スタンダールのレビュー一覧

  • 赤と黒(まんがで読破)

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    フランス文学・スタンダールの『赤と黒』を手ごろにサクッと漫画で読みたい人用。

    野心的でナポレオンを崇拝する青年・ジュリアンの恋愛を描いた作品。ざっくり書くと、家庭教師先の貴族の夫人を誑かすし、秘書として雇われた先の貴族の娘も孕ませる。主人公の支配階級に対する批判の思いが爆発する最後のシーンは痛快。

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    2017年10月10日
  • 赤と黒(上)

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    1820年代のフランスを舞台に、立身出世を目指す貧しい木こりの子(この文庫本では、彼はそれなりに裕福な木材商の子弟とされている)・ジュリアンの野望と転落を描いた、スタンダールの小説。世界史の歴史に載るほど有名なのに、今まで読む機会がなかった。安倍政権発足以来、日ごとに高まる「反知性主義」に対抗するためには古典を読むのが一番だと思いながら書店内を散策していて、たまたま目に入ったのがこの本である。
    主人公ジュリアンは実家を出て、地元有力者・レナール家の家庭教師になる。ほどなくして主人の妻・ルイーズと恋愛関係になり一線を越えた関係になるが、主人は二人の関係に疑念を持ち、レナール家に気まずい空気が流れてしまう。主人公の立場をおもんぱかったルイーズは、彼を神学校に入学させることにする。ジュリアンはレナール家の一員になって以降、上流階級の持つ欺瞞性を嫌悪していたが、神学校入学後はその思いを強めていく。彼は自らの知性と美貌を武器に「上流階級」に一泡吹かせようという野心を抱くようになる。
    階級間の格差が広がりつつある現在、ジュリアンと同じ野望を抱く人間は増えていることだろう。問題はその野望が「世間をよくしよう」という方向ではなく、自己顕示欲に向かう人が多くなるのでは?ということである。1820年代のフランスに流れる空気が、現代日本にも漂っているのだろうか?

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    2016年05月14日
  • 赤と黒(下)

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    19世紀フランスの小説家・スタンダールの代表作の後半である。パリを代表する大貴族の知遇を得ることに成功し、社交界でそれなりに名前を知られるようになり、さらにはその大貴族の娘に求婚され、立身出世の会談を順調に歩んでいたジュリアン。ところがそんなある日、以前愛し合っていた夫人から届いた手紙がきっかけで、彼の運命は大きく狂い始める…。
    この巻の読みどころは、ジュリアンに執拗に求婚する大貴族の娘である。ジュリアン相手に繰り広げられる恋愛の駆け引きは、ハラハラドキドキの展開でほほえましい。だがジュリアンが事件を起こして投獄されてからの彼女の動きは、はっきり言って狂気じみている。こんな行動をとられては、ジュリアンでなくてもひいてしまうだろう。最後の場面は、明らかに「サロメ」からヒントを得たに違いない。彼女は狂っているのか?イヤ、本当に狂ったのかも知れない。

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    2016年05月14日
  • 赤と黒(下)

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    面白いけれども、恋愛が主題であり、ちょっと物足りなさもある。
    後半の流れが支離滅裂だとサマセットモームは指摘していたけど、言われてみればそうかも。

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    2016年01月31日
  • 赤と黒(下)

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    大分時間がかかりましたが、やっと読み終わりました。自尊心がれ異常に膨れ上がった天才肌の美青年ジュリアンが、色恋とその自尊の狭間で命をすり減らし、最終的には自尊心が恋に優り、それゆえに犯した罪の元斬首される話。こんな書き方は全くあらすじではないですが、巻末にある当代の評論家がかいたその批評が、著者スタンダールの執筆意図をしっかりと言い当てています。
     フランス革命の前後において、全く変わってしまったフランスの時代的情緒を描いた作品だということです。私個人としてはフランス革命を手放しで称賛することはできない立場ですから、大革命を前後したフランスの時代を描写した本作は、とても大きな印象を私に残しました。
     もう一度じっくり読み返してみたいです。人間描写の巧みといいましょうか、それも含めて時代描写の傑作であると思います。

    15.07.23 - 15.10.18

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    2015年10月19日
  • 恋愛論

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    かつて途中で読むのを断念した本。
    恋愛してしまった今、改めて読んでみると、なかなか勇気づけられることが諸所にあった。恋愛を楽しもうと前向きになるので、意外にも楽しめた。
    タイプ別あるあるや、恋愛のパターン、恋に落ちるまでの過程が冷静に、まるで科学のように説明されていく様子は歯切れが良い。ドライすぎることもなく、読み進めていくとだんだん、スタンダールは相当恋愛好きなんだな、と納得する。そして自分が少しスタンダールに影響されていることを知る。
    200年程前に書かれた本なのに、現代に十分通じる内容。人間て実はあまり進化していないんだなと思う。

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    2015年09月26日
  • 赤と黒(上)

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    ネタバレ

    何度も叫んでしまった。「ジュリヤンこのやろーーー!!!」と。
    この野郎、一人の親友に恵まれ二人の女性に愛され三人の恩師に助けられ(ピラール神父、シェラン司祭、ラ・モール侯爵)多くの民をその美貌と才知と得体の知れなさで魅了し死んだ後は小説になっちゃって今でも数え切れない人間の心に語り残り続けているというのに、出世?権力?なんじゃそりゃ!人間不信にも程があるし、勘違いも甚だしい。感情に煽られっぱなし。コミュ障。KY。挙げだしたらきりがない。でも憎めないんだ。嫌いになれないんだよ。「死ぬな」って願っちゃうんだよ。愛しちゃうんだよ。君みたいな男を。君だから。だからもう一度叫ばしてもらおう。「ジュリヤンこのやろーーー!!!」と。

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    2015年09月23日
  • 赤と黒(まんがで読破)

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    一言、娯楽としてサイコーにオモロイ。頭脳明晰、容姿端麗の平民の主人公が英雄ナポレオンに憧れて頂点に立とうとする物語。
    貴族の男どもが憧れる美人の貴族を誘惑して自分のモノにしたり爽快感ある内容。
    オイラもこんな男になりたいがな。

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    2015年07月03日
  • 赤と黒(上)

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    文句なしに世界の5本の指に入る恋愛小説である。どんどん昇進していく主人公のさまとともに大きな読みどころだ。愛ゆえの挫折と最後のシーンは他の作品にはほとんど見られない特上の終わり方だ。素晴らしい一級の素晴らしい不朽の作品である。

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    2015年01月14日
  • パルムの僧院(上)

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    1796年、ナポレオンのイタリア進行に従軍した著者が、動乱の中で徐々にナポリの文化に平常心を見出して行くストーリー。

    ヨーロッパという地続きの感覚がザラザラと、世界史で習ったフレームに色合いを与えてくれるような一冊。

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    2014年08月19日
  • 赤と黒(上)

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    ネタバレ

    高校生のときは新潮文庫で読んだ。当時はよく分からなかった部分も今となっては余裕をもって楽しめる。面白くてムラムラする。

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    2014年11月26日
  • 赤と黒(上)

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    ネタバレ

    フランスの歴史が少し分からないとつらいけれども
    ナポレオンが主人公に多大な影響を
    与えてた、と言う事実を知れば
    問題なくは読めると思います。

    その気質ゆえに家では散々疎んじられていた
    ジュリヤン。
    一見おとなしげに見える彼は
    実は心のうちには「大きな野望」を抱いていたのです。

    そして計算高い彼は
    一人の夫人を誘惑し、
    ついぞは彼女をものにさえしてしまいます。
    そして彼はその計算高さ、狡猾さを武器に
    地位までも手に入れようとしています。

    だけれども脆さも見えるという不思議。
    それが下巻では
    どうなっていくのでしょうか。

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    2013年10月30日
  • 赤と黒(下)

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    主人公のジュリアン・ソレルは、あらすじを読む限り、自らの出世のために女を利用した冷徹で計算高い男というイメージがあったが、確かにそういう部分はあるものの、非常に人間味があり印象的で魅力的なキャラクターであると感じた。
    筋書きは実際に起きた事件からスタンダールが着想して書いたもので、当時の宗教・階級対立などの時代背景も面白いと思う。

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    2012年10月16日
  • 赤と黒(下)

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    順調に、山を登るように少しずつ、成功に向かって前進するジュリアンだが、後半のあの2ページの急展開で全てが切り落とされる。作者の鮮やかな技を見た。そのあとの穏やかな空気も、それまでとはうって変って、静かに心にしみるようだった。
    さすが名作…恐れ入りました。

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    2012年01月31日
  • 恋愛論

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    スタンダールさんは天才過ぎて何が書いてあったのかわかりませんでした。ですが頭がよくなった気分にはなります。気分だけですけど。

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    2010年03月07日
  • 赤と黒(上)

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    初めてこの作品を読んだ時は、高校生。
    作品のボリュームや作品に描かれている歴史的背景に
    圧倒される、というか苦戦しながらも、内容が面白くて
    なんとか最後まで読んでしまった。

    この時自分が主人公ジュリヤン・ソレルに対して抱いた感想は
    「自分の野心達成のためには手段を選ばない、
    女の心を弄んだり、その愛を己の出世のために
    利用するひどいやつ」であり、野望ぎらぎらな彼に対し
    「最低男」のレッテルを心の中で貼っていた。
    不倫相手のレーナル夫人に対しては
    「利用されちゃったかわいそうな女性」
    といった同情すら覚えた。

    ところが2回目、20代の時に読んだ時は、
    そんな身勝手なジュリヤンの個性が魅力に変わった。
    「大いなる野心を持った、その心の冷たささえも
    魅力的なハンサムな青年」、
    そんな彼と恋に落ちるレーナル夫人の気持ちも
    わからなくはないような気がして・・・。
    彼が成功への階段を駆け上り、そしてそこから
    あっという間に転がり落ちた「華麗なる出世物語」に
    大いにわくわくしながら読んだ。

    そして3回目の今回。読み手の私は33歳。
    悲しいかな、自分が年を取ってしまったのか。
    貧しい百姓の子せがれ、ジュリヤンが英雄ナポレオンに憧れ、
    「いつか自分も!」と野心を持ち、色々と奮闘しながらも、
    身分の壁に苦しめられたり、いつの間にか誘惑した
    女性を本当に好きになってしまったり、
    野心と良心の板ばさみになり苦しみ悩む姿に
    彼の若さや人間づきあいの下手さというか不器用さを
    見てしまった気がする。

    読む年齢によって違った感想を抱き、長編であるにも関わらず、
    最後まで大いに楽しみながら読むことの出来る本作品は、
    それだけ内容の濃い名作と言えよう。

    19世紀に書かれた恋愛小説なのに、内容は今の日本の
    昼時のドラマの原作に取り上げられても
    おかしくないくらい濃厚な恋愛劇、そして登場人物に対する
    繊細な心理描写、訳者のわかりやすく、読みやすい訳が、
    現代にも十分楽しめる名作と通用する理由だろう。

    上巻のラストは、読み終えた後に
    「この後どうなるんだろう!」と
    すぐ後巻を手に取って読み始めたくなる位、勢いがある。

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    2012年02月12日
  • 赤と黒(上)

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    ネタバレ

    まだ主人公ジュリアンの本心が上手く理解できておらず、物語の結末も不明なままなので、感想を書くのは難しいが、なかなかの分量があるため、ここまでで感じたことを一旦まとめておきたいと思う。
    ジュリアンは卓越した記憶力と美貌のため、レナール夫人やピラール神父をはじめ、その他数多くの貴族達からも、将来出世する、大物の器だなどと見込まれ、もてはやされる。結果、農民の生まれでありながら様々な機会に恵まれることとなり、昇進の道を進んでいく。彼の大胆な気性や機転の利き方を考えると、周囲が”見どころのある人物”と感じ取ることや、本人自身も平民としての小さな成功で満足せず、聖職者や貴族の世界での出世に野心を燃やすことになるのは、彼の能力に見合った自然な流れに思える。しかし、私がこの小説と主人公をより魅力的にしている点はそこに「葛藤」があることだと考える。ジュリアンには、ナポレオンに強い憧れを抱きながら、王党派の世界に身をおく内心の葛藤が大きくある。また、虚栄心に凝り固まった金持ち達への反発や陰謀と偽善に満ちたイエズス会の連中への嫌悪を強く感じとる。要するにジュリアンは、一見華々しい世界で評判を勝ち得ながら、自分がおかれている状況、周囲の人々とその価値観に対して心を開くことがほとんど無く、孤独と悲しみを常に胸に秘めているような状態なのである。この構造によって、ナポレオン治世から王政復古期への移り変わりに左右される人々の動きや時代背景、問題意識までこちらに問いかけているように思われる。無名で財産もない者が自らの剣1つで世界の王者になれる時代もあれば、一転、たまたま貴族で、金持ちで、穏健派に生まれついたというだけの愚か者たちによって世論が形づくられる時代もあるというのだ。私自身は、ナポレオンの時代も王政復古の時代もどちらも一長一短だと思う。また、ジュリアンがピラール神父とはじめて対面した際に癲癇の発作を起こしてしることなどから考えて、軍人に向いているとは言いづらく、むしろこの時代だからこそジュリアンにも出世の機会が巡ってきたではないかとさえ思われる。しかし、少なくともジュリアンの立場から通して、貴族は話す人の品位を貶め、聞く者をむかつかせるような自慢話を平気でするような人達、聖職者については腹黒い悪事に手を染めるような連中、神学校にいる農民出身の生徒達には十分に食事をとることしか頭に無い餓鬼共との描写がある。時代に認められる才覚を持ちながら、生まれに恵まれているわけではなく、内には別の情熱を燃やし、周囲の価値観へ常に懐疑の目を向ける。これが読者の共感を生み、物語の主張の説得力を強め、展開に複雑さや奥行きを持たせているのではないか。読者ガイドに「史上初の、サラリーマンを主人公とする小説」だと述べる研究者(Yves Ansel)がいるとあるが、ジュリアンは月給取りであるだけでなく、雇用者との関係性までサラリーマンらしくて面白い。雇用主の方ではジュリアンのことを靴についた泥みたいに軽蔑しているし、ジュリアンもまたレナール氏やその他貴族に対して憎しみと嫌悪をつのらせている。だが、生活のために、自分を評価していない相手の下で働き、その相手に気に入られるよう振る舞うのだ。サラリーマンであれば、誰でも「人でなしめ!」等と心で毒づきながら、表面上はにこやかに上司や取引先の方と会話を交わしたことや、相手の本心を探りながら給与交渉等の駆け引きをしたことがあるのではないだろうか。「赤と黒」とまではいかなくても、自身の出世のために我慢するという経験は多くの人があるものだと思う。お金をいただいて働くとはそういうことなのである。また、印象的だったのは、ジュリアンがよく涙を流すことだ。上記のようにジュリアンは周囲と同様に駆け引きをし、やること全て計算しようとして、自分は手管が使えるとさえ考えている。しかし、会食の際に、貧民収容所所長のヴァルノ氏が囚人に歌を禁止したときには、ジュリアンは囚人への同情から大粒の涙を流すのである。この場面は私がジュリアンに抱いていた印象を少し変えて、彼の金持ちへの嫌悪は自分自身が搾取される側であるという自己認識と内面の繊細さから来ているのではないかと考えるようになった。抜け目のない連中に囲まれて、誰が敵かも判断がつかないような環境で、誰に対しても信頼を寄せるのはむしろ無分別とも言えるのかもしれない。もちろん材木売りの道に進まない判断をしたのはジュリアン自身であるし、自身の栄達を望むところはその他の連中と大差がないが、根底には心の柔らかさがあるように思う。だからこそ、他の人が目につかない偽善性に絶えず胸が痛み、葛藤が生まれるのではないだろうか。レナール夫人との恋仲においても、ジュリアンは「女を相手に華々しくふるまう男の役割」を演じたつもりでいるが、「ところがまさに、若い職人が白目まで真っ赤に染めて、呼び鈴を押す勇気さえ出ないまま屋敷の門にたたずんでいる姿こそは、レナール夫人がこよなく愛する彼の姿なのだった。」との表現がある。才知があり勇敢であるという他に、このあまりにも弱々しく、不器用で向こう見ずな一面もジュリアンというキャラクターにさらなる魅力を加えているのかもしれない。

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    2026年10月04日
  • 赤と黒(下)

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    ネタバレ

    マチルドとジュリヤンの日替わりの恋愛駆け引きが若干疲れた(笑)こんなに気持ちって極端に変われるものなのか!?と思いつつ読み進める。
    あんなに利己的で自尊心が高く出世欲にまみれていたジュリヤンだが、結局恋愛で破滅に向かってしまったことが少し寂しい。でもそんなところが人間臭く、ジュリヤンの可愛さなのかもしれない。
    ジュリヤンの性格と自分の性格の重なる部分がとても多くて、今まで読んできた海外古典文学の中では1番好きな主人公かもしれない。それにしても彼の死についての描写がかなりあっさりと書かれていてびっくりした。

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    2026年08月29日
  • 赤と黒(上)

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    ネタバレ

    サマセット・モームの世界十大小説読破を目指して手に取った。先日『ボヴァリー夫人』を読んだばかりなので「また不倫か」と序盤はあまり真剣になっていなかったが、ジュリヤンが神学校に入ってからは面白さが増した。神学校の中は、社会の縮図のようで周りの生徒の反応を見ながら立ち回り方を学んでいくジュリヤンの内面が面白い。下巻は、ジュリヤンの秘書としての姿が描かれているんだろうか。どう転んでいくのか気になって楽しみ。
    これをただの不倫ものとして読むか、心理描写や変化を楽しんで読むか、そのあたりが鍵なんだろうな。でもレーナル夫人はチョロい(笑)

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    2026年08月19日
  • 赤と黒(まんがで読破)

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    むちゃくちゃ面白い。青年の愛に飢えた生い立ちからくる他人への不信感。貧しさや育ちからくる貴族への憎しみや侮蔑。現状のままでは終わらない、という成功への渇望。これが二転三転する場面で当時の心理戦的な動きの中で展開されていく。最後の最後もドラマチックで良かったし、こんないろいろある展開の物語が当時に読めていたらなんとすごいことか。名作なのがわかる。

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    2026年05月09日