【感想・ネタバレ】赤と黒(上)のレビュー

あらすじ

製材小屋のせがれとして生れ、父や兄から絶えず虐待され、暗い日々を送るジュリヤン・ソレル。彼は華奢な体つきとデリケートな美貌の持主だが、不屈の強靱な意志を内に秘め、町を支配するブルジョアに対する激しい憎悪の念に燃えていた。僧侶になって出世しようという野心を抱いていたジュリヤンは、たまたま町長レーナル家の家庭教師になり、純真な夫人を誘惑してしまう……。

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Posted by ブクログ

王政復古後に生まれた野心と自尊心溢れる青年ジュリヤンが、持ち前の知性を活かして地元ヴェリエール、のちにパリの社交界へと進出して「フランス風の」恋愛に翻弄されるアバンチュール作品
出世に向けての計画と人間関係とが葛藤している様が非常に人間的で良かった

フランス革命時代、「三十六歳で将軍になれ」たフランスと、貴族と聖職者が支配する当時のフランスとのギャップで苦悩しながらも天性の才能でのし上がっていくものの、恋愛に翻弄されて罠にはまり自尊心を保ったまま運命を選ぶというのが退廃的な当時は勇ましくみえたんだなぁ、と感慨深くなった

ジュリヤンが、若者の身ながら立身出世しようとレーナル夫人や社交界の手合いと関わっていくうちに、確かに自身の才能で手玉に取れる時もありつつも、やはり大人たちの権力や繋がりには勝てず、内心で葛藤し悩んでいく様がなんとも痛ましく心動かされた

当時のフランス社会や情勢について知らないと「?」マークが飛び交うことになるだろうから、市販されてる世界史の資料集やネットのサイトなど見て調べつつ読むのがいいだろう

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

読んでみないと、ちゃんと最後まで読まないと、その凄さがわからない、この一言に尽きる。
長いし、時代的背景が詳しくないから、読むのに時間がかかったが、後半まで読むと、読みながらすでに再読を検討していた。よくいる面白いか、面白くないかで評価するような人には到底理解出来ないとは思う、そんなすごい作品だった。やはり、さすが、名著ってやつ。

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2023年07月02日

Posted by ブクログ

60年前に桑原武夫訳(河出書房)で読んで以来の再読。後期高齢者になって読んでみて気づいたこと。①若い時読んだ文章はそのまま記憶に保存されている。当時何度も読み返したせいか、デルヴィール夫人の(この美少年、ほんとうにいけないまねをする!)とか、「まあ!かわいい小さな司祭さま」という料理番の娘のセリフとか。ということは、17,8歳の私はこの小説を恋愛小説として読んでいたのだ。②だから、パリの社交界の描写とか政治的陰謀とか地位や金を求めてのかけひきなんかはぼんやりとしかわからなかった。今、読んで気づいたことは、木挽き商のせがれジュリヤンの悩みや野心は60年前の日本でも田舎の有能な青年が抱えていたものと似ているということだ。みんな東京へ行きたがっていた。そこで成功して東京の才気煥発なお嬢さんと恋愛したがっていた。やがて田舎でも東京でも人間の本質は同じだと思い知らされるのだとしても。この小説が今でも心を打つものがあるとすれば、痛ましい青春の姿がありありと描かれているからではないかと思う。

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2023年02月22日

Posted by ブクログ

スタンダールの代表作。フランス革命後から七月革命前までのフランスが舞台。成り上がりたいとの欲望に燃える主人公。

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2024年04月04日

Posted by ブクログ

誘惑、官能を前にしてもなお強いジュリヤン・ソレルの出世へのストイックさは、現代の人間にはなかなか理解し難いかもしれません。

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2022年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

舞台はフランスのヴェリエールという町から始まり、出世したいという強い野心に燃える若者ジュリアンが、町長レーナルの子供達の家庭教師として雇われ、そこでレーナル夫人と出逢う。
年齢はジュリアンは十九くらいで、夫人は三十くらいで、さらに百姓の息子と貴族という大きな身分の違いがある。最初は野心から夫人を誘惑をしたのの、互いに激しい恋に落ちていくのであるが、そこで描かれる恋の駆け引きや言動で慌ただしく両者の立場が逆転する心理描写が面白い。
特に主人公の中にある野心と恋心と自尊心が頭の中で噴き上がったり沈下したりと忙しく、冷めたと思ったら愛し始めたりする。僕自身もそうだが相手の一つの動作や言葉が気になったり、魅力的に見えたり幻滅するのは皆もあるはず。そのあたりがジュリアンに共感できると思う。
何より、愛するというのは身分や年齢差なんて関係ないと思わせてくれる一冊だ。

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2021年01月31日

Posted by ブクログ

文句なしに世界の5本の指に入る恋愛小説である。どんどん昇進していく主人公のさまとともに大きな読みどころだ。愛ゆえの挫折と最後のシーンは他の作品にはほとんど見られない特上の終わり方だ。素晴らしい一級の素晴らしい不朽の作品である。

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2015年01月14日

Posted by ブクログ

面白いし、古典の中では読みやすいと思う。
主人公のジュリヤンは真面目な好青年ではなく、女側からすれば腹が立つぐらいなのだが、それが興味をそそり、読み続けていた。
「ジュリヤンに手を預けたまま、考える気力もなく、息をしているばかりであった。」
キュンとするところ。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

現代からすれば稚拙な動機にも見えるが,心理小説の古典としての重要性は十分に感じられる。王政復古下におけるフランス政治に対する批判も隠していないあたりも評価を悩ませる。

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

ナポ1敗北。ルイ18復古王政。シャルル10、王党派貴族を優遇。昔の絶対王政・貴族の息苦しい時代に逆戻り▼貧しい若い男ジュリアン。身分は低いが、いつか出世したい。頭はいい。町長の家に家庭教師として雇ってもらい、そこの夫人と不倫。「高貴で美しい女を手に入れた」▼家庭教師を辞めさせられたジュリアンは神学校に入学。そこの神父の紹介でパリの侯爵の秘書になる。侯爵の娘と結婚の流れに。玉の輿成功かと思われたが、町長の夫人(前の愛人)が侯爵に「こいつはひどい男」だと告げ口。「彼は、うわべはいかにも無欲な顔をしながら、か弱い不幸な女を誘惑し、一家の財産を手に入れようとする偽善者です」。結婚の話はなくなる。ジュリアンは夫人に発砲する。ジュリアン逮捕▼裁判。ジュリアン「陪審員の皆さん、あなたたち上流階級は、下層階級で貧困に苦しみながら教育を受けて上流階級の社交界に入り込もうとする若者の気力をくじこうとしている」。毅然とした態度を示すジュリアン。陪審員たちの心象を害し、死刑に。享年23歳▼身分の低い者が身分社会に挑戦して破滅。赤は共和主義/貧しい男、黒は復古王政/貴族。スタンダールStendhal『赤と黒--1830年年代記』1830 ※「スタンダール」はペンネーム、本名マリ=アンリ・ベール
〇ジュリアン・ソレル。男。20歳。貧しい家に生まれる。出自が卑しい。父は材木屋。美貌と才知。ラテン語が読める。野心家。ナポレオンを崇拝。貴族に反感・劣等感。タルテュフ(偽善者)を自称。
●レナール。男。町長。王党派。平民・ジャコバン派が嫌い。
〇レナール夫人。30歳。美人。貞淑・無垢。ジュリアンと不倫。ジュリアンに発砲されるも、一命を取り留める。ジュリアン処刑の3日後に死去。
●ヴァルノ。レナールのライバル。
〇エリザ。レナール家の召使。ジュリアンに恋心。
〇フーケ。ジュリアンの親友。材木商。
〇ピラール神父。神学校の校長。キリスト教異端派。
●ラ・モール。侯爵。パリの貴族。大地主。ジュリアンを秘書として雇う。
〇マチルド。ラ・モール侯爵の娘。美人。プライドが高い。ジュリアンと恋に落ち、ジュリアンの子を身ごもる。

ファブリス。青年。ナポレオンを崇拝し、ワーテルローの戦い(1815)に参加するが、活躍できず負傷。これを反ナポレオンの兄に告発され、逃亡。叔母のコネで、僧侶になる。ある日、ファブリスは旅の劇団の女優に恋。しかしその女には男がおり、争いになってファブリスは男を刺し殺してしまい、パルムの監獄に収監される▼ファブリスは監獄長官の娘クレリヤに恋。パルム公国で新大公が就任すると、ファブリスは罪を免除され、出所、高位聖職者になる。ファブリスはクレリヤ(既婚)と密会を続け、クレリヤとの間に子供ができるが、子供は死んでしまい、クレリヤは不倫の罪に苛まれ死亡、ファブリスも絶望の中、僧院に隠遁するが、まもなく死亡。スタンダールStendhal『パルムの僧院』1839
〇ジーナ。ファブリスの叔母。パルム公国のサンセヴェリナ侯爵夫人。甥のファブリスに愛情。
●パルム大公。サンセヴェリナに言い寄るがフラれる。ファブリスへの嫉妬から、ファブリスの刑を不当に重くする。牢獄にいるファブリスを助けようとサンセヴェリナはパルム大公を暗殺させる。
※自分の無知の断片を盾にして、現実に抗議するのはよくない。

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ゴリオ。男。老人。元パスタの製麺職人。安アパートで質素に暮らしている。同じ安アパートに住む貧乏学生ラスティニャック。今は貧しいが、いつか出世して華やかな上流社会の仲間入りをしたい▼ゴリオには金持ちの男と結婚した2人の娘がいる。きらびやかなパリの社交界で生きる娘たち。何かとお金がいる。普段はゴリオに冷たい娘たちだが、金に困ると父ゴリオを訪ねて、おべっかを使い、金をねだる。娘たちを溺愛するゴリオは、娘たちの願いならと、金を工面し続けていた。やがて金が尽き、それを2人の娘に伝える▼ある日、ゴリオが心臓発作で倒れる。死の淵をさ迷うが、娘2人は見舞いにも来ない。ゴリオ「忙しいのだろうか、眠っているのだろうか、あの子たちが来ない。いや、あの子たちが来るわけがない。そんなことはずっと前からわかっていた。ただ信じたくなかったんだ」。ゴリオは涙で両目がいっぱいになる。ゴリオ、息を引き取る▼ゴリオと同じアパートに住む貧乏学生ラスティニャックは、役所にゴリオの死亡届を提出、粗末な棺を格安で手に入れる。ミサはお金がかかるので、司祭に安価な祈りをしてもらうことに。ゴリオは埋葬された。娘たちは来ない。代理の使用人が来ていた。司祭が貰った金額の分だけ、ゴリオに短い祈りを唱え終ると、使用人とともに姿を消した。墓掘り人がゴリオの棺にシャベルで土をかけると、「チップをくれよ」と言ってきた。貧乏学生ラスティニャックはポケットを探ったが、空っぽだった。猛烈な悲しみが込み上げてくる。辺りはすでに暗く、高台からパリを見下ろすと、街の灯がきらきらしている。社交界が息づいている。ぶんぶんうなりをあげるミツバチの巣のような世界。ラスティニャックは叫ぶ「今度はおれが相手だ」。オノレ・ド・バルザックBalzac『ゴリオ爺さん』1834
※メゾン・ヴォケール。ゴリオの住む安アパート。
※悲劇の父親ゴリオ。リア王との比較。
〇ラスティニャック。貧乏学生。安アパートの住人。ゴリオの次女デルフィーヌ(人妻)に恋。
●アナスタジー。ゴリオの長女。夫の所有する宝石を売って、金を自分の愛人に貢いでいる。
●デルフィーヌ。ゴリオの次女。派手好き。浪費家。
〇ヴィクトリーヌ。ラスティニャックに恋。資産家の娘。兄がいる。
●ヴォートラン。悪党。脱獄犯。金がほしい。目的のためには手段を選ばない。ラスティニャックを悪の道に引込もうとする。資産家の娘ヴィクトリーヌの兄を殺し、財産をヴィクトリーヌに相続させ、奪い取ろうと画策するが失敗・逮捕。

アンリエット。伯爵夫人。ある日、舞踏会で若い青年フェリックスに出会い、次第に惹かれていく。しかし、アンリエットは夫と子供がある身、情熱よりも貞節・徳を優先。成就しない恋に思い悩みながら病死する。オノレ・ド・バルザックBalzac『谷間の百合(ゆり)』1835
※うち解けすぎると尊敬を失い、気安くしすぎると馬鹿にされ、むやみに熱意を見せると食い物にされる。
*バルザック。登場人物を別作品で再登場させる手法。

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エマ。貧しい農家の娘。贅沢な暮らしや情熱的な恋に憧れている。エマはシャルル・ボヴァリーというさえない開業医の男と出会い、結婚・出産。しかし、シャルルは平凡な男。結婚生活は退屈。憂鬱な日々。刺激がほしい。ある日、将来有望そうなレオンという男子学生に出会い、惹かれていく。が、レオンは勉学のため、パリへと引っ越してしまう。しばらくすると、エマはロドルフという女好きの金持ち男に出会い、肉体関係をもつ。エマは男に「一緒に駆け落ちしてほしい」と言うが、断られてしまい、男からフラれてしまう。ある日、エマはオペラを見に行くと、偶然、昔好きだった男子学生レオンに再会。エマは夫や娘をほったらかして、レオンと頻繁に会うようになる。さらに、贅沢品や高価な服を買うために借金を重ね、ついに首が回らなくなる。何をやっても満たされない。わたしは不幸な女。絶望の中、エマはヒ素を飲んで自殺▼エマの死後、夫シャルルは妻にロドルフという男がいたことを知り、呆気にとられ立ち尽くす。ある日、町でばったり妻の不倫相手ロドルフに会ったシャルル。シャルルの顔は紅潮し、小鼻は素早くひくつき、唇は震え、暗い激怒をたたえながらロドルフをにらむ。が、やがてシャルルの顔は陰気で無気力な表情を見せ、ロドルフに言った。「あなたを恨んではいません」。シャルルは、エマを心底愛していた。彼女はもういない。ある日、シャルルの娘がシャルルを夕食に呼びに行くと、シャルルが地面に倒れている。息をしていない。その手には、エマの遺髪が握られていた。ギュスターヴ・フロベールFlaubert『ボヴァリー夫人』1857
・最高の口づけが唇に残すものは、さらなる逸楽を求める叶わぬ欲望。
・偶像に触れてはならない。金箔がはげて手に残る。

フレデリック・モロー。青年。人妻マリー・アルヌーに一目惚れ。求愛するも失敗し、夢破れる。ギュスターヴ・フロベールFlaubert『感情教育』1869

このくだらない世の中で、笑いほど真面目なものはない。フロベール

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レベッカ・シャープ。通称ベッキー。女。身分が低く、貧しい。才知。色んな男に言い寄り、肉体関係をもち、社交界でのし上がっていく。が、最終的にすべてを失い破滅。サッカレー Thackeray『虚栄の市きょえいのいち』
・世界は鏡である。しかめ面をすれば、それはこちらをにらみつける。笑いかければ、こちらに笑いかけてくる▼成功は滅多になく、ゆっくりと訪れる。破滅はたやすく、あっという間に訪れる。

上機嫌は社交界に着ていける一級品のドレスである。サッカレー『洋服仕立てと化粧について』

難しいのは信仰のために死ぬことではない。信仰に従って生きることだ。サッカレー『ヘンリ・エズモンド』

笑い方を知らない人は尊大で自負心が強い。サッカレー

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オリヴァー・ツイスト。少年。ある上流階級の男が不倫してできた子。母は出産後に死亡。孤児。9歳。地方の孤児院でいじめられている。ある日、孤児院を逃げ出し、ロンドンへ。優しい紳士ブラウンローに出会い、引き取られ、幸せに暮らす。チャールズ・ディケンズDickens『オリヴァー・ツイスト』1838
●フェイギン。ロンドンの泥棒。おっさん。貧しい少年たちを集めて窃盗団を組織。オリヴァーを誘拐し、悪の道に引込む。狡猾。猜疑心。シャイロック(『ベニスの商人』)と同じユダヤ人。絞首刑に。
●アートフル・ドジャー。少年。スリの天才。フェイギンの窃盗団の一員。
●サイクス。プロの強盗。おっさん。フェイギンの仲間。いつも犬(ブルズアイ)をつれている。裏切ったナンシーを撲殺し、警察に追われている途中に事故死。
〇ナンシー。サイクスの女。娼婦。フェイギンの下で働く。良心の人。オリヴァー誘拐に加担したことを悔やみ、紳士ブラウンローにフェイギンやサイクスの悪事を密告。それを知ったサイクスにより「裏切り者」として棍棒で殴り殺される。
※背表紙や表紙のほうがはるかに優れている。そんな本がある。

エベニーザ・スクルージ。老人。金貸し。ケチ。貧乏人に1ペニーも寄付したくない。口癖Bah! Humbug!(ばかばかしい)」。クリスマス前夜、精霊が現れて、スクルージの過去、現在、未来を見せる。愛よりも金を優先して最愛の人を失った過去。貧しいながらも生きる人々の姿(現在)。自らの悲惨な未来。スクルージは改心する。チャールズ・ディケンズDickens『クリスマス・キャロル』1843
※ロンドンの下町
〇ジェイコブ・マーレイ。昔、スクルージが一緒に会社を経営していた男。7年前に死亡。(鎖につながれた)亡霊としてスクルージの前に現れる。
〇ボブ・クラチット。スクルージの会社の事務員。薄給で働いている。
※映画「ミッキーのクリスマス・キャロル」(1983)

デイヴィッド。男。色々な経験をして、作家として成功するまでの話。母が再婚(しかもやな男と)、大好きな母が死亡、学校で体罰を受ける、待遇の悪いバイト、旅の途中で身ぐるみを剥がれる、結婚した妻が早世。チャールズ・ディケンズDickens『デイヴィッド・コパフィールド』1849

テレーズ・ドファルジュ。パリで酒場を経営する中年の女。小さい頃、姉を貴族に殺され、貴族に深い恨みを持っている。やがて、フランス革命が始まり、民衆による貴族階級への集団リンチ("報復")が始まった。テレーズの姉を殺した貴族を叔父にもつチャールズ・ダーニーは、外国(英)に移住("逃亡")したとして逮捕・裁判にかけられた。テレーズは法廷でダーニーの叔父が農民の娘を誘拐して強姦した証拠をつきつける。判決の結果、ダーニーは翌日の午後にギロチン処刑されることに。テレーズはさらに、ダーニーの妻ルーシーとその幼い娘も殺そうと画策し始める▼それを聞きつけたシドニー・カートン(ルーシーに片想いする酒浸りの英の弁護士)は、ルーシーにすぐに仏から英へ逃げるよう伝える。さらにカートンはダーニーが収容されている独房に行き、ダーニーを独房から逃がすと、身代わりとしてダーニーになりすます。ギロチンで処刑される直前、カートンはつぶやく「ルーシーとその夫が人生の旅を終え、土のベッドで並んで横たわる姿が見える。これから行くところは素晴らしい安らぎの地だ」。チャールズ・ディケンズDickens『二都物語』1859
※旧体制を壊してのし上がった新たな抑圧者たちは、報復の刑具(ギロチン)で滅び去るだろう。

家族愛の中に祖国愛が芽生える。ディケンズ『骨董品』

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フレスタコフ。貧しい小役人。見栄っ張り。ある田舎町で(行政の腐敗を調査する)検察官になりすます。腐敗しきっていた田舎町の市長と役人たちは、悪業を見のがしてもらおうと、「検察官」に扮したフレスタコフをちやほや。フレスタコフは賄賂をたんまり貰って、姿をくらます。その後、本物の検察官がやってきたが、時すでに遅し。市長と役人たちは驚きのあまり、黙ったまま立ち尽くす。ニコライ・ゴーゴリGogol『検察官』1836
※自分の面が曲がっているのに、鏡を責めて何になろう。
※君たちは何を笑っているのだ、自分で自分を笑い飛ばしているのに気づかないのか。

コワリョフ。下級公務員。ある朝、起きたら自分の鼻がなくなっている。鼻を探していると、教会に入っていく鼻を見つけ、声をかけるが人違いだと言われる。しばらくして、鼻は見つかり、元通り顔につく。ニコライ・ゴーゴリGogol『鼻』1836

美しい女のもつ精神的欠陥は、嫌悪の情をもよおさせるが、魅力的である。ニコライ・ゴーゴリGogol『ネフスキイ大通』1842

チチコフ。詐欺師。ロシアでは戸籍調査は数年に一度しかないため、ある年に死んだ農奴がいても、次の調査までは生きていると見なされ、地主は人頭税を支払わなければならない。そこで詐欺師チチコフは金儲けを考える。まず地主たちが抱えている「死んだ農奴たち」を書類上、買い集める。次に安い土地を買って、そこに「死んだ農奴たち」を「移住」させる。つまり、本当は誰もいない荒れ地だが、書類上は農奴たちが作物を生産する価値のある土地に仕立てあげる。そして価値のない土地を担保に国から大金を借りる。しかし、チチコフの計画はバレてしまい、逮捕される。ニコライ・ゴーゴリGogol『死せる魂』1842 ※未完、プーシキンの弟子

中部ロシアの農民たちの生活。イワン・トゥルゲーネフ『猟人日記』1847

ルージン。男。理想主義者。真理・自由・美、崇高な理想を語る。地主の娘ナターリヤと恋仲になる。が、モスクワからフランスに渡り、二月革命をパリの労働者と共に戦い、バリケードの上で死ぬ。イワン・トゥルゲーネフ『ルージン』1856

女の愛を恐れよ。この幸福を、この毒を。イワン・トゥルゲーネフ『初恋』1860

エヴゲーニイ・バザーロフ。医師を目指す青年。何者も尊敬しない。何事も批判的見地から見る。いかなる権威の前にも頭を下げない。いかなる原理も、そのまま信条として受け入れない。目下、否定がもとっとも有益だ。科学こそ万能、神を信じていない。科学者は詩人よりも20倍役に立つ。人間はいかなる道徳的・社会的制約からも自由だと考える。ニヒリスト。神・伝統を神聖なものとして崇めている親世代を軽蔑している。ある日、バザーロフはある未亡人の美しさと知性に強く惹きつけられ、「恋愛なんぞ虚しい」というニヒリストとしての考えが揺らぐ。バザーロフは病床に臥し、両親への愛情を吐露し、息を引き取る。イワン・トゥルゲーネフTurgenev『父と子』1862
●パーヴェル。バザーロフの叔父。貴族趣味。バザーロフと意見が衝突。
〇ニコライ。バザーロフの父親。
〇アルカージイ。バザーロフの友人。パーヴェルの息子。
〇オジンツォーワ。未亡人。美人。

※青春は過ぎてしまったが、老年はまだ訪れていない。希望に似た哀惜と哀惜に似た希望の時期。人生のうす暗い黄昏。

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自分が不幸なとき、他人の不幸をより強く感じる。ドストエフスキー『白夜』1848

人間とは、いかなるものにも馴れる動物である。ドストエフスキー『死の家の記憶』1860

「地下室の男」の日記。理性は人間に賢明なことを教える。論理的思考。計算(二かけるニは四)。固有の肉体と血液を持った人間であることを恥じ、未だかつて存在したことのない普遍的な人間になろうとしている。しかし、人間は愚の骨頂・非合理とも言えることをわざと意識的に望む権利があり、それにより自らの人格や個性を保つことができる▼「地下室の男」は理性を疑うが、一方で信頼・受容・不確実性を引き受けることもできない。例えば他人(娼婦リーザ)の愛をそのまま受け取ることができない。愛を受け入れるのは自分の弱さを認めること、相手への依存は相手に支配されること、だと考えている。フョードル・ドストエフスキー『地下室の手記』1864
*過剰な内省により合理的行動すら放棄

ラスコーリニコフ。23歳。大学で法律を学んでいたが、学費滞納で除籍処分に。粗末なアパートに住んでいる。貧乏。家賃は滞納。ぼろぼろの服。自分の殻に閉じこもり、世間から孤立。夢うつつで、ぶつぶつ独り言▼ラスコーリニコフ、ある金貸しの婆さんに怒りを覚える。意地悪で狡猾。他人の命を食い物にして。社会に有害。除去しなければならない。そうだ、婆さんを殺して金を奪おう。その金で、人類全体に奉仕する共同事業を始めるんだ。たったひとつのちっぽけな命と引き換えに、何千という命を救えるんだ。婆さんの命なんて社会の秤(はかり)にかけたら、しらみ・ごきぶりの命がいいところだ▼ラスコーリニコフは計画通り、金貸しの婆さんを斧で殺害、血の海、金を奪う。婆さんの妹に犯行現場を見られてしまったため、その妹も殺害。ラスコーリニコフ、逃亡。しかし、罪の意識に憑りつかれ、心を病んでいく▼殺人事件の犯人を追う判事ポルフィーリーはラスコーリニコフの「非凡人は法に縛られない」という考えに興味を持ち、ラスコーリニコフに問う。「しかし、凡人が自分は"非凡人"(特別な人間)だと勘違いして、勝手なことをやりだす可能性もあるわけですね」▼ソーニャ。自分を犠牲にして、娼婦として働き、家族を養っている健気な娘。信心深い。ソーニャからキリストが死者を蘇らせる話「ラザロの復活」を聞かされる。ラスコーリニコフはソーニャに心動かされ、警察に自首。シベリアの刑務所で8年の刑期を送る。苦しみと悩みは、偉大な自覚と深い心情の持主にとって必然である。フョードル・ドストエフスキーDostoevsky『罪と罰』1866
〇ポルフィーリー。判事。ラスコーリニコフの論文「犯罪論」の矛盾を突き、ラスコーリニコフを心理的に追い詰める。殺人は「理論」で正当化できないことを示す。
●スヴィドリガイロフ。中年。地主。妻は他界。女好き。快楽と欲望。善悪に無関心。罪悪感の麻痺。虚無。ラスコーリニコフの妹ドゥーニャに求婚するも拒否され自殺。ラスコーリニコフの“未来の像”を暗示。
〇ソーニャ。少女。娼婦をして家族を養っている。母は病気がち。父マルメラードフ(元役人)は飲んだくれで、馬車にひかれて死亡。ラスコーリニコフは母からの仕送りをソーニャに渡す。罪と苦しみを引き受けることで救済が成立することを示す。ラザロの復活(新約聖書):死=終わりではなく、信仰によって再び意味を持つ生へ戻ることができる。

レフ・ニコラエヴィチ・ムイシュキン。男。純粋無垢。善良。無償の奉仕。精神疾患を患い、スイスで療養、退院してロシアに戻る。ある日、ムイシュキンは女ナスターシャに出会う。ナスターシャは過去のトラウマから自己否定が強く、感情に飲み込まれがち。ムイシュキンはなんとかナスターシャを救済しようとする。また一方でムイシュキンは別の女アグラーヤ・エパンチンと顔見知り。アグラーヤは上流階級の娘で、誇り高い。アグラーヤは結婚相手として社会的に望ましい相手。しかし、ムイシュキンはアグラーヤを選ばず、ナスターシャの救済(破滅的な愛)を優先。結局ナスターシャを救済できず(死んでしまい)、アグラーヤ(普通の愛)も失う。ムイシュキンの精神は崩壊し、再びスイスの療養生活に戻る。フョードル・ドストエフスキーDostoevsky『白痴』1868
●ロゴージン。男。裕福な商人。衝動的。激情。情欲。支配欲。ナスターシャにつきまとい、手に入らないとわかるや否や憎悪からナスターシャを殺害。
●イッポリート。男。若い知識人。結核で死期が近い。ニヒリズム。自然は人間を無差別に殺す。ホルバイン「墓の中の死せるキリスト」自然の掟に屈した人間キリストの死体。苦しみに理由はない。救済はない。

人が絶対化された理想を求める背景。神・伝統・道徳への信頼が崩れ、生きる意味や基準が見えなくなる。空虚に苛まれ、完全で明快な理想でそれを埋めようとする。また、社会に対して影響力を持てず、自分の存在が曖昧。不安と無力感。そんな自分を理想は“重要な存在”にしてくれる。人は不安なときほど単純で強い物語(理想)に惹かれる。また、孤立して社会とのつながりが弱いため、結社・思想グループを通じて仲間意識・使命感・アイデンティティを得ようとする▼絶対化された理想が暴力を生むメカニズム。理想は「唯一正しい」「疑えないもの」。反証や例外を認めない。理想=真理。現実の人間・社会は不完全で、理想に照らして「誤り」、現実は修正対象。さらに正しい理想のためなら手段は問わない。規範(倫理・法)は二の次。目的が手段を正当化。そして個人は理想実現の“部品”になり、反対者は「障害」「敵」として処理される。人間が目的ではなく資源になる。排除・粛清・殺害が“必要な処置”として組み込まれる。個人の良心は集団の論理に吸収され、暴力が例外ではなく機能になる。フョードル・ドストエフスキーDostoevsky『悪霊(あくりょう)』1871
人間は他人に騙されるよりも、自分で自分に嘘をつく。他人の嘘よりも自分の嘘を信じている。

地主の成金カラマーゾフ家の当主が何者かに殺害された。犯人として浮かび上がったのは当主の息子たち3人だった。フョードル・ドストエフスキーDostoevsky『カラマーゾフの兄弟』1880
〇ミーチャ(ドミトリー)。長男。退役軍人。酒と女が好きで、激情家・直情的。反面、誠実・高潔を求め、シラーを愛読。財産をめぐり父親と対立。父親殺害の容疑で裁判にかけられる。無実だったが、抗弁せず、懲役20年の判決を受け入れる。
〇イワン。次男。理科大卒。理性。合理主義。無神論。神は存在しないので、人間は何をやっても許される。イワン自作の詩「大審問官」(神が存在するなら、なぜ世界は悪に満ちているのか)第2部第5編。兄の婚約者カチェリーナに恋。裁判で「自分が四男をそそのかして殺させた」と発言。※「白痴」のイッポリートに近い
〇アリョーシャ。三男。純真無垢。温和。信仰。修道士。※「白痴」のムイシュキンに近い
●スメルジャコフ。殺害された当主の愛人の子。使用人。てんかんの持病。父親から差別を受ける。自分が父親をしたと次男のイワンに告白し、自殺。
●ヒョードル。父親。好色。強欲。愛人との子スメルジャコフに殺される。
※人間は自分の姿や心に似せて悪魔を創り出した▼良心の自由ほど魅惑的で苦しいものはない▼民衆の中には忍耐強い無言の悲しみがある。

他人のために自分を忘れること。そうすれば他人はあなたを思い出してくれる▼金が何よりも卑しく厭(いと)わしいのは、それが人間に才能まで与えるからである。ドストエフスキー

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戦争は醜悪である。もてあそんではいけない▼純朴と善良と正義こそ偉大▼この無限の空以外はみんな偽りだ▼ナポレオン戦争。ロシア貴族の没落。ロシア農民の力強く生きる姿。レフ・トルストイTolstoy『戦争と平和』1869
※登場人物559人。

アンナ・カレーニナ。美人。教養。夫(カレーニン)は冴えない俗物。夫婦関係は冷めている。ある日、青年将校の男ヴロンスキーと不倫、妊娠、夫と子供を捨て、外国へ駆け落ちする。しかし、愛人の男との関係は冷えていく。夫と子供を捨ててまで、本当の愛に生きるはずだったのに。アンナは鉄道に身を投げて自殺する▼コンスタンチン・リョーヴィン。男。地主。農村で畑仕事の毎日。働いて、家族を持つ。ささやかな幸福。愛に溺れることなく、社会規範とも折り合う。シンプルな生活と道徳が大切だと「一応の納得」をして生きている。レフ・トルストイTolstoy『アンナ・カレーニナ』1877
※幸福な家庭は似通っているが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸である。
※道を踏み誤った人間は、人間ではなく、神が罰する。神「復讐するは我にあり」

深く愛することのできる人だけが、深い悲しみを体験することができる。トルストイ『幼年時代』

自己愛は死の初めであり、神と万人への愛は生の初めである。トルストイ『読書の輪』

すべての人は世界を変えたいと思っているが、自分を変えようとは思っていない▼恋はロウソクの火▼逆境が人格をつくる。トルストイ

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オブローモフ。32歳。仕事もやめて、怠惰な引きこもり生活を送る。オブローモフを心配した親友シュトルツがオブローモフを家から連れ出し、美しい娘オリガを紹介。オブローモフはオリガへの恋が芽生えるが、煩わしく感じるようになり、元の生活に戻る。その後、オブローモフは心臓病で息を引き取る。イワン・アレクサンドロヴィチ・ゴンチャロフ 『オブローモフの夢』1849

ロシア農奴解放令(1861)。貴族は没落し、農奴たちが土地を所有するように▼ラネーフカヤ夫人。没落貴族。情緒不安定。カネがないのに贅沢な暮らしを続けている。桜の木で有名な夫人の領地は借金の担保になっている。農奴の子ロパーヒンは「領地を別荘地として賃貸に出せば収入が得られる」と提案するが、夫人は拒否。桜の木がある領地は競売にかけられ、落札される。落札したのは農奴の子ロパーヒンだった。それを聞いた夫人はショックで泣き崩れる。アントン・チェーホフChekhov『桜の園(その)』1903
〇ロパーヒン。商人として成功した資産家。農奴の息子。父はかつてラネーフスカヤ家で農奴をしていた。ラネーフスカヤ夫人を敬愛。
〇グリーシャ。夫人の息子。幼い頃、川で溺死。
〇アーニャ。夫人の娘。17歳。
〇トロフィーモフ。大学生。貴族は過去の栄華は断ち切って、勤労の中に生きるべきと説く。
●ガーエフ。夫人の兄。

ラインハルト・ヴェルナー。男。大好きだった幼馴染の娘エリザベートが、別の男と結婚してしまう。エリザベートは2度断ったが、母から結婚を強くすすめられ、仕方なく結婚したらしい。ラインハルトは、エリザベート夫婦から新居の家に招待される。そこで、過ぎ去った幼い日々の思い出を詩にする。湖のほとりを2人で歩いたこと。テオドール・シュトルム『みずうみ』1849 ※ドイツ
※トマス・マンのトニオ・クレーガーに影響を与える

マーク・トウェインTwain『トム・ソーヤの冒険』1876
〇トム・ソーヤ。少年。やんちゃ。好奇心旺盛、知恵と勇気。母を亡くし、叔母のポリーと暮らしている。
〇ハックルベリー・フィン。少年。浮浪児。ボロボロの服。自由奔放。大人は「ハックと一緒に遊ぶな」と言う。
〇ベッキー。トムが好き。おさげ髪。
〇マフ・ポッター。老人。酔っ払い。殺人の罪を擦り付けられる。
●インジャン・ジョー。夜の墓場で人を殺し、ポッターに罪をなすりつける。悪事をはたらき、大金を洞窟に隠している。耳が聞こえない。

ハックルベリー・フィン。浮浪児。才知。良心。同情心。黒人奴隷ジムと共に、自由を求めてミシシッピ川をいかだで北上、カナダを目指す。黒人奴隷を助けるのは罪になるが、ジムとの友情を優先。ジムマーク・トウェインTwain『ハックルベリー・フィンの冒険』1885

それは穏やかで平安に満ちた夏の風景だった。夢のように美しく、日曜日のようにもの寂しくひっそりとしていた。マーク・トウェインTwain『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』1889

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2023年03月26日

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読書会のプレゼント企画でいただいた一冊。学生時代以来、約20年ぶりの再読になる。ナポレオンに憧れて立身出世の野心に燃える青年が主人公なのだが、ページのほとんどを地方の名士の奥様である人妻相手に恋愛の駆け引きを楽しむ描写で費やしている。心理描写らしいモノが皆無に近い現代日本の小説に慣れていると、心内文の長い本作に面食らうかもしれないが、今でも一読の価値があると思う。

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2019年07月19日

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ジュリアンとレナール夫人、ジュリアンとマチルダの恋愛が描かれるが、3人3様の心理が面白さの焦点。レナール夫人は子供が複数いるのに恋愛には初心で3人の中では一番純粋に相手を愛することができる人。マチルダは地位と金、若さと美しさ全てを持っているが退屈で持ってないのは幸せだけ、という人で、恋愛を人生ドラマの道具立てにして自分の中で盛り上がる人。ジュリアンは貧乏な平民の生まれのコンプレックスから自尊心を満たすために高いポジションの女性を征服することが動機となっているが、その時々で相手を愛する気持ちが生じて揺れ動く。200年近く前に書かれた小説としては、ジュリアンとマチルダの心理戦がきめ細かく描かれていて、ジュリアンが最期に冷めていくところなど古さを感じさせない。
赤と黒のタイトルについて。情熱の赤と人間を欲望で操作する力の黒、と私は思った。

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2019年05月25日

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ナポレオンをひそかに敬愛する出世欲と潔癖さと情熱の溢れる若者の話。
スタンダールは名言集などでよく見かけたので読んでみた。
やはり最初のほうは取っ付きにくいが、後になって登場人物がへってきてからはスラスラ読めだす。
あっさりした描写だったけどたった一年で教え子に忘れられたジュリアンがなんかリアルでいやw

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2018年12月01日

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(上下巻通しての感想です)

読みやすいか読みにくいかと問われれば、個人的には読みにくいほうの部類に入る作品です。
中盤以降のジュリヤンとマチルドのやり取りは読んでいて正直かったるかったですし、肝心な場面の描写がさらりと書き流されていたり、逆に似たような心理描写の延々記述が繰り返されていたりして、もしかすると現代の小説に読み慣れてしまっているせいかもしれませんが、読み手に対する配慮やサービス精神に欠ける印象を持ちました。
比較するのもアレですが、同時代のフランス人作家デュマの作品は相当読みやすかったなあと今更ながら感心しました。

ま、世界的名作らしいので、きっと私が読解できていない美点がわんさかあるのでしょうが、ひとつ間違いなく言えるのは、恋愛小説の体裁を纏った社会批評としてはなかなかよくできているという点です。
貧しい出自であるジュリヤンが、様々な駆け引きや誘惑、そしてありったけの情熱によって、レーナル氏やラ・モール侯爵から妻や娘を奪い取ってしまうところは、堕落した旧来の支配階層に対する痛烈な皮肉であり、一方であまりにも自由すぎたジュリヤンの最後は、過剰な自由主義の行き着く先を暗示しているように思えたのでした。

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2018年09月30日

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フランス王政復古時代
ナポレオンの倒れた直後で
革命以来、ふたたび貴族が息を吹き返していた頃の話
製材小屋の息子ジュリアン・ソレルは
片田舎の少年にしてはかなりの美貌の持ち主であったが
末の息子であるゆえに、絶えず父親からの虐待を受けていた
しかし非常に読書家だった
ひとり学問を養いつつ、ひそかにナポレオンを崇拝していた
才能だけでのしあがる夢を見ていたのである
そんな彼にチャンスのめぐってきたのは18だか19のころ
町長レーナルの家に、住み込みの家庭教師として雇われるのだが
そこの夫人と恋におちたことで
街を訪れた国王の
臨時警備隊員に推薦してもらえる運びになったのだった

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2017年09月07日

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大分時間がかかりましたが、やっと読み終わりました。自尊心が異常に膨れ上がった天才肌の美青年ジュリアンが、色恋とその自尊の狭間で命をすり減らし、最終的には自尊心が恋に優り、それゆえに犯した罪の元斬首される話。こんな書き方は全くあらすじではないですが、巻末にある当代の評論家がかいたその批評が、著者スタンダールの執筆意図をしっかりと言い当てています。
 フランス革命の前後において、全く変わってしまったフランスの時代的情緒を描いた作品だということです。私個人としてはフランス革命を手放しで称賛することはできない立場ですから、大革命を前後したフランスの時代を描写した本作は、とても大きな印象を私に残しました。
 もう一度じっくり読み返してみたいです。人間描写の巧みといいましょうか、それも含めて時代描写の傑作であると思います。

15.07.23 - 15.10.18

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2017年03月04日

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名前は知ってるけど読んだことのない本がたくさんある。これもその中の一冊。父や兄から虐待され、暗い日々を過ごしていたジュリヤン。野心を内に秘め、町長レーナル家の家庭教師として潜り込み、僧侶となって出世しようと目論む。レーナル夫人を誘惑し、恋に落ち、愛と野心の間で揺れる主人公。途中から続きが気になりどんどんページが進む。読まれ続ける名作にはやっぱりそれだけの意味があるんだな。2012/369

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2015年04月16日

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ネタバレ

「だが、真の情熱は利己的である。」


製材小屋の子である主人公は、そのひ弱な肉体ゆえに父、兄からいじめられていた。しかし、その心には傲慢な野心が隠されており、いずれはナポレオンのもとで出世をしたいと願っていた。

ひょんなことから家庭教師として村長の家に住むようになり、その夫人を誘惑する。結果、踏み台のはずの夫人にはまり、神学校で学ぶことを余儀なくされた。出世のため、と言いつつ、最後まで冷静、冷徹でいられない主人公のもろさが、土壇場でその成功への近道を断つ。

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2014年11月27日

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ネタバレ

なんとも複雑な心理描写。
なかなか、主人公に感情移入できない。
以前から気になっていた本ではあるけど、今の自分が読んで良かったのかも。
誘惑される夫人の気持ちはわかるから。
身分制度のない時代に生きているので、それがもたらす人格の歪みがイマイチ理解できないけど。
以前、修道院の話を読んだので、神学校のくだりはすんなり入ってきた。
貴族に対する僻みみたいな曲がった根性から、悩まされるハメになったレーナル夫人が気の毒だな。

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2013年01月06日

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その時代背景をよく知っていればもっと楽しめたのだろうが、そうでなくても物語として十分楽しめる。金持ちへの反発、野心に燃えた主人公ジュリアンのときおりみせる矛盾した行動、二面性、不安定さが若者の精神状態をリアルに捉えているように思う。

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2012年12月07日

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ある青年の屈折した情熱が発露する物語。という印象でした。序盤のジュリヤンは野心を抱いているものの明確な目的がなく「育ちのいい人」たちへの嫉妬心から来る憤りに流されているようにも思えました。他人を蔑みながらも事あるごとに心変わりを見せるぶれ具合は、読者としては振り回されるのですが若者らしいとも言えます。復古王政期のフランスにおける様々な愚かしさを描く事もテーマのひとつとしてあると思うので、その知識があればもっと別の見所も得られたのではと感じますが、青年が成長するお話として読んでも続きの気になる第一部でした。

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2012年11月26日

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沸き起こる感情の前には信仰も無意味。そんなメッセージを感じた。
僧侶達の多くが金銭欲に駈られた卑俗な存在として語られていて、宗教(カトリック)への不信感が作品ににじんでいるのが印象的。

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2012年08月20日

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難しい話でした。
二人のいけない恋愛が周囲をも巻き込んでいく。どの時代も感じることは大きくは変わらないんだと思った。
下巻も読みたい。

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2024年05月31日

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フランス革命ののち目まぐるしく変わる政情の中で、軍人から聖職者を目指す若く美しい青年。
野心家というか自尊心の塊というか。
貧しい製材屋に生まれ、この貧しさから抜け出したいと思いナポレオンを心の支えに生きていた。
時代はレミゼラブルと少し重なる。ABCカフェにいた若者達にどこか似ている。

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2023年10月22日

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高校時代授業でタイトルだけは習った本。
フランス文学って恋愛至上主義だなぁと。
当時のフランスの歴史的宗教的背景が解らないと読みづらい。日本史選択の自分には難しく、世界史選択の兄に度々聞いたものの「世界史は世界史でも俺は古代ローマだから」と言われました。
そうか高校時代に読んでたら世界史の先生に色々聞けたのか!と閃くも、高校生じゃこの男女の機微と人間心理は絶対理解出来なかったな…人生はままならない。

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2019年03月14日

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貧民の身にありながらもナポレオンを崇拝し、類いまれなる頭脳と美貌を持つ少年ジュリアンがブルジョワ階級の家庭教師として雇われ、その覇道の第一歩として年上の夫人を誘惑しようとするが次第に恋に落ちてゆく話が上巻の中心。さすが恋愛大国フランスと言うべきか、飽くなき出世欲を持っているはずなのに、それをいとも簡単に投げ捨てて恋の情熱に己の身を捧げてしまうのは恐ろしくもまた魅力的である。ここで描かれるのはつかの間のロマンスであると同時に決して叶わないすれ違いであり、それこそが絶望的なロマンティシズムの美学なのだろう。

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2013年03月25日

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純粋で真っ直ぐなのに野心家の主人公。すぐ感情的になりやすく、思い込みの激しいところもあって、他人を押しのけて上に上がるタイプじゃないのに、成り上がろうという合わないことをしようとするからハラハラする。それはさておき、その背後に描かれている当時のフランスの様子は、現代にも当てはめられることが多くて頷かされる。スタンダールの皮肉にたまにくすっと笑うことも。

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2012年03月02日

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全2巻。フランス文学の代表格の一つ。物語の展開は至って平凡そのものだが、恋愛における駆け引きだとか虚栄心だとかの人間の本質を成す感情や心理についてはストレートだが見事に描かれている。訳の言葉遣いがちょっと微妙な気がした。

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2012年02月29日

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ネタバレ

主人公ジュリヤンは出身の身分は低いがイケメンで頭が良い。貴族やブルジョアに劣等感や嫌悪・憎悪を強く感じており、また自尊心が非常に強い。うまく町長の家の家庭教師になるが、美しく純粋な町長婦人を誘惑してしまう。

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2012年05月24日

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82/100 No.95「長門有希の100冊」

19世紀フランス文学の傑作。
たしかに面白い、スラスラっとは読めないが傑作ということだけはある。
恋愛心理と合わせて、上昇志向の強いジュリアンの心理描写が事細かに描かれている。
この当りが読んでいて、あきさせないのだろうか。
下巻も楽しみだ。

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2013年12月10日

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