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鳥羽伏見の戦いが行われ、遂に徳川慶喜征討令が出される。東征軍のうち東山道軍は木曽路を進み、半蔵は一庄屋としてできる限りの手助けをしようとするが、期待した村民の反応は冷やかなものだった。官軍と旧幕府派の激しい戦いの末、官軍方が勝利をおさめ、江戸は東京と改められて都が移された。あらゆる物が新しく造り替えられる中で、半蔵は新政府や村民の為に奔走するのだった。
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Posted by ブクログ
島崎藤村は文豪として知られるが、読書家の知人を見渡しても夏目漱石などと比べあまり読まれていないという印象を受ける。私自身島村には馴染みはなかったが、書店でふと目に止まりあらすじを見たところ引き込まれ、全4巻一気に読んでしまった。私が読んだ歴史小説の中で傑作中の傑作である。 夜明け前の主人公のモデル...続きを読むは平田篤胤の国学に心酔する宿場町の庄屋であり、「古き良き時代」を取り戻そうという志を胸に秘める。それはすなわち、武家政権を倒し古事記の時代にあるような王政を復古させるというものだった。一介の庄屋という高くはない身分の主人公であったが、勤皇の志士に便宜を図ったり草莽の志士たちが集う会合に出席したりして、彼は復古運動に密かに情熱を注ぐ。折しも幕末。開国によって社会が混迷を深める中、彼らの運動は多くの人々の心をとらえていった。 封建制の下諸藩に強い影響力を及ぼしていた徳川幕府の力も幕末の荒波によって地に落ち、ついに大政奉還によって待ち望んでいた「復古」がなされたかに見えた。しかし現実は思わぬ方向へと進む。西欧の文物が急速に流入し、国学を信奉する主人公の居場所は次第になくなっていったのだ。かれはやがて発狂し、その生涯の幕を閉じる。 島村は、本書に「夜明け前」という題名をつけた。近代化という夜明けの前にあった出来事という意味なのだと思う。しかし私は、この題名は、その響きのもつ芸術性は別にして、どうしても本質からずれているように思えてならない。本書は決して、近代化の直前にあった話という単純なものではないと思う。むしろ、近代そのものの話であるはずだ。近代化にとってどうしても必要だった何か、表立っては語られないが近代を影で成立させている何か、その「何か」が本書のテーマだと考える。いずれにせよ、「近代国家日本」が曲がり角に差し掛かっている今だからこそ、この作品は大きな意味を帯びるようになるだろう。
幕府の大政奉還後、一気に時代は加速していく。明治政府の誕生や京都東京への遷都。長かった青山半蔵の物語もようやく大きな転換期を迎えることで、ページをめくる手は止まらなくなっていく。半蔵はひたすら人民のためを思い、改革への熱情を募らせて奔走するものの、彼の期待とは裏腹に地元の人間は冷ややかな態度ばかり取...続きを読むり続ける。しかし平田門人として半蔵は希望を捨てようとしない。恐ろしいほど変化していく時代の中で、彼は自らの信念を貫こうとするが…下巻へと物語は続くが、起こりうる悲劇を予感させながら上巻は終わる。 ようやく、ドラマがドラマらしくなって、読み応えもぐっと増え始めてきた。最終巻である下巻に期待。
第一部は、主人公の言動が7割、歴史的背景が3割ぐらいだったが、第二部は逆転。 政治情勢や、世情の変動についての説明が詳しい。 もちろんそうしてもらわないと、こちらは状況がわからないし、そうした部分も、かなり興味深い。 版籍奉還から廃藩置県といった大きな制度の変転のもとで、主人公たちに直接かかわる庄...続きを読む屋や宿場の制度も急激に改められていく。 暮らしの変化の中で、闇を透かして見ても、時代の先はまだ見通せない。 主人公たちばかりでなく、この時代のほとんどの人がそうだったろう。 まさに夜明け前だ。
官軍と幕府軍の戦いが激しくなり、中山道の往来も慌ただしくなる。半蔵の父親も隠居し元気がなくなってきた。大政奉還となり、施政も大きく変わっていく。昔を名残惜しむ暇もない。2020.7.7
読んだきっかけ:100円で買った。 かかった時間:5/30-7/18(50日くらい) 解説(帯より):鳥羽伏見の戦いが行われ、遂に徳川慶喜討伐令が出される。東征軍のうち東山道軍は木曽路を進み、半蔵は一庄屋としてできる限りの手助けをするが、期待した村民の反応は冷ややかなものだった。官軍と旧幕府...続きを読む派の激しい戦いの末、官軍方が勝利をおさめ、江戸は東京都改められて都が移された。あらゆる物が新しく造りかえられる中で、半蔵は新政府や村民のために奔走するのだった。
書き出しがあまりに有名な、幕末から明治にかけての馬籠宿を舞台にした島崎藤村の小説。なんとなく森鷗外「舞姫」のような文体を想像していたので、意外と読みやすくてビックリした。さて、本作の主人公・青山半蔵は、本陣の当主であり、参覲交代や長州征伐などさまざまなできごとを通して、激動の時代を描き出している。幕...続きを読む末を舞台にした小説ではやれ坂本龍馬だのやれ勝海舟だのといった志士たちがとかく主人公になりがちであるから、フィクションとはいえ、こういう田舎のいち宿場町を通してこの時代を見つめるということが非常に新鮮で興味深かった。また、この時代に順応しようとする一方で、昔から信奉する国学に固執し、時代に抗おうともする半蔵のアンビヴァレントな感じも興味深かった。そして、なんといってもその怒濤の展開。時代が時代であるだけに、淡淡と日常を描くだけでも十分に物語になるはずであるが、やはり文学史上に残り続けているだけあって、それだけでは終わらない。自殺未遂やら発狂やら、後半には昼ドラも真っ青のエピソードが続く。まったく想像もしていなかったのでビックリしたが、そもそもこの内容でこの結末になると予想できる人がいるであろうか。半蔵は藤村の父・正樹がモデルのようだが、藤村本人も姪との関係をめぐって問題になったのは有名な話。半蔵=正樹の晩年の様子を見ていると、「血は争えない」ということがよくわかる。全篇を通してとにかく揺れ動く感情、揺れ動く時代、揺れ動く馬籠が巧みに表現されていて、しかもおもしろさも持ち合わせた、紛うことなき傑作である。
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