山田太一のレビュー一覧

  • 空也上人がいた

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    妻に死なれた孤独な老人、独り身の中年の女、分け合って仕事を辞めた若者の男。
    老人の性、嫉妬、死といろいろ考えさせられて、何だか生きたくなるかもしれないぐらいのパワーがある

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    2015年09月20日
  • 空也上人がいた

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    「ただ空也上人に会わせたいと思った。なにもかも承知で、しかし、ただ黙って、同じようにへこたれて歩いてくれる人に会わせたいと思った。」

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    2014年07月05日
  • 終りに見た街

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    この評価ですが。
    正直に、面白いというより興味といったらわからないですが
    戦時中の市民の生活はどうなのだろうと...
    TVやドラマでは何となくみていたが。
    戦後の家族が、戦時中にタイムスリップ?して
    生活を始めるのだが...
    淡々と読んでいき、淡々と親と子供の心理の変化は、考えずに入られなかった。特に子供達の心の変化は...心苦しい。

    最後の解説には、巧くこの本の意義を表していて脱帽。
    そして、世界的に平和な日本に感謝。

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    2014年05月29日
  • 冬の蜃気楼

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    ネタバレ

    石田の若々しいチンケなプライドも、羽柴の中年臭い無駄な見栄も、
    どっちも痛々しいんですけど、分かってしまう部分がありますよね。
    自分にもこういう節はあったよなぁ、あるんだろうなぁって。
    結局は防衛本能ですからね。自分の価値を守りたいと思う心を、客観的に見せつけられたような感じでした。

    各々の記憶について、結局答えは分かりません。
    それぞれ勝手に都合よく改ざんして、それを事実と信じ込んでいるんでしょうけど
    やっぱりそれを責める気持ちにもなれないと言うか。
    皆生きるのに必死な訳で、自分が最も安らげる落としどころを無意識に求めてしまうのは性のようなもんなんでしょうね。
    まぁ俯瞰的に見れば、ですけど。
    自分は自分が正しいと思うもんですし、いざこういう状況に対面した時に
    自分はどこまで割り切れるのか。それもまた怖いな。

    瑠美の幼さもまたリアルで。
    33年後に石田を『初恋の人だった』と称しているのに嘘はないように感じるんです。
    お互いを美化した結果、「そうだったんだろうな」って。
    でもそうなると、石田を想っていた期間が物凄く短いんですよね。
    ちょっと距離ができた隙?に正太といい感じになっちゃってるんですもんね。
    17歳のリアルさですね。まぁこれも本編(石田の記憶)がどこまで真実なのか分からないってのもありますが。

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    2014年04月22日
  • 終りに見た街

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    ネタバレ

    容赦ないですね。
    いや、『戦争中にタイムスリップした』物語とは言え、
    どこかで何となくな平和的オチを期待してしまっていたんだと思います。
    それこそ悲惨さを舐めている平和ボケだったのかもしれませんけど。どーせ小説だし・・・ってね。
    まぁとは言え爆撃された未来が終幕になると予想できた人は少なかったんじゃなかろうかと思いますが。

    うーん・・・面白かったんですけどね。
    メッセージ性がそもそも重い題材に加え、ラストがまさかの結末である事から
    どう受け止めていいのか自分の中でも理解できていない感じかな。今は。

    ちょっと疑問点は残りますけどね。クリーニング屋の兄ちゃんっぽい将官とかさ。
    あの人も歴史を跨いでしまって、新也君のように良くも悪くも順応したって事・・・
    だとしても将官まで出世しているのには違和感があるし。
    あ、現世は現世で生きつつ、もっと昔から過去でも生きていたと捉えると何とかなるかもしれませんね。

    こういうSF的な要素と、平和ボケに対する題材的な警告がどう噛み合うのか、そこら辺に理解が及ばないですね。

    主人公夫妻と敏夫の行動については、自分はちょっと同意できない。あくまでも性格の部分にもよるかもしれないけどね。
    戦争を知っているからこそ少しでも被害を減らそうとするか、
    知っているからこそ自分達だけでも必死に生き延びようとするか。
    自分だったら間違いなく後者だと思うんですよね。
    守るべき子供達も居るなら、尚更。
    とにもかくにも目立つ事を避け続けるんじゃないかな、と。

    逃げた先に何があるかは分からないですけど、
    一度飛んだって事は戻る可能性だって頭にない訳ではないでしょうから。

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    2014年04月16日
  • 終りに見た街

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    ネタバレ注意

    今まで読んだ戦争モノは過去の戦争の恐怖を伝えるものだった。この本もそうだと思って読んでいたらまさかの衝撃のラスト。
    9条の改憲などが議論されている今の日本に必要な本だと思った。
    特に改憲賛成派の人には必ず読んで欲しい。自分たちがやろうとしていることがどういう結末を導くのか、よく分かると思う。

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    2013年07月11日
  • 飛ぶ夢をしばらく見ない

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    淫らで美しく残酷な物語でした。荒唐無稽なスートーリーであるにもかかわらず、歳を重ねることの寂しさ、時の流れの容赦のなさ、二人でいることの、二人でいるからこそなお身に沁みる孤独感、生きることの空しさ、悲痛、寂寥感などがリアルに描かれていました。
    ちなみにタイトルは、吉原幸子さんの〝ゆめ〟という詩から引用されたもののようです。

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    2013年06月26日
  • 飛ぶ夢をしばらく見ない

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    女性側が年老いた老婆から、若返っていくという恋愛を主軸においた物語である。ストーリー自体は意外な方には進んでいかないが、恋人間の会話で多くを語りすぎない朴訥とした味わいが本作の魅力の一つである。

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    2014年04月18日
  • 冬の蜃気楼

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    周囲の人の視線、考え方と自身のそれらとのギャップを感じることってありますね。優越、劣等どちらがどちらかわからないこと、それでいて自分の内ではきちんと合理化してしまう一人よがり。思い当たるところです。

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    2013年04月25日
  • 空也上人がいた

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    何だか最後のおじいちゃんにショック・・・
    そこがなければ良かったのになぁ~
    一瞬で読み終わります

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    2011年11月25日
  • 空也上人がいた

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    口調などがいかにも山田太一さん、という1冊。
    何が書きたいのかちょっとわからないな・・・自分の力量不足か?と思いながら読み進め、ラストでわかったようなわからないような?

    まだまだ小説(脚本でなく)を書いて欲しいと思う。

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    2011年10月06日
  • 空也上人がいた

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    「事故」を起こして勤務先を辞めた介護士の青年草介は、ケアマネージャーの重光さんの紹介で独居老人で80代の吉崎さんの世話を始める。
    吉崎さんの指示で京都の六波羅蜜寺へ行った草介は空也上人像を見上げて、「事故」ではなく、自分がキレて車いすから放り出した認知症の老女の目を思い出し衝撃を受ける。吉岡さんはかつて自分のせいで交通事故死した一家のこと、空也上人像を見て赦されたのではないが一緒に歩いてくれると感じた経験を語る。
    吉岡さんは40代で独身の重光さんに恋し、重光さんが草介を密かに意識していることを感じ取って、草介を自分の代理のようにして、重光さんと結婚させようとしたり、自分の目の前でセックスさせようとするが、重光さんに拒絶され、覚悟の上で介護なしで風呂に入って溺死する。
    身寄りのない吉崎さんの葬儀を終えた夜、ふたりは吉崎さんの棺の前で結ばれる。

    自分の親が介護が必要になり、介護施設の人と接点ができたので、介護に携わる人たちの「思い」を読むことができた。

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    2011年07月20日
  • 空也上人がいた

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    山田太一さんの小説ははじめて読んだ。小説というには物足りない気がする(行間を味わうのかなあ……? 私が味わいきれていないのだろうなあ)
    でも、ひっかかりのある会話のやり取りはさすがという感じで、映像が思い浮かぶ。山田太一さんのドラマの空気があって、やっぱり小説で読むより映像で観たい気がする。弱っているときに読むには重すぎて、ちょっと読み続けるのが辛かった。

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    2011年06月09日
  • 空也上人がいた

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    ベテランの筆。口から「南無阿弥陀仏」の言葉が小さな仏となって出ている空也上人の像は一度見たら忘れられない。
    老健施設の元職員だった青年と40歳代のケアマネが、在宅介護を依頼した老人を介在として温かい交流が芽生える・・という話。
    年齢についての社会の概念、そんなものハズセヨってメッセージは、スナオに腑に落ちる。

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    2011年05月19日