【感想・ネタバレ】飛ぶ夢をしばらく見ないのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

超常現象もの・・・と読むのがスムーズなのかな。
もしくは主人公の空想世界での出来事か。
の割に何かすごくリアリティがあったんですよね。
起こっている結果は説明つかないんだけど、結果に辿り着くまでの過程、結果から生まれる道程、
それぞれが緻密に繊細に描かれていて、何ら不思議じゃないような気がしてしまう

女を嫌悪しつつも睦子を求めてしまう田浦の心境も、
仕事も家族もどうでもいい、どうでも良くないんだけどどうでもいい、みたいな厭世観も。
自分のすぐ隣にあるもののような気がしましたね。

睦子が時たま表す理不尽さも、理解する必要すらないような。
こんな状況で安定している方がよっぽど気持ち悪いですからね。
『こういうもの』としてそのまま受け止めるべきもののような。素材をそのまま食べているような感覚。

田浦にとって睦子は、世間に対する不安を関係ないものと割り切らせてくれる一方、
男冥利に尽きる新しい心配を寄越してくれる存在、
そんな感じだったんでしょうな。

ラストも綺麗でした。度々詩が引用されるように、1編の詩を読み終わった気分。

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2014年04月14日

Posted by ブクログ

未来に向かう男と過去に向かう女の話。
彼らが生きる時間軸は正反対の方向に進んでいるから、彼らはその交点でしか重なりあうことはできなくて、すれ違い、離れていくことしかできなかったのだなと、人ごみに消えていく睦子を見送りながら思いました。

刹那い。

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2013年06月03日

Posted by ブクログ

淫らで美しく残酷な物語でした。荒唐無稽なスートーリーであるにもかかわらず、歳を重ねることの寂しさ、時の流れの容赦のなさ、二人でいることの、二人でいるからこそなお身に沁みる孤独感、生きることの空しさ、悲痛、寂寥感などがリアルに描かれていました。
ちなみにタイトルは、吉原幸子さんの〝ゆめ〟という詩から引用されたもののようです。

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2013年06月26日

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