よしながふみのレビュー一覧
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ネタバレ八代将軍吉宗の遺志を継ぎ、
長崎から来た青沼、そして田沼意次・平賀源内が、
今なお猛威を振るう赤面疱瘡の解明に挑む――!
物語上決定的に重要な意味を持つ「赤面疱瘡」の解明、克服に向けて、物語がテンポよく進みます。
長崎から大奥に入った、日本人とオランダ人のハーフの青沼と、平賀源内の二人が、田沼意次の強い後押しを受け、将軍家治と御台所の理解を得て、「赤面疱瘡」の解明、克服に一歩一歩近づきます。
天然痘の「種痘」の西洋からの導入という江戸時代の歴史的事実と重ね合わせて、物語を展開するのは、見事なストーリー展開だと感じます。
一方で、家重の死も描かれ、印象深いです。
「母上も私の事を許してくださるよな?な?意次?」「あ 母上 母上 ろうかもう一度私を抱きしめれ下されませ」といって絶命する家重の死に、重たいものを感じる方は多いと思います。
田沼意次は史実通り開明的で聡明な人物として描かれ、かつ魅力的に描かれています。
ただ、意次に対して、家重と将軍の座を争った宗武の娘、松平定信が、敵意をつのらせます。
吉宗の事実上の後継者として期待される意次、一方で吉宗の孫であることに強い自負を持つ定信というコントラストの中に、吉宗の存在感の大きさが垣間見えて、今までの巻との連続性が鮮明に感じられます。 -
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ネタバレ後の世から中興の祖と讃えられた
八代将軍・吉宗の時代の終焉…
そして、その意を酌んで赤面疱瘡の解明へ、
「大奥」の男達、そして女達が動き始める…!
徳川政権中興の祖と称えられた吉宗の人生人生が終わり、物語も江戸時代も後半戦です。
病(脳性麻痺=知能障害なし、との説が有力)を抱え容姿も醜い長女・家重より
利口で美しい次女・宗武が九代将軍に相応しいという廃嫡騒ぎが勃発。
さすが吉宗は、表面的にしか物事を捉えられない周囲の軽率な言動には動じません。
外見と身体のせいで誤解を受けることも多かった9代目将軍家重ですが、
「凶作になれば百姓が飢え死に、米の値が上がれば町人が苦しみ
豊作になれば米の値段が下がり札差に米を買いたたかれて武士の暮らしが立ちゆかぬ」
と、まるで三すくみのような状態を指摘し、
「誰もが幸せに暮らせる日などこない」
と言います。家重の出した結論は「(だから)まつりごとくらい空しいものはない」でした。
この三すくみを打開するには、米本位制から貨幣経済へのシフトしかないと考えたのが今巻初登場の田沼意次です。
最近は再評価されることも多いですが、徳川の寿命を縮めたと非難された時代もあったり、賛否両論が今もって続いているのが田沼意次の面白いところだと思います。 -
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ネタバレ家宣の死後、幼くして将軍となった家継。しかしそれも長くは続かず…。そして時代は、八代将軍・吉宗の治世へ――。
江島生島事件の顛末―――それは『人』として生きた証ではないだろうか。
数少ない男として生まれながら、その容貌や体質により「真に必要とされない」と思い込んでいた江島。
「役者は品物」と言い切る生島。
だが、この二人が言葉を交わした短い時間に、人として大切なものが生まれたのだと、思う。
歴史という大河の前では、それは小さな灯であり、あえかなものだったとしても、よしながふみはやさしく描き上げてくれた。
江島生島事件が終わると、場面はまた8代将軍・吉宗の時代へ。
やっと吉宗が、「没日録」を読み終えます。
さて、過去の歴史を知った上で、将軍として吉宗が何をするのかです。
小石川の薬草園・火消し・目安箱等々次々と手を打って行く吉宗ですが、一方で、商人の反対にあって、金銀の換算率の変更は上手くゆきません。
歴史を知った吉宗の今後の動向が楽しみです。 -
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ネタバレ爛熟の元禄の世を支えた五代将軍・綱吉。
民からの悪名高き女将軍が、思わぬ穏やかな晩年の中に見つけた一時の夢…。
そして、否応なく流れる世の趨勢とは…!?
第6巻は徳川綱吉の晩年から徳川家宣、徳川家継の時代を描く。第2巻から男女逆転になった経緯を振り返り、第6巻で第1巻の時代に戻ってきた形である。
専制君主・綱吉の孤独、家宣の名君ぶり、柳沢吉保や間部詮房の忠義など歴史上の物語を男女逆転で描いている。大奥の贅沢が幕府財政を圧迫することが示唆されており、今後の物語への影響が興味深い。
家宣、家継時代は新井白石の正徳の治として知られる。『大奥』では白石の出番は僅かであるが、家継の教師として鎖国とともに女子が家を継ぐことは本質的ではないと主張させている。物語世界の本質を突いている。
続いて6代将軍家宣の時代が描かれる
在位は3年と短いものだった -
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ネタバレシリーズ第五巻の本書では、五代(女)将軍・徳川綱吉が君臨する元禄時代という設定。前巻のラストで大奥総取締の座に就いた右衛門佐(えもんのすけ)の活躍、愛する我が子を失った綱吉の惑乱と狂気、赤穂浪士の討ち入り(別バージョン)の話がメインとなっています。
有功(永光院)と玉栄(桂昌院)の再会のくだり。「どうかどうかわしを叱って下され」と永光院にすがる桂昌院。権力を持った桂昌院が玉栄に戻った一瞬。まだ家光がいた頃の若い二人を思い出した。エピソードの最後、一コマなのだが小雪がちらつくシーンの冬の寒さと静けさで、感動がさらに深まった。
巻の最後にまだ10歳の信(吉宗)が登場。綱吉とのやりとりに吉宗の利発さが見て取れる。 -
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ネタバレ家光=千恵が女だということを公表したため、大名たちも女性の跡取りを持つものが増えてきた。皆男名を名乗った。
千恵は大奥改革に着手。大奥の人員を整理し、暇を出したものを吉原に送る。
また、「御内証の方」を死罪にすることも決定する。
有功はそれに対し、素直にしたがって手配した。
そして、女子の5分の1にまで減った男子が、4分の1まで回復。
また、その年米が大豊作になる。
女将軍はめでたいということになり、民衆にも受け入れられていく。
ある日、千恵に夜伽に呼ばれた有功は「お褥すべり」を願い出る。
千恵は納得し、ここに唯一将軍の側室から選ばれた大奥総取締・「お万の方」が誕生する。
千恵はその後、流産や出産を繰り返し、慶安二年、それがたたったのか二十七歳の若さで亡くなってしまう。
その死は千恵の遺言で父家光のものとして公文書には記されることになった。
また、堀田正盛、阿部重次、稲葉正勝がその死に伴って殉死した。
側室であった玉栄、お夏はそれぞれ出家し桂昌院、順性院と名を改めた。
時は変わって千恵の娘、千代姫が四代将軍家綱として君臨。
家綱の時代には女性大名がさらに増えており、全大名の半数以上にのぼっていた。
家綱が14歳のとき、宮家から縁談が持ち上がる。しかし家綱は能や狂言、水墨画にしか関心がなく、恋などはとてもとても…。という感じの将軍だった。
家綱の治世は家光時代の遺産ともいえる優秀な家臣たちが集まっており、幕政は安定の一途をたどっていた。
しかし家綱自身は政治にあまり関心がなく、家臣にまかせきりにするため、「左様せい様」というあだながついてしまう。
こまった家綱の大叔母、「保科正之」は、大奥総取締・万里小路有功に相談する。
ある日家綱が「平家物語」を聞いていたとき、(有功の誘導によって)心優しい家綱は流罪人の境遇に心を痛め、暮らしを改正するため保科正之をよぶ。
しかしこれが、彼女が将軍らしい所を見せた最初で最後のものだった。
かねてから問題になっていた家綱の「御内証の方」には倉持(くらもち)という青年が自ら希望して選ばれ、死罪となる。
明暦三年、江戸全体が大火災に見舞われ、江戸城本丸も焼け落ちてしまった。世に言う「明暦の大火」である。
火災の中有功は家綱を抱えて火の手の遠い所へ逃げる。その道中、家綱は有功に抱きつき、「好き」と告白。「ずっとそなただけが私の男と思っていた」と。
有功は愕然とする。
江戸の町の復興が優秀な幕閣によっておこなわれ、また大奥も有功の指示により形を取り戻していった。
だが有功はそののち、大奥から去る。剃髪して、吉宗が将軍になる五年前まで生きた。
家綱は41歳でその生涯を終えるまで子を儲けることなく、妹の徳子(とくこ・千恵と玉栄の娘)が五代将軍綱吉として就任することになる。
ここらへんから、男女の立場が入れ替わってゆく。
綱吉は娘松姫を側室・伝兵衛との間に儲けた後、自分の自由にならない大奥のきまりに飽きていたが、御側用人・柳沢吉保の提案で、同じく御側用人・牧野成貞(ふたりとも女性です)の家で、能楽の宴を開くことになった。
成貞は腕によりをかけて綱吉を歓迎し、上様好みの美男も用意。しかし、綱吉が指名した男は、成貞の夫、邦久―通称・阿久里だった。
ここから綱吉の魔性の女っぷりが発揮される。
綱吉の阿久里への寵愛は度を越しており、牧野邸へのお成りは32回に及んだ。また、牧野成貞には、下総国関宿の城主の座を与える。
そんな綱吉に対して御台所の信平(のぶひら)は、京から美男を連れて来て綱吉の側室にし、自分の勢力拡大を画策する。
一方側室の伝兵衛は、非常にあせり、ついには桂昌院(玉栄)に「少しは頭を使わんかい!」と怒鳴られてしまう。
そんな中、綱吉は自分の横で眠る阿久里の姿を見て、「この男、もう永くないかもしれぬな」と察知し、その息子である貞安を誘惑。貞安は妻の時江を離縁し、大奥に入ることに。時江は自害。阿久里も死亡してしまう。また貞安も大奥に入った一年後に病死。夫も息子も奪われた牧野成貞はうつ状態になり、綱吉のもとを去った。
そのせいで綱吉の寵臣は柳沢吉保ただ一人となり、彼女は絶大なる権力を手にする。
そこにやってきたのが信平が呼び寄せた右衛門佐という青年だった。
たちまちその美貌は大奥中に知れ渡る。
しかし、彼はなかなかのしたたか者で、桂昌院をして「曲者」と言わしめる人間だった。
また、学問にも優れ、学問(儒学など)の講義をするようになる。
無類の学問好きである綱吉は、右衛門佐の評判を聞き、かれと学問についての問答をする。満足した綱吉は、信平に、右衛門佐を自分にくれるよう頼むが、右衛門佐自身は側室になることを拒否。
代わりにお万の方有功以来ずっと空席だった大奥総取締の座を要求したのだった。 -
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ネタバレ二巻より一年後。
家光こと千恵と、お万こと有功は、お互いに愛し合い、居場所を手に入れる。
千恵の癇癪も少しずつ減り、「将軍」として政治に参画するようになる。
しかし、有功と千恵には子供ができなかった。春日局は新たな陰謀をめぐらす。
春日は、町に出て行き、捨蔵(すてぞう)という若者を発見する。
捨蔵は有功そっくりで、これならと春日は捨蔵に大奥にこないかと誘う。
ある日、春日に呼ばれた有功は、千恵に捨蔵を側室に迎えるよう言ってくれといわれる。
拒否する有功だが、「戦のない平和な世のために」と春日に説得されてしまう。
有功は千恵にしかたなく捨蔵を薦め、捨蔵は千恵の側室になることに。
有功は、気が狂いそうになるが、かろうじて正気を保ち、捨蔵にも優しく接していくのだった。
しかし、捨蔵との子を千恵が懐妊。そして女児を出産し、捨蔵には「お楽」という名を与える。
子を持ったことによって千恵はもっと将軍らしくなってゆく。
捨蔵はその後、調子に乗って足を滑らせ、首を怪我して半身不随になってしまった。
有功と千恵は春日に与えられたつかの間の逢瀬に溺れる。だが二人の間に子供はできなかった。
春日は溝口左京(みぞぐちさきょう:お夏)という浅黒男(←なにそれ。) を捨蔵のかわりに千恵の側室として上げるよう有功にいうのだった。有功は春日に対して何も言わなかった。
そのかわり有功は玉栄も千恵の側室として差し出すことにする。
そのころ幕府内では、女性を男の代わりに大名の跡継ぎにしてもいいじゃないか論が多数を占めてくる。春日局は反対するが、重臣の誰も言うことを聞かず、呆然となる。
そのショックからか、春日は病気になってしまう。
また、「薬断ち(本物家光が天然痘になったときの回復祈願のときの誓い)」を守っていたため、病状はすぐに重くなっていった。懸命に看病する有功。
そこに、思わぬ知らせが届く。捨蔵が赤面疱瘡にかかったというのだ。
有功は捨蔵を春日のすぐ隣の部屋に移動させ、自分で二人を看病する。
みるにみかねた大奥の他の男たちが助けを申し出るが、それは捨蔵が死んだ後のことだった。この年はついに男子は女子の五分の一まで人口がおちこんでいた。
それから間もなく、稀代の女傑、春日局は千恵と有功らに見守られてこの世を去った。
有功は春日に「大奥を頼む」と遺言され、その言葉通り着実に大奥の制度を作っていった。
千恵は、大名たちに自分の存在を公表し、ここに初の女将軍が誕生する。 -
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ネタバレ江戸初期までは男女の比率は正常なものだった。
(徳川家康+秀忠時代までは)
おかしくなったのは家光時代(寛永九年)からだった。
赤面疱瘡の爆発的流行。
たくさんの若い男たちが死んでいった。
当時将軍職についていた徳川家光自身も例外ではなかった。
彼はもともと虚弱体質だったので、本来かからないとされていた年齢(31歳)になってかかってしまい、死亡してしまったのだ。
家光の乳母、春日局は絶望する…。
それより六年後のこと。万里小路有功(までのこうじありこと・18歳)という一人の僧が、
慶光院(けいこういん)・七代目院主(お寺の住職)として継目御礼(跡を継いだときにする挨拶)をしに従者の玉栄(ぎょくえい)、明慧(みょうけい)らと江戸城へやってきた。
有功は絶世の美男子にして幼いころより天才の名をほしいままにした才色兼備なお坊さんだった。しかも慈悲深い
春日は明慧や芸者の一人を殺して有功に迫り、自分の無力さを知った有功は還俗。玉栄とともに江戸城大奥に入ることになる。 -
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ネタバレ物語の舞台は日本の江戸時代をモデルとした世界。男子のみが罹る謎の疫病により男子の人口が急速に減少し、儒教思想など当時の概念はそのままであるが、社会運営の根幹や権力は男から女へと移っていく世界を江戸城の大奥を中心に描く。
一巻は、そういう社会が常識化していた第八代将軍、徳川吉宗の治世から始まる。
貧乏な武家の息子、水野祐之進(みずのゆうのしん)は、金を稼ぐためとかなわぬ恋のせいでお婿に行きたくないため、大奥に入ることを決意する。
大奥に入った祐之進は、名を水野と改名し、「御三の間(ごさんのま)」という役職を与えられる。
新参いじめを受けるが、先輩の杉下(すぎした)さんに助けられながら、なんとかがんばる。
ふとしたことから剣の腕を大奥総取締役・藤波(ふじなみ)に買われた水野は、一気に大出世して将軍の側室候補、「御中臈(おちゅうろう)」になる。
そして吉宗の側室になることに…。
だが、吉宗は新将軍。新将軍と初めて床をともにした男は「ご内証の方(ごないしょうのかた)」といわれ、将軍の体に傷をつけるため死罪になってしまう決まり。
水野は、その運命を受け入れようとするが、吉宗の温情でこっそり逃がしてもらって、幼馴染+恋人だった薬屋の娘お信のもとで町人として生きることになる。 -
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ネタバレ(2015-11-24L)(2016-06-19L)(2020-12-03)(2022-01-11)(2025-11-21L)
p122「俺が料理の出来ない独身男だつたらどうするつもりだったんだ…」
いくら少々常軌を逸したところのあるひとだからって、流石にシロさんが料理出来るひとだってわかっているでしょうよ それもかなりの腕前だって
毎月おいしい弁当持ってってるし、それが筧の妻の手によるものでないことは一目瞭然 少なくとも女性なら気付くと思う
だって〝妻〟なら、仕事とはいえ他所の女と休日に会うのに、白いタッパーにアルミホイル仕切りの弁当を夫に持たせたりしない!(笑)(20251212再読時に加筆)