梨のレビュー一覧
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ネタバレ匿名掲示板や個人サイト文化の描写が丁寧だっただけに夢小説についてももう少し深堀りしてくれて良かったんじゃないでしょうか。となり、そこでやや引いた視点になってしまった。私はXX年前から夢小説真剣部なので。でも痛いあとがきの書き方は完璧。なんならもっとウチらの古傷抉ってよかったよそこで。たぶんそういうのがいちばん呪いとしても効くと思うし絶対。オタクには。局所的に。
梨作品はwebメディアとの相性が良いし、これもネット文化を絡めた話だったので、わざわざ本で読む意味あるか?と思ったけど最後にダメ押しでトドメ刺してくる感じはさすがやな〜と思いました。 -
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角川ホラー文庫さんの新刊案内で興味を引かれたので、手に取ってみることに。
「8編+αの"□"にまつわる新感覚ホラー。」
第一章『邪魔』、第二章『放課』は比較的オーソドックスなホラー。第三章『カシル様専用』も、ネットフリマを巡るホラーというのは今時なネタで面白けど、内容自体は普通かなーと思っていたら、ラストの締めで「?」と少々理解が及ばない感じに。
そして第四章『練習問題』。不穏な内容に変わっていく小中学生向け(?)のテスト問題が示されるだけの内容なのだが、次の頁を捲る際のドキドキ感が堪らない。
第五章『京都府北部で発見されたタイムカプセル』は・・・ごめんなさい、私に -
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ネタバレ・2025年1月6日~1月9日で読みました。
・久々の活字だった!久々の活字にしてはピーキーだったな。
・まっすぐなホラーから技巧的な(オモコロ特集のときみたいな。)ホラーまであって、梨さんの多彩さを感じました。すごい!
・4章練習問題の序盤の問題で「これ人がひとり入れそうな感じでいやだな~」と思っていたら、終盤になるにつれてしっかりそうだったので、あ~~となった。でも4章が一番好みかも。6章穴埋め作業も好き。1章のまっすぐな感じもツカミとして良かった……。
・急に官能小説始まったときはびっくりしたけど(官能小説ではないよ~)。
・表紙、このタイトルの近くに「梨」って書いてあるとお -
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ネタバレ面白い、面白くないで評価できない作品。
難しい、私には難し過ぎる。
比較的分かりやすい部類の「放課」も、結局何があったのかも分からんし。みちとくんって何者なん?そもそも、思いがけずこっくりさんが来てしまった後どうなったん?何で主人公は記憶が抜け落ちたん?
「カシル様専用」のラストのお母さまの言う『天罰』って何なん?
「穴埋め作業」と『遠野物語』の関係は何なん?
「虹色の水疱瘡〜」の叔父さんと主人公の間には何があったん?何となくよろしくない性的な関係だったのかなって推測はできるけど、正解かどうか分からんモヤモヤがあるし。
「箱庭」も分からんかった、なんか前衛的過ぎて。
考察しようとしたり、⬜︎に -
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フリマアプリで「カシルさま専用」として箱を出品すると、必ず落札される。しかしその箱には何も入れてはならないという決まりがあった(『カシル様専用』)。
帰郷のついでに散歩をしていた青年があったのは、かつてよく遊んでいた少女(『邪魔』)。
□とは一体何なのか。8篇の連作短編集。
あらゆる□(はこ)をテーマにした、ホラー連作短編集です。
8篇の話のなかには、実験的というか、かなり斬新な手法でかかれたものや、初回出荷分封入には自分で折り紙を折って読み解くようなペーパーもも含まれていて、ただ読んで怖さを受け入れるというよりは、読み手側の謎解き・考察を含めて完成する作品な印象。
例えば折り紙、クロス -
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ネタバレ少し前に娘が読みたいと言うので買った本。
カバーイラストに惹かれた模様。
娘の本棚から拝借。
■■高校文芸部の部室で見つかった持ち主不明の一本のUSBメモリ。
そこにはかつてこの高校に在籍していた少年の死を巡る調査や考察をまとめたドキュメントが保存されていた。
ともすると悪意すら感じる、死を目前にした少年の異常行動や心神喪失っぷりが書き記されたこの記録は誰が何の目的で残したのか。
怪異に怯えて自殺を遂げた少年。
少年と極めて近しい心情を抱きながら時を分かち合った少女。
この高校に巣食う言い伝え、場としての怪異。
前半は調査レポート、インタビュー、作中作めいた差し込み、手書き文字や見取り -
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まず、表紙。
著者・梨さんだからホラーとはわかってるけど、さわやか青春小説?と思うほどの淡い水色のきれいな表紙に困惑。
そして「きみとの明日を消したい理由(櫻いいよ)」の表紙と酷似。
間違えて手に取ってしまったほど。
最後まで読むと、さわやかな表紙にも著者の思惑が織り込まれていることに感嘆。
内容は調査から入るモキュメンタリーホラーで、え?どういうこと?と困惑するパートとゾゾゾとするパートが入り乱れ、ティーンたちのモヤモヤや鬱々とした気分・死に惹かれる心がまざまざと書かれていて、気持ちが持っていかれそうになる。
ただ、これを読んだ10代たちには、この本が言いたいことは「自死を肯定してるんじゃ -
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ネタバレホラー小説のはずなのに青春映画のように爽やかな不思議な物語。
自分たちの力では抗えない現象に死ぬ気で抗ってそして死んでいく。
自分で死を選ぶ事は必死に生きた事の証明で、怖いと感じられるの生きているから。怖いという感情から逃げるのではなく、どこまでも怖がる事で怪異に対抗する。
彼、彼女らは恐怖に抗い続けたからこそ自ら死を選んだのだろうなと思った。命を絶った二人に心からの賞賛を送りたい。
今まで私が読んできたホラー小説とは恐怖への解釈が全く違ってとても新鮮だった。
これまでの梨さんの作品とは方向性の違う物語だった。
梨さんという作家のターニングポイントの一つになる作品だと思う。 -
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梨さんらしい淡々とした資料考察型ホラーに、ジュブナイルが組み合わさった小説。
「おや?」ポイントに読者自ら気づいてヒリヒリして、それが回収されていく流れは「かわいそ(笑)」と同じですが、どちらかというと今回はその全容を小説として読ませるパターン。
個人的に、前半と後半は別物(別ジャンル)でとらえたほうが楽しいかも?と思いました。私はホラーが読みたかったので、前半と後半の評価を足して2で割ってこんな感じです。
前半の湿度と、後半の湿度はかなり違います。後半は「小説的」なので、登場人物に感情移入できなかったり、ホラー小説ならスルーできる違和感がスルーできない点になる可能性もあります。ホラー展開と彼