安田峰俊のレビュー一覧

  • 「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄

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    2013年から2015年、中国から、その独裁体制からの、すさまじい逃亡記。
    体制に迎合して、支配層になる生き方もできただろう。
    しかし信念に忠実に生きるため、妻子を捨て、結果的にタイにたどり着く。
    そこまでして信念を曲げず貫き通した逃亡。
    この数年後、著者はバンコクでマッサージ師に転身しているとのこと。
    負けずに闘うために逃げたが、闘い続けることは難しい。過去の自分とどう向き合って生きていくのだろう。…著者のような劇的な状況では全くないが、今の私にも突きつけられている。

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    2026年06月24日
  • 八九六四 完全版 「天安門事件」から香港デモへ

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    共産中国の体制を是としないのは前提としつつも、天安門8964にさまざまな形でかかわり、そして四半世紀経った2010年代を生きる者たちの声を、客観的にしかしできるだけそれぞれの心・生き様を理解しようとしながら記録しようとしていた。
    そして本書の多くのインタビューがされてからさらに十年、彼らが戦った民主化の夢はさらに遠く、そして中国はさらに強くなった。

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    2026年06月16日
  • 民族がわかれば中国がわかる 帝国化する大国の実像

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    中国の広大さ・多民族国家の構成が分かり、こんなに巨大な土地と多様な人々がどうして一つの国に…と思ったけれど、正に中国を統一する、という概念こそが中国なんだと思う。

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    2026年04月25日
  • 中国ぎらいのための中国史

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    めっちゃ面白い!嫌中派が喜びそうな扇情的なタイトルだが中身は中国に嫌悪感のない人間でも楽しめる。民族がわかれば〜の著者、こんなに面白い本書いてたんだ。

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    2026年04月03日
  • 中国ぎらいのための中国史

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    調査によると、日本人の9割は中国が嫌いである。この嫌われている中国は、つまり「現代中国」でありさらに言うならば「中国共産党の中国」であろう。
    一方、三国志しかりキングダムしかり、エンタメ作品などで中国的世界観は根強い人気を持っている。

    すなわち、日本人の素朴な理解においては「中国的」な魅力や歴史ある中国と、現在習近平が暴虐を振るう中国共産党の中国というもの明確に断絶して捉えられているのだ。
    しかし、当然中国側としては中国という国は連続している。
    それらは、中国で愛される作品や、原神など中国開発のエンタメにも現れている。
    一方で、共産党独裁の歪みの中で生まれた、水滸伝などを標的にして間接的に政敵を攻撃するといった振る舞いもある。

    そういった中国のある種の得体の知れなさを解説している本であり、面白かった。

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    2025年06月25日
  • 中国ぎらいのための中国史

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    安田峰俊さんは本当に「読ませる文章」が上手な方で、この本もすらすらと読めるのだが、内容と問題提起は常ながら実に深い。

    なぜ諸葛亮の南征が、現代中国で肯定的に受け止められるのか。
    中国の情報工作「認知戦」と紀元前に書かれた「孫子」の関係は。
    「原神」のセリフや固有名詞は、なぜ中国古典や漢詩を踏まえているのか。

    習近平は演説でしばしば古典を引用するが、「中国において歴史とは、現代の問題を肯定したり否定したりする材料として活用する対象だ」と安田氏は説く。

    本書によると、日本には中国を、東洋史学、中国文学、哲学の観点から研究する「シナ学」(シノロジー)が存在したが、「2度にわたる痛恨の体験」で、その手法はすたれてしまった。

    蔑視と憎悪のトンデモ論を排し、シナ学的の手法を示すことこそ、現実の中国に相対する武器になるのだ――という著者の主張に深く賛同したい。

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    2024年11月10日
  • 移民 棄民 遺民 国と国の境界線に立つ人々

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    アジア、特に中華圏の社会・政治・文化事情に通暁するノンフィクション作家、安田峰俊氏のルポルタージュです。「無国籍者」となった女子大生。「夜の住人」となった軍閥高官の孫など、個性ある人物が登場します。




    本書は中国を中心に活躍されているノンフィクション作家、安田峰俊氏のルポルタージュです。「無国籍者」となった女子大生。漢族によって抑圧されているウイグル族の青年。「夜の住人」となった軍閥高官の孫…。とエッジの効いた人物たちが目白押しです。

    僕は安田氏の著作は『和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人』(角川文庫)を読んで以来、僕の中に幼少時からある「中国趣味」と安田氏がメインフィールドとされている中国を中心としたアジア圏であることと重なり、彼の地が持っている獰猛なエネルギーを伴った「うねり」を独特の視点と筆致で今回も切り取ってくれております。

    本書に登場する「境界の民」は「国家」という枠組みを一切取り払った場所で生きている人々を指す安田氏の造語であり、自分が20歳を過ぎて初めて「無国籍者」だと気づいた日本在住のベトナム難民2世の女子大生。日本と新疆ウイグル自治区のウイグル人。ここのくだりではマジョリティーである漢族に対して憤りを口にするウイグル族の青年の存在感が強烈でした。

    日中ハーフのレゲエをこよなく愛する女子学生。中盤以降で圧巻のクオリティーを誇る「ヤマモト」と名乗る軍閥高官の血を引く日系華人の男が壮絶なまでの紆余曲折を経て上海の地で風俗店を経営するまでの軌跡などが紹介されております。

    また、台湾の議事堂を占拠したことでも話題となったヒマワリ学連を潜入取材し、国民全体が「境界の民」となっている彼の地の人々へと思いをはせる…。彼らの言葉を丁寧にくみ取り、深い取材に裏打ちされた丁寧な文章と、テーマが今回も僕の「ツボ」でありまして、安田氏にはこれからもクオリティーの高い作品を生み出していっていただければと、そのようなことを願ってやみません。

    ※追記
    本書は2019年4月24日、KADOKAWAより『移民 棄民 遺民 国と国の境界線に立つ人々 (角川文庫)』として加筆修正の上、文庫化されました。

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    2024年10月07日
  • 北関東「移民」アンダーグラウンド ベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪

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    北関東「移民」アンダーグラウンド ベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪。安田 峰俊先生の著書。移民という言葉で移民の方々全員をひとくくりにするのは差別になる。差別は恥ずかしいことで差別は許されないこと。不法滞在は法律違反のルール違反だけれど不法滞在者には不法滞在をしている理由があるからそれを理解しないと解決にはつながらない。安田 峰俊先生のベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪は移民問題を真剣に考えるきっかけがもらえる一冊。

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    2024年05月03日
  • 中国vs.世界 呑まれる国、抗う国

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    「中国vs世界呑まれる国、抗う国」安田峰俊 PHP新書2021年 中国の開封にユダヤ教の末裔が暮らしていて、アメリカの団体がイスラエルへの移住の斡旋をしていた話や、京都清華大のウスビ・サコ学長が天安門事件の時に中国留学していた話は面白かった。

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    2023年02月05日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    アメリカと世界の覇権を争わんばかりの成長を見せる現在の中国では、歴史の中に埋もれてしまっているように感じる天安門事件。
    あれから30年が過ぎ、繁栄を謳歌する現在の中国の国民は、都市部に限っては現在の豊かな生活がある限り、自由を求め、共産党の一党支配に反対する声はあがらないだろう。
    そして香港も同じ道を辿るのだろうか。

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    2022年02月24日
  • 「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄

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    面白かった。
    今の中国政府が反体制派と見做した人間にどのような行動をとるのかがよくわかる。そして何より彼がさすらう中国全土のそれぞれの土地の様子もとても面白い。
    ミャンマー軍閥割拠地域やメコン川沿いの黄金三角地帯、チベットから雲南の冬の山越えなど、旅行記としての価値も高くて最高。

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    2021年12月06日
  • 現代中国の秘密結社 マフィア、政党、カルトの興亡史

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    中国の歴史になくてはならない秘密結社、それは怪しげな入会儀礼と融通無碍な空虚な器として今も生きている。洪門、青幋、法輪功、全能神、新天地協会…元々は、共産党こそ秘密結社だという笑い話もある。秘密結社の内実と次々と生れ出る背景を、綿密な取材と中国通ならではの深い洞察で描く。

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    2021年08月21日
  • 「天安門」三十年――中国はどうなる?

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    面白くて勉強になる。
    前半は、天安門事件をざっくり振り返るのにもよい。
    民主主義というものが全然根付かない国、中国。そして日本。
    どちらも全然根付いてないのに、日本は中国より外見はそれっぽく見えるのが不思議。どこで袂をわかったんだろうと考えるとやっぱり明治維新なんだろうな。

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    2021年05月04日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    1989年6月4日に起きた「天安門事件」、それは現代中国最大のタブーである。今も中国政府は「六四」「八九六四」元の金額の送金すら許さないという。当時、民主化を叫んだ若者たちを訪ね、その肉声をまとめた。事件は、ある意味で「祭」だった。そして、40年以上が経つ今、多くの人々はそれぞれの立場で「祭りの後」を生きていた。

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    2021年04月26日
  • 現代中国の秘密結社 マフィア、政党、カルトの興亡史

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    法輪功や青幇、中華人民共和国の衛星政党・中国致公党など現代中国におけるマフィアや宗教団体、政党など秘密結社的な性格を持つ団体の興亡史である。本書に著された各団体への理解において、著者の院生時代の研究テーマである、「械闘」の研究が生かされており、また著者のバックボーンである中国史の知識が本書を「お手軽な新書」に終わらせない奥行きをもたらしている。

    2020年アメリカ大統領選挙では陰謀論を信じるトランプ支持者集団「Qアノン」が多くのニュースを賑わせたが、本書ではアメリカ大統領選挙をめぐる陰謀論の流布に一役買った郭文貴や「大紀元」などの法輪功系メディアについても紙幅が費やされており、アメリカ政治に関心のある読者にも希求できる内容である一方で、国際的女優であるチャン・ツィイーも所属する中国致公党の沿革や、改革開放期に林立した王朝樹立の動きなど一般には広く知られていない中国政治の内幕には思わず笑わさせられる箇所もあり、この硬軟とりまぜた構成は著者ならではの筆力で肩肘張らずに現代中国の一面を知ることができる良著である。

    最後に、まえがきが書かれた時期はおそらくネットで「Get Wild退勤」がバズっていた頃なのか、「TM Network/Get Wild」の歌詞をパロディにした一節がFANKS(TM Networkファン)である評者はニヤリとさせられた事を記しておきたい。

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    2021年02月24日
  • 移民 棄民 遺民 国と国の境界線に立つ人々

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    とても面白かった。
    ベトナム難民2世、ウイグル、台湾ひまわり学運などどれも今読んでも時勢に合う新鮮な話題で、筆者の先見の明に敬意!

    ひまわり学運のときに筆者が感じた「情緒的な感情の揺れ」も興味深かった。
    もちろん、記者はある対象に強い思い入れを持ちすぎると公正な取材・執筆ができなくなるし、常に冷静に観察することを忘れてはいけないと思う。駆け出しながら同じ職業についた私自身、それを日々痛感するし忘れてはいけないと思っている。

    でも、そんな職業的倫理と、個人的な好意を抱くことって両立し得ないのだろうか?

    自分の心から応援したいものに蓋をし、永遠に当事者ではなく傍観者であり続けないといけない。
    一生何かにフルコミットできない。
    もし記者の正しい生き方がそれであるのなら、一抹の寂しさが拭えないな。
    駆け出しの若者として。

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    2021年02月22日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    安田さんすごい。尊敬。いつかこんなものが書ける大人になりたいんだけどなれますか。

    新聞に染まりすぎて「著者の感想が表に出る文章」を長らく書いてないけど、やはり筆者の考察が挟まれた方が読み物っておもしろい。一方でそれは明確に「これはあくまで筆者の考えです」とわかる書き方で書かれている。つまり「これが事実だ」という押し付けがましさがない。

    かつて参加したけど今は現状の中国をそれなりに肯定する知識人(体制の受益者)、かつて参加したor後年目覚めた危うい一般人、今も気持ちがある少数の一般人、今もまじめに活動してる少数の活動家…
    ざっと類型化するとこんなところか。
    香港も台湾も今は何も影響を受けていないように見えるけど、台湾のひまわり運動は天安門の悪かった点をそのままプラスにして成功させたという筆者の見方が面白い。

    ああ、中国。なんて大変で、なんて興味深くて、なんて人を飽きさせない国なんだろう。一生愉しませてくれるんだろうな。

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    2021年02月11日
  • 現代中国の秘密結社 マフィア、政党、カルトの興亡史

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    現代の中華圏(華人社会含む)に存在する”秘密結社”の現状と、その歴史的背景を解説する一冊。

    いろいろな秘密結社のことを扱っているのですが、犯罪的秘密結社と宗教的秘密結社を特に大きく扱っている。

    筆者ならではの飛び込み型取材は健在なのですが、この一冊はその背景や歴史も詳しく説明してくれる。そして、そういう「中国ならでは」な結社と似たような組織であったり背景であったりが日本にもあることを示唆しながらそれを説明してくれる。
    それがこの本の最大のウリであり…多分読者も選ぶところだと思う。詳しい説明はそういう解説より面白いストーリーを求める人には受けないし、宗教的・暴力的なカルト組織やその構成員を日常的に見ることができる地域に住む人とそうでない人では、この本の理解度は変わってくる。幸いにして、自分はどちらもOKだったのでかなり楽しく読めた。

    「周囲の一切が信用できない厳しい世の中だからこそ、本当に心を許し合える仲間や、近視眼的な損得勘定抜きに必ず自分を保護してくれる組織(p.34)」を求める伝統的中国で、血縁(宗族)や地縁(同郷会)すら当てにできない一匹狼を、アウトローな人に寛容な秘密結社的組織が受け入れる。同様の理由で在外華人社会にもそういう秘密結社的組織ができる。あるいはそういう生活に心身ともに疲れた人の受け皿として宗教的組織も存在するが、それらが弾圧を受けて秘密結社的になることもある。中国社会の変革期にはそういう国内外の秘密結社が結構重要な働きをする。

    …しかし、そんな組織の多くが変革後は切り捨てられる。一方で、もともと「秘密である」こと以外にそんなに明確なイデオロギーを持っていない組織なので、時の為政者にうまく取り入って生き延びる秘密結社もある。

    まあ…それぞれ「日本にも…似たような組織、あるなあ…中国ほどダイナミックじゃないけど…」というお話がたくさんで。
    当然、その味付けは日中韓(中国に入り込む宗教的組織の一部には、中国内の朝鮮族への布教を布石に中国進出を図る韓国系新興宗教もある[p.285~])で異なるんだけど、ベースとなる人の弱さみたいなもんは案外共通してて、結構似たような組織作りと発展・衰退をするもんなんだなぁ、と。

    ただ海外に「華人社会」を持っていて、どれだけ外圧を排したつもりでも、内輪である華人社会を通して海外からの影響を受けてしまう中国の歴史のダイナミックさは、やはり日本の内向的な秘密結社にはないものだな、とは感じた。

    また、多分この本の本質ではない部分なんだろうが、韓国系の新興宗教を取り上げているくだりで、独立した宗教的コミューンを作りその中で疑似家族的なものを作っている「世界イリア福音宣教会(p.301)」の話があって。
    中国は「義兄弟」的なヨコの関係を築く組織が割と長持ちするのに、韓国は統一教会の合同結婚式に代表されるように「家族」を作りたがる。
    日本の反社会的組織は、暴力的反社会的組織だけでなく暴力化した左翼思想集団すら幹部を尊ぶ「タテ社会」を作りたがることとの対比含め、近い国(文化圏)同士だけど本当に大切にしたい人間関係像が異なるらしいことも興味深かった。

    日韓中どこも「ネット社会」がやってきてて。秘密結社の組織体そのものがクラウドの上にかすんで見える時代がやってきてる。
    流行し始めたClubhouseへのアクセスを中国が早速不可能にした、なんてニュースが出たのは昨日か一昨日の話。
    それが秘密結社の形を変えるのかもしれないし…反対に、中国版フードデリバリー業者従業員が秘密結社的つながりを持った話[p.61-]のように時代が変わっても似たような秘密結社が作られ続けるのかもしれない。

    そういう目線で身のまわりの社会を見ていくのも(陰謀論者になりさえしなければ)悪くない、そんなことを考えさせられた一冊でした。

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    2021年02月09日
  • もっとさいはての中国(小学館新書)

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    だいぶ前に読んで登録忘れ。恐竜オタクが博士になる話と、最後の国際的指名手配富豪のインタビューが面白かった。定点観測して欲しい。

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    2019年12月22日
  • 性と欲望の中国

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    習さんの締め付けですっかり下火と思っていた中国の性産業。前半はすっかり廃れたかつての性産業の記憶。そして、後半は今の性。一人っ子政策の影響でアダルトグッズが社会で認められていると思っていたけど、解放された今でもしっかりニーズがあるんですね。そりゃ、それなりの道路の路面に店が出ているはずだわ。
    昔話の小ネタ程度にと手にした本でしたが、しっかり勉強させていただきました。澳門首家線上賭場上線啦が何のことか分かったし。
    安田さんって名前聞いたことあるなと思ったら、色んな雑誌にいろいろ寄稿しているんですね。それでだ。

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    2019年12月21日