安田峰俊のレビュー一覧

  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    著者の別の本をたまたま読んだ流れで本書も読んでみた。なかなか読み応えがあるルポ。

    彼の国ではタブーなこのタイトルの数字にピンとくる日本人は、よほど時事に詳しいか、極端に左か右の人でしょう。

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    2019年03月15日
  • さいはての中国(小学館新書)

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    普通は見られない、あるいは見ようとしないいろいろな中国の側面や場所を取材したルポ。
    中国内部だけでなく、カンボジアやカナダにも。

    中国という国はダイナミックではあるが、いろいろな意味で恐ろしい。

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    2019年01月29日
  • さいはての中国(小学館新書)

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    中国の繁栄を、どう解釈すればよいだろうか?
    経済規模は、既に日本の3倍になり、
    未だに日本より遥かに高い経済成長を実現している。
    統計操作をしているからだろ!と突っ込む人がいるかもしれないが、
    経済規模だけではなく、科学技術や学術分野でも、
    多くの分野で日本を圧倒している。

    そんな状況の中で、以前は中国経済「ヤバい論」(良い意味でも、悪い意味でも)、
    「一党独裁の政治体制への批判」、「人権問題」、そして、「中国脅威論」や「嫌中論」
    また中国のIT分野などを見て、「中国スゲー論」や爆発的な訪日観光客の増加に伴う、
    一部の「中国人の行動」を見て「イラっとする論」など、
    バランスを欠いた見方が目立

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    2018年11月20日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    いや、素直に面白かった。僕より一回り近く若いこのノンフィクション作家の作品は、初期の「和僑」というのしか読んだことなかったのだが、それが今一つというかどうも口に合わず、その後読んでなかった。この作品はひょんなことから手に取ったのだが、取り上げた題材と切り口がうまく当たったのか評価一変。天安門事件を知ってる世代の人も知らない世代の人も、一読の価値ある。
    僕は天安門の時高一で、当事者以上に何も判っていなかったけど真剣にみていた。25年後の雨傘革命はまさしく現場でみた。それでも何か引っかかる思いがあった天安門と今の中国、香港への理解について、この本は良い助けになる。個人の感想は挟みつつも、基本的には

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    2018年10月13日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    天安門事件をめぐる同時代人の回顧録。多くの人の振り返りが紹介されていて、当時の運動への感情、現在の中国への目線が赤裸々に綴られている。
    相反する二つの考えがあるとすると、かつて追い求めた理想と今の現実、前者は運動を弾圧する政府に怒りを燃やし、運動へ邁進したが、後者-経済発展が進んだ中国-を目の前にし、それを受け入れる、そういう感情を持つ人が多く、まあそうだよなと納得。

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    2018年06月12日
  • 「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄

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    筆者は1974年生まれ。中国共産党のエリート養成校出身だが、公民権運動の中心人物となったため、習近平政権後の弾圧により苦難の後に2015年2月にタイに出国するまでの手記。2016年6月第一刷。中国共産党による独裁体制の歪みをインサイダーの視点から書いていることが本書のリアリティを増している。

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    2016年09月05日
  • 「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄

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    中国で人権を訴えていた顔(がん)氏が国家権力から目をつけられて以来、拘束を逃れるために逃亡し、そして逮捕され、拷問を受け、ついに脱獄してタイに亡命するまでの体験を綴った逃亡記。国家権力が法的な根拠もなく、国家にとって都合の悪い人物を強制的に拘束することが許されている現代の中国がいかに歪んだ政治形態であるかを読者に訴えて来ます。顔氏が拘束されそうになったとき、かつて共産党当局によって拘束された経験を持つ友人の語った次の言葉が中国という国の持つ闇の深さを物語ります。「南アフリカでアパルトヘイトと闘ったネルソンマンデラのような獄中闘争ができると思ってはならない。マンデラが闘ったのはまっとうな教育を受

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    2016年09月09日
  • 和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人

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    中国で立ち働く様々な日本人のルポ。中国で実際に揉まれて暮らしてきた人達の話には実感が伴う。きっと中国で暮らす日本人には一人一人ストーリーがあって、そのどれもが面白いはず。その中でも農民、風俗嬢、暴力団員、日中友好活動家など濃い面々のインタビューとなればそりゃ面白い。著者が自分の足で稼いだ聞き込みネタであり、その行動力にも敬意。
    「中国はコネなしでは暮らせない、しかしコネがあればまず快適に暮らせる」「金銭や健康問題など直接的な利害に関わる事柄に対しては情報収集を怠らない反面、人権や言論の自由のような抽象的な問題に対しては、驚くほど冷淡で無関心だ」「中国は一党独裁じゃなきゃムリだろうな」
    といった

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    2016年06月12日
  • 民族がわかれば中国がわかる 帝国化する大国の実像

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    中国の少数民族の解説本。巨大な中国も決して一枚岩ではなく、辺境の地で問題を抱えている事がよくわかる。少数民族といっても中国の現体制に不満をもたず、自分達は中国人(漢民族)と同じだと思ってる民族もいれば、現体制に飲み込まれているのは不服とする民族もいる。

    日本人も沖縄とか北海道とか多少の民族問題はあるしね。人類皆兄弟とはすんなりいかないところが人間が動物たる故に難しいところ。。。

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    2025年07月27日
  • 「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本

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    経済的・知的弱者を食い物にする構造ではあるが、援助が必要な弱者は必ずしも助けたくなる姿をしていないことを感じられる
    送り手国も日本も利害がある程度一致しており、完全に調達できなくなるまで代替を繰り返しながら残りそうな制度に感じた

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    2025年07月10日
  • 八九六四 完全版 「天安門事件」から香港デモへ

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    天安門体験者へのインタビュー記事がメイン。合間に適宜、著者の見解が挟まれるという結構。リアルタイムにニュースで触れたはずの事件だけど、国としての隠蔽はさておき、個人的にもあまり知ろうとはせずに来たもの。今や、更にハードルが上がっているだろうけど、体制への不満を表明する人も存在するんだな、と。当たり前かもしらんけど。

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    2025年04月24日
  • 中国ぎらいのための中国史

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    Chinaに好意を持たない日本人は、9割に上るという。
    だが日本人は、三国志とか諸葛孔明は好きだ。
    日本人は、過去のChinaと今のChinaを別物として捉えているが、過去のChinaの歴史の上に今のChinaがあるのであり、特にChinaにおいては、歴史と古典は、実学として非常に大切なのである。

    一見とってもいいことを言っているように聞こえるが、読んでみればほぼ、内容がない。
    Chinaの歴史とか、古典についての雑学を散りばめた一冊にしかなっていない気がする。少なくとも著者の意図は成功していないように思えた。

    歴史とか人物が現代近いのが彼の国とか言ったって、上澄の何人かが政治的にそうであ

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    2025年01月04日
  • 中国ぎらいのための中国史

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    中国史や漢詩を読むのは好きだが、現代中国は嫌いだ。私もそうだ。それは当たり前でいいのだが、その二つを別々に考えてはいけない。常に結びつけて考えるべきだという。それは分かるが実際にはどうすればいいのか、そこにトライしたのが本書であるはずだが、そううまくいっているとは思えない。
    ただ知らなかった事実はいくつかある。例えば諸葛宇傑なる人物が、将来有望かもしれないこと。2023広島サミットと同時に、中国西安で中国中央アジアサミットを開いていたことなどなど。興味深い話が出てくる。この著者はフォローしたい。

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    2024年10月27日
  • 北関東「移民」アンダーグラウンド ベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪

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    技能実習生として来日したけれど、様々な理由で逃亡して、自分たちのコミュニティを作って暮らす、自称「ボドイ」
    日本が勧める外国人技能実習制度の闇と、彼らを雇う日本人企業主の横暴。
    読んでいて本当に苦しくなった。日本の村社会の陰湿さ。一緒に働く実習生を差別し、彼らを下に見ている、日本人のストレスをもろに受け止めなければならない状況。
    もちろん、素晴らしい雇い主がほとんどだと思うし、この本で書かれていることが全てだと思ってはいけないってのも分かる。でもある場所ではこれが事実。
    ①人にストレス向ける前に、自分のストレスの原因を立ち止まって考える余裕を持つこと。
    ②敵意よりも思いやりを心がけること。そう

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    2024年08月04日
  • 北関東「移民」アンダーグラウンド ベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪

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    技能実習生から逃げたベトナム人をボドイというらしい。北関東に多く住んでいる彼らの家に突撃し、取材を重ねたノンフィクション。
    さすがは大宅壮一賞受賞者、予想以上に硬派なノンフィクションで面白かった。

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    2024年06月30日
  • 戦狼中国の対日工作

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     中国の勢いと物量で強気に押しまくる戦狼外交は、緻密な計算を伴って大局的な観点から推し進めているものと思われていたが、案外行き当たりばったりで計算なく進められているものだという話である。案外そのように見えなくもないが、末端の事象が記載されているのみで、戦狼外交全体を語るには物足りなさを感じた。しかし冷徹で隙がないと思われていた中国のほつれた穴を見れたようで、興味深い発見も多々あった。

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    2024年03月08日
  • 性と欲望の中国

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    ●中国と言えば安田さん!大学が同じだから何故か親近感を感じてる!
    ●さすが14億の民、そりゃ色々ありますわね。煮えたぎる性の欲望か…ずっと締め付けなイメージがあるけど、習近平台頭までは緩みっぱなしだったなんて意外だね〜
    ●ラブドールの回がやたら細かくて苦笑
    ●未婚で終わる男子が3000万とかやばいやろ…少子高齢化はアジアでどこもだよね〜、そりゃ他に楽しいこと知ったり、あれだけ教育コストかかったら産まんわな
    ●多種多様なエロの形が溢れ出てきてすごい本でした…

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    2024年01月08日
  • 北関東「移民」アンダーグラウンド ベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪

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    まず、ベトナム人すべてがここに登場する人たちではないと言う前提で読んでも、ベトナムの文化を少し垣間見て勉強になった。
    これが、日本の労働環境の実態であって、外国人労働者、特に、今はベトナムの方に依存をしている中で、このような労働環境も、外国人の方に与えている事実を、もっと可視化していくべきだと思う。
    しっかりと取材をされた記者の方に、敬意を表したい。

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    2023年06月11日
  • 中国vs.世界 呑まれる国、抗う国

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    日韓台米と中国との軋轢はたびたび報道されているが、それ以外の国の関係はどうなのかという疑問に答えている(とくにアフリカとの浅からぬ縁)点で貴重と言えるが、雑誌連載(→読み流す)のまとめだけで、京都精華大学学長とマライ・メントライン氏との対談を加えた他は、各章の掘り下げがなくて書籍化(→沈思黙考)する上での「覚悟」がまるで足りなかったのはガッカリした。

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    2021年11月14日
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

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    19890604。
    天安門事件である。
    当時、なんらかの形で関わった人たちへのインタビューで構成される。
    浮かび上がって来るのが、相当行き当たりばったりで、お祭り的な盛り上がり。中共はそれに、暴力で立ちふさがった。
    その後、様々な生き方に別れていくが、開発独裁っていうのがそれなりに説得力があることがよく判る。

    それにしても作者がネット右翼批判を無条件に打ち込んでいるのが、気持ち悪い。

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    2021年08月19日