【感想・ネタバレ】スパイダーマン:ブルーのレビュー

あらすじ

この時のスパイダーマンはまだ知らない。愛する女性との夢のような日々が、やがて悪夢へと変わることを……。

”残りの人生を一緒に過ごそうと思っていた大切な女性を思い出すために”――決して忘れることなどできない女性、もう二度と取り戻せない愛の日々……。恋人のグウェンと一緒に過ごせる時間がどれほど短いものになるか、ピーターはやがて訪れる悲劇を知る由もない。これは、ささやかな喜びを手にしようとしていた頃を描いた二人の愛の物語、いや、非情にも失われた愛の物語を綴った物語である。スパイダーマンの人生は苦難の連続であり、それは冒険に満ちた本書においても例外ではない。グリーン・ゴブリン、ライノ、二人のバルチャー、それらすべてを裏から操る謎の怪人……憧れの女性を手に入れるためには、次々と襲い来る敵を倒さねばならない。そして、後年、ピーターの妻となるもう一人のヒロイン、メリー・ジェーン・ワトソンも物語に華を添える。

『スーパーマン・フォー・オール・シーズン』『バットマン:ロング・ハロウィーン』などの名作を手掛けたアイズナー賞受賞作家コンビが、スパイダーマンの青春時代を新たな視点で語り直した話題作。ティム・セイルによるオリジナル・スケッチに加え、スパイダーマンの伝説的なアーティストであり、メリー・ジェーン・ワトソンを初めて描いたジョン・ロミータ・シニアの序文も収録。

●収録作品●
『SPIDER-MAN BLUE』#1-6
©2021 MARVEL

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

メリージェーンとグウェンの間で揺れ動くピーターの心境を描いた10年前の作品。

実際には50年近く前に連載されていたスパイダーマンシリーズのリメイクなのだが、本作はピーターが亡くなってしまったグウェンに対して(テープレコーダーで)話しかける構成で物語が進む。

ひたすらセンチメンタルで詩的なピーターのモノローグと後の結末を知ってしまった上で読んでいる読者の心境が自然と重なり、読み進めるとひたすら悲しさが溢れてしまう。

現在映像化されてる作品のピーターは演者ゆえかどうにもチャラさが抜けないが、やはりピーター・パーカーはこうあるべきだよな‼︎ と感じさせてくれる一冊。
続きものじゃないので映画しか見てない人にもおすすめ。

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2014年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホークアイシリーズを読み終えて、マーベル・スパイダーマン初心者も楽しめて満足度が高いとのことで手に取った1冊。

物語はスパイダーマン:ピーター・パーカーによる回顧録。
ピーター・パーカーがグウェン・ステイシーと出会い、愛し、失うまでを記録する物語。
キャラクターの初期の物語を再解釈・再構築したものとのこと。

読後の素直な印象としては「切ない。」に尽きます。
本書のコピーにもある通り、まさに「過ぎ去りし青春物語」でした。

クラシカルなアートとシナリオが折り重なってどのページ、どのコマにも常にノスタルジーが漂い、愉快なシーンであるはずなのにどこか物悲しさが漂っていて惹きつけられました。
グウェンに関してはマーク・ウェブのアメイジング・スパイダーマンで彼女の行く末を一応は知っていたのですが、コミック内で「死が明確に描かれない」ことにより、より一層悲しみが襲ってきます。

友情、恋愛、青春時代の全てが「スパイダーマン」でいることと同居しているピーター・パーカーの「大いなる力には大いなる責任が伴う」の言葉でいうところの「大いなる責任」が前面に出されています。

「スパイダーマン・ブルー」のブルーは劇中ではブルーな気持ち。と表現されますが、僕は「青臭く過ぎ去った青春」という言葉を添えたいと思います。

初心者向けと謳いながら、「かつて起きた出来事」を知っている前提で話が進むのと、派手なシーンも派手に見えず、絶えずピーター・パーカーの内側にフォーカスを当てた本作は初心者向けにしては難解な気もします。
ただ、キャラクターのオリジン、その理解といったものに関してはとてもわかりやすいので、作風が好みとあっていればさえすれば、僕含め初心者も楽しめると思います。

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2017年08月15日

匿名

購入済み

「デアデビル:イエロー」と同じく失った愛した人との思い出を回想ベースで進めていくストーリーでノスタルジーを感じるいい作品だった。
今現在愛する存在のMJがいることで、デアデビルと違った味わいがあるのも良かった。

#切ない #感動する #エモい

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2025年04月01日

Posted by ブクログ

かつての痛快活劇を、うまくいかない事だらけのピーターの文字通り「一人称」視点から再構成したちょっと懐古的な掌編。苦労ばかりの日々に「あの表紙」でフラッシュを救い彼も変わる展開が鮮やかな脚色。最後のMJの言葉も涙もの。カラリストが違うとT.セイルの過去の邦訳作と比べちゃうなあ。

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2014年10月09日

Posted by ブクログ

 ピーターがグウェンとMJの間で揺れ動いていたころの話が、ピーター自身のグウェンに対する追悼としての回想という形式で描かれているリメイク的な作品。そのため、この作品単体で楽しむことは出来、1つのテーマでしっかり構成されているのでまとまり良く読むことが出来る。

 ただし、構成上あえて省いているのか、挟まっている旧作の説明を読まなければわからない部分もあるのがこの作品単体で読む読者には辛い。また、多くのヴィランとの戦いを取り入れているのが素晴らしいのだが、1人あたりの扱う時間が短いこともあり、少し物足りない印象もあるかもしれない。どちらかと言えば、旧作を読んでいて思い入れのある人の方が楽しめる作品であると感じた。読んでからもう一度読むと思いが変わるかもしれない。

本編以外の見所として、巻末に書かれている通り、スパイダーマンを主体にしない扉絵はその回の話の内容とも合い見応えがある。

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2014年08月12日

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