赤川次郎のレビュー一覧

  • 三毛猫ホームズの最後の審判

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    2000年の世紀末での世界の審判を叫ぶ新興宗教。
    社会派の香りのする物語。

    誌ぬ使命を与えられるところは、ややありえない設定ですが、
    国際的な宗教戦争などを考えると、ありえるかもしれません。

    人間関係と宗教との間に挟まれて悩む個人。
    さらりとした会話の裏に、さまざまな悩みを綴る。

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    2011年09月10日
  • 素直な狂気

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    どこかで読んだことがあるような話が6つ。
    わらの男
    ひろった悲鳴
    ラブレター
    皆勤賞の朝
    インテリア
    素直な狂気。

    怪奇小説もあれば、恐怖小説もある。
    推理小説もあれば、懺悔小説もある。

    わらの男は、男の馬鹿さ加減をあざ笑っている自嘲小説かもしれない。

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    2011年09月09日
  • プロメテウスの乙女

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    20歳以下の女性だけの私設護衛隊、それがプロメテウスの乙女。
    武装して、政治体制の規律を取り締まる。

    政商の娘が首相から直々に勧誘され、入会する。

    爆発物を使った暗殺計画が進行していて、
    実はその一味でもある。

    赤川次郎作品は、突拍子もないところが、
    社会派小説として暗くなりすぎないところかもしれない。

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    2011年09月09日
  • 三毛猫ホームズの運動会

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    リリアン・J・ブラウンのシャム猫ココのCat Whoシリーズを読んでから
    三毛猫ホームズシリーズを読んでいます。

    本作品の主人公が片山晴美であることは、他の主人公が、
    飼い猫の雌の三毛猫ホームズ
    晴美を慕う刑事の石津
    兄の片山義太郎
    という構成から見ても分かる。

    晴美の透明感のある性格は、
    三姉妹ものの、次女
    爽子ものの、爽子
    幽霊ものの、夕子
    などなど、赤川次郎の主流の作品の不動点であることは自明のことのように感じられる。

    三毛猫ホームズは、晴美が操っているのか?
    という疑問にたどり着けば、
    魔女と使い魔としての猫という関係が見えてくるかもしれない。

    リリアンブラウンが女性だから、主人公が男性になっているように、
    赤川次郎が男性だから、主人公は女性だと気がつくと、
    それまで見えてこなかったものが見えてくるかもしれない。

    ps.
    アガサクリスティを呼んでから、山村美紗を読んでいる。
    アガサクリスティが中近東に傾倒した以上に、
    山村美紗が京都に傾倒していることが分かれば、
    それまで見えてこなかったものが見えてきているような気がしている。

    海外の文学は、日本の文学を理解するための鍵であることが分かった。
    どんな鍵も、回す方向を間違えれば、鍵穴を壊すことはできるだろう。

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    2011年09月07日
  • インペリアル

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    母、影崎多美子
    姉、影崎そのみ
    妹、松原由利
    父、松原紘治
    妻、松原宏美
    4人の女性はピアニスト。

    男女の関係と音楽の演奏。
    織りなすように終盤に向かう。

    音楽会の成功が、
    物語の終わり。

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    2011年09月05日
  • 半人前の花嫁

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    半人前の花嫁
    霧の夜の花嫁
    の2本立て。

    「半人前の花嫁」は、16歳の高校生が結婚するという話。
    なんとか結婚までこぎつけるかどうか、微妙な状況。

    「霧の夜の花嫁」は、結婚を機に,2人の上司(女性)が死亡するという話。
    どこに犯罪が潜んでいて,どこに真実があるのか。

    主人公亜由美と教師谷山の付き合い始めるきっかけ。
    谷山の煮え切らない、混沌とした状況に、はっきりしない展開。

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    2011年09月05日
  • 三毛猫ホームズの感傷旅行

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    短編5話。
    三毛猫ホームズの感傷旅行
    三毛猫ホームズの優雅な生活
    保健室の午後
    三毛猫ホームズの同窓会
    三毛猫ホームズの奇跡

    どれも主人公以外の登場人物が明確になっていて、
    しっかりした構成になっている。

    細かい描写ではなく、
    会話で話しを進めている。

    三毛猫ホームズの活躍の度合いもいろいろ。

    やや暗めな題材が多いが、晴美の透明感のある性格が、前向きな雰囲気を保っている。

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    2011年09月05日
  • ぼくのミステリ作法

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    赤川次郎の雑誌へ連載した随筆集。

    ミステリマガジンという雑誌なので、話題は自著のミステリの作り方に関するものが多い。
    他の著者の著作の感想や、作品の作り方に関する感想もある。

    赤川次郎の書評を書くのなら、本人談を引用すればいいのでお手軽かも。

    誰の影響を受けたのかを知るのにはよい。

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    2011年09月04日
  • 三毛猫ホームズの駈落ち

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    駆け落ちから12年。
    兄弟の死と、駆け落ちした2人を探しに東京へ来た人たち。

    山波晴美と片岡義太郎という名前は、
    主人公片山晴美とその兄の刑事の片山義太郎と同じ。

    話はいりくんで、長編としてのおもしろさをかもしだいている。

    幕切れは意外だが、どちらも孫は生き残り、子孫が絶えなかったことだけが幸いかも。

    三毛猫ホームズの活躍と、石津刑事の活躍も特筆。

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    2011年09月04日
  • さびしがり屋の死体

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    推理小説の傑作選

    さびしがり屋の死体
    長き眠りの果てに
    死が二人を分かつまで
    できごと
    三人家族の殺人学

    どれも趣向を凝らした話。

    「さびしがり屋の死体」は、真犯人が明確にならないまま当事者が別れ別れになる話。
    「長き眠りの果てに」は、本当の殺人者は、本人だったという話。
    「死が二人を分かつまで」は、夫が殺人者だと分かって警察に突き出すが、夫の帰りを待とうという話。
    「できごと」は、高校の修学旅行で起きた事件の犯人は、当初の疑いとは別にあったが、その真犯人を捜したのが最初に疑われたうちの一人。
    「三人家族の殺人学」は、殺人者どおしの夫婦の娘が、一番殺人に長けているという話。

    どれも短編にふさわしい複雑さで、重さもある暗い話が多い。
    いつも明るい話を書いている反動だろう。

    暗い話をときどき書くことにより、明るい話も書けるように均衡を保っている作者の努力か、投げやりさを感じる。

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    2011年09月04日
  • ウェディングドレスはお待ちかね(南条姉妹シリーズ)

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    南条麗子
    南条美知
    の双子の姉妹の物語。

    なぜ、どういう経緯で麗子がケンと結婚したのかがわかる。
    お嬢様っぽい麗子が、意思が強いことがわかる。

    お嬢様の社会的価値が再評価されるべきだろう。
    意思の強さが役に立つ事。

    この後も続く,双子姉妹のどたばた喜劇の幕開け。

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    2011年09月03日
  • 拒否する教室

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    やや怖い系4話。

    拒否する教室
    閃光
    魅せられて
    千夜一夜

    どれも怖い話で、読んでいるときは、ちょっといやな気持ちにもなったが、
    読み終わったら、すっかり忘れてしまった。

    「魅せられて」は、恐ろしい、怖い、嫌な話ですが、
    最後は赤川次郎らしい終わり方で、いやな気持ちを薄らげている。

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    2011年09月03日
  • 幽霊記念日

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    赤川次郎は軽文学(light novel)なので、後に残ることは意識していない。
    読んでいるときに楽しければよい。

    満員電車の苦痛が回避できたり、
    長時間通勤の苦痛から逃避できればよい。
    家に帰って,「ああよかった」ということ以外は望んでいない。

    読者に嫌な思いが残らないようにということを気にかけている。
    10冊に1つは、あれ?と思うことがあるかもしれないが、
    読み進んでいくと忘れてしまう。

    そこが軽文学の、生活の糧としての価値だと思う。

    赤川次郎は軽文学の優(優秀の優)だと思う。
    幽霊なんたらは、その原点だろう。

    4話あり、
    幸い住むと、ポチが鳴く
    白鳥の歌を聞くとき
    幽霊記念日
    裏の畑でミケが鳴く

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    2011年09月01日
  • 野獣と花嫁

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    花嫁の見る悪夢
    野獣と花嫁
    の2作品。

    最初は、標題に関する登場人物があらわれ、
    次の段落で、主人公たちが現れるという作り。

    どちらの作品も登場人物で女性が多い。
    女性の性格描写の使い分けが難しいなと思いました。

    女性で悪者を作ると、女性の読者から非難を浴びる可能性があるし、
    似た性格の人ばかりだと、面白みに欠ける。

    苦労の後が見受けられる。

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    2011年09月01日
  • 顔のない十字架

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    赤川次郎は、勤め人から作家になったため、作品の視点が文学者ではなく、普通の人だと感じる。
    そのため、文学として通過する地点ではなく、
    生活の中で役立てる作品群だと感じています。

    万能の姉がだらしない弟を甘やかす話だと読めます。
    危ない裏社会と、表社会の関わりと読めます。
    どんな人間にも、弱みか人間性があると読めます。

    読める視点を組み合わせて、生活の中で、ものを考えるときに、応用するための作品として読んでいます。
    いろいろな種類の部品を組み合わせて、1つの作品にしている製造業として読むこともできます。
    通過するのではもったいない。

    やくざの抗争に巻き込まれないことが大事。

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    2011年08月30日
  • 結婚以前

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    赤川次郎作品の部品がだいぶわかるようになってきました。

    透明感のある女性の主人公。
    なさけない男性と友人、知人など。
    悪意のないお嬢様。
    だらしのない生活をしている男性。

    後は,殺人と自殺を組み合わせる。

    ドイツへの女性2人,男性2人の道中はとても面白く読めました。

    残念だったのは、亡くなった人の心理描写がないことです。心理描写がないのなら、人が死ぬことがなく終わってもよかったのではないか。
    本作品で人が死ぬことがなかったら、文学作品になったかもしれないと感じました。

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    2011年08月29日
  • 黒鍵は恋してる

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    あかねと同じ建物の1階上に住んでいる真音。
    真音は、ピアノの名手だが、普通の人とは少しずれているので、「黒鍵」という渾名だったとのこと。

    あかねと、黒鍵こと真音とにふりかかるさまざまな事件。
    振り回される二人。

    殺人事件をめぐって、二転三転する。
    芸術と日常生活の共存の難しさを物語っていると考えることができるかもしれない。

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    2011年08月28日
  • 殺人よ、さようなら

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    赤川次郎作品にしては暗い方の部類。

    殺人が横行し、
    人の良さそうな登場人物も、
    殺人者の一味だったりする。

    赤川次郎作品にしては、何を主張しているのかが分かりにくい作品。
    野生時代という雑誌への連載のようなので、
    雑誌の性格に気を使いすぎているのかもしれない。

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    2011年08月28日
  • 散歩道

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    赤川次郎作品の中でも、愛好者のために書いたものなので、よく内容が練られている。
    愛好者からお題をもらって書くという、ファンクラブの会報に書いたものをまとめたもの。

    愛好者の顔を思い浮かべながら、驚いたり、喜んだりしてもらえることがはっきりしている焦点の定まった作品集。

    三毛猫ホームズ、幽霊もの、吸血鬼もの、悪魔もの、花嫁もの、爽子ものなどとはひと味違う、赤川次郎の世界を堪能できる。

    愛好会の事務局の方の解説の文章も、人間味があって、赤川次郎愛好者であることがわかる。

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    2011年08月27日
  • 狂喜乱舞殺人事件

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    狂喜乱舞殺人事件
    現役復帰殺人事件
    三日坊主殺人事件
    本日休業殺人事件
    観光案内殺人事件
    の5作品を所蔵。

    狂喜乱舞は、リストラの話。
    サラリーマン作家だった赤川次郎の本領発揮か。

    直子とその恋人井上刑事、先輩の大貫警部。
    話題によって活躍の中心は違うが、みごとに直交した方向性が、回転していく。

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    2011年08月25日