ひろさちやのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ-2007.06.30記
昨夜につづき、ひろさちや氏の近著についての追書きである。
第1章の「狂いのすすめ」から、終りの4章は「遊びのすすめ」へと結ばれ、遊狂の精神こそ世間-縁のうちに生きる人間の最良の智恵と説かれるが、その世間-縁なるものを思量するに引かれる具体的事象がいくつか面白い。
たとえば、動物社会学の知見によれば、アリはそれほど勤勉ではない、という話。
まじめに働くアリは約2割、残りの8割は怠け者。正確にいえば、2:6:2の割合で、ものすごく勤勉なアリが2割、6割が普通、怠け者が2割ということだが、6割の普通のアリを怠け者のグループへ入れれば、先述のようなことになる。
そこで、2割の勤勉な者ばかりを集めて新しい集団をつくればどうなるか。勤勉だったアリの8割が怠け者に転じてしまうのだ、という。
もうひとつ、養殖うなぎの稚魚の話。
養殖うなぎの稚魚はたいてい外国から輸入しているが、これが空輸されてきたとき、8割、9割の稚魚が死んでしまうのである。これでは採算もとれないから、窮余の一策で、試しに稚魚の中に天敵のナマズを入れて空輸してみたところ、稚魚の2割はナマズに喰われてしまっていたが、残りの8割は元気そのものだったという。アリやうなぎの稚魚の集団における生態も、人間社会の生態も大同小異、同じようなものなのだ。それが世間というものであり、また縁のうちにあるということなのだ。
あれこれと本書で紹介された事象の中で、それなりに新鮮で刺激的なものとして私を捉えたのは、「老衰とガン」の相関的な話だ。
筆者には、放射線治療の第一人者として現代医療の最先端にいながら、逆説的でセンセーショナルな書として注目を集めた、「患者よ、ガンと闘うな」を著した近藤誠医師と対談した「がん患者よ、医療地獄の犠牲になるな-迫りくる終末期をいかに人間らしく生き遂げるか」日本文芸社新書-があるようだが、これを引いて、近藤医師曰く、ガンという病気は、本来ならば老衰のように楽に死ねる病気だ。高齢者がだんだんに食べなくなって、痩せて枯木のようになって、格別苦しまずに眠るように死んでいく。そういう死に方ができるのがガンなのだ、と。
また、高齢者の死因において、老衰死が極端に少なくなり、代わってガンが増大したのは、摘出手術を当然視した現代医療の徹底した普及から、手術の後遺症や抗ガン剤の副作用、病巣の転移などを誘発することが圧倒的にひろがってきたからだ。むしろ老衰のような死に方を理想とするなら、ガンを無理に発見して治療しないほうがよい場合も多々あるのだ、と説いているが、少なくとも少壮期に発見されたガンならばともかく、壮年の晩期や初老期にさしかかってからの場合など、まこと肯ける話で、斯様に対処するが智恵というものかもしれぬ。 -
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ネタバレまとめ
□弱者の自覚、狂者の自覚が必要
□世の中は狂ってる、自覚すれば自分は正常になるかも
□でも逆らう必要はない、少し嘲笑して蔑んでいれば良い
□自由=自らに由る になれ
□近藤誠と対談して共感している
□生き甲斐を押し付けられ、世の中の奴隷となっている
□隣の三尺 小さな親切大きなお世話
□ご縁=比較対象→ 比較してはならない=仏の物差し
感想
物事を流せない真面目な人には、もっと楽に生きても良いではないかと語りかけているので良いだろう。
自由の為には、拠り所が必要、つまり情報が必要。評価してはならないとあるが、正確な情報を手にしてから、世間に流される事ではなく=どちらが機能的に優れているかではなく、どちらが自分に適するのかという評価は、それこそ個人の自由である。
流れに竿立てず生きるのも大切だが、個人の価値観を軽んじて、仏の教えである「卓越した無執着」とは異なるものが読者に伝わらないか気がかりである。 -
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がんばるかあきらめるか、はある問題に対する一つの行為ではなく、生き方の問題。
欲の正体は、その問題を解決しようとすること。まず冷静になって、生き方を考える。まずは、物事をあきらかにする。
がんばると一生幸せになれない。次の目標ができるから。不幸になるために頑張っている。
小欲知足が幸せの公式。欲望はせいぜい少なくするのが精いっぱい。
人生の危機と生活の危機は違う。ほとんどは単に生活の危機。人生の危機は、生まれる苦しみ、老いていく苦しみ、病気を患う苦しみ、これから死ぬ苦しみ、生老病死。
愛する者と別れる、恨み憎しみ、欲が叶わない苦しみ、心や肉体の苦しみ、これを合わせて四苦八苦。
究極の解決方法はない。どれか一つを諦める=小欲。
生活の危機は小欲で解決する。
苦しむために生まれてきた。
危機に直面する前に、あきらめる。あきらめから始める。
目的と手段を分ける。手段を目的化しない。
幸せに生きるには、人生を諦めるしかない。
のんびりゆったり楽しく生きる。
人生は苦しむこと、思うがままにしようとするから苦しむ。
過去を追うな、未来を願うな。
どんな状況になっても楽しむ。
迷ったら、サイコロに決めてもらう=神さまに決めてもらう。 -
Posted by ブクログ
タイトルの過激さに反して、極めてまっとうな説法本。
P62 そして大部分の人間は、世間から押し付けられた「生き甲斐」を後生大事に守っています。その結果、会社人間になり、仕事人間になり、奴隷根性丸出しで生きています。やがて(中略)働けなくなり、それを「人生の危機」だと言っては騒いでいます。(中略)それは奴隷が遭遇する「生活の危機」でしかないのです。本当の「危機」はあなたが世間から「生き甲斐」を押し付けられたときなんです。
P77 −カタツムリが旅に出て、ナメクジになって帰ってくる−
P98 −反省や後悔をするな!希望や理想を持つな!−
(中略)実際は、反省することはくよくよじくじく後悔することなんです。やめたほうがいい。そして、次の機会に失敗すれば、その時にまた「あっ、しまった」と思えばいい。(中略)何度も失敗を繰り返していいのです。(中略)あなたが貧乏であれば、あなたは貧乏人です。(中略)だとすれば、あなたは今日一日、立派な貧乏人として生きるべきです。「金持ちになりたい、貧乏はイヤだ」と思ってはいけない。(中略)現在の自分をしっかりと肯定し、その自分を楽しく生きればいいのです。
P159 ”縁”は正しく言えば"縁起”です。そして”縁起"とは「相互依存関係」だと思ってください。(中略)二人子供がいれば、どちらかが頭がよくて、どちらかが頭がよくないのです。社員が二人いると、どちらかが優秀な社員になります。ご縁の世界においては、それはやむをえないことです。ご縁の世界においては、二人ともに優秀なんてことはありえません。(中略)孤独というのは精神的な孤独であって、肉体的には孤独になれません。かならずめ群れを必要とします。それがゆえにご縁の世界になるのです。
P174 たらちねによはれて仮の客に来てこころのこさすかへる故郷
(中略)お浄土からわれわれはこの世に客となって来ています。お客だから、思うがままになることは少なく、いろいろと苦労があります。