品をもっと楽しむには、ルネサンス期のイタリアやスタンダールについてもっと勉強が必要だったと思う。難しい本ではあるが、一読する価値は十分にあった。