安田峰俊のレビュー一覧
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中国の繁栄を、どう解釈すればよいだろうか?
経済規模は、既に日本の3倍になり、
未だに日本より遥かに高い経済成長を実現している。
統計操作をしているからだろ!と突っ込む人がいるかもしれないが、
経済規模だけではなく、科学技術や学術分野でも、
多くの分野で日本を圧倒している。
そんな状況の中で、以前は中国経済「ヤバい論」(良い意味でも、悪い意味でも)、
「一党独裁の政治体制への批判」、「人権問題」、そして、「中国脅威論」や「嫌中論」
また中国のIT分野などを見て、「中国スゲー論」や爆発的な訪日観光客の増加に伴う、
一部の「中国人の行動」を見て「イラっとする論」など、
バランスを欠いた見方が目立 -
Posted by ブクログ
いや、素直に面白かった。僕より一回り近く若いこのノンフィクション作家の作品は、初期の「和僑」というのしか読んだことなかったのだが、それが今一つというかどうも口に合わず、その後読んでなかった。この作品はひょんなことから手に取ったのだが、取り上げた題材と切り口がうまく当たったのか評価一変。天安門事件を知ってる世代の人も知らない世代の人も、一読の価値ある。
僕は天安門の時高一で、当事者以上に何も判っていなかったけど真剣にみていた。25年後の雨傘革命はまさしく現場でみた。それでも何か引っかかる思いがあった天安門と今の中国、香港への理解について、この本は良い助けになる。個人の感想は挟みつつも、基本的には -
Posted by ブクログ
中国で人権を訴えていた顔(がん)氏が国家権力から目をつけられて以来、拘束を逃れるために逃亡し、そして逮捕され、拷問を受け、ついに脱獄してタイに亡命するまでの体験を綴った逃亡記。国家権力が法的な根拠もなく、国家にとって都合の悪い人物を強制的に拘束することが許されている現代の中国がいかに歪んだ政治形態であるかを読者に訴えて来ます。顔氏が拘束されそうになったとき、かつて共産党当局によって拘束された経験を持つ友人の語った次の言葉が中国という国の持つ闇の深さを物語ります。「南アフリカでアパルトヘイトと闘ったネルソンマンデラのような獄中闘争ができると思ってはならない。マンデラが闘ったのはまっとうな教育を受
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Posted by ブクログ
中国で立ち働く様々な日本人のルポ。中国で実際に揉まれて暮らしてきた人達の話には実感が伴う。きっと中国で暮らす日本人には一人一人ストーリーがあって、そのどれもが面白いはず。その中でも農民、風俗嬢、暴力団員、日中友好活動家など濃い面々のインタビューとなればそりゃ面白い。著者が自分の足で稼いだ聞き込みネタであり、その行動力にも敬意。
「中国はコネなしでは暮らせない、しかしコネがあればまず快適に暮らせる」「金銭や健康問題など直接的な利害に関わる事柄に対しては情報収集を怠らない反面、人権や言論の自由のような抽象的な問題に対しては、驚くほど冷淡で無関心だ」「中国は一党独裁じゃなきゃムリだろうな」
といった -
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Chinaに好意を持たない日本人は、9割に上るという。
だが日本人は、三国志とか諸葛孔明は好きだ。
日本人は、過去のChinaと今のChinaを別物として捉えているが、過去のChinaの歴史の上に今のChinaがあるのであり、特にChinaにおいては、歴史と古典は、実学として非常に大切なのである。
一見とってもいいことを言っているように聞こえるが、読んでみればほぼ、内容がない。
Chinaの歴史とか、古典についての雑学を散りばめた一冊にしかなっていない気がする。少なくとも著者の意図は成功していないように思えた。
歴史とか人物が現代近いのが彼の国とか言ったって、上澄の何人かが政治的にそうであ -
Posted by ブクログ
技能実習生として来日したけれど、様々な理由で逃亡して、自分たちのコミュニティを作って暮らす、自称「ボドイ」
日本が勧める外国人技能実習制度の闇と、彼らを雇う日本人企業主の横暴。
読んでいて本当に苦しくなった。日本の村社会の陰湿さ。一緒に働く実習生を差別し、彼らを下に見ている、日本人のストレスをもろに受け止めなければならない状況。
もちろん、素晴らしい雇い主がほとんどだと思うし、この本で書かれていることが全てだと思ってはいけないってのも分かる。でもある場所ではこれが事実。
①人にストレス向ける前に、自分のストレスの原因を立ち止まって考える余裕を持つこと。
②敵意よりも思いやりを心がけること。そう