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数千年前、人類に「自己認識」が芽生え、有用ではなくなっていった神の声。そこで人々が神々の代替物として生み出したのが法律と宗教、そして「物語」だった――。確率論・べき乗の法則・言語論・機械論・コンピュータ論など、さまざまな学問の知見を援用しながら、人類が長年拘束されてきた「因果の物語」の終わりと、新しい物語「共時の物語」を提示する。執筆5年、圧倒の20万字!
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Posted by ブクログ
過去現在未来時間軸は一方向に進むことが当たり前である しかしその概念もない人民族がいる クラウドの登場により音楽映像の世界では当たり前のように起こっている 記憶は美化されるのだろうか 過去は消滅しなくなった 体験も夢も幻である忘れてもらえない 因果を超えた認識 大数 数式なし⇒確率 べき乗 ⇒AI...続きを読む 学習 自由を考える 見えない支配 ナッジの本質 選択 vs 抑圧 選択は自由ではない 空間遍在のテクノロジー 3次元感覚 「生」に目的は必要ない ゴンドクナ神話と ローラシア神話 知能と知性 田坂広志 強いAI 弱いAI 特化型 汎用型 ポストトゥルース(脱真実) フェイクニュース ナッジ(セイラー)リバタリアニズムでありパターナリズムである
<目次> プロローグ未来は希望か絶望か 第1章鮮明な過去は常に改変され郷愁は消える 第2章過去は物語をつくってきた 第3章因果の物語から、機械の物語へ 第4章自由という未来の終焉 第5章摩擦・空間・遍在のテクノロジー 第6章新しい人間哲学の時代に エピローグひっそりと、ともに歩く p173~いっ...続きを読むたん安定したように見えますが、再び臨界 状態へ徐々に進んでいく~つねに安定、臨界、崩壊の 間をふらふらと揺れ動いているのが自然の姿 p233選択したり判断したりする回数を減らしたい ~判断疲れになるから p237ナッジ、そっと注意喚起をすること p3593つの感覚、摩擦感覚、空間感覚、遍在感覚 ~これらが重なりあったときに、世界にしっかり つなぎとめられているという感覚い変わる 佐々木氏はこうした内容の本を書く人とは、知らな かった。でも、いつもヒントがここにある。
テクノロジーの進化に伴い生じる時間と空間の認識における大きなパラダイムシフトを、因果・確率・べき乗則・機械の4つの物語、摩擦・空間・遍在の3つの認知感覚によって解きほぐし、新たな哲学を指し示す。 卑近な具体例と広範な論理的裏付けを多用しながら丁寧に論を積み重ねた上で、オートポイエーシス及びユングのシ...続きを読むンクロニシティに思想的な出口を求め、やがてナラティブに哲学的解答を見出していく。著者の知識的守備範囲の広さ、一つ一つの糸を織り込んでいく知性と慧眼に拍手。
過去を色褪せさせないテクノロジー、機械の性能が人間を上回る可能性の出現により、時間と因果が支配する物語よりも、今何を組み合わせるかということが人間社会にとって重要になってきている。
私たちを取り巻くテクノロジーの変化によって、私たちの「時間」の捉え方は明らかに変容している、という話。 印象的なエピソードとして挙げられているのは、スピーカーから流れてきた70年台のプログレッシブロックについて父が「当時はこういった音楽も、受け入れられるのに時間がかかったんだ」というと、小さな娘が...続きを読む「ということは、この曲は古いの?」と問いかける一幕。 あるいは、永遠に残り続けるネット空間に残されたデジタルフットプリント。データは古びることなく、その人の思考の変遷や社会的立場、あるいは犯罪歴に至るまで忘却が許されない。 「古い」「過去」という価値観や体験は、すでにある種のあざとさを持ったUI/UXとして提示されないと、気づかれないし体験されない価値になってきた。私たちはノイズ(時代性)の取り除かれたデジタルコンテンツを、まるで池から水をすくいとって飲むように消費するようになったので。 はたして一方向に進んでいく、線形の時間軸のモデルをこれからも持ち続けていくことができるのか?あるいは持ち続けていく必要があるのか?という問いと、時代の連続性が希薄になっていく中で、私たちは自己同一性を、あるいは生きている意味をどうやって担保するのか。あるいはそれを担保する必要があるのか?という問い。 いずれも答えることはとても難しいのだが、変容していく人間の意識と社会を俯瞰して捉えておくことは、単純におもしろい。決して全ては同じ場所にあり続けるわけではない。 禅問答のような本。でも僕はこういう「答えがなくてもいいという答え」にふれることで、結構安心できる。 ----- 「私たちは自分の自己意識をとても大切なものと考えていて、自己意識こそが自分をコントロールし、身体の行動や脳の思考に命令を下しているのだと考えています。しかしオートポイエーシス的な視座で人間の心を捉えると、心のシステムは作動することによって初めて自己意識が生み出されているのです。つまり主体は自己意識ではなく、意識や思考、行動などを生みだしている脳の神経細胞のシステムそのものであるということ。 つまり、私たちの自己意識が主体なのではありません。思考が思考を、思考が行動を、行動が思考を、あるいは思考が自己意識を、行動が自己意識を、とさまざまな要素を生み出し続けるその「過程」のシステムこそが、私たちの主体であり、人間の本質だと言い換えることができるでしょう」p.410 「アニメ『GOHST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の続編『イノセンス』。この映画の終わり近くで、主人公草薙素子はブッダの言葉を口にします。 「孤独に歩め。悪をなさず、求めるところは少なく、林の中を象のように」 もしよい同伴者が作ることができなかったら、一人で歩いた方がいい。愚かな人を道連れにするくらいなら、森林に歩みを進めているゾウのように孤独に歩く方がいい。しかし彼女はそうやって孤独への決意を口にしながらも、懐かしい同僚バトーにこう伝えるのです。 「バトー、忘れないで。あなたがネットにアクセスするとき、私は必ずあなたのそばにいる」 森林の中を孤独に歩くゾウであっても、そのゾウは一人ではない。そこには孤独な道を歩くものたちの親密さがあり、ひっそりとともに歩いて行こうという共感があるのです」p.430 時間とテクノロジー
哲学と科学の間という感じだろうか。 「未来は前方にあり、過去は後方にある」は絶対的な真理ではない。 過去は既に終わったことだから目に見えるが、未来はまだ起きてないから見えない。 だから過去は顔を向けている前方にあり、未来は背中にある。 すなわち、Back to the Future。 上手いし、な...続きを読むるほどなだし。 序盤の掴みから、テクノロジーと文化を行き来しながら、因果と共時を論じる。 ちょっと個人的に咀嚼できないというか、難解な部分もあるので、何回か読んで理解していきたい一冊。
テクノロジーが直線的な時間によって因果を司る物語を無効化し、新たな人間哲学として共時の物語に突入しつつある今を描いた一冊。分量が20万字と厚めですが、文学から映画まで幅広く渉猟されており、サラりと読める。
時間の概念は無くなる、物語は機械によって作られる、今までの法則が使えなくなる。。テクノロジーの発達によって・・今からの時代に、人間は如何あるべきかを考えされられる一冊でした✋
・時代の早さに驚いたりついていけずに焦ったり、それが無意識的にストレスになり不安を抱える。この時代を生きることは本当に難しいのかもしれない。どう生きるかは永遠の課題だし先の見えない予測できない未来に対して思考し続ける事は現代人の悩みでもある。そんな現実への処方箋のような形でこの本は希望を与えてくれる...続きを読む。テクノロジーの進化で世界は劇的に変わる。その中で自分が最適化できれば視野が広がりそうな気がする。過去、現在、未来を材料にさまざまな角度から人間を考察する深みのある哲学の本でした。
理解できなかった。部分部分は分かりやすく解説されているのだが、全体を通して掴めなかった。 学び 因果でも確率でもない、共時の物語があると捉える←集団的無意識 空間の認知能力は必要、世界を立体で捉える 機械学習は画像である。
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佐々木俊尚
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