真鍋昌平のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
もちろん、九条という悪徳弁護士(積極的にではないが、ヤクザ屋さんの常連御用達)の警察と司法の精神を出し抜く為事振りを描いていくのだが。日本國憲法九条の「こちらが善良なら、隣人も暴力を向けてこない(はず)」という全人類性善説を揶揄したネーミングのようにも思う。
冒頭は、「酔っ払い運転、スマホ脇見で、男児を乗せた二人乗り自転車を轢き逃げ」した組員を親分の依頼でアクロバティック弁護。
「アルコールが抜けてから『動転していたが思い直して出頭した』と私と警察に行けば、自首扱いになります」「スマホは捨ててください、ゲーム履歴が証拠になります」「被害者が死んでいた方がいいんです、証言が取れない」
…被害者である父親(即死?)に心臓病の持病があったことを突き止め、「転倒していたところ乗り上げた死後轢断の可能性がある」と傷害致死が実刑を免れた。
「子供は?」「左脚轢断」…
「一千万とは安く示談したな」遺族の無知につけこんで。「慰謝料、遺失利益で五千万以上はかたいところだ」
「被害者の弁護は儲からない。
弁護士は善悪ではなく、依頼者の利益のため動く」 -
Posted by ブクログ
この巻では、伏見組の出雲が京極の弟分として出所してくる場面から物語が始まる。出雲は、京極を陥れた人物を追っている。京極は第9巻で逮捕されており、その際には九条弁護士や壬生も共に逮捕された。しかし、壬生は伏見組の弾薬庫を警察に届け出ていたため、九条弁護士とともに早期に釈放されたのである。
出雲は、京極に敵対する三人の人物を殺害し、ペット火葬車を用いて彼らの遺体を灰にし、海に捨てるという行動も描かれる。この任務は、伏見組の久我、百井、曽我部に委ねられる。
出雲は、宇治と会う。出雲は、兄貴分よりも良い車や時計を持つことは望ましくないと告げると、宇治はそれらを差し上げると返答する。出雲は、京極の兄貴に贈り物をしたいと考え、本に関する相談もする。宇治は、司馬遼太郎や菊池寛といった歴史物の本や、『ハンター×ハンター』のような作品を提案する。
刑務所にいる京極の目は、人を殺めた者の目と類似しており、まるでビー玉のように透き通っていて、焦点が合っているのか合っていないのか判別しづらいと表現されている。
出雲は九条弁護士に会いに行き、伏見組の武器庫を警察に密告した壬生の手際の良さを問題視している。
また、百井は薬を販売して月に500万円の収入を得ており、曽我部に対して教育を施している。百井はビジョンボードを作成し、成功者はポジティブ志向であるのに対し、敗者は常に何かに怯えていると語る。佐々木求馬は、久我の車にトラブルを起こし、久我から300万円を請求される。求馬はその金額を百井に頼む。さらに、曽我部は中川さんのもとに入り込み、中川さんは風俗で一日7万円稼ぎ、それを全て求めに貢いだという。
久我は壬生の自動車整備工場を利用しているが、その工場の管理人は九条弁護士である。求馬は曽我部に対して上納金の支払いを命じ、曽我部は困惑を抱いている。
全体として、登場人物の人物像や関係性が複雑であり、多くのキャラクターの絵が似通っているため、注意深く漫画を読む必要がある。登場人物の関係性や役割を把握しづらい部分が散見されるため、集中力を持って読むことが求められる。 -
Posted by ブクログ
全巻通しての感想
星4.5
『身の丈に合った生活を』
全46巻と非常に長いが数話区切りで様々な債務者たちの物語を描く形式なので読みやすい。
自堕落なものから恵まれない環境のものまで様々な債務者の人生をリアルに描いており見応えがある。
自分に当てはまりそうなこともあれば、今は関係なくても今後なりうる可能性のあること、今まで触れてきた人の中でもしかしたらこんな事情があったのではないかと考えられるようなことばかりでハッとさせられるし、教訓になる。
基本は債務者の話メインで進んで行くが、ところどころで丑嶋周りの闇金になった人物の掘り下げがあるのもアクセントになっているし、物語に深みを持たせており良いポイント。
終盤はヤクザものの展開になりそれまでもウシジマくんとは少し毛色が違う、かつ長いので少し好みは分かれる展開ではあるが、うまくまとめたと思う。
ラストはかなり呆気ない終わり方だが、物語全体を通したテーマとして「身の丈に合った生活」や「因果応報」があったので、それが見事に体現されたラストだったかと思う。
どれかしら刺さるストーリーはあるかと思うので、どんな人にでもオススメできる人生のバイブル的作品。