原浩のレビュー一覧
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ネタバレなんだかんだで一気に読み切ってしまった。
面白いのか、面白くないのか…その判断がつかない不思議な感覚に包まれた。
物語は、貞市が死んでいる現実の世界線(A)と、貞市が生きている別の世界線(B)が入り混じるような構成になっているように思う。そして、Aの主人公・雄司の妻である夕里子を自分のものにしたい北斗が現れる。
北斗は、Aの世界線では決して夕里子を手に入れることができない。そのため、夕里子を自分のものにできるBの世界線を作り出すために、貞市の籠りが入った日記を手に入れ、周囲を操っていく。
Aの世界線では米兵に殺されるはずの貞市も、Bの世界線では生き延びており、二人の仲間の日本兵を殺して(おそら -
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ネタバレ舘様が映画で出演するので原作読んでみようと言うことで読みました。
読み終えて、も〜ほんとキモいと言う感想しか出て来ません。終わり方が本当にイヤ。常軌を逸したストーカー。
死んだ人間よりも生きてる人間の方が数倍も怖い。
オカルトSFホラー展開で終始生きのびることにとんでもない執着を持つ死者の話ではなかったです。これは夕里子に異常な執着を持つ北斗の話です。北斗自体はスマートな感じで描かれるのであからさまな執着ストーカーと分かりにくいが、だからこそ最後のキモさが際立ってるという。
結構グロテスクな表現あり。グロホラーな小説は自分が小中学生ぐらいのときに流行った山田悠介を読んだ以来なのであの時の気持ち -
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面白かった。モキュメンタリーホラーの体裁をとった今っぽいホラーではありつつも、テーマ性のある怪談話をまとめた短編集でもあるという感じ。著者は決して若い方ではないようで、文体というか書き口も落ち着きがあるし、物語そのものもとっ散らかっていなくてまとまっているから、なんというか信用できる書き手という印象を持ったかも。はじめての1冊だったので、いくつか読んでみたい。どうでもいいけど、ホラー小説の出版社ってきっと怪異に満ちているのだろう、みたいなこと自体は、ちょっと俗っぽい考えというか、言い方わるいけど妙におっさんっぽく思ってしまったかも。でもそれ自体もネタにしているというか、自身の年齢性別とかに言及
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『角川ホラー文庫』
30年も続く角川ならではのジャンル。
私も江戸川乱歩や夢野久作の作品は、角川ホラー文庫のものを持っている。
ホラーというのは、なぜ、求めてしまうんだろうか。
人によるとは思うが、私にとってのホラーは、切っても離せないようなものである。
私に霊感があることも理由の一つだが、YouTubeで怪談を聞いてしまったり、不定期的に怖い本を読みたくなったりするのだ。
純文学作家がたちが何年も前からゾクっとするホラーを書いていること。現在でもホラーを求める人がいること。
やはり人間はホラーというものから逃れられない。
ホラーは、時代と共に求められる作風が変わっていく。
最近で -
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ネタバレ粗筋だけで購入したら『火喰鳥を、喰う』の前日譚だと後から知る。
ただ未読でも特に問題なかった。
探偵役であり『火喰鳥を、喰う』にも登場の北斗総一郎の出番は作中後半だし、基本的にライターの主人公の視点で進むので、これ単独で読んでも十分に楽しめた。
過去の事件を調べるうちに関係者も、そして調べ出した側にも死者が出てくる始末。
ホラー文庫ということもあって、これは本当に祟りか霊的何かと疑心暗鬼になったところで登場の北斗は、ある意味雰囲気ブレイカーというか、逆転の一手になったと思う。
一度無理と思わせてからの罠張り、どんでん返しは爽快すら覚えた。
真相が分かってみれば単純で、作中にちゃんと伏線も用