原浩のレビュー一覧

  • 火喰鳥を、喰う

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    緩やかにそして確実に怪異が日常的に侵蝕してくる前半は大傑作!と言う感じだったのだが、後半……そう、ポッと出のキーパーソンが現れてから高揚感は急激に失速していった。様々な可能性(怪異を引き起こした人物)について考えながら読んでいたのだが、うーん……この……物語の構造は面白いのだが、なんかこう結末まで読んでも釈然としない点が多い。
    登場人物の一人称や敬称に「ん???」と思う点があり、多分そうなるのは計算づくで伏線というかヒントなんだろう。
    モノローグパート着目してみると、まず冒頭から「さてこれはいったい誰なんやろか?」てなるんやけど、コミカライズはともかく映画はこれどう処理したんやろか。

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    2025年11月20日
  • 身から出た闇

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    編集者との打合せやメールのやり取りを挟みながら、進んでいく。
    そして、だんだん関わる編集者が退職や休職に追い込まれていく。

    編集者からの提案により、最近のアプリに似たような話などを書いていく。最後の話がおもしろかった。まさかの言葉でこんなに怖く感じることになるとは…。

    籠の中の執筆中に編集者がおかしくなっていくのも、気味が悪かった。

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    2025年11月09日
  • 身から出た闇

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    ホラー小説界隈では今や言わずもがなのメインストリーム、読むと祟るモキュメンタリー小説。

    当然の類似点に、各作家さん工夫を凝らし差別化に余念が無いのは分かるけれど、読んだ人を怖がらせるというホラーの肝となるべき箇所(ゴール)が予め分かっている以上、その恐怖たるや限定的にならざる得ない。

    個人的に2025夏、幾つか読み終えたこのカテゴリーの作品の中、おっ!と思えたのは現段階で2作。
    丁寧に描かれているとは感じたのだが、今作はその二つに入っていない。

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    2025年11月04日
  • 火喰鳥を、喰う

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    ネタバレ

    夢なのか現実なのか境目がよくわからなくなった。雄司と保の存在する世界、千弥子と貞市の存在する世界。2つの世界が浸食しあい、結局は北斗総一郎の願った現実に書き換えられてしまう。貞市の手帳に込められた思念と北斗の執念がこの有り得ない現象を起こしてしまった。
    「ヒクイドリヲクウ ヤムヲエズ」こわーい!!

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    2025年11月03日
  • 火喰鳥を、喰う

    ネタバレ 購入済み

    不穏な空気が終始漂ってます。怖いとはまた違うんです。夢のシーンが多い。私にはよく分からなかったなぁ。

    #ダーク

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    2025年10月29日
  • 火喰鳥を、喰う

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    映画をみてから原作を読んでみた

    うーん、確かにこれを読んでしまうと、なんとなく映画が今ひとつに思えてしまうかも。
    映画は、あれはあれで好きだったんだけど、ほとんど原作準拠な割に、ここを削ってしまったのか、みたいなものもちらほら感じてしまって、
    原作を読んでから映画の流れだと、少し物足りなくなるのはわかる気がしたかも。

    だけど、映画はなんていうか、言い方わるいかもだけど、ちょっと笑えるというか、なんだこれ的な突拍子もないような感じが面白くはあったので、、
    こちらはけっこうしっかりした小説なので、あれはあれでいい映像化なのだと思えるような気もするし、
    うーん、って感じ

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    2025年10月27日
  • 身から出た闇

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    派手さはないけれど生活の中にするりと恐怖が侵食してくる系統と話が多い短編集。
    最後の話が一番身近なものに感じつつオチが弱いかなと思いきやそこから更にもう一捻りしてきて楽しめた。
    著者と編集のやりとりというメタな要素を使って短編とは別のホラー要素を盛り込んだ構成も面白かった。

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    2025年10月26日
  • 火喰鳥を、喰う

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    【短評】
    「第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞」を受賞した原浩のデビュー作。
    私の読書史上に残る最悪な読後感を齎した作品である。世界がぐにゃりと歪むような独特の瘴気を纏った濃密な筆致は大変に好みだったが、物語の着地点が大変に好みではなく、斯様な評価と相成った。

    信州に暮らす久喜雄司(くきゆうじ)の元に、太平洋戦争の南方戦線で戦死した大叔父・貞市(さだいち)が遺した日記が届けられる。日記に綴られていたのは、熱病と飢餓における喘ぎと強烈な「生」への執着、そして火喰鳥を喰うことに対する異常な関心であった。日記が放つ瘴気に気圧されるなか、最終頁に足される「ヒクイドリヲ クウ ビミ ナリ」の

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    2025年10月24日
  • 火喰鳥を、喰う

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    映画の方でマカロニえんぴつが、と言うことで読んだが、ファンタジー?オカルト?要素が強くミステリーよりはホラー寄りなのかなと感じた。
    多くの現象で描写、説明が足りず理解が及ばない点が多くあった。曖昧な表現等によりどこか世界観自体を掴みきれないのは考察の余地、解釈の幅を持たせてくれているのかもしれないが、自分の読解力では及ばなかった。
    テンポが良く、非常に読みやすかったが、自分としては一つ一つのロジックを丁寧に描写している方が作品としては好みだと感じた。それでも、十分面白い作品で怖いながらもサクサクと読めてしまう良作だった。

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    2025年10月23日
  • 火喰鳥を、喰う

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    ネタバレ

    いいタイトルだと思うし、作中、手帳に浮かび上がる「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」はすごく印象的なパワーワードでワクワク感があった。
    だけど、なんでヒクイドリ?と、途中でモヤモヤしだす。獲物として追い掛けて何度も失敗して…というくだりはあったけど、それならイノシシでもいいわけで。与沢さんが鳥人間になるシーンも、迫力あるゆえに、そのモヤモヤがより強くなって集中力が切れてしまった。
    ヒクイドリでなければならなかった理由…もう一度読み返す力がないので、どなたか教えてくださいm(_ _;)m

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    2025年10月11日
  • 身から出た闇

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    面白かった。モキュメンタリーホラーの体裁をとった今っぽいホラーではありつつも、テーマ性のある怪談話をまとめた短編集でもあるという感じ。著者は決して若い方ではないようで、文体というか書き口も落ち着きがあるし、物語そのものもとっ散らかっていなくてまとまっているから、なんというか信用できる書き手という印象を持ったかも。はじめての1冊だったので、いくつか読んでみたい。どうでもいいけど、ホラー小説の出版社ってきっと怪異に満ちているのだろう、みたいなこと自体は、ちょっと俗っぽい考えというか、言い方わるいけど妙におっさんっぽく思ってしまったかも。でもそれ自体もネタにしているというか、自身の年齢性別とかに言及

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    2025年09月24日
  • 身から出た闇

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    『角川ホラー文庫』
    30年も続く角川ならではのジャンル。

    私も江戸川乱歩や夢野久作の作品は、角川ホラー文庫のものを持っている。

    ホラーというのは、なぜ、求めてしまうんだろうか。

    人によるとは思うが、私にとってのホラーは、切っても離せないようなものである。
    私に霊感があることも理由の一つだが、YouTubeで怪談を聞いてしまったり、不定期的に怖い本を読みたくなったりするのだ。

    純文学作家がたちが何年も前からゾクっとするホラーを書いていること。現在でもホラーを求める人がいること。

    やはり人間はホラーというものから逃れられない。

    ホラーは、時代と共に求められる作風が変わっていく。
    最近で

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    2025年09月21日
  • 身から出た闇

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    現実パートと短編パートが交互に進む。
    短編はフィクション色が強くてホラーとしての怖さは控えめ、でも読みやすく良い表現の多い文章で、丁寧に展開されていて面白かった。…のだが、先が気になるのは現実パートの方なので、短編を読んでいる間はもどかしくて集中できない。そして、気になる現実のオチは…
    いや知らんがな。

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    2025年09月19日
  • 潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    最恐感はないけれどなかなかに楽しめた一冊。展開は828の1、オチはニンゲン柱が結構好き。あとは冬彦ー!とツッコミたくなった

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    2025年09月15日
  • 身から出た闇

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    複数の短編が合わさって、最終的にメタ的な一つの長編になるのは好きなパターンなんだけど、短編ひとつひとつがあまりにベタで少し弱いのが残念。まあ、長編パートのためにあえてのベタなのかも。
    「828の1」はアンソロジーからの再読。再掲か…とガッカリしたけど、読み返すとやはり面白く結果オーライでした。

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    2025年09月13日
  • 身から出た闇

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    編集者たちとやりとりをしながら短編集を作り上げていく。これがこの本。まるで話が現実を侵食していくかのような不気味さが良かった。短編それぞれも怖くて楽しいものが多い。けど無理にモキュメンタリーに作っている感じが出てる気がする。現実の話は無しに短編だけで良かったんじゃないか。

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    2025年08月30日
  • 身から出た闇

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    ホラー短編集。

    作品を書き上げるごとに、担当の編集者さんが体調を崩して休職してしまうという気味の悪さ。

    短編ホラー作品もどれも、怖く、気味が悪い。

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    2025年08月28日
  • 蜘蛛の牢より落つるもの

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    ネタバレ

    粗筋だけで購入したら『火喰鳥を、喰う』の前日譚だと後から知る。
    ただ未読でも特に問題なかった。
    探偵役であり『火喰鳥を、喰う』にも登場の北斗総一郎の出番は作中後半だし、基本的にライターの主人公の視点で進むので、これ単独で読んでも十分に楽しめた。

    過去の事件を調べるうちに関係者も、そして調べ出した側にも死者が出てくる始末。
    ホラー文庫ということもあって、これは本当に祟りか霊的何かと疑心暗鬼になったところで登場の北斗は、ある意味雰囲気ブレイカーというか、逆転の一手になったと思う。
    一度無理と思わせてからの罠張り、どんでん返しは爽快すら覚えた。

    真相が分かってみれば単純で、作中にちゃんと伏線も用

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    2025年08月30日
  • 身から出た闇

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    角川ホラー文庫で角川ホラー文庫の編集さんたちを出す趣向がまず面白い。ひとつひとつの短編も怖いし途中で狂気じみてくるメールの文面もまた怖い。

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    2025年08月23日
  • 潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    思ったより怖くなかったです。
    題材はみなさんバラバラで全く似通っておらず、己のホラーを確立しているのが印象的でした。
    小野不由美先生の『残穢』、あまりにも怖すぎてかつて序盤で読むのをやめました。なので今回はどれほどのものか……と覚悟して挑んだのですが、怖いと言うより不気味でホッしました。
    短編集でこれだけの人数を扱ながらも、読みやすさがまったく損なわれないのはさすがです。

    個人的には澤村伊智先生の疾走感が大好きです。

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    2025年08月13日