高木亮のレビュー一覧

  • ヴェノム:リーサル・プロテクター

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    ヴェノムことエディ・ブロックが、単なるヴィランというよりアンチヒーローとなった流れを汲む最初のミニシリーズ。ヴェノムに正しい行動を取らせつつ、それを疑うスパイダーマンや復讐を狙う組織など、これまでの罪を簡単に許す姿勢ではないのが好感が持てるところ。
    お祭り的に始めたシリーズだからか、そういった様々な組織と戦うだけでも面白いのに、ヴェノム以外のシンビオートをまとうキャラクターの登場など、思い切った敵を繰り出してくるのもとても良い。
    ヴェノム自体が筋骨隆々だからか、エディもものすごく筋肉質に描かれる。絵柄にマッチしていてまとっていない時も格好良いぞ。

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    2018年11月18日
  • ヴェノム:リーサル・プロテクター

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    懐かしい絵柄、あと懐かしいファッション。豪華絢爛な現在のアメコミからするとさすがに古めかしいが、凶暴でいて妙な愛嬌があるヴェノムの魅力がよく出た中編。

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    2018年11月02日
  • スパイダーメン

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    正史世界とアルティメット・ユニバースが初めて交流した作品。アルティメット世界で全く違う展開を進んでいるスパイダーマン同士が出会う、という面白くならないわけがない話。違いに驚いたり、周囲の反応が見られたり、どっちの世界のスパイダーマンが好きでも楽しいていねいなつくりが魅力だと思う。
    アルティメッツも登場するのだが、トニー以外が空気。せっかく出すのであれば活躍させて欲しかった、というのが唯一惜しい。

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    2018年08月14日
  • スパイディ:アフタースクール・スペシャル

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    ピーターの少年時代をリメイクするような話、第2巻。これにて完結。そう、完結、と言うのがミソだ。
    ミニシリーズにまとめ上げるうえで、シニスター・シックスをわかりやすい敵役としつつ、ハイスクールの日常の中でピーターを取り巻く周囲の人との関係性を描いていく。前巻のころは思わなかったがこの巻を読むと非常に良くできているように思う。スパイダーマンがどういうヒーローか知りたい人にはうってつけかもしれない。ライトに読めるし子ども向け、といった感じだ。

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    2018年07月28日
  • スパイダーメン

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    S.ピチェッリの精密なアートが上手すぎる。話はベンディスにしてはごく普通の異世界訪問譚だけど、あっちの故ピーターへの贖罪や承認をこっちのピーターが叶える夢のある演出はあっち側を長く担当したライターらしい手腕。

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    2018年06月24日
  • デッドプールの兵法入門

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    表紙の水墨画っぽさにやられた。アメコミ初心者にもおすすめという噂は本当だった。読みやすかったし、映画へのオマージュも含まれていてにやり。俺ちゃんだけではなく、アベンジャーズ ・X-MENも登場。いろんな意味で大活躍だったデッドプール先生の次回作にご期待ください。

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    2018年05月04日
  • デッドプール Vol.7:アクシス

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    前巻に引き続き未邦訳クロスオーバーイベント『アクシス』のタイインが描かれる第7巻。キャラクターの属性…善悪の反転現象が起こる大イベントであるため、デッドプールはどちらかといえば狂人じゃなくなる、という方向性で善化するので大きな影響を受ける展開だ。なぜか「禅」に目覚めているところもポイント高い。
    そして、周りのヒーローたちは悪化している状況…これが見事にハマりこんでいる。悪化したX-MENに預けてしまった北朝鮮版X-MENとの関わり方や、狂人としてのデッドプールと関わってきた仲間たちとの関係性の変化など、善悪の逆転なんて面倒な展開をここまでうまく落とし込めているのはデッドプールならでは、という部

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    2017年12月31日
  • デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット

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    Marvel Now版の4巻と5巻の間に位置するデッドプールの任務と恋愛を描く話。本編の設定をばっちり活かしながらも単体で読むことができる一任務の話としているのが読みやすくて良い。難しい要素少な目でどんどん様々な戦闘や恋愛相手との交流が描かれていくのですごくテンポよく読み進めることができた。客演相手も珍しいし、どことなくお祭り騒ぎな作品だがそこが良い。

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    2017年12月23日
  • デッドプール:スーサイド・キングス

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    当時のムードか悪ノリメタは控え目だがパニッシャーのバカバカしい登場は傑作。C.バルベリーの硬質な線、M.グラシアの宝石のようなカラーリングが気持ちいい。併載作は話も画も喜劇的すぎて却ってシリアス世界の異物デップーの面白さが削がれた印象。

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    2017年11月27日
  • スパイダーマン:ブルー

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    ネタバレ

    ホークアイシリーズを読み終えて、マーベル・スパイダーマン初心者も楽しめて満足度が高いとのことで手に取った1冊。

    物語はスパイダーマン:ピーター・パーカーによる回顧録。
    ピーター・パーカーがグウェン・ステイシーと出会い、愛し、失うまでを記録する物語。
    キャラクターの初期の物語を再解釈・再構築したものとのこと。

    読後の素直な印象としては「切ない。」に尽きます。
    本書のコピーにもある通り、まさに「過ぎ去りし青春物語」でした。

    クラシカルなアートとシナリオが折り重なってどのページ、どのコマにも常にノスタルジーが漂い、愉快なシーンであるはずなのにどこか物悲しさが漂っていて惹きつけられました。
    グウ

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    2017年08月15日
  • スパイディ:ファースト・デイ

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    正史世界のピーター・パーカーが今や立派な大人になっていることから、あえて高校生ピーター・パーカーのリメイクを行っている作品。映画公開直前に刊行されるだけあって、実に映画本編のイメージに被るピーター像が展開されている。表紙を見るだけでもわかるが、オリジナル版の有名ヴィランがこのわずか6話分でどんどん出てくる上、1話読切スタイルなので、これ一冊読むだけでもスパイダーマンのイメージはしっかりつくと思う。スパイダーマンにだけ興味があって初めてアメコミを読む、という人がもしいればぜひプッシュしたい。

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    2017年08月07日
  • スパイダーマン/デッドプール:プロローグ

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    スパイダーマンとデッドプールのチームアップ誌刊行前に、ここまでの作品における2人の共演作をまとめた一冊。
    流石はデッドプールでシンプルに共闘する作品はほとんどなく、共闘する作品でもたいていひと悶着ある。
    巻頭作品はスパイダーマンのかつてのコミックに本当にデッドプールが入りこむ形で描かれているので手法として本当に興味ぶかかった。文字で語ることが中心的な時代のコミック表現の中にデッドプールの台詞量が入るのでちょっと読みにくいのだが憎たらしいくらいのリアクションを示すデッドプールが楽しい。
    それ以降はスパイダーマンに敬愛を抱くデッドプール、という構成が多数。スパイダーマンに扮するデッドプールが良く目

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    2017年08月03日
  • デッドプール:バック・イン・ブラック

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    ヴェノム誕生の経緯にはデッドプールが関わっていた!?なんて刺激的な一冊。
    『デッドプール』らしいふざけたノリで軽いアクションを楽しみつつも、スパイダーマンの切ない感じを散りばめて巧妙につなげられていて、読んでいて非常に楽しかった。
    惜しむらくはヴェノム誕生の経緯が最近の邦訳では読めないこと。実際に読んでみないとその絡め方の妙は味わいつくせないなぁと。
    パワーパックが出てくる作品、というだけでもレアなのでぜひ。

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    2017年07月09日
  • デッドプール:モンキー・ビジネス

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    デッドプール第2シリーズで人気だった一冊の邦訳だそうで。スパイダーマンとのチームアップ…的な展開、暗殺者の猿との戦い、なぜかメイド服を着るデッドプールと、とにかく濃い。

    しかしふざけているわけではなく、話の筋は非常にまじめ。過去を払拭しヒーローになろうとするデッドプールが、不殺を信条とするスパイダーマンと出会い、暗殺者を相手にするとあればテーマ性は必然的に高くなる。ヒーローとは何か、なかなか読みごたえのあるシナリオだと思う。ただ正直なところ、せっかくスパイダーマンと組んでいるのだから、むしろもう少し軽妙なトークが見たかった。

    他の邦訳作品ではまぁ見る機会のないだろうヒットモンキーのオリジン

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    2017年04月30日
  • デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス

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    デッド・プール初邦訳作品…なのにやや不親切な気がするわかりにくさ。なんでだ!

    デッド・プール一人でも十分うるさいのに、ゾンビ頭のヘッド・プールなんて奴がいたらそれはもう騒がしい。そして独特のノリで会話が進んでいくので、ノリよくどんどん読み進めることは出来る。

    正直かなり長いので体力を要するが、その分他のマーベル作品ではなかなか出てこない場所が多数描かれ、移動も多いので新鮮な魅力を感じられるだろう。ただ、その分独特な部分が多く読みにくさもあり。現状、もう少しライトな話を読みたい気持ちだ。

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    2016年05月01日
  • スパイダーマン:ブランニュー・デイ 3

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    新章の始まり、ブランニュー・デイも3巻となり、これにて「始まり」は「終わる」とのこと。確かに1巻から出ていたことのうち、小さな問題はいくつか終着点を迎えたと思われる。

    ただ、大きな問題が様々に残っているのでどうにももやもやする。続き物である点を考えればそこは特に問題ないのだが、どの程度邦訳されているのかによる。ここまで細かく邦訳したのであれば、そのあたりはしっかり続きを読ませてほしいところだ。

    ピーターとしての生活の問題点がヒーローとしての活動とどう絡むか、という点が描き出されるペーパードール戦はなかなか見もの。その過程で重要人物が登場する点も踏まえ、楽しい話だったと思える。後半のこれまで

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    2016年01月01日
  • スパイダーマン:ワン・モア・デイ

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    ネタバレ

    スパイダーマン史のなかでも事件性の高い「ワン・モア・デイ」。

    最後に起こる現象はアメコミにはありがちな面もあり、また賛否両論を呼びやすいものだとは思うが、この作品はどちらかと言えばもう少し評価されても良い印象を受ける。

    というのも、メイおばさんの死に責任を感じて防ぐために必死になるピーターを描き切る中で、超常的な力がありふれたマーベル世界でも否定される「死から逃れること」をじっくりと描きあげている。「設定のリセット」と言ってしまえば簡単だが、その決断に至るまでの過程は非常に丁寧なものだ。また、「あり得た可能性」なるものを示しているのも大変興味深い。

    払った代償と同じく決断を迫られるMJの

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    2015年12月31日
  • デッドプール:スーサイド・キングス

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    相変わらずのデップーちゃん。グロは前回と変わらず、でもパニッシャー、デアデビル、スパイディも出てるので楽しい。でもやっぱり相変わらずのデップー

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    2014年12月24日
  • デッドプール:スーサイド・キングス

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    日本での活躍の幅を広げているデッドプールさん(CV:子安武人)。
    『マークウィズアマウス』に比べるとストーリーがシンプルで読みやすかった。スパイダーマン、デアデビルと「赤い三連星」やるあたりおおっと思いました。

    にしてもアメコミは、複数の作品に触れて、「キャラクター情報の共有」が出来てくると、俄然魅力がましてきますな(『DW:A』に出てきたレッキングクルーが出てきて嬉しかった!)。やはり日本の漫画とはまた違った楽しみ方が必要な模様。

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    2014年11月02日
  • スパイダーマン:ブルー

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    かつての痛快活劇を、うまくいかない事だらけのピーターの文字通り「一人称」視点から再構成したちょっと懐古的な掌編。苦労ばかりの日々に「あの表紙」でフラッシュを救い彼も変わる展開が鮮やかな脚色。最後のMJの言葉も涙もの。カラリストが違うとT.セイルの過去の邦訳作と比べちゃうなあ。

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    2014年10月09日