原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
決して引き返せない不可逆的な変化により日常が侵食されていく恐怖。ページをめくるたびに積み重なる、後戻りできない絶望感と、人間 vs 怪奇現象という対立構造の中、人間の無力さを容赦なく突きつける作品だった。
物語の起点は、第二次大戦で戦死した祖父の兄・貞市の記録の発見にある。その古びた軍記がほどかれた瞬間から、日常の歯車が狂い始め、読者は得体の知れない奇妙な世界へと引きずり込まれる。
作中で主人公の夢に現れる、人を喰らうヒクイドリのグロテスクな描写は、単なる悪夢にとどまらない。現実世界で次々と発生する超常的な現象や、狂気へと呑み込まれていく世界のメタファーとして見事に機能している。
人間が -
Posted by ブクログ
身近に潜む闇を扱ったモキュメンタリーホラー。
本当によく出来た構成だと思った。
なぜこの作品を書くことになったかの経緯から始まり、ひとつの短編ごとに編集部とのやり取りを挟む形式で進む。
完全にフィクションの作品としてのホラーを内包するように、モキュメンタリー的なホラーも体感できる。
こんな贅沢なホラー体験は他にないと思う。
段々と雲行きが怪しくなる編集部の人たち。
それぞれの短編も完成度が高い。
特に一風変わった形式で書かれた『「籠の中」執筆に関わる一連の出来事』を読んだあとは、エレベーターが怖くなる。
どのホラーにも共通することかもしれないが、「気づくこと」がきっかけとなることが多い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昔、キャンプ場で集団生き埋め事件が起こる。奇怪なことに、自らが掘った穴に自ら生き埋めになったという。
今はダムの底に沈むその場所が、記録的な渇水により徐々に姿を現していく。
過去の事件を書籍化するため、フリーライターの指谷は、事件で生き残った人物や関係者にインタビューを行い、ダムの干上がる様子を観察する。
そこで聞かされる「比丘尼の呪い」と「蜘蛛の年」。
取材中、指谷の周りで不穏な死が続けざまに起こる。そんな時、大学時代の後輩である北斗総一郎が接触してくる。
ダムが干上がるほどの暑い夏。でも、一つもカラッとしていない。ただただ、ジメジメと不快。そして、蜘蛛蜘蛛蜘蛛、、、。
脅されたわけではな