佐々木俊尚のレビュー一覧
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電子書籍のこれまでを楽曲配信の歴史と絡めて考察し、これからの電子書籍がどうなっていくのかが書かれた本。『本はコンテンツとしてでなく、コンテキストとして読まれる』『書き手と読み手がインタラクティブとなり、ソーシャルメディアをコンテキストとしてコアなファンに読まれる』というような、従来のマスな書店販売とは異なった配信・読み方がなされていく(すでにそうなっている)、と書かれている。活字中毒者のわたしとしても、これから電子書籍のプラットフォームがどうなっていくかは関心事であり、日本の出版社もこうした流れに感情的に抵抗するのではなく、先んじて流れを作っていくくらいの意気込みが欲しいと思った。
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Posted by ブクログ
未来へのまなざし、本当の戦い
六本木ヒルズに集う人たちは戦っている。知性と動物的な勘を頼りに、本当の戦いを勝ち抜き続けている。これは、六本木ヒルズに集まる人々の人生や人間関係を、単に賞賛の目を持って称えるという内容の本ではない。彼らが如何に人生を勝ち抜いてきたか、如何にしてヒルズという場所に集まってきたかという物語を語っている。確かに、著者の言うようにヒルズに集まる人々は似たようなにおいがある。彼らの前には以前、そこへ至る道筋はなかったのだ。彼らは例外なく戦い、勝ち、または破れ、さまざまな戦いを経験してきている。苦難とは書かない。「苦難」という言葉は21世紀には滅びる言葉かもしれない。彼らは戦うがそこに悲壮感はないのだ。彼らの武器は知恵と論理、そして動物的な勘だ。21世紀初頭、ITは生活にとって欠かせないものとなった。この新たな生活のインフラを縦横無尽に活かし、勘定に素直に生きる。ここにきて本当に日本に、ルールに則った正々堂々とした人が勝つ時代が訪れたと思う。彼らのまなざしは日本の未来を明るく照らす。 -
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挑戦がなくても、アウトドアは楽しい。
フラット(平坦)な野を、みんながフラット(平等)に、「フラッと」気軽に楽しむ。そんな散歩以上・ロングトレイル未満のアクティビティ”フラット登山”を提唱し、危険なく自然を味わえるちょっとしたコツや役に立つアイテム、著者おすすめのコースを紹介した本です。著者のパーソナルな経験もからめて語ってくれるので、無難で当たり障りないネットレビューより、信頼できそうです。
登頂という目的達成より、歩いている今この瞬間の一歩一歩を味わう。これは高度経済成長以降の、日本のポストモダンな価値観に沿っているとの見立てが面白いです。
テクニックやアイテム紹介などについては、すでにガチ登山趣味の方には釈迦に説法ではあるかと思いますが、入門者としては過不足なしではないでしょうか。肩肘を張らなくていいギリギリのライン、これならなんとか気軽にはじめられるかも、という塩梅です。「自然と己への挑戦ではないですよ、気軽に自然を楽しみましょうね。でも万が一のためにこういうことはしときましょうね」という著者の配慮が感じられる、気が利いた内容になっています。
おすすめコース紹介も興味をそそるものが多く、樹海をひたすら歩くもの、富士山頭頂を目指さずその中腹を歩くもの、九十九里浜をひたすら海沿いに歩くもの、多摩ニュータウンの隠れた森を散策するなど。私もいつか歩こうと思って、本作で紹介されている登山アプリ「YAMAP」をダウンロードしました。
アーバンライフとアウトドアの壁は昨今すこしずつ低くなっているような気がしています。以前からアウトドア・ファッションは市民権を得ているところですが、近年はさらに一歩進んだ「テック系ファッション」として、アウトドア向け素材を使いつつ、都会で浮かないよう洗練されているデザインのウェアも流行っています。怪我のすくない有酸素運動としてウォーキングは定番ですし、防災意識の高まりもあってか「EDC」(=Everyday Carry)といって、常日頃からコンパクトな防災グッズやアウトドアツールを携帯することも、カッコいいギアがたくさんリリースされていることもあっていま注目されています。
アーバンライフとアウトドアの距離が縮まることは、とてもいいことだと思います。移動そのものが冒険になってしまえば、毎日が心躍るものになる。日々のストレスから開放される術は身近なところにあるのかもしれません。
本筋とはズレますが巻末の「おわりに」で、既存の登山ガイドブックの、それっぽいことばかりを語るだけの物足りなさに非を唱える著者のアツさもぐっと来ました。 -
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情報キュレーターの佐々木俊尚さんが面白い本を出した。
フラット登山。造語か。初めて聞く。平らな登山?
448頁もある。こんな分厚いとは思ってなかった。
「フラット登山」の哲学を語ることは想定していた。
山頂を目指す登山だけが登山ではない。
何が楽しくて苦しくて、人が多くて、2000mから先は岩場ばかりを上るんだと。
それより楽に、人が少なくて、景色のいいところを歩いたほうが楽しいじゃないか
という主張だ。これはまあ頷ける。
でもそしたらそれは登山と言わず「山歩き」といえばいいんじゃないか?
とつっこみたくなるが、、「散歩」とは違う、とは本に書いてあったけど。
思えば私にとっての登山は3つ。
①中学の部活、地理研究会の合宿で、
新潟県の浅草岳、守門岳、青森県の八甲田山に上ること。
高校、大学でもOBとして、社会人になってからは同期たちとドライブで行った。
②外秩父七峰ハイキング大会
ハイキングとは名ばかりで、東武線の寄井から嵐山まで42キロ、
7つの山を登って降りて一日で歩き切れたらすごい、というもの。
同業他社の方に誘われ、6回くらい歩いた。4月、春の山はきれいだった。
8時間台で歩けるようになった。仲間も誘って大所帯になった。
マラソンをするようになって、下りで転んではまずい、とやめた。
③岩手山登山
その同業他社の方に誘われて岩手山に上った。
2000m以上は岩場。その方の高校生の息子さんとスイスイ上った。
①が佐々木さんの言うフラット登山に該当するように思う。
八甲田山の大岳は頂上まで登ったように思うが、
浅草岳や守門岳はどうだったか?
なにせ「地理研究会」頂上が目的でなかったので、、、
②は前述のとおりハイキングのくせに超難関だったし、
絶対これは「ふらっと登山ではない」
③は百名山に登山した、以上。
①で自分もフラット登山経験者だったってことだ。
たぶん。
この本はそういう哲学に留まらず、必要な道具、ガジェット、
フラット登山旅の計画の作り方、おすすめコースまで、
佐々木さんのノウハウを惜しげもなく公開してくれている。
だから分厚くなる。
斜め読みしたけど。
日常「情報キュレーター」を名乗って世の中を分析している佐々木さん、
こういう脳のリフレッシュをしているということ。
自分のランニングもそれに相当する、とちょっと安心したりする。
トレイルランもやってみようかな。
第1章 まったく新しい歩く旅「フラット登山」を提唱する
そもそも「登山」とは何か
「登山」を再定義する
「フラット」である3つの理由
第2章 どのようにしてわたしはフラット登山に行き着いたか
どこまでも続く稜線歩きに魅了された学生時代
忙しさで山から遠ざかっていた
再び山に目覚めるきっかけになったアイコンワンゲル部
第3章 フラット登山に必要な装備
山道だけでなく車道も歩く「靴」の選び方
登山服の基本「レイヤリング」を学ぶ
30〜40Lのバックパックをオススメする理由
登山用品のコスパと予算の問題を考える
第4章 知っておきたいフラット登山ハック
最低限の現金は持ち合わせたい
下山後の指定席予約ハック
気分と山道で食を選びたい
第5章 フラット登山の計画を立てる
どのようにしてコースを設定するか
人気の山でも混雑を避けるルートがある
グーグルマップを眺めながらの試行錯誤が楽しい
第6章 自然を味わい尽くすために
山を歩くことの効用
解けない靴ひもの結び方
「ナンバクダリ」で膝への負担を軽減
スマホ対応の登山地図をどう使いこなすか
第7章 フラット登山コースガイド30
<異世界に迷い込んでいる>
<広大で畏怖がある>
<変化に富み、足に快感がある>
<冒険心が満たされる>
<霊性に畏怖を感じる>
……5つの視点で分類した30のコースを紹介!