安田峰俊のレビュー一覧

  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    香港情勢を理解する上で役に立つかな?と手に取った天安門事件の「後」を生きる人々のインタビュー集。一言でいうと「世知辛い」。自由より民主制より繁栄。豊かさを与えれば大衆は独裁に従順になる…。

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    2019年11月11日
  • 移民 棄民 遺民 国と国の境界線に立つ人々

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    安田峰俊(1982年~)は、立命館大学人文科学研究所客員協力研究員も務める、ノンフィクション作家。立命館大在学中に中国・深圳大学に交換留学した経験から身に付けた流暢な中国語を駆使した、中国関連の書籍や雑誌媒体、テレビ等での活動で特に注目されている。2018年出版の『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』で城山三郎賞及び大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
    本書は、2015年に単行本で出版された『境界の民』を加筆修正の上、2019年に文庫化されたものである。
    本書のテーマは題名通り「境界の民=マージナル・マン」であり、取り上げられているのは、在日ベトナム人、日本ウイグル協会、日本人と中国人の間に生まれた女性と幼少期から日本で育った中国人、中国の国共内戦に敗れた国民党高官の息子、台湾のヒマワリ学連等、日本及び著者が得意とする中国に関わる「境界の民」たちである。
    著者は文庫版あとがきで、「当時の自分はよくも、こんなに扱いが難しい題材を選んだものである-。」と語っているのだが、確かにこのテーマは、難しくも、現代の世界において、最も重要なテーマのひとつである。日々の国際報道を見ていても、米国や欧州各国での移民・難民の排斥を唱えるナショナリズム/ポピュリズムの高まり、香港や台湾での中国の支配力(影響力)強化に対する反対運動、中東シリアの難民問題、ミャンマーの少数民族ロヒンギャ問題などが取り上げられない日はなく、多くの国際的な問題の根源(というか、その結果)はここに見られるとも言えるのだ。
    日本の人びとは、世界の他の国々に比べれば概ね単一の民族(琉球の人びとやアイヌ民族はもちろんいるが)による、海に隔てられた島国であることから、こうしたテーマに対する感度が相対的に低いと思うのだが、最早、我々日本人だけがこうした問題から目を背けていることはできない。
    最近は、身近にも移民や日本人と外国人の間に生まれた人びとが間違いなく増えているが、我々日本人にとって大事なことは、彼らを単なるステレオタイプで捉えるのではなく、彼らを理解するように努めること、更には、それを基に世界の人びとを想像することなのではないだろうか。
    世界を偏狭なナショナリズム/ポピュリズムが席巻する今こそ、手に取る価値の大きい一冊と思う。
    (2019年11月了)

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    2019年11月09日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    天安門事件から30年が経過した現在に、関与した人たちへの入念なインタビューをまとめたドキュメンタリー。
    現在でも中国政府は天安門事件に関して規制しているため、既に中国人の若者たちは天安門事件を過去の出来事として詳細に知ることも出来ない。さらに事件に関与した学生たちも、多くの人たちが現在の地位を脅かされることを恐れて、当時のことを語ろうとせず、事件は風化しつつある。
    そのような中で、著者は粘り強く取材を重ねて、様々な形で事件に関係した人たちへのインタビューを行い、それらを本書にまとめられた。
    さらに、現在の中国では経済成長に成功したこともあり、当時のように中国を変えようとする意識も低くなり、活動家たちも一致団結する状態からは程遠い。
    しかし、当時事件に関与したことで現在でも監視されている人物が自由な生活ができないという事実や、中国政府によって監視が日々強化されていることで、真の自由を得られていないことに中国人たちはいつまで耐え続けられるのだろうか。
    また、ちょうど香港では大規模なデモが連日続いているが、このデモが同じような惨劇に見舞われることなく、平和的に自由の扉を開くきっかけになることを願う。

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    2019年09月14日
  • 性と欲望の中国

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    「エロ」という根源的欲動をテーマを、中国に身を投げ出して取材するような著者だからこそできる取材スタイルで掘り下げた一作。

    テーマ自体は中国人すべてにかかわるといってもいいテーマ。だからこそ、テーマを追えば追うほど「中国人のエロ」というより、エロよりも「中国人各人のもつフェチズム」が見えるようなところがあり。読めば読むほど「中国」そのものはわかるような、わからないような、そんな気分になる一冊だった。

    個人的に気になったのは、東莞の性風俗事情について書いたくだり。接待向けにも使われる中国式の風俗サウナが中華圏の人に向けて特殊化し「莞式服務」とか「東莞式ISO」などと呼ばれある種のブランド化していた一方(p.45)、「恋人がおらずカネもない出稼ぎ労働者の男性が、自分のポケットマネーで出せる金額で遊ぶ場所にいる女性は、やはり彼らと似たような階層の人たち(p.46)」という現実。

    そんな性産業も2014年に行われた大摘発により、東莞含む広東省全域で壊滅的になった、という結末含め、「格差の固定化」には見て見ぬふりをしつつ、経済成長の勢いに任せて体裁だけは身ぎれいにしておきたい、という中国政府の方向性はわかってくる。

    一方で、ラブドール産業が既存産業やAIと融合し投資資金を集めたり、そんなラブドールにそれなりの社会的な立場を持った人がはまりそれを周囲も容認している、など、日本とは違った感覚で”エロ産業”が見られていることも興味深い。
    いい悪いはともかく、日本では”水商売”は他の産業とは分けて考えれているようなところがある。まだまだ経済的に伸びしろのある中国の各産業と”エロ産業”が重なり合えば、結構恐ろしい展開もあるんだろうな、とも思う。

    社会的格差を放置したまま、性風俗産業を政治的な意図も持ちながら摘発しつつ、摘発対象でなければ投資資金を集めて発展する。
    歪んでいる、といえば歪んでいる状態が、将来どう変わっていくのか。興味深い着眼点をもって、中国を取り上げた一作でした。

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    2019年08月15日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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     「“その事件”を、口にしてはいけない」
     1989年6月4日、中国の“姿”は決められた。
     中国、香港、台湾、そして日本。60名以上を取材し、世界史に刻まれた事件を抉る大型ルポ!!この取材は、今後もう出来ない――。

     天安門事件の学生指導者の筆頭であり、いまも中国民主化運動の象徴的存在である王丹は答えた。

    「しばしば『天安門事件は中国を変えなかった』という批判がなされますが、しかし『たとえ中国を変えなくても世界を変えた』とは言えるはずですよ」

    「私たちは自分の家の問題は解決できなかったが、よその家の問題を解決していた―――」


     そしてこのルポの作者、安田峰敏は感じた。

    「あまりにも早すぎる時期に一生のハイライトを迎えた後も、人生はずっと続いていく。
     そして、生きて同じ道を歩んでいさえいれば―――。
     放棄ることさえなければ、若き日の思い出の一部が奇妙な形で報われることもある。

     ひとまず、そんな教訓らしきものだけは得られるのかもしれない。」


    (内容紹介)より
     一九八九年六月四日。変革の夢は戦車の前に砕け散った。台湾の民主化、東西ドイツの統一、ソ連崩壊の一つの要因ともされた天安門事件。
     毎年、六月四日前後の中国では治安警備が従来以上に強化される。スマホ決済の送金ですら「六四」「八九六四」元の金額指定が不可能になるほどだ。
     あの時、中国全土で数百万人の若者が民主化の声をあげていた。世界史に刻まれた運動に携わっていた者、傍観していた者、そして生まれてもいなかった現代の若者は、いま「八九六四」をどう見るのか?
     各国を巡り、地べたの労働者に社会の成功者、民主化運動の亡命者に当時のリーダーなど、60人以上を取材した大型ルポ。
     語り継ぐことを許されない歴史は忘れさられる。これは、天安門の最後の記録といえるだろう。

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    2019年08月11日
  • 移民 棄民 遺民 国と国の境界線に立つ人々

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    国境の隙間にいる人たちを取材した旅の記録。埼玉のベトナム人タウン、新疆ウイグル自治区での中国共産党の弾圧、上海の日本人社会、上海の日本人向け風俗店を営む中国人マスターの一族の話、国自体が「隙間」の存在である台湾、という形で章が立てられている。

    取材されたのが2013・2014年で初出が2015年。4年を経て新疆ウイグルでのウイグル人達への監視体制の強化が進み、台湾の政治情勢よりも香港への中国の関与が大きくなっている。

    現在コンビニで働く外国人のアルバイトの人たちの在留資格で出来るかはわからないが、仮に一部の人たちが永住するといわば移民一世となる。彼らの子ども達が社会人になる頃はどうなるのだろうか。

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    2019年08月06日
  • 性と欲望の中国

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    ネタバレ

    ノンフィクション関連で大きな受賞をした後の第1作がこれ、、というのがいかにも著者らしいが、統治への考察と庶民の生活をうまくミックスして論ずるという彼の特徴は充分に活かされている。

    驚きなのはラブドールが大陸では独自の発展を遂げると共に、テクノロジーを活用したものになっているということ。かつて一人っ子政策という壮大な実験を行った大陸では、何事も大がかりになるのだなぁと思わずにはいられない。

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    2019年06月23日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    ネタバレ

    天安門事件に対し、中国人の見方はさまざま。「民主化すべきだった」という意見に、「あのとき民主化すれば現在の繁栄はなかった」という意見。デモの参加者もどこか牧歌的だったところはあるし、子が親に反抗するような、そんな感じのデモだったという。多くの中国人が出てくるが、聞きっぱなしや書きっぱなしではない。しっかり著者の考察が入っており、ジャーナリズムの鑑だと思う。

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    2019年05月27日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    著者の別の本をたまたま読んだ流れで本書も読んでみた。なかなか読み応えがあるルポ。

    彼の国ではタブーなこのタイトルの数字にピンとくる日本人は、よほど時事に詳しいか、極端に左か右の人でしょう。

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    2019年03月15日
  • さいはての中国(小学館新書)

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    普通は見られない、あるいは見ようとしないいろいろな中国の側面や場所を取材したルポ。
    中国内部だけでなく、カンボジアやカナダにも。

    中国という国はダイナミックではあるが、いろいろな意味で恐ろしい。

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    2019年01月29日
  • さいはての中国(小学館新書)

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    中国の繁栄を、どう解釈すればよいだろうか?
    経済規模は、既に日本の3倍になり、
    未だに日本より遥かに高い経済成長を実現している。
    統計操作をしているからだろ!と突っ込む人がいるかもしれないが、
    経済規模だけではなく、科学技術や学術分野でも、
    多くの分野で日本を圧倒している。

    そんな状況の中で、以前は中国経済「ヤバい論」(良い意味でも、悪い意味でも)、
    「一党独裁の政治体制への批判」、「人権問題」、そして、「中国脅威論」や「嫌中論」
    また中国のIT分野などを見て、「中国スゲー論」や爆発的な訪日観光客の増加に伴う、
    一部の「中国人の行動」を見て「イラっとする論」など、
    バランスを欠いた見方が目立つ。この本は、割とバランスが良いと思う。

    著者は、専門が中国現代史だけに、
    その豊富な知識と、おそらく高い語学能力と、中国への並々ならぬ好奇心がある。
    また、現地の情報を見聞きし、また現地の人と交流をして、ルポしていることがわかる。
    多くの中国通が跋扈している日本だが、バランス良い見方をしている人は、
    供給面でも、需要面でも、ほとんどいない。その中で、著者は、割とバランスが良い見方をしている。

    ただ、中国レポの難しい所は、ある一か所の現象を見て、
    中国を語ることはできないことだ。
    ある一部の現象をみて、全体を語ることができない。

    一つの省で、日本と同程度の人口規模を抱える国だ、
    そもそも中国には、ある母数から「平均」を導き、
    それが重要だという概念が箕臼だ。
    著者も、それをよく知っているからだろう、
    取材テーマ―が、かなりバラバラだ。
    しかし、バランスがいい。

    繁栄している影で、中国では多くの問題が噴出している。
    民主的には、問題が噴出してきた方がよい、
    なぜなら、問題がないと解決できないからだ。
    中国が抱える問題は、中々、その大小関わらず、正確にはわからない。
    だから、本当の所は、いったい何が起こっているのか、多くの人はわかっていない。
    それは、日本で報道されるものならば、なおさらだ。

    例えば、教育。
    過激な学歴競争で多くのモノが脱落する。
    日本だと1800人に1人の学生は東大に入れるが、
    中国だと8500人に1人しか清華大か北京大には入れない。
    また近年は、良い大学を出ても簡単には就職は見つからない。
    また、良い就職が見つかっても、組織では、成果を厳しく要求される。
    そういう現状に対して、今の所、若い人の反発や、改革が、
    大きなうねりとなって、行動としては、現れていない。
    制度や体制を批判することは、できない。

    中国では、過激な競争で勝ってきた見返りがあまりに小さいと思う。
    もうすでに、多くの中国の方が、努力と報酬がまるで見合っていないことを、
    知っている。しかし、豊富な社会資源がなければ、この現状から、脱出することはできない。

    激烈な競争社会の中で、多くの中国の方は、もちろん疲れ、疑問に思っている。
    しかし、圧倒的多数の弱者が社会批判をすることはできない。
    現状ますます競争は苛烈になっている。

    競争に敗れた者は、「努力をしなかったからだ」という社会コンセンサスが、
    強力にあり、そういう者は、発言する資格もないし、場所もない。
    ネットは以前、そういう場だったが、取り締まりが厳しくなり、
    また、言っても変わらないことを、心の底から理解している。

    中国が残酷な所は、「自分の代わりは、いくらでもいる」ことだろう、
    だから、如何に価値があるかが大事になり、自分に付加価値をつける行動をする。
    1を10に言ったり、できないことも、できると言わなければ、いけないのは、
    何が本当や嘘かという基準ばかりではなく、その社会に背景がある。

    経済規模や成長率は、ある程度、生産年齢人口やその増加率で決定されるが、
    中国は、この二つが、莫大にいて、またこれから数十年に渡って労働者が増える。
    これは、経済成長がこれからも続くことを意味するが、
    それが、果たして、多くの中国の方に良いかという問題がある。

    この著作では、中国深セン三和地区を中心にネットゲームにはまる若者に、
    インタビューをしている章がある。中国のどの都市でも、こういう光景は見れる。
    今の所は、そういう社会の底辺にいる若者がなれる就ける職業は少なくない。
    成長と共に、莫大な関連産業や仕事がうまれているからだ。
    そういう職業は、良い意味でも悪い意味でも「食っていける」。
    また、政府や企業も失業率を気にするので、
    ぎりぎり食っていける職業を生み出すことには余念がない。

    「競争に負けたからから、ああなった」と、多くのモノは言う。
    本人も、それを自覚している。
    競争に勝った人と負けた人のコミュニケーションが、
    中国には存在しない。
    「話しを聞いてほしい、実は、、、、」と言っても、
    誰も耳を貸さない。
    耳を貸すのは、自分にとって、利益があるか、ないかだ、
    他人に同情する余裕は、あまりない。
    それよりも、家族と自分の利益を絶対優先で考える。
    当たり前と言えば、当たり前な行動をしている。

    一度、競争を降りたら、そこで人生がほぼ終わりなのが中国という社会だ。
    ホッと一息できるのは、ある恵まれたごくごく一部の層だけだ。

    中国では、ある一部の層と、その関係を持っている人が、
    多くの資源、それは、政治、経済、教育、医療など、あらゆる分野を、
    管理(実質は支配)している。ほとんどの者は、競争に絶対に参加しなくてはいけないが、
    その競争に勝つことは、ほとんどできなく、脱落も許されていないのが、中国社会だ。
    こんな過激な社会が日本の近くにある。
    違って視点で見れば、多くの学びを得ることができる。

    どの国でも生きるのは大変だが、現在、衰退していっている国に住んでいるのなら、
    なおさら、中国という国や人に対して、偏った見方が生まれてしまうだろう。

    しかし、中国の動向を正しく知ることやと中国人の生き方を交流を通して知ることは、
    私たちに多くのことを気づかせてくれると感じる。その入門書として、本書をおススメしたい。

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    2018年11月20日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    いや、素直に面白かった。僕より一回り近く若いこのノンフィクション作家の作品は、初期の「和僑」というのしか読んだことなかったのだが、それが今一つというかどうも口に合わず、その後読んでなかった。この作品はひょんなことから手に取ったのだが、取り上げた題材と切り口がうまく当たったのか評価一変。天安門事件を知ってる世代の人も知らない世代の人も、一読の価値ある。
    僕は天安門の時高一で、当事者以上に何も判っていなかったけど真剣にみていた。25年後の雨傘革命はまさしく現場でみた。それでも何か引っかかる思いがあった天安門と今の中国、香港への理解について、この本は良い助けになる。個人の感想は挟みつつも、基本的には当事者のインタビューで構成されているのが良かったか?
    この本でも明確にされているように、天安門は過去のことになりつつある。けれど、今の香港と中国のフラストレーションを理解するには知っとかないとダメなんだな。色々整理されました。僕に取っては自分の人生に関わってくる部分でも有るので良いタイミングだったかも。半ば食わず嫌いだったけど他のも読んでみようか。

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    2018年10月13日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    天安門事件をめぐる同時代人の回顧録。多くの人の振り返りが紹介されていて、当時の運動への感情、現在の中国への目線が赤裸々に綴られている。
    相反する二つの考えがあるとすると、かつて追い求めた理想と今の現実、前者は運動を弾圧する政府に怒りを燃やし、運動へ邁進したが、後者-経済発展が進んだ中国-を目の前にし、それを受け入れる、そういう感情を持つ人が多く、まあそうだよなと納得。

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    2018年06月12日
  • 「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄

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    筆者は1974年生まれ。中国共産党のエリート養成校出身だが、公民権運動の中心人物となったため、習近平政権後の弾圧により苦難の後に2015年2月にタイに出国するまでの手記。2016年6月第一刷。中国共産党による独裁体制の歪みをインサイダーの視点から書いていることが本書のリアリティを増している。

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    2016年09月05日
  • 「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄

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    中国で人権を訴えていた顔(がん)氏が国家権力から目をつけられて以来、拘束を逃れるために逃亡し、そして逮捕され、拷問を受け、ついに脱獄してタイに亡命するまでの体験を綴った逃亡記。国家権力が法的な根拠もなく、国家にとって都合の悪い人物を強制的に拘束することが許されている現代の中国がいかに歪んだ政治形態であるかを読者に訴えて来ます。顔氏が拘束されそうになったとき、かつて共産党当局によって拘束された経験を持つ友人の語った次の言葉が中国という国の持つ闇の深さを物語ります。「南アフリカでアパルトヘイトと闘ったネルソンマンデラのような獄中闘争ができると思ってはならない。マンデラが闘ったのはまっとうな教育を受けた西側諸国の白人紳士だ。彼は獄中でも基本的人権は保証されていた。共産党当局の検察は獄中で肉体的、精神的に徹底的に破壊しようとする」
    逃亡記の内容については是非、本書を読んでみてください。手段を選ばない中国共産党当局のやり口が詳細に述べられています。

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    2016年09月09日
  • 和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人

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    中国で立ち働く様々な日本人のルポ。中国で実際に揉まれて暮らしてきた人達の話には実感が伴う。きっと中国で暮らす日本人には一人一人ストーリーがあって、そのどれもが面白いはず。その中でも農民、風俗嬢、暴力団員、日中友好活動家など濃い面々のインタビューとなればそりゃ面白い。著者が自分の足で稼いだ聞き込みネタであり、その行動力にも敬意。
    「中国はコネなしでは暮らせない、しかしコネがあればまず快適に暮らせる」「金銭や健康問題など直接的な利害に関わる事柄に対しては情報収集を怠らない反面、人権や言論の自由のような抽象的な問題に対しては、驚くほど冷淡で無関心だ」「中国は一党独裁じゃなきゃムリだろうな」
    といった言葉が心に残る。

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    2016年06月12日
  • 中国ぎらいのための中国史

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    先に書いておくが、「中国ぎらい」がニッコリ読むタイプの本ではない。
    日本において、歴史との連続性が意識される場面は多くないが、本書によると、中国においては、政治家から国民において歴史との連続性、歴史とのつながりは非常に強いようだ。
    また、それゆえに歴史が時の為政者や言論人における道具としてうまく活用される。
    本書の結びとも関連するが、中国史を知ることで、厄介な隣人である彼らと対峙、対策、そして我が国を守ることに繋がるのでは、と感じ、本書を読むことで中国史に興味が湧いた。

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    2026年05月28日
  • 2ちゃん化する世界 匿名掲示板文化と社会運動

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    タイトルから、もう少し社会学的というか抽象的な話を聞けると思い込んでいたが、けっこう具体的な話だった。
    香港の2chの話とかは面白かったけど、「世界が2ちゃん化している」ことをデモや陰謀論者以外のもう少し広い一般層の人へ与えた影響の話として解説してもらえると思ってしまった。

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    2026年05月28日
  • 民族がわかれば中国がわかる 帝国化する大国の実像

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    中国の少数民族の解説本。巨大な中国も決して一枚岩ではなく、辺境の地で問題を抱えている事がよくわかる。少数民族といっても中国の現体制に不満をもたず、自分達は中国人(漢民族)と同じだと思ってる民族もいれば、現体制に飲み込まれているのは不服とする民族もいる。

    日本人も沖縄とか北海道とか多少の民族問題はあるしね。人類皆兄弟とはすんなりいかないところが人間が動物たる故に難しいところ。。。

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    2025年07月27日
  • 「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本

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    経済的・知的弱者を食い物にする構造ではあるが、援助が必要な弱者は必ずしも助けたくなる姿をしていないことを感じられる
    送り手国も日本も利害がある程度一致しており、完全に調達できなくなるまで代替を繰り返しながら残りそうな制度に感じた

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    2025年07月10日