あらすじ
究極の選択を迫られるも、残された時間はあと一日しかない……。
あなたならどうする?
人生において最も大切な人、あなたをずっと支え続けてくれた人が、病院のベッドで生死の境をさまよっている。あなたを狙った銃弾が、その女性の体を貫いたのだ。しかも、人生における悲劇はこれが最初ではない。あなたの周囲にいる人たちは、災難、狂気、他殺といった非行な出来事に次々と見舞われてきた。これらの不幸の原因は、あなた自身にある。あなたという存在、あなた自身の人生がすべての元凶なのだ。愛する人を救える力があるのだが、その為には大きな犠牲を払わなければならないとしたら、あなたはどうするだろう? スパイダーマンの選択はここにある……。全米のコミックファンを驚愕の渦に巻き込んだ事件「ワン・モア・デイ」。何が衝撃で、何が問題作なのか……あなたの目でぜひ確かめてほしい。すべてが消されていく……これは一つの”スパイダーマン:エピソード0”である。
●収録作品●
『AMAZING SPIDER-MAN』#544-545
『SENSATIONAL SPIDER-MAN』#41
『FRIENDLY NEIGHBORHOOD SPIDER-MAN』#24
『MARVEL SPOTLIGHT:SPIDER-MAN₋ONE MORE DAY/BRAND NEW DAY』
©2021 MARVEL
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
スパイダーマン史上最高の物語。
こんな…こんなに辛いスパイダーマンを読んだことがあっただろうか?
あっただろうかとか言ったが原書も読んでないし、何なら邦訳アメコミしか読んでいないのでその程度なのだが…まぁその程度でもこのワン・モア・ディがそれだけ私にとって最大級の面白い作品だったのか書いていく。
シビル・ウォーのイベントで正体を公表したスパイダーマンことピーター・パーカー。それによって今まで戦ってきたヴィランによってピーター・パーカーの周りにいる人達まで襲われるようになってしまう。そんな中、ピーターのメイおばさんがヴィランによって撃たれ瀕死になってしまったってところからスタート。
この導入、最高でした。コミック開いて2ページ目からピーター・パーカーを追い詰めてます。そしてメイおばさんを救う治療費を何とかしてもらう為に敵になったトニーに会いにいくけど断られるピーター、つらいなぁ…この時のトニーの描き方がよかった。戻ってきた時に冷蔵庫に貼ってあるピーターと一緒にいる写真を眺めながらトニーにできる最大限の援助を遠回しにジャービスにお願いするところがよかったなぁ。あと多数のモニターで写真を眺めるトニーの姿も哀しさが漂って何とも言えない気持ちになった。
次に魔術の力で何とかして貰おうとDr.ストレンジに会いにいくが死を受け入れる様にと諭されるピーター。この時に過去に戻って何とかしようとするシーンでもう一度メイおばさんの死を見てしまう可哀想なピーターが辛過ぎてとてもよかった…ぃゃぃゃ、この救えそうな雰囲気や希望を出しておきながら救えないという、とことんピーターを追い詰めていく展開はギュウゥッと心を締め付けた…最高である。
そしてこの先のメフィストの展開。いやらしいね悪魔ッッ!!ピーターの可能性を見せつけ、尚且つ契約によって存在し得ない娘を見せる…いやぁダメでしょう、どこまで追い込むんだスパイダーマンを…
このメフィスト編の台詞や擬音の無いコマ多用されMJとの別れが近づいていく展開が何とも辛さを表現している感じがしてよかった。最後のキスをしながらお互いに消えていくシーンなんて私の中では5本指に入る名場面だと思う。
長い間スパイダーマンを追ってきたファンにはこの展開が受け入れられなかったなんて話を聞いたことがある。
私自身もアメコミの「あ」も知らない頃に魔法で設定リセットしてアメコミが荒れてんだぜッ!なんて話を聞いたことがあったのは記憶している。
そして今やっとこの作品を読む機会ができて読んでみたのだが、私的にはそんな酷いかんじはしなかったなぁ。
まぁぁ、魔法と言うか悪魔の力でそれやっちゃたら何でもありじゃんってことも思わなくはないが作品としての面白さを損ねている気はしなかったなぁ。
スパイダーマンをとことん追い詰めて酷い目に合わせて読者に辛く苦い気持ちを植え付けさせて、私は最高に満足できる作品だったと思います。
Posted by ブクログ
ピーターは逃れられぬ死を受け入れることにより超越者になりえたはずなのにMJのメフィストとの契約により“原罪”を犯してしまう。
聖書における“失楽園”をヤスパース由来の実存主義になぞらえて描いた衝撃作という感じなのだろうか。
[スパイダーマン:ブランニュー・デイ]というシリーズへの転換に当たるブリッジエピソードらしいのでテコ入れするための壮大な詭弁要員的な作品なのかもしれないが、これまでのアメイジングスパイダーマンシリーズを『神が創った“楽園”だった』という解釈で描いた点では誠実さがある詭弁なのでは?という感想を私なりの詭弁としてここに残したいと思う。
Posted by ブクログ
スパイダーマン史のなかでも事件性の高い「ワン・モア・デイ」。
最後に起こる現象はアメコミにはありがちな面もあり、また賛否両論を呼びやすいものだとは思うが、この作品はどちらかと言えばもう少し評価されても良い印象を受ける。
というのも、メイおばさんの死に責任を感じて防ぐために必死になるピーターを描き切る中で、超常的な力がありふれたマーベル世界でも否定される「死から逃れること」をじっくりと描きあげている。「設定のリセット」と言ってしまえば簡単だが、その決断に至るまでの過程は非常に丁寧なものだ。また、「あり得た可能性」なるものを示しているのも大変興味深い。
払った代償と同じく決断を迫られるMJの件も合わせて、新しく始まった世界において再びこの話に絡み合う点が処理されたとき、この話の真価は明らかになるだろう。うまく活用されることを望みたい。
Posted by ブクログ
不覚にも最後の二人のやりとりに涙が出てきた。過程と結果の悪声だけが日本でも知られている話ではあったけど、ピーターとMJの愛の物語の終着駅としてはかなりグッとくる話だった。あとやはりオンゴーイング・シリーズでのこういうビッグ・エピソードというのはそこに至るまでの流れをきちんと読んでいて自分の中での積み重ねをつくっているかどうかというのが大きいのだなあとも思った。