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驚きの現地ルポ! 爆買いから「爆セックス」へ。14億人民の爛熟と頽廃
かつて中華人民共和国は「セックス不毛地帯」であった。共産党は売春を撲滅。性愛そのものが「ブルジョア的」とされ、恋愛小説さえ発禁だった。男女共用ニーハオトイレもあたりまえ。女性でも平気で道に痰を吐き、脇毛も剃らずに晒していた。
ところが今、高度経済成長とともに、セックス文化が爆発的に花開いている。
微信(WeChat)などSNSを利用した売春や不倫が横行し、エロ系オタク文化やAV発のサブカルチャーも大流行。AIやロボット開発に携わる若き理工系の頭脳が、精巧なラブドール(ダッチワイフ)開発にしのぎを削る。日本に押し寄せる中国人観光客向けに、ソープランド巡りなどを目的とした「日本買春ツアー」さえ売り出されている。
百花繚乱の中国の性事情には、「いびつな人口動態」「拝金主義」、そして「権力闘争」が影を落としている。一人っ子政策によって男女比が均衡せず、「結婚できない男性」が3000万人を超える。そのため、一部の性産業にとって中国市場は「ブルーオーシャン」なのだ。また、工業地帯の周辺には、性産業で手っ取り早くカネを稼ごうと若い女性達が大量に流入し、風俗産業が乱立する「性都」がいくつも生まれた。
一方で、いきなり当局の手入れが入って壊滅したり、有力者の不貞行為が突然暴露されて失脚することも多い。これらの背景には中国共産党内部の権力闘争が密接に絡んでいる。LGBTへの迫害や生きづらさ、共産党による監視の不気味さなど、深いテーマにも鋭く斬り込む。まさに「性事」から「政治」を読み解いた作品である。
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Posted by ブクログ
「エロ」という根源的欲動をテーマを、中国に身を投げ出して取材するような著者だからこそできる取材スタイルで掘り下げた一作。
テーマ自体は中国人すべてにかかわるといってもいいテーマ。だからこそ、テーマを追えば追うほど「中国人のエロ」というより、エロよりも「中国人各人のもつフェチズム」が見えるようなところがあり。読めば読むほど「中国」そのものはわかるような、わからないような、そんな気分になる一冊だった。
個人的に気になったのは、東莞の性風俗事情について書いたくだり。接待向けにも使われる中国式の風俗サウナが中華圏の人に向けて特殊化し「莞式服務」とか「東莞式ISO」などと呼ばれある種のブランド化していた一方(p.45)、「恋人がおらずカネもない出稼ぎ労働者の男性が、自分のポケットマネーで出せる金額で遊ぶ場所にいる女性は、やはり彼らと似たような階層の人たち(p.46)」という現実。
そんな性産業も2014年に行われた大摘発により、東莞含む広東省全域で壊滅的になった、という結末含め、「格差の固定化」には見て見ぬふりをしつつ、経済成長の勢いに任せて体裁だけは身ぎれいにしておきたい、という中国政府の方向性はわかってくる。
一方で、ラブドール産業が既存産業やAIと融合し投資資金を集めたり、そんなラブドールにそれなりの社会的な立場を持った人がはまりそれを周囲も容認している、など、日本とは違った感覚で”エロ産業”が見られていることも興味深い。
いい悪いはともかく、日本では”水商売”は他の産業とは分けて考えれているようなところがある。まだまだ経済的に伸びしろのある中国の各産業と”エロ産業”が重なり合えば、結構恐ろしい展開もあるんだろうな、とも思う。
社会的格差を放置したまま、性風俗産業を政治的な意図も持ちながら摘発しつつ、摘発対象でなければ投資資金を集めて発展する。
歪んでいる、といえば歪んでいる状態が、将来どう変わっていくのか。興味深い着眼点をもって、中国を取り上げた一作でした。
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