佐々木俊尚のレビュー一覧
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電子書籍のこれまでを楽曲配信の歴史と絡めて考察し、これからの電子書籍がどうなっていくのかが書かれた本。『本はコンテンツとしてでなく、コンテキストとして読まれる』『書き手と読み手がインタラクティブとなり、ソーシャルメディアをコンテキストとしてコアなファンに読まれる』というような、従来のマスな書店販売とは異なった配信・読み方がなされていく(すでにそうなっている)、と書かれている。活字中毒者のわたしとしても、これから電子書籍のプラットフォームがどうなっていくかは関心事であり、日本の出版社もこうした流れに感情的に抵抗するのではなく、先んじて流れを作っていくくらいの意気込みが欲しいと思った。
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Posted by ブクログ
未来へのまなざし、本当の戦い
六本木ヒルズに集う人たちは戦っている。知性と動物的な勘を頼りに、本当の戦いを勝ち抜き続けている。これは、六本木ヒルズに集まる人々の人生や人間関係を、単に賞賛の目を持って称えるという内容の本ではない。彼らが如何に人生を勝ち抜いてきたか、如何にしてヒルズという場所に集まってきたかという物語を語っている。確かに、著者の言うようにヒルズに集まる人々は似たようなにおいがある。彼らの前には以前、そこへ至る道筋はなかったのだ。彼らは例外なく戦い、勝ち、または破れ、さまざまな戦いを経験してきている。苦難とは書かない。「苦難」という言葉は21世紀には滅びる言葉かもしれない。彼ら -
Posted by ブクログ
タイトルだけ見て、大企業が自社アピールのために突拍子もないことをやっているのかと思ったが、読み始めてすぐ納得がいった。
会社が未来像を描くためには、現在の社会や技術を延長して考えるのではなく、一度突拍子もないような未来を考えてから、逆算でそこまでの道程を模索する。そのためにSFは非常に有効らしい。
帯の「未来は現在の延長線上にはない」という一言が印象的だった。
「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」とは、SF作家のジュール・ヴェルヌの名言だが、妄想・理想を実際の事業に落とし込んで実現していこうとするSFプロトダイビングの試みは、物語が社会に可能性をもたらすという意味でとても示唆的だと -
Posted by ブクログ
もっと自由に、もっと気軽にという課題認識から、アウトドアのあり方を提案しています。
自身の経験を踏まえて、登山の魅力のエッセンスを合理的に抽出した上で、具体的に解説し、服装、持ち物や歩き方などのノウハウの紹介のほか、実際に体験したコースまで惜しみなく披露。力の入った本です。(趣味を起点に、このレベルの作品を生み出せるのですから、さすがです。)
自然を楽しむことの魅力、効用が文書の至る所から伝わってきて、じっと家にいることがもったいなくなってくる、
キャンプ、サウナなどと同様、アウトドアの裾野を広げる可能性を感じました。例えば、アウトドア経験はないけど、電車、料理、街ブラ、温泉、パワースポット巡 -
Posted by ブクログ
近ごろ、百低山などと、高みを目指すだけではない登山が人気です。
本書は低山も登らない、頂上は目指さなくても楽しいよ、と言っている。
ひぃひぃ言いながら高い山に登って、そしてガンガン下るを繰り返していると、膝がもたないよ、と。
百名山をいくつ登った、どこそこの冬山に行った、みたいな自慢話はもういらない、
「とにかく気軽に、気持ちよく、楽しく歩きたい。登山なんてそれで十分じゃないか」
著者はそれをフラット登山と呼ぶ。
フラット(平坦)フラット(平等)
主に、2000m前後の山域を歩くコースが紹介されていたり、装備や、便利な小物の紹介もある。
著者が関東在住ということもあり、コースは大体関東圏なのが