佐々木俊尚のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
筆者がどのように膨大な情報収集を行い、それを自分のものにしているかというノウハウをまとめた本。タイトルに「読む力」とあるが、読書に限らず新聞やネット記事などの情報も含めている。この本の評価できるポイントは、とにかく具体性があること。ネット記事の処理に関して「フィードリー」「イノリーダー」というRSS(リッチ・サイト・サマリー)のツール名を挙げたり、読書をどのように行って自分のものにするかをドストエフスキーの『罪と罰』を例に説明したりして、筆者の取り組みをなぞることができるようになっている。ノウハウの内容に関しては賛否両論あるだろうが、情報収集の1つの工夫としては参考になると思う。
この本の印 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「当事者」の時代 (光文社新書)の続編的な考察なのか、いくつか重なる記述があるが、もっと広げた感じ。
その所為か拡散して薄まった感もある。
最終章にまとめなどをして「旧態依然のステレオタイプがこの国を停滞させている仕組み」を図示するような試みをしたら全体が締まって主張もわかりやすくインパクトの有るモノになっただろうにと惜しまれた。
まあこうして云うのは簡単だけど、これだけの考察を一冊にまとめて世に出してくれた著者に感謝したい。
作品紹介・あらすじ
先端テクノロジーの進化と逆行して、日本の社会には神話のような古くさい価値観が居座り続けている。権力は常に悪で、庶民感覚は常に正しく、弱者は守ら -
Posted by ブクログ
読書好きを通り越して、活字を読んでいない時間に虚無感を感じてしまう自分にとって、こうした読書本は、読書家との貴重な会話の時間でもある。著者は本書において、読書を実用とか娯楽とかを分けぬ事の大切さや、知への強い「欲望」という表現を用いているが、こうした言い回しは良くわかる。私にとっては、目の前の認知からの逃避。死や人間関係の喪失感からの駆け込み寺の様な役割もある。
翻訳にはDEEPLというツールが良いよとか、大紀元というウェブメディアは、法輪功が運営しているよなんていう情報も有益だ。
電子書籍の方が紙よりオススメ、というのは価値観の異なる点。三島由紀夫が鼻につくという感想も頂けない。ただ、こ -
Posted by ブクログ
たしかに情報を開示することで繋がりはできる。ただ、著者が書いているような”クレジットカードの情報などでなければ名前、生年月日など開示しても実害はさほどない”というのはどうだろうと思った。
著者が男性というのも大きいように思うし、近年は高そうな車を持っているだけで強盗に襲われたりする事件もある。言わんとすることはわかるが、繋がりが得られる反面、自分自身が開示する情報によって起こりうるリスクはもちろん理解すべきだと感じた。
本書は2018年に出版されており、人々の考え方が変わったポイントとしてリーマンショックや東日本大震災を挙げている。今もしこの本を更新するならコロナも含まれると感じた。本書では -
Posted by ブクログ
ネタバレここ30年くらいの電子機器の進化とそれがもたらした人間の時間の捉え方の変化、社会の変化についてまとめてある本。映画や音楽、SF、アニメについても交えて書いてあるのでサラッと読めた。
インターネットと自分との関わり方をみつめ直すいい機会になった。あまり考えすぎるのもよくないのでたまにはスマホの電源をオフにして散歩に行こうと思った。
以下、ネタバレを含む詳しい感想。
・デジタルは場所をとらず劣化もしないので便利だが、本当に好きなものはある程度、物理的に持っておいた方がいいと思った。
・記憶が一貫しているというのがその人であるという考え方のことを経験主義というと知った。先日読んだ『クララとお日さ