緒方剛志のレビュー一覧
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暦のなかでめざめた魔女アルケスティスは、凪のなかに存在している魔女ヴァルプルギスとの戦いに向けて行動を開始します。
統和機構の「トラス・アトラス」のメンバーたちが暗躍するなか、織機綺はしだいにみずからの能力を駆使して積極的に戦い、凪を守ろうとします。彼女が変わったのは、リキ・ティキ・タビによって力を得たからでした。しかしリキ・ティキ・タビは、アルケスティスとヴァルプルギスの二人の魔女のあいだに生じたものにすぎず、けっきょく彼女は凪を守ることができません。
羽原健太郎やラウンダバウトは、負傷した凪を救うために、彼女と協力関係にあった釘斗博士のもとを訪れますが、博士はドーバーマンと協力を結んでおり、健太郎たちはさらなる逃避を余儀なくされます。一方で、朱巳も統和機構の内部で起こっている変化に巻き込まれていきます。
比較的動きのすくなかった前巻とは打って変わって、いっきょに各所でストーリーが転がり出したといった印象です。 -
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「ビートのディシプリン」(全4巻)につづく、「ブギーポップ」シリーズのスピン・オフ作品第2弾です。
「ビートのディシプリン」では、本編とは異なってビートと朝子が主役を務めていましたが、今回は凪が中心のストーリーとなっています。17歳の村津隆(むらつ・たかし)は、「ダイアモンズ」の違法薬物の販売にかかわっていました。組織は凪によって壊滅させられますが、ドーバーマンと呼ばれる合成人間が凪を襲撃し、隆はその協力をさせられます。
隆は、かつて冥加暦(みょうが・こよみ)という少女から、未来を暗示する不思議なことばを聞かされ、そのことがわすれられず、彼女との再会を願っていました。その暦のもとを、パールとジィド、そして犬のモンドが訪ね、凪と暦とのあいだに存在している謎がしだいに明らかにされていきます。
今回は、新作の第1巻ということもあって、隆というキャラクターを動かしていきながら、すこしずつ物語の核心にかかわることになる人物たちがとりあげられて伏線が用意されているという印象です。ここからどのようにストーリーが進行していくのかたのしみにしています。 -
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ビートの前に立ちはだかったラウンダバウトが、彼と行動をともにすることになります。一方、統和機構からあらたにモータル・ジムが差し向けられ、ビートはラウンダバウトとジィドの三人で立ち向かいます。
高代徹(たかしろ・とおる)に護衛されていた朝子は、偶然にもモータル・ジムと接触し、戦いに巻き込まれることになります。しかしそこに凪が登場し、彼女を危機から救い出します。
「カーメン」の謎にかんするストーリーが進展しつつ、しだいに朝子も自分の能力が呼び寄せる運命に順応していっているように感じます。今回は、シリーズ中でも個人的に気に入っているキャラクターである凪が活躍する場面もあり、たのしんで読むことができました。 -
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統和機構の「リセット」こと雨宮世津子の襲撃から逃れたビートは、反統和機構組織である「ダイアモンズ」のパールに救われます。しかし統和機構は、刺客のバーゲン・ワーゲンを彼のもとに差し向け、ビートはパールを慕うジィドという男とともに戦うことになります。
一方で、ビートがモ・マーダーのもとで統和機構の合成人間として訓練を受けつつ、ザ・ミンサーという少女と過ごした過去の回想が差し挿まれます。さらにミンサーは、ビートたちが戦いをくりひろげている背後である事件を引き起こし、そのために彼女の前に「世界の敵」の敵としてブギーポップが登場することになります。
ビートたちとバーゲン・ワーゲンとの戦いは、ビートとジィドの二人のキャラクターが生きていて、たのしんで読むことができました。一方、ビートとミンサーをめぐるエピソードはせつない結末です。ただ、この二つのストーリー・ラインをもうすこし緊密に結びつけてほしかったという気がします。 -
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「ブギーポップ」シリーズのスピン・オフ作品です。
統和機構の合成人間であるピート・ビートは、世良稔(せら・みのる)という名前で市立秋萩高校に籍を置いています。ある日彼は、フォルテッシモから「カーメン」と呼ばれる謎について教えられ、その正体をさぐることになります。
一方、秋萩高校でビートとおなじクラスの浅倉朝子(あさくら・あさこ)という少女は、自分がひとよりも鋭いカンをもっていることに気づきながらも、その本当の能力を自覚することなく、ごくふつうの女子高生として暮らしていました。ところが、ビートを追って学園に潜入した奈良崎克己(ならざき・かつみ)こと「ラウンダバウト」と接触したことで、彼女も彼らの戦いに巻き込まれてしまうことになります。
「ブギーポップ」シリーズとおなじ世界観での物語ですが、本編ではひとつの世界観のもとでのさまざまな趣向が織り成されているのに対して、本作では主人公のビートという明確な中心が存在しています。その意味で、本編シリーズよりもライトノベルらしい、親しみやすい内容ということができるかもしれません。 -
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17歳の若き皇帝であるローティフェルド・ラウリー・ゴウク十七世は、千年前に闘争と破壊の化身と恐れられたルルド・バイパーを現代に復活させるという、ヴィマト・カミング博士の実験に立ち会うことになります。
実験は成功し、みごとルルドがそのすがたを現わしますが、そこにシンザス将軍率いる部隊が現われ、ローティフェルドを亡き者にしようとします。何者かが、実験でローティフェルドが死んだことにして皇位をうばおうと画策していたのです。しかし、ルルドの超人的な力によって、ローティフェルドとカミング博士は救出され、三人は追手から身をかくしつつ、陰謀の黒幕の正体をさぐろうとします。
貴種流離譚の王道展開の物語です。一冊で完結するコンパクトなストーリーであることも手伝って、ライトノベルならではのたのしみに身をひたすことのできる作品だと感じました。 -
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特殊能力の使い手たちを擁する「奇蹟軍」と、科学の力にもとづく機械化部隊で対抗する「枢機軍」とのあいだで、長年にわたり戦争がつづいている世界の物語です。
枢機軍の若き兵士であるトモル・アドは、戦場で奇蹟の使い手である夢幻という少女に出会います。二人は、心では再会を求めながらも、戦いによってへだてられており、その願いは容易にはかないません。そんななか、奇蹟軍のリスキィ兄妹が、枢機軍に投降するという事件が起こります。リスキィ兄妹の意図を測りかねた枢機軍は、トモルを指揮官として兄妹を辺境の地に送り込み、戦場での二人の行動を見て、今後の対応を考えることにします。
リスキィ兄妹が投降した理由は、二人がトモルのかくされた能力に気づいたからでした。トモルは、自分でもしらない能力によって数々の苦境を乗り越えていきますが、やがて奇蹟軍から夢幻が彼らのもとに現われ、戦いがはじまります。
夢幻、リスキィ妹、ミルトの三人のヒロインが登場するのですが、一冊で完結するコンパクトな物語のため、メイン・ヒロインである夢幻の登場する場面が比較的すくなくなってしまっているのは、すこし残念に感じました。古典的なボーイ・ミーツ・ガールもので、ストーリーの構成自体はととのっており、その点ではストレスを感じることなくたのしんで読むことができたように思います。 -
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「ブギーポップ」シリーズの第19弾です。
塩多樹梨亜(しおた・じゅりあ)と甘利勇人(あまり・ゆうと)の二人は、統和機構に命じられて、それぞれ宮下藤花と岸森由羽樹(きしもり・ゆうき)の尾行をおこなっていました。一方、深陽学園で風紀委員長を務める新刻敬(にいこく・けい)は、藤花をストーカーしている人物がいることに気づき、その正体をたしかめようとします。彼女は、岸森のいる市立幡山高校を訪れますが、そこでゆがんだことが許せない彼女の心のスキを突かれ、洗脳されてしまうことになります。
これまで何度も物語に登場しながらも、スポット・ライトがあてられずにいた新刻敬が、ようやくというべきなのか、中心的な役回りを演じています。彼女のこれまで見られなかった魅力がえがかれていて、たのしんで読むことができました。また、これまでにくらべてストーリーの見通しがよくなっており、スムーズに読み進めることができるように感じます。 -
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「ブギーポップ」シリーズの第18弾です。
不破明日那(ふわ・あすな)という少女が、過去の記憶をうしなってしまい、なぜか自分がブギーポップのコスチュームをして学校の屋上にいることに気づくところから、物語がはじまります。同時に、死んだはずのカラスやイヌがゾンビとなって動きまわるという奇怪な現象が起こります。
明日那は、ブギーポップをさがし求めていた狭間由紀子(はざま・ゆきこ)と出会い、さらに統和機構から指令を受けて行動している成城沙依子(なるぎ・さよこ)も彼女たちにくわわって、うしなわれた記憶と事件の謎を追い求めるというストーリーです。
三人のヒロインたちのキャラクターが、いかにもライトノベルらしい造形ではありますが、しっかり確立されていて、いかにもそれらしいセリフなどをたのしみつつ読むことができました。ストーリーのほうはこれまで同様、水乃星透子の影響と統和機構と暗躍という設定のなかで、とくに大きな進展もなく展開されています。安定感こそはあるものの、もうそろそろ本編のストーリーを動かしてほしいと思ってしまいます。 -
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「ブギーポップ」シリーズの第17弾です。
ひとが心の奥底で願っている願望をかなえてくれる「レモン・クラッシュ」という現象についてのうわさがひろまります。そのうわさのことが気になってしまう中条深月は、友人の宮下藤花と歌上雪乃の二人とともに、その真相を追い求めます。一方、深月に恋心をいだいている的場百太という少年も、悪友の弓原千春と矢嶋万騎の二人を巻き込みながら、彼女たちの行動を気にかけていました。この男女6人が中心となって、統和機構とのかかわりなども織り込みながら、ストーリーが進行していきます。
毎回あたらしいキャラクターが登場し、その人物の背景や設定などと絡めつつ、ストーリーの中心となる不思議な事象にまつわる真実が明らかになっていくという、これまでと同様の展開です。個人的には、おなじパターンのくり返しのように感じてしまいました。 -
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「ブギーポップ」シリーズの第16弾です。
統和機構の合成人間であるセロニアス・モンキーが、奇妙な出来事に巻き込まれたことを記した日記をのこしてゆくえをくらませます。フォルテッシモは、セロニアス・モンキーが「スキャッターブレイン」と呼んでいた敵に遭遇していたことを知り、その正体をさぐります。
一方、輪堂進(りんどう・すすむ)の周辺に、「ぶぎい」と鳴くネコがときおり彼の前にすがたを見せます。しかもほかの人びとは、そのネコの存在に気がつかないようで、しだいに彼はネコのことが気になりはじめます。そんな彼の前に、転校生の無子規憐(むしき・れん)が現われます。進の幼なじみの真駒以緒(まこま・いお)は、憐が進に接近することに焦り出し、ブギーポップのうわさの真相をさぐろうとする憐と行動をともにすることになります。
進を中心にヒロインたちがわちゃわちゃしている雰囲気から、思いもかけない方向にストーリーが転がっていって、驚かされました。