スタンダールのレビュー一覧

  • 赤と黒(下)

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    ネタバレ

     第三階級と呼ばれる貧しい家庭で育ちながらも気高い心と強い自尊心、そして熱い情熱を身にひそめたジュリヤンが或る上流階級の夫人との恋愛と、貴族の令嬢との恋愛を展開していくが、主人公や二人のヒロイン、周りの人達の深い心情を描いている点に引き込まれる作品。
     実在した事件を基に社会への風刺と、恋愛に陥った人の情熱が熱く語られている。特に夫のために奔走する令嬢の姿が慎ましい。

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    2025年10月10日
  • 赤と黒(下)

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    ネタバレ

    ちょっと待って名作が過ぎる

    うーん、書きたいことが3つくらいあるんだけど、めんどくさいから1つに絞ろうw

    それはね人間の想像力ってすごくない?ってことです
    今さらそれ言うか?って感じかもですが、そんなすごい想像力から生み出された物語の力ですよ

    珍しくがっつり
    ネタバレであらすじとか書いちゃいますよ!
    古典の名作なんて結末知ってたって問題ないと個人的には思うけど、一応フタしときます

    ってここまでですでにあらすじめんどくさいとか思いはじめてますが、頑張ります

    上巻でそのとんでもない記憶力と明晰さ(プラス見た目の良さ)で、市長のおうちの家庭教師となった製材店の三男坊ジュリヤン
    どのくらい記

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    2025年09月26日
  • 赤と黒(上)

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    鬼スタンダール5です(鬼★5みたいな感じで言おうとしたけどめっちゃ字余り)

    いやーエグいなスタンダール
    やっぱすげーわスタタンダール
    「タ」1個増やしたら急に面白くなったな

    お遊びはここまでだ!

    いや何がすごいってさ延々と続くわけよ、心理描写&情景描写が
    ふつうそんなことされるとべちゃっとしちゃうんだけど、スタンダールはこうなんて言うの?スピードが落ちないんよ
    めくるめく展開
    ほとんど場面が動いてないんだけど、もちゃっとしてないんよ

    それはやっぱりこの恋の駆け引きというかさ、あるやん?誰しも経験あると思うんだけど探り合いみたいなあの感じ

    うわー絶対自分のこと好きだわー、これも

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    2025年09月23日
  • 赤と黒(上)

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    王政復古後に生まれた野心と自尊心溢れる青年ジュリヤンが、持ち前の知性を活かして地元ヴェリエール、のちにパリの社交界へと進出して「フランス風の」恋愛に翻弄されるアバンチュール作品
    出世に向けての計画と人間関係とが葛藤している様が非常に人間的で良かった

    フランス革命時代、「三十六歳で将軍になれ」たフランスと、貴族と聖職者が支配する当時のフランスとのギャップで苦悩しながらも天性の才能でのし上がっていくものの、恋愛に翻弄されて罠にはまり自尊心を保ったまま運命を選ぶというのが退廃的な当時は勇ましくみえたんだなぁ、と感慨深くなった

    ジュリヤンが、若者の身ながら立身出世しようとレーナル夫人や社交界の手合

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    2025年01月02日
  • 赤と黒(上)

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    読んでみないと、ちゃんと最後まで読まないと、その凄さがわからない、この一言に尽きる。
    長いし、時代的背景が詳しくないから、読むのに時間がかかったが、後半まで読むと、読みながらすでに再読を検討していた。よくいる面白いか、面白くないかで評価するような人には到底理解出来ないとは思う、そんなすごい作品だった。やはり、さすが、名著ってやつ。

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    2023年07月02日
  • 赤と黒(上)

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    60年前に桑原武夫訳(河出書房)で読んで以来の再読。後期高齢者になって読んでみて気づいたこと。①若い時読んだ文章はそのまま記憶に保存されている。当時何度も読み返したせいか、デルヴィール夫人の(この美少年、ほんとうにいけないまねをする!)とか、「まあ!かわいい小さな司祭さま」という料理番の娘のセリフとか。ということは、17,8歳の私はこの小説を恋愛小説として読んでいたのだ。②だから、パリの社交界の描写とか政治的陰謀とか地位や金を求めてのかけひきなんかはぼんやりとしかわからなかった。今、読んで気づいたことは、木挽き商のせがれジュリヤンの悩みや野心は60年前の日本でも田舎の有能な青年が抱えていたもの

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    2023年02月22日
  • 赤と黒(下)

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    深く考えずタイトルで選んだ小説でしたが、読んでいくうちにどんどん引き込まれ、しまいには深く考えさせられる内容でした。特に貴族と平民の描写、自尊心の高い主人公と貴族の女性や婦人との恋愛模様の描写の細かさに感銘を受けました。重要そうに思えるところはあっさり、細かい些細な部分は?重厚に描かれているところも、新鮮に感じました。

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    2022年07月06日
  • 赤と黒(上)

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    スタンダールの代表作。フランス革命後から七月革命前までのフランスが舞台。成り上がりたいとの欲望に燃える主人公。

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    2024年04月04日
  • 赤と黒(下)

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    (訳者解説から抜粋)

    この本の表題、『赤と黒』の意味は様々な説がある。この2色に政治的、歴史的な意味があるという解釈が多くなされ、代表的なのは、「赤が軍服を、黒が僧服を表す」という説。そのほかにも、「共和主義・自由主義と宗教」の対比だとか、「情熱と死」の対比だとかいう説もあるが、いまだに真意は明確ではないのだそう。

    また、上巻・下巻どちらの巻末にも英語で「To the happy few」というフレーズはスタンダールから読者へのメッセージであり、「最後まで付き合ってくださったあなたは幸福なる少数者なのですよ」という自負がみられる。


    (感想)

    我々の恋心、「こんな恋愛をしてみたい」とい

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    2022年05月20日
  • 赤と黒(上)

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    モームの選んだ「世界10大小説」の一つ。『赤と黒』の初版本には、副題として表紙に「19世紀年代記」、中扉に「1830年代記」と記されている。

    「年代記(chronic)」という単語に「この作品を単なるフィクションとは受け取るなかれ」という著者の意図が見てとれる(訳者野崎さんの読書ガイドより引用)。

    『赤と黒』で描かれるのはシャルル10世の治世(王政復古期)である。王党派や教会権力(保守的勢力)vs. 自由主義勢力(改革派)という対立構造があることを踏まえておくと良い。

    また、この小説は「史上初の、サラリーマンを主人公とする小説だと述べる研究者もいるくらいで、ヴェリエールではレナール氏、パ

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    2022年05月12日
  • 赤と黒(上)

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    誘惑、官能を前にしてもなお強いジュリヤン・ソレルの出世へのストイックさは、現代の人間にはなかなか理解し難いかもしれません。

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    2022年02月08日
  • 赤と黒(下)

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    大学生の頃読んだ時より恋愛の駆け引きがよく理解できますた。
    昔の小説なのでどうしても中盤だれるが、節々に現れるエクストリームな感情描写にグッとくるor爆笑必至で、面白く読める。
    後半ジュリヤンが死に向き合うシーンでは、それまで仮にジュリヤンの野心を他人事のように思っていた読者も自らの生き様とジュリヤンのそれを比べずにはいられないのではなかろうか。

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    2021年11月23日
  • 赤と黒(上)

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    ネタバレ

    舞台はフランスのヴェリエールという町から始まり、出世したいという強い野心に燃える若者ジュリアンが、町長レーナルの子供達の家庭教師として雇われ、そこでレーナル夫人と出逢う。
    年齢はジュリアンは十九くらいで、夫人は三十くらいで、さらに百姓の息子と貴族という大きな身分の違いがある。最初は野心から夫人を誘惑をしたのの、互いに激しい恋に落ちていくのであるが、そこで描かれる恋の駆け引きや言動で慌ただしく両者の立場が逆転する心理描写が面白い。
    特に主人公の中にある野心と恋心と自尊心が頭の中で噴き上がったり沈下したりと忙しく、冷めたと思ったら愛し始めたりする。僕自身もそうだが相手の一つの動作や言葉が気になった

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    2021年01月31日
  • 赤と黒(下)

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    1830年7月革命ごろのパリと地方都市を舞台にした恋愛小説
    よく見聞きするフランス産小説群でも初期のもので
    『ボヴァリー夫人』のような自覚的に時代を超えようとするのに対し
    色濃く作者の生きる景色に寝ているので
    現代世界異境の地では意味の取れないところも多い作品
    それでも当時の恋愛を題材に作者から見えている枠を存分にひろげている様が
    荒粗しく面白い
    普遍な女性像や人間の感情という捉え方でなく
    作者の位置と歪みが登場人物を極端に描いていても
    達すれば通ずることを感じさせる

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    2018年10月25日
  • 赤と黒(上)

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    1820年代のフランスを舞台に、立身出世を目指す貧しい木こりの子(この文庫本では、彼はそれなりに裕福な木材商の子弟とされている)・ジュリアンの野望と転落を描いた、スタンダールの小説。世界史の歴史に載るほど有名なのに、今まで読む機会がなかった。安倍政権発足以来、日ごとに高まる「反知性主義」に対抗するためには古典を読むのが一番だと思いながら書店内を散策していて、たまたま目に入ったのがこの本である。
    主人公ジュリアンは実家を出て、地元有力者・レナール家の家庭教師になる。ほどなくして主人の妻・ルイーズと恋愛関係になり一線を越えた関係になるが、主人は二人の関係に疑念を持ち、レナール家に気まずい空気が流れ

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    2016年05月14日
  • 赤と黒(下)

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    19世紀フランスの小説家・スタンダールの代表作の後半である。パリを代表する大貴族の知遇を得ることに成功し、社交界でそれなりに名前を知られるようになり、さらにはその大貴族の娘に求婚され、立身出世の会談を順調に歩んでいたジュリアン。ところがそんなある日、以前愛し合っていた夫人から届いた手紙がきっかけで、彼の運命は大きく狂い始める…。
    この巻の読みどころは、ジュリアンに執拗に求婚する大貴族の娘である。ジュリアン相手に繰り広げられる恋愛の駆け引きは、ハラハラドキドキの展開でほほえましい。だがジュリアンが事件を起こして投獄されてからの彼女の動きは、はっきり言って狂気じみている。こんな行動をとられては、ジ

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    2016年05月14日
  • 赤と黒(下)

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    面白いけれども、恋愛が主題であり、ちょっと物足りなさもある。
    後半の流れが支離滅裂だとサマセットモームは指摘していたけど、言われてみればそうかも。

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    2016年01月31日
  • 赤と黒(下)

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    大分時間がかかりましたが、やっと読み終わりました。自尊心がれ異常に膨れ上がった天才肌の美青年ジュリアンが、色恋とその自尊の狭間で命をすり減らし、最終的には自尊心が恋に優り、それゆえに犯した罪の元斬首される話。こんな書き方は全くあらすじではないですが、巻末にある当代の評論家がかいたその批評が、著者スタンダールの執筆意図をしっかりと言い当てています。
     フランス革命の前後において、全く変わってしまったフランスの時代的情緒を描いた作品だということです。私個人としてはフランス革命を手放しで称賛することはできない立場ですから、大革命を前後したフランスの時代を描写した本作は、とても大きな印象を私に残しまし

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    2015年10月19日
  • 恋愛論

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    かつて途中で読むのを断念した本。
    恋愛してしまった今、改めて読んでみると、なかなか勇気づけられることが諸所にあった。恋愛を楽しもうと前向きになるので、意外にも楽しめた。
    タイプ別あるあるや、恋愛のパターン、恋に落ちるまでの過程が冷静に、まるで科学のように説明されていく様子は歯切れが良い。ドライすぎることもなく、読み進めていくとだんだん、スタンダールは相当恋愛好きなんだな、と納得する。そして自分が少しスタンダールに影響されていることを知る。
    200年程前に書かれた本なのに、現代に十分通じる内容。人間て実はあまり進化していないんだなと思う。

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    2015年09月26日
  • 赤と黒(上)

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    ネタバレ

    何度も叫んでしまった。「ジュリヤンこのやろーーー!!!」と。
    この野郎、一人の親友に恵まれ二人の女性に愛され三人の恩師に助けられ(ピラール神父、シェラン司祭、ラ・モール侯爵)多くの民をその美貌と才知と得体の知れなさで魅了し死んだ後は小説になっちゃって今でも数え切れない人間の心に語り残り続けているというのに、出世?権力?なんじゃそりゃ!人間不信にも程があるし、勘違いも甚だしい。感情に煽られっぱなし。コミュ障。KY。挙げだしたらきりがない。でも憎めないんだ。嫌いになれないんだよ。「死ぬな」って願っちゃうんだよ。愛しちゃうんだよ。君みたいな男を。君だから。だからもう一度叫ばしてもらおう。「ジュリヤン

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    2015年09月23日