島崎藤村のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読んだきっかけ:100円で買った。
かかった時間:7/19-9/24(68日くらい)
解説(帯より):新政府は半蔵が夢見ていたものではなかった。戸長を免職され、神に仕えたいと飛騨の神社の宮司になるが、ここでも溢れる情熱は報われない。木曾に帰り、隠居した彼は仕事もなく、村の子供の教育に熱中する。しかし、夢を失い、失望した彼はしだいに幻覚を見るようになり、遂には座敷牢に監禁されてしまうのだった。小説の完成に7年の歳月を要した藤村最後の長編である。
感想:決してつまらなかったわけではない…といいたいのですが、これだけ読むのに時間がかかったということは、つまらなかったのでしょう。やはり、文 -
Posted by ブクログ
部落問題を扱った小説。
作者は、人間は平等だという前提でこれを書いた。
けれど解説にある通り、その根拠が小説中に示されない。
だから、差別を考える際の根本的な問題「人間は本当に平等か?」という問いには踏み込めていない。問題提起で止まっている。しかも、その根拠を示していないのだから議論で言ったら、文句を言うだけのクレーマーの位置にあたる。
また、第一章の(三)では、主人公の出自について、外国からの帰化人ではない旨が書いてある。つまり、主人公は穢多として差別される対象でありながら、ナショナリズムによって異邦人を差別する主体でもあったということだ。
作中では、それは具体的な形では描かれないが作者の