島崎藤村のレビュー一覧

  • 夜明け前 第二部下

    購入済み

    日本の未来、新発見

    ついに読み終わりました。
    あらすじを知っているから主人公の破滅がいつかいつかとハラハラしながら読んでいたが、かなり終盤に、それも突然にやってきて、驚きました。
    何かに一所懸命になっても、まわりに評価されずに悶々と過ごすことは、誰にでも経験があること。とはいえ、こんな道しか残されていなかったのか、寂しい読後感です。

    それでもヒトでいる限り、苦労と楽しみは必ずあります。先憂後楽という言葉が身に詰まります。

    #深い #切ない #ドキドキハラハラ

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    2022年08月17日
  • 夜明け前 第二部上

    購入済み

    日本の暗部、再発見

    明治時代になって万民が改革を受け入れていたようにテレビや学校では教えているけれど、やっぱり一般人は易々と受け入れられないよね。
    どんな立派な思想よりも、今の自分の周りの生活がどんなに楽になるか、目に見えて変わらないと信じられない。それがしっかりと描写されている。改革を受け入れる覚悟をした主人公にはかわいそうだけれど。

    #感動する #怖い #タメになる

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    2022年08月17日
  • 夜明け前 第一部下

    購入済み

    日本の歴史、新発見

    江戸時代は封建制度が厳しくて、権力者による略奪や横暴に民衆が振り回されている印象が強かったけれど、待遇を改善するために上申する描写があって、驚きです。

    江戸時代の文化や智慧の礎があって、今の私たちの生活があることに感謝です。

    #タメになる #深い #感動する

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    2022年07月07日
  • 夜明け前 第一部上

    購入済み

    日本の魅力、再発見

    幕末から近代の歴史を改めて勉強しています。
    過剰に演出された維新の英雄譚よりも、庶民の日常生活が様変わりしていく情景が、鮮やかに表現されています。

    日本の木を守る文化もこうして守られていたのですね。
    感謝。

    #感動する #タメになる #深い

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    2022年07月07日
  • 破戒(新潮文庫)

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    印象は、24の瞳に近い。
    しかし、物語が具体的で、悲しく、胸を締め付けるような気持ちになることが多かった。

    これが数十年前に当たり前の価値観としてやり取りがされていたというは、、ショック。
    現在でも地域性かもしれないが。

    小説として、素晴らしい出来だと感じた。

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    2023年07月13日
  • 破戒

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    "部落差別について、その不条理、心情、世間の風、などを知ることのできる小説。文学。
    生まれた場所で、村で差別をしていたこと。脈々と紡いだ歴史の中でそれが積み重ねられ、明治、大正、昭和にかけても名残があったことを知る。"

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    2018年10月28日
  • 破戒(新潮文庫)

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    主人公の丑松は、生徒や教師仲間からも信頼される20代の学校教師である。しかし、周りからは常に考え事をしていて何かに苦悶してるかのようにも思われていた。その苦悶の原因は、丑松の生まれは部落であり、彼自身がその事実について世間から隠し続けてきたことであった。小説の中には、穢多という今では差別用語とされている直接的表現が何度も出てくる。他にも、新平民、賤民などといった言葉が平然と使われており、差別を是としていた当時の時代背景と空気感が垣間見え21世紀に生きる我々にとってはショッキングですらある。

    部落民として苦悩とともに生きてきた丑松の父は、どんなことがあろうとも自分の身分を他人に打ち明けてはなら

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    2024年05月25日
  • 夜明け前 第一部下

    ネタバレ 購入済み

    20世紀を代表する歴史小説と言えます。 候文、漢詩、和歌等現代人には判読不慣れな文体が随所に出てきますが、維新前後の日本の状況に関し詳細に書かれた内容は他に例を見ません。 現代歴史作家の著作を読まれる前に是非一読したい名作です。 西郷隆盛、坂本龍馬、新選組等々が単に維新のごく一部でしかないことに気が付くはずです。 島崎藤村は正に文豪です。

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    2018年06月12日
  • 破戒

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    ネタバレ

    ただただ「根が深い」という感覚を覚えた。
    同和問題は西日本で主に語られる、という印象でいたが、舞台は長野である。

    主人公の瀬川丑松が段々と追い詰められる様は読み応えがあった。「川の向こう・・・」という表現が、本当に出てきた表現であり、戦後であれそれは存在した表現であるそうだ。
    そして、彼が独白するシーンの後、生徒が校長室に直談判をしにいく、その様も感動的であった。

    最終的に彼は厄介払いのように扱われてしまう。

    同和問題は今にも尾を引く問題である。大阪符豊中市の森友学園の場所は、関西では公然の秘密のように語られる場所であるそうだ。今後どうなっていくのか。問いかけられている気がした。

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    2018年04月16日
  • 夜明け前 第二部(下)(新潮文庫)

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    島崎藤村は文豪として知られるが、読書家の知人を見渡しても夏目漱石などと比べあまり読まれていないという印象を受ける。私自身島村には馴染みはなかったが、書店でふと目に止まりあらすじを見たところ引き込まれ、全4巻一気に読んでしまった。私が読んだ歴史小説の中で傑作中の傑作である。

    夜明け前の主人公のモデルは平田篤胤の国学に心酔する宿場町の庄屋であり、「古き良き時代」を取り戻そうという志を胸に秘める。それはすなわち、武家政権を倒し古事記の時代にあるような王政を復古させるというものだった。一介の庄屋という高くはない身分の主人公であったが、勤皇の志士に便宜を図ったり草莽の志士たちが集う会合に出席したりして

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    2017年12月17日
  • 夜明け前 第二部(上)(新潮文庫)

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    島崎藤村は文豪として知られるが、読書家の知人を見渡しても夏目漱石などと比べあまり読まれていないという印象を受ける。私自身島村には馴染みはなかったが、書店でふと目に止まりあらすじを見たところ引き込まれ、全4巻一気に読んでしまった。私が読んだ歴史小説の中で傑作中の傑作である。

    夜明け前の主人公のモデルは平田篤胤の国学に心酔する宿場町の庄屋であり、「古き良き時代」を取り戻そうという志を胸に秘める。それはすなわち、武家政権を倒し古事記の時代にあるような王政を復古させるというものだった。一介の庄屋という高くはない身分の主人公であったが、勤皇の志士に便宜を図ったり草莽の志士たちが集う会合に出席したりして

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    2017年12月17日
  • 夜明け前 第一部(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    島崎藤村は文豪として知られるが、読書家の知人を見渡しても夏目漱石などと比べあまり読まれていないという印象を受ける。私自身島村には馴染みはなかったが、書店でふと目に止まりあらすじを見たところ引き込まれ、全4巻一気に読んでしまった。私が読んだ歴史小説の中で傑作中の傑作である。

    夜明け前の主人公のモデルは平田篤胤の国学に心酔する宿場町の庄屋であり、「古き良き時代」を取り戻そうという志を胸に秘める。それはすなわち、武家政権を倒し古事記の時代にあるような王政を復古させるというものだった。一介の庄屋という高くはない身分の主人公であったが、勤皇の志士に便宜を図ったり草莽の志士たちが集う会合に出席したりして

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    2017年12月17日
  • 夜明け前 第一部(上)(新潮文庫)

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    島崎藤村は文豪として知られるが、読書家の知人を見渡しても夏目漱石などと比べあまり読まれていないという印象を受ける。私自身島村には馴染みはなかったが、書店でふと目に止まりあらすじを見たところ引き込まれ、全4巻一気に読んでしまった。私が読んだ歴史小説の中で傑作中の傑作である。

    夜明け前の主人公のモデルは平田篤胤の国学に心酔する宿場町の庄屋であり、「古き良き時代」を取り戻そうという志を胸に秘める。それはすなわち、武家政権を倒し古事記の時代にあるような王政を復古させるというものだった。一介の庄屋という高くはない身分の主人公であったが、勤皇の志士に便宜を図ったり草莽の志士たちが集う会合に出席したりして

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    2017年12月17日
  • 藤村詩集(新潮文庫)

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    まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛の 花ある君と思うひけり (初恋) なんともういういしい抒情ですね(^-^)

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    2015年12月22日
  • 破戒

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    穢多非人に対する日本内での人種差別の物語。日本には人種差別はもはや存在しないと考えたが、滅相もない。空気読むなど、周りの反応に合わせる日本人は実際見た目、内面が異なる人間を精神的に迫害することが今でも行われてるじゃないか!とハッと気付かされた。

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    2015年01月12日
  • 藤村詩集(新潮文庫)

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    改めてこの時代の詩人の言葉に対する感性を思い知る。
    戀という言葉の愛らしく、美しいこと。
    この感性を日本人が失いつつあることを惜しむ。

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    2014年07月14日
  • 破戒

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    島崎藤村の『破戒』は明治39年(1906)刊行。

    士農工商の封建社会の身分制度が、「解放令」(1871)によって崩壊するかに見えた時代に書かれた作品で、自然主義文学の先駆と呼ばれる。しかし、この法令によってそれまでの身分社会が急速に変わることはなく、主人公の丑松をはじめとした苦しむ人々が登場する。結局、人の中に刷り込まれた差別意識は簡単に変わらない。
    自信が穢多であることを床に顔をつけて告白する丑松。彼が穢多であることと、彼自身の人物性との間に穢多であることがどう関係するというのか。事実、彼は学校では生徒から絶大な人望を寄せられている。銀之助、お志保など、彼の素性を知ってなお彼を支えようとす

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    2014年06月28日
  • 夜明け前 第一部(上)(新潮文庫)

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    木曽路、馬籠本陣の主人青山吉左衛門の子、青山半蔵は、平田派の国学に心を傾け、平田鉄胤の門人となる。黒船来航により日本の有り様が大きく揺れ動き、尊王攘夷の気運が高まる中で、青山半蔵は自らのあり方や日本の国のあり方に思いを致す。
    日本という国が、外からの圧力もあり、変革を不可避とされた状況の中で、平田派国学を理想に掲げた主人公青山半蔵は、どのように考え、生きようとするのだろうか。

    時代は移り、明治維新を遠くすぎた現代もまた、変革を余儀なくされている状況に変わりはない。一市民として、理想とはなにか、時代の変化の中で個人の生き方はどうあるべきなのか。単なる過去ではなく、そこから何か普遍的に語りかけて

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    2012年12月02日
  • 破戒

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    ネタバレ

    士農工商穢多非人.
    明治以降に定められた身分制度に焦点を当てた,
    文学界ではあまり類を見ない作品.

    初めに感じたのが,文章の平易さと読みやすさである.改訂版で
    あるから,多くの歴史的仮名づかいが現代仮名づかいへと変更
    されていることは容易に想像できる.それが原因かは定かではないが,
    同時期に発表された漱石の作品と比べるとはるかに理解しやすい.
    また,共に自然主義を確立させた花袋よりも好印象を持った.
    急に波風が立つことはなく,ストーリーは緩やかに進む.
    自然主義たる威厳を十二分に示している.ここで,先に述べた
    文章の平易さが潤滑油となり,理解の困難から来る退屈を決して
    味わうことはない.

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    2012年02月23日
  • 千曲川のスケッチ(新潮文庫)

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    ほぼ30年ぶりの再読。美しい文章だとつくづく思う。地理的、物理的だけでなく、時間的な対比を使って街の、人の様子をいきいきと描いている。あとがきも当時の文壇の様子を伝える貴重な資料となっている。

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    2011年03月02日