高木亮のレビュー一覧
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一冊まとめてラブロマンスの薫り。
絵も巧く話も面白い。
衝撃的でアホな導入には心掴まれる。
なんだかエッチだがデッドプールがアホなだけだった。
特に辺獄でのやり取りは爽快感と感動がある。パーカーがスパイディに変身する、その姿をみたデッドプールの「おいマジか。まさに理想的な守護者だな」。彼は彼が同一人物だということを知らないことが私を興奮させた。
ヒキもまさにロマンス。
「お前は俺の憧れだが、ナイーブすぎるんだよ。 まあそこがお前らしくていいんだが、その純真さを汚したくなかった」「ウェイド。本当に信じるよ。」
その純真さを汚したくなかったは最高の告白だなと思った。それはもう愛。愛だよ。
で -
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カーネイジの「子ども」をめぐる大混乱を描いたミニシリーズ。ヴェノムVSカーネイジの名の通り2体が中心的である。無軌道な2体と、新たに登場するキャラクターの目まぐるしく変わる衝動を追いかけるのが楽しい。
ところで、「スパイダーマン」と名が付くのは何か。出番は多くないものの、もちろん事態の収拾を図ろうとしてくれる。それ以上に、本作から登場したキャラクターの目を通して、とても大きな影響力を持つ存在として描かれる。まさにこれはスパイダーマン作品なのだ。
クレイトン・クレインの画風が液体のようでもあり繊維のようでもあるシンビオートの肉体描写に最適なので、1コマ1コマ迫力がある。見て楽しむべし。 -
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アメイジング・スパイダーマン誌と並行連載するスパイダーマン誌はしばらくなかったらしいが、最新のシリーズが素早く邦訳。
スケールの大きくなったスパイダーマンの活躍を「親愛なる隣人」としての部分にクローズアップして描く、との触れ込みだが、読み終わってみると案外話はスケールが大きくなってしまっているような気がする。ただ、それがかなり完成度高く面白いと思う。これまでのミニシリーズなどの展開を拾ってうまく構成の中に盛り込めているし、ここまでに起こっている事態をちゃんと活かしている。とくに、JJJとのやり取りはよくもここまで落とし込んだな、と思えるほど。歴史的な一幕だと思う。 -
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スパイダーマンとデッドプールのチームアップ作品第4巻。この後も新たな形で続いてはいるらしいが、一旦の完結を見る。
スパイダーマンに影響されて良い心がけを持つようになったデッドプールと、地獄から生還したことをきっかけに冷酷さがみられるようになったスパイダーマン…二人の掛け合いにこれまでと逆転した部分を持たせるのが単純にユーモアとして面白い。さらにはただ面白いだけにとどまらず、そのことが作品全体のテーマを描き出すことにもつながっている。全体的に無駄がない構成をしているし、短編集を除けば『ブロマンス』と合わせて2冊で読み終わるコンパクトなミニシリーズなのでおすすめ。 -
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衝撃の終末を迎えた第3シリーズの続編、デッドプール第4シリーズの第1巻。
ネタバレにはなるが、第3シリーズの結末はクロスオーバーの関連なので、そのイベント終了後、再び第3シリーズで出てきたキャラや設定に関わる話を続けてくれる様子であることをはじめに知っておきたい。まだ消化されていない話があったので、素直にうれしい。
デッドプールを取り巻く環境はかなり大きく状況が変化しているので、少々ついていきにくいのだが、デッドプールに扮させた傭兵集団のおかげで絵面的に派手な感じや、アベンジャーズ入りしたことから他メンバーが絡んだりと1巻からとても読みごたえがあった。この巻だけでそれなりに話にまとまりがあるの -
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デッドプール第3シリーズ最終巻。「家族」をテーマにしたこのシリーズで起きた様々な事件を経て感じたことを活かし、デッドプールが自分についての理解を深めていく流れは非常にきれいにハマっている。最終話付近の敵はそれほど盛り上がる相手ではないものの、しっかり前の要素を使っている上にデッドプールのイカれた傭兵らしい活躍を見せるのに適した相手で良かった。
クロスオーバーに巻き込まれてとんでもない結末を迎えはするのは残念だが、そこはマーベルコミックスの常だ。今後のシリーズでこの第3シリーズで熱かった要素が上手く使われると良いなぁ、と期待しつつ読み終える。
なお、サブキャラを深める話やインフィニティ・ガントレ -
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「デッドプールが結婚!」という煽りかつギネスにも認定された膨大なキャラクターが祝福する表紙が目立つ第5巻。
結婚という大きなイベントに際して様々なキャラクターが本編中でもこまごまと描かれ、またこれまでデッドプールを担当した作家が寄稿する短編集的な話もあり、なんとも特別号な感じ。短編集てきな話はデッドプールの幅の広さを堪能することができるので、デッドプールに入門するならぜひ。
他の収録作品もアニュアル号である二重人格設定に大きくかかわる謎が明らかにされる話や、ヒトラーの客演回(!)までバラエティに富む。そしてこれらの話は独立して読むことができる。結婚自体はもちろん今までの流れあっての展開では -
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デッドプールの人生に大きくかかわっていた組織の陰謀を暴く第3巻。こんなにシビアな話が待っているとは思いもよらなかったが、これがまたデッドプールに良く似合う。コミカルな印象の強いキャラだが、悲壮感を出せばその雰囲気にも完璧にマッチするのだということが改めてよく分かった。
作中の雰囲気すべてが暗く、重く演出されていて、デッドプールの心情に非常に共感してしまう。
それでいて熱いチームアップも忘れない。この一冊を読むだけでも損はしないだろうし、これまでのデッドプールを知っていればいるほど、ギャップに驚いたり、かつての展開を織り込んで作っているところに感服する。 -
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スパイダーマンとデッドプールのチームアップ作品。以前発売された共演した作品のまとめとは違い、このタイトルで連載されていたということもあり、非常に丁寧に作られている印象を受ける。軽妙なノリで応酬する二人の掛け合いが面白いのは変わらないが、お互いに対する心理描写がとくにじっくり描かれている面白さが追加されているのだ。
デッドプールの受けている依頼が、スパイダーマンにとって大問題であることが事態をややこしくしており、そのややこしさがデッドプールの一筋縄ではいかない心理とうまくマッチしているため、この巻の展開すべてが非常に面白かった。
その依頼がこの巻の最後で終わってしまうので、ここから先の展開は別の -
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「アメイジング・スパイダーマン」シリーズで映画においても再現されたスパイダーマンの歴史の中でも大きなイベントであるステイシー父娘の死にまつわるエピソードを収録した一冊。かつての著者たちが載せたコメントにもある通り、その後のコミックの展開を変えたのかもしれない重大な事件がしっかり読めるのはとてもうれしい。他のスパイダーマン関連作の解説の中に必ず顔を出すほどのエピソードなので、ぜひ一読しておくべきだろう。
ピーターの等身大のヒーロー像に、我々は共感して読み進めてしまうので、グウェンの死に対してもそのように受け止めなければならない。そして直接の死因がよくわからないとしたら…。一人の人間の死の影響につ -
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X-MEN初期メンバーが日常的に出会う事件を描いたような一冊。一話完結の構成で、ヴィランとの戦いよりも5人の会話を描くような話が多い。まじめに進行しているのだがどこか緩い雰囲気で、とても和む。明るいX-MENが読みたければこの一冊、と言っていいだろう。何せ、スコットすら他の作品に比べて軽い。
ハンク以外の4人は現代の若者らしさが強調されているような印象で共感を覚えやすいだろうし、有名キャラのゲスト参加の話なども収録されているので、初めての人でも読みやすいと思える。個人的に、ブラザーフッド解散後のスカーレットウィッチとクイックシルバーとの交流の話が特に他作品ではあまり見られない絡みでとても和ん -
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お馴染みデッドプールが凶悪殺人鬼にしてモンスターのカーネイジと戦う、というタイトルの通りのシンプルな二人の戦いを描く作品。
強力な再生能力持ちかつ二人ともためらわない性格があることから、苦手な人にはきつめの描写も多いのだが、そこはデッドプール。体がどんな状態になっていてもコミカルな発言を忘れないので、作品全体の雰囲気としては割と軽くなっているのでバランスはとれているのではないだろうか。
それでいて、ストーリー的にも「狂気」をキーワードにしっかり二人のやり取りをつなげていて、どんな結末にするのか楽しみながら読めたのがすごいところ。カーネイジと行動をともにする女性の存在も合わせて、実に面白い落 -
ダン・スロット / マーク・グッゲンハイム / ボブ・ゲイル / ゼブ・ウェルズ / フィル・ヒメネス / スティーブ・マクニーブン / グレッグ・ランド / フィル・ウィンスレード / マイク・デオダート / サルバドール・ラロッカ / 高木亮4.0 (2)
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「ワン・モア・デイ」事件を経て設定の多くにリセットがかかったスパイダーマンの新章開始。
全体的に激しいストーリーではないものの、作中でピーター本人も自認する「不幸に次ぐ不幸の連続」が初登場となるヴィランやらヒロインやらを紹介しつつどんどん起こっていく。何も悪いことをしていないのにどんどん状況が悪化していく様はとても切なくなるほど。
それでいてスパイダーマンらしい軽口をたたきながら進むために不幸でも重くなりすぎずに読めるのが魅力だろう。
序章としての意味合いの方が強いのでこの巻だけでは評価しにくいのだがそれでも面白く感じるので次巻移行への期待は増す。
本当にネガカラーで描かれる新ヴィラン