緒方剛志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一見、ごく青臭い学園青春ジュブナイル・ホラー風の展開でスタートするこの作品だが、そこで軽い評価を下してはいけない。作品にちりばめられた黒魔術的オカルティズムの底知れない悪夢世界が結末には待ち受けている。アクアリウムの底に眠るモノ、それに飲み込まれる主人公。クトゥルー神話譚を彷彿とさせるような現実を一皮剥いたところに出現する異次元恐怖が光る一冊。
それゆえに謎の真相を明瞭にしていないのがこの作品の好悪を分ける事になりそうだが、地下暗黒の異界感覚の実体のない朦朧とした描写の連続には肌に迫るただならぬものを感じさせる。
再刊であるこのスニーカー文庫版は、平成ライトノベル的な作品イメージのフィルタリン -
Posted by ブクログ
(注意)このレビューはネタバレを含んでいるかもです。ごめんなさい。
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本書はあちこちに知的なしかけがしてある。英語のアナグラムを説明しているあたりは、本職の英文学教授っぽいし、戦中に弾圧された「白神教」のカリスマ教祖「出門鬼三郎」=デーモン「鬼」三郎=大本教の出口王仁三郎というシャレや蛇神が地の(あるいは地に囚われた)神であるという設定もまた宗教学っぽい。それ以外にも、多佳子と英子の対決場面(というか多佳子の妄想かも知れない場面)での心 -
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