山田太一のレビュー一覧
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戦時中の日本にタイムスリップって言うから「ブラックアウト」の日本版?昭和56年にこんな作品があったの?と思いながら読んでみたら視点が全く違いました。
何と言うか終戦記念日前後に放送される特番ドラマの様。
主人公は昭和9年生まれで現在(昭和56年)には47歳、戦時中の記憶は幼いながらも残っている、それが戦後生まれの妻も含めて家族4人でタイムスリップ。生活環境が激変、主人公は覚えている限りの知識で家族をこの時代に馴染ませようとするが家族は徐々に崩壊していく。
東京大空襲の日付を知っている主人公は一人でも助けようと孤軍奮闘するが(ビラを撒き駅前で叫ぶ!)通行人にボコボコにされてしまう。
それを妻も子 -
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初山田太一作品です。これまで、ドラマも見たことがありませんでした。今回、『本の窓』で紹介されていたので読んでみました。
解説が、角田光代さんだったので、先にそっちから読んでしまい後悔しています。セリフが多くて、口調が似ているので、適当に読んでいると、誰が話しているのか分らないことがありました。そのため、同じところを何回も読み直します。
途中で、私の田舎である、鯖江が出てきたのには驚きました。さらに続けて、私の祖父が行っていた、鯖江36連隊も登場。勇猛で鳴らした連隊、と祖父の昔話と同じようなことが書かれていて、なんだか、ほっこりしました。
この点だけで、いっぺんに山田太一さんが好きになり -
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夫婦のこと、育児のことで肩に力が入りすぎないように、折に触れ読み返して思い出したい話がたくさん。
「(定年後の夫婦が)無理して一緒に何かしなくてもいい」山田
「(夫婦間に)会話がないことを一概にいけないとは言えません」小此木
「結婚してからいろいろあったけど、最期まで一緒にいてよかったという夫婦の方が多いのではないでしょうか。」
「今は夫婦の悪い面ばかり取り上げられていますけど、夫婦が長く一緒にいることのポジティブな意味が、もっと主張されてもいいのではないでしょうか」山田
「だんだん年をとってきて、自分の外見的な魅力が衰えたとき、夫婦のような、不合理といえば不合理な、鎖みたいなものがあ -
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ネタバレ久々に山田太一を読んだ。
やっぱり、映像が浮かんでくるその構成力と、淡々とした冷めた語り口が、独特の世界感を生み出している。
いつのまにか山田太一の指揮で踊っているような。
空也像は好きで六波羅蜜寺まで見に行ったけど、下からは見たことがない。
でもその眼力はすごかった。さすが運慶の4男康勝作。鎌倉中期作のこの像は、慶派に代表される、くりぬいた部分に水晶を嵌め込む「玉眼」という手法が使われている。どこまでも見通す目は確かに平伏してしまうような凄みがある。空也の修行でやせ細った身体、少し乱れた法衣、その口から魂の叫ぶのように出てくる六仏。
恐らく山田太一はこの像を見てこれだけの話のプロットがまざ -
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110422byNHK review
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六波羅蜜寺 空也上人目が光る 63 ←行こ
『異人たちとの夏』 158
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・・・悪いと思ったら、まだ生きているお年寄りにやさしくすればいい・・・ 77
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山田太一の19年ぶりの書き下ろし力作小説。特養ホームで老婆を死なせてしまった27歳のヘルパー草介は、女性ケアマネの重光さんの紹介で、81歳の老人の在宅介護を引き受ける。介護する側の疲労、介護される側のいたわり。ヘルパーと老人とケアマネの風変わりな恋がはじまる。彼らはどこまで歩いていくのか。そして、心の痛みを抱える人々と一緒に歩いてくれる空也上人とは?重くて爽やかな衝撃作。
ヘルパー -
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ネタバレ山田太一の描く大人の御伽話。誰もが心に持つ「抜けずにいる小さな針先」のような罪と赦し、高齢化社会における尊厳死のあり方、介護の現場の厳しさ、40半ばの女性と20代の若者との恋愛。こんな都合のいい筋書きは現実にはないだろうと思いつつ、最後に救いのある話だった。
人は幾つになっても恋をするし、恋をするとその人の幸せを願うものなんだな。
「サバサバしていて色っぽいのはせいぜい十代の終わりくらいまでで、四十代のサバサバは、ただしらじらとしているだけと思うけど、八十代から見ると、自分の齢の半分くらいなのだから随分若く感じるのかもしれなかった。」イタい言葉だ。
来年は、京都に行ったら、六波羅蜜寺の空也上