壁井ユカコのレビュー一覧
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“ふわ、と嗅覚に触れる匂い。五階のアトリエに残されていた匂いと同じ―――。
キズナは目を見開いた。顔をあげることができないまま、呼吸すらとめて視界に入るものを凝視した。角のところがだいぶ傷ついたトランクと、さまざまな色の絵具でまだら模様に染まったくたびれたスニーカーがソファの前に立つ。トランクには国際線のタグがつけっぱなしになったまま。
眠たげなぼそっとした声が、さらさらとした心地よい小雨のように降ってきて、横たわったキズナの頬に染みこんだ。
「住む場所と、モデルを探してるんだけど」”
わー。
浅井さんいいとこ取り。
イラスト最高。
来る者拒まず去る者追わず。
そんなホテル・ウィリアムズチャイルドバードは何年たってもかわらない。
住む人は変わってゆく。
そしてオーナー自身も変わってゆく。
そして、変わりつつも相変わらずのまま帰ってくる人もいる。
それでもこの場所はかわらない。
だから、これからはまたいつかの日常がいつものようにはじまっていく。
その舞台は、ちょっと不思議で全然普通のホテル・ウィリアムズチャイルドバード。
舞台に立つは、赤毛少女と根暗芸術家と、そしてたくさんの変人奇人一般人達。
開幕は、まだ、これから。
“浅井有生については主に二つの噂がある。
一つ、伊達眼鏡であるということ。
一つ、吸血鬼であるということ。”
番外編も楽しかった。
なんか、壁井さんの趣味全開。みたいな。 -
Posted by ブクログ
“どことなく放心したまま華之子は頷いた。
おかしなところがあるかしら?ううん、いつもと同じ朝のはず。パパは外資系の会社のエリートビジネスマンで、忙しくても家庭のこともちゃんと大事にしてて、男前でセンスもいい自慢のパパで……。
うん、間違ってない、よね?”
終わりの手前のお話たち。
1話目が結構楽しかった。
へれんかわいいよへれん。
うん。
あと、有生が答えを見つけ出すとこの表現になんか、こう、ぐっときた。
“やっと納得したんだね。それでいいんだよ、有生”
少し寂しそうに目を伏せる彼女の顔がガスの向こうに見えた気がした。それでも彼女は無理に突き放すようにそう言って、ばいばいと手を振った。”
そして住人は1人また1人と巣だって行く。
鳥籠に囲われた世界から飛び立つように。
もう鳥籠に守られる必要はなくなったと言わんばかりに。
ある者は、幸せと共に。
ある者は、ためらうように。
またある者は―――。
“終わりに向かってすでに変化ははじまっている。どんなに不変を願ってももうこのままではいられない。
ライトがすべて落ちるまでには、キズナも舞台を降りなければならない。” -
Posted by ブクログ
“「なっ何…?」
ずば
「………」
ぱらぱら
「雪」
…?
「…… は?」
「以上」
ぶぇっきし
スタスタ
「ちょっ… 待てっ」”
やべぇ、ここで吹いた。
浅井さんの“ぶぇっきし”で吹いた。
念願の鳥籠荘漫画単行本ー。
浅井さんが小説とはまた違った雰囲気の人になってる。
あと、キズナと浅井さん以外の人の話は特になかった。
だけど、それがまたいいところ。
あと、ラムさんが、なんというかイメージ通りでよかった。
絵が綺麗。素敵。
やばい気に入った。
…っていうか、ヘレン怖いよ。
“「できるだけ 警察のお世話には なりたくないわ…」
「ふっ… お前も 婦警さんとは 会いたくない だろうしな」
「言っとくけど 浅井さんこそ 100%職質 受けるから」”